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【日経BP】「誹謗中傷合戦」はもう見飽きた?―今年の米大統領選で批判キャンペーンが控えめな理由
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投稿者 passenger 日時 2008 年 3 月 05 日 09:58:29: eZ/Nw96TErl1Y
 


【日経BP】「誹謗中傷合戦」はもう見飽きた?―今年の米大統領選で批判キャンペーンが控えめな理由

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http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080303/148654/

「誹謗中傷合戦」はもう見飽きた?
今年の米大統領選で批判キャンペーンが控えめな理由

      2008年3月5日 水曜日
      政治・経済  米国  米大統領選  ネガティブ広告  選挙キャンペーン 
      David Kiley (BusinessWeek誌、デトロイト支局上級記者)
      米国時間2008年2月25日更新 「No Hate in '08?」


 ヒラリー・クリントン上院議員(民主党、ニューヨーク州選出)の陣営は、2月中旬になって初めて、バラク・オバマ上院議員(民主党、イリノイ州選出)に対する批判攻撃、いわゆるネガティブ・キャンペーンを展開した。

 オバマ候補がウィスコンシン州での討論会開催に応じなかったことに対し、「質問に答えるよりも演説がお好きなようだ」と揶揄するテレビ広告を流したのだ。この広告は、2月20日、同州の予備選挙でオバマ候補が17ポイント差をつけて勝利するまで放映され続け、オバマ氏の提唱する健康保険改革案もコストがかかりすぎると批判した。

 だがこの批判は、オバマ氏の急所を突くほど痛烈なものではない。そしてこのことは、2008年の大統領選における批判広告戦の現状について多くのことを教えてくれる。選挙の時期には、過激な個人攻撃がいつ繰り広げられてもおかしくはない。大統領選が本格化すればなおさらだ。

 ただ、今のところ各候補は、対立候補への攻撃を有効と考える選挙戦略と、相手を批判すれば逆効果で有権者離れを招くとする選挙戦略との狭間で揺れている。

 クリントン候補は2月21日、オバマ候補と同じ舞台に立てて光栄だと言ってのけたかと思うと、それから1週間も経たないオハイオの演説会場で、「希望」ばかりを連呼するオバマ候補のキャンペーンを揶揄した。
 
 「対立候補批判のルールが変わりつつある」と、共和党の参謀を長年務めてきたエド・ロジャーズ氏は言う。「今後選挙戦が進むにつれ、それがどんなルールなのかがはっきりしてくるだろう」。


●誹謗中傷合戦が続いた過去の大統領選

 ロジャーズ氏のような選挙参謀にとって、これまでの選挙戦の戦術はもっと簡単だった。1988年当時、ロジャーズ氏が参謀を務めたジョージ・H・W・ブッシュ候補の陣営は、共和党の政治活動委員会(PAC)が制作した、ウィリー・ホートンという犯罪者をめぐる、あざとい広告を流して形勢を有利にした。

 ブッシュ陣営はこの広告で、マサチューセッツ州に収監されていた殺人犯ホートンが一時出所中にレイプ事件を起こした問題を取り上げ、その責任を当時の民主党候補で同州知事だったマイケル・デュカキスに結びつけた。

 さらにブッシュ陣営は、囚人の一時出所制度を問題視したテレビ広告を独自に制作して放映した。ロジャーズ氏によれば、囚人の一時出所問題は保守層の有権者にとって投票の際の「重要な」判断材料になり、また多数の無党派層もブッシュ支持へとなびいた。この作戦が功を奏して、ブッシュ氏は大統領の座を勝ち取ったのである。

 以前から、アンケートやグループインタビューに答える有権者は、ネガティブ広告(対立候補を批判する広告)を好まないと答えてきた。しかし、ネガティブ広告を駆使した選挙キャンペーンを支持する人々は、自らの経験や他の調査結果に基づいて、形勢が互角の選挙戦ではネガティブ広告が効果を発揮すると主張する。

 激戦となった2004年の大統領選の終盤、米ノートルダム大学メンドーサ経営大学院の研究者たちはネガティブ広告の実験を行った。145人の大学院生を対象に、共和党候補のジョージ・W・ブッシュ現大統領と民主党候補ケリー上院議員を標的とした一連の批判広告を見せ、その広告を見る前と後で支持率がどう変化したかを調査したのだ。

 広告を見た大学院生の大半は支持候補を変えなかったものの、14%は他の候補へ支持を切り替えた。これだけの効果があるために、一部の選挙参謀は批判広告が有効だと確信した。

●正々堂々とした戦いが今風

 だがそれも過去の話だ。今回、有権者たちは、ウィリー・ホートン型のネガティブ広告や、候補者個人への誹謗中傷や攻撃を好ましくないと見ているようだ。近年の大統領選で繰り広げられた中傷合戦に、有権者はほとほと嫌気がさしているように見える。

