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近づく米大統領選/ブッシュ政権の決算/下/軍事・外交/「アメリカ後」見越し【しんぶん赤旗】
テーマ:戦争と平和、靖国問題
近づく米大統領選/ブッシュ政権の決算/下/軍事・外交/「アメリカ後」見越し
2008.10.30 日刊紙 1頁 総合 (全1,113字)
米国のアメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)は、イラク戦争開始一月前にブッシュ大統領が戦争目的を演説したことで知られる保守系シンクタンクです。その研究所が二十二日、討論会を開きました。題して「米国の時代の終わり」―。
戦略めぐり混迷
朝九時からの会合にもかかわらず、経済専門家など多数が参加。基調講演したのはレーガン大統領の経済政策諮問会議に参画した米カーネギー・メロン大学のアラン・メルツァー教授です。米国の地位低下に危機感を抱きつつ、「(米国の軍事力を)どう影響力として行使していくかについて意見が割れている」と指摘しました。
米国では、保守派から進歩派まで、外交のあり方をめぐって議論が百出しています。「アメリカ後の時代」を見越して、ブッシュ政権八年の対外政策を取り繕い、強大な軍事力をどう位置付けるかの新たな戦略論の必要性が認識されているためです。
背景にあるのは、イラク、アフガニスタンの二つの戦争の犠牲を強いられた国民意識の変化です。

「今すぐイラクから撤退せよ」と共和党大会会場へ向けて行進した反戦デモ=1日、セントポール(鎌塚由美撮影)
米ハーバード大学ケネディースクールの研究機関と世論調査会社メリマン・リバーグループが共同で行った世論調査(十五日発表)では、大統領が軍を使うときは、米国自身を守り、敵の攻撃に反撃するときに限るべきだと回答したのが72%。米国の国益のために世界で軍事力を行使すべきだと回答した21%を大きく上回りました。
十五日、最後となった大統領候補討論会にかけつけた市民からは「イラクはますます状況が悪化している。この戦争は、国民生活にとっても大きな負担だ」との声が聞かれました。戦争政策への拒否感は根強いものがあります。
単独行動主義の破たんを受け、ブッシュ政権は、北朝鮮核問題をめぐる六カ国協議の積極的促進など、問題によっては外交解決を重視する姿勢もとるようになりました。この変化が大統領選の論戦にも影響しています。
民主党のオバマ氏がイラン核問題などの解決で「外交第一」姿勢を強調すれば、ブッシュ与党・共和党のマケイン上院議員も「同盟国に耳を傾ける」と“外交重視”の立場を強調せざるをえなくなっています。
戦争継続に固執
ブッシュ大統領がイラク戦争の“勝利”を誇った四年前とは様変わりした様相に「外交が戻ってきた」(米紙ワシントン・ポスト二十六日付)との指摘も出始めています。ただ、オバマ、マケイン両氏ともアフガン戦争の継続では一致、強大な軍事力の維持や、国連決議抜きの単独武力行使、ブッシュ政権の先制攻撃戦略をやめるとは表明していません。
どちらが政権に就くにせよ、軍事優先の政策は巨額の軍事費とともに引き続き重しになっていくに違いありません。
(ワシントン=小林俊哉) (おわり)
しんぶん赤旗