 サウスカロライナ州の民主党討論会で、クリントン候補はかつてオバマ候補がシカゴのスラム街の金持ちの大物の弁護を務めていたと中傷し、支持者からも厳しく批判された。2月20日のニューヨーク・タイムズ紙は、共和党の大統領候補ジョン・マケイン上院議員(アリゾナ州選出)と通信業界ロビイストの女性との“親密な”関係をほのめかしたが、これもブログやラジオ、テレビ番組で厳しく批判された。

 広告の専門家たちの指摘によれば、今回有権者に含まれる18〜29歳の“新世紀世代”2500万人の世代は、とりわけネガティブキャンペーンを嫌う傾向があるという。

 「かつての若者たちの間には、斜に構えることをスマートと考える風潮があった。今はひねくれていない方がスマートだと見なされている」と、米インターパブリック・グループ(IPG)の広告会社ドイチェ(本社:ロサンゼルス)の共同社長、エリック・ハーシュバーグ氏は言う。同社が独自に制作した「オバマ候補支援ビデオ」は口コミで話題を呼び、オバマ陣営の選挙キャンペーン活動用ウェブサイトに掲載された。

 当然ながら、「批判広告はみっともない」というこの時流に最もうまく乗っているのがオバマ氏だ。彼が唱える「希望」「変革」などの前向きなメッセージ、そして史上初の黒人大統領が誕生するかもしれないという期待感が相まって、オバマ氏は急速に大統領の座に近づきつつある。

 アメリカン・リサーチ・グループが行った世論調査では、ウィスコンシン州でクリントン陣営がネガティブ広告を放送し始めた頃、クリントン候補の支持票がオバマ候補に流れ、オバマ候補が同州で勢いを増したとの結果が出た。

 今回の選挙戦では世論調査の結果はあまりあてにならないし、広告が調査結果にどのような影響を与えたのか知る方法もない。

 だがクリントン候補のある選挙参謀が匿名を条件に、オバマ候補に対する非難攻撃に反対する理由を明かしてくれた。クリントン陣営で18〜30歳の有権者にネガティブ広告の効果をテストしたところ、「みな、ただ対立候補に対していわれのない中傷をしていると受け取り、狙いとは逆に否定的な反応が広がるだけで全く効果がなかった」と、この参謀は語る。この件に関してクリントン陣営は公式なコメントを避けている。


●ロムニー候補の失敗に学ぶ

 共和党の選挙対策顧問たちも個人攻撃には慎重になっている。前マサチューセッツ州知事のミット・ロムニー候補がネガティブ広告を流して失敗したためだ。

 ロムニー候補はまず昨年12月、マケイン候補、マイク・ハッカビー候補を批判する広告を流した。その後、フロリダ州でさらにネガティブ広告を拡大した結果、予備戦から撤退するはめになった。ロムニー候補の選挙参謀を務めたアレックス・ゲージ氏は、批判広告は逆効果だったかもしれないと語っている。しかし、当初の世論調査では、批判広告は効果があるという逆の結論が得られていたのである。

 対立候補を批判する広告を人々に見せてからグループインタビューをしたところ、狙い通りの効果を確認できたのでネガティブ広告を流したのだ、とゲージ氏は言う。調査ではまず調査対象者に個人攻撃広告を見せ、ハッカビー候補についてどんな情報を見聞きしたかなどを尋ねた。さらに同候補を支持して投票する気になったかどうか質問した。「どの調査結果を見ても、有権者たちはハッカビーを支持しなくなっていた」とゲート氏は当時の状況を語る。

 差し当たっての焦点は、特定の候補者を支持する政治団体が、支持する候補者を代弁して対立候補を攻撃するかどうかだ。リベラル派インターネット市民活動団体「ムーブオン・ドット・オーグ」は今後11月の本選挙までの間に4500万ドルを投じ、その大半を対立候補を標的にしたネガティブ広告に充てると表明している。イラク派兵を支持するマケイン候補の姿勢がまず槍玉に挙がるだろう。

 一方、保守系団体「自由の監視団」は、2億5000万ドルもの資金を投じて、イラク派兵に反対する民主党の候補たちを打倒することを計画している。昨年はイラク占領政策への議会の支持を取りつけるために1500万ドルを費やし、昨年夏から秋にかけてテレビ広告を流した。広告の大半は、テロ攻撃の映像で恐怖心をあおるのではなく、イラクに派遣された兵士や戦死した兵士の家族を登場させて、イラク派兵への支持を訴えるものだった。

 「自由の監視団」の幹部は、オバマ候補の経験不足は格好の標的ではあるが、広告ではオバマ氏個人への攻撃を極力抑え、もっぱら彼の掲げる政策を批判する意向だという。「無党派層や支持候補を決めかねている有権者が以前より増えている現状では、従来のやり方では勝てない」と広報担当のエド・パトル氏は説明する。今回の大統領選は「幅広い中間層」の共感を勝ち得た候補が勝利すると予測しているのだ。

 では、批判広告はもう重視されないということなのだろうか。それは、いずれ明らかになるはずだ。


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