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天然ガス紛争、被害者はどちら?【JBPress】
http://www.asyura2.com/08/kokusai3/msg/528.html
投稿者 tk 日時 2009 年 1 月 12 日 23:30:59: fNs.vR2niMp1.
 

(回答先: 欧州各国へは500ドル。ロシアは450ドル。ウクライナは450ドルの半分以下を希望。(ロイター、1月5日) 投稿者 tk 日時 2009 年 1 月 08 日 22:58:56)

こっちでは欧州むけは418ドルで、今までの値段は180ドルだったと書いてある。

それで、「その価格にもかかわらず、ウクライナは20億ドル以上を滞納していた」ということ。

それで「天然ガス購入費用のさらなる増加は財政を破綻させる恐れさえもある」という。

要するに生活困窮者が代金滞納でガスを止められた、という話らしい。個人だったら、同情するね。でも、もうちょっと考えてから独立・離縁すればよかったのに・・。

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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/416?page=1

天然ガス紛争、被害者はどちら?
2009年01月09日(Fri) コンスタンチン・サルキソフ

2009年、ロシア関連の最初のトップニュースは、ロシアの天然ガス独占企業、ガスプロムが、ウクライナへの天然ガス供給を1月1日から停止したというものだった。ウクライナはかつてソビエト連邦を構成していた国の1つである。ロシアは再度、隣国との「天然ガス戦争」に踏み切ったのだ。

 2006年にガス価格交渉が決裂し、供給を停止された時、ウクライナはもちろん、米もロシアを猛烈に批判していた。だが、今回はその時ほどの激しい反応は見せていない。

 当時、「ロシアがエネルギー供給を政治圧力に使用している」と糾弾していた米国務省も、今回は「交渉を通じて問題の決着を見出してほしい」と穏やかに反応している。ロシア産の天然ガスで需要の20%を賄う欧州各国は、供給の削減を恐れて「1日も早く問題を解決してほしい」と訴えるだけだ。

持てる国と持たざる国

 この問題は複雑で、エネルギー資源の偏在、世界的な経済危機の影響、外交の駆け引きなど様々な問題が絡み合っている。そのため、問題の真相を特定するのは困難である。

 まずエネルギー資源の偏在に関して言えば、世界の天然ガス確認埋蔵量(2004年時点)の27%はロシアにある。中東地域の埋蔵量は40%でロシアを上回っているが、一国の埋蔵量としてはロシアが世界一だ。ちなみにアジア太平洋地域の埋蔵量は8%しかない。欧州と欧州に近接するアジア(中東抜き)は9%。北米と中南米は8%である。

 ソ連崩壊後、経済改革と民主化の道を歩んでいたロシアにとって、エネルギー資源は大きな拠り所である。政府が内政や外交の政策を立てる際の、いわば土台ともなっていた。

 特に天然ガスはロシアにとって重要なエネルギー資源だ。ロシアの石油埋蔵量は世界の6%。天然ガスの比率の方がはるかに高い。また世界全体の平均可採年数を比べると、石油の46年に対して天然ガスは63年。環境負担も天然ガスの方が低い。さらには世界需要が急速に増えているが、価格は石油ほどには暴落していない。

 そのため、石油の開発に関しては国内外の民間企業の参加を容認しているが、天然ガスに関してはガスプロムを半国営の独占企業とし、世界最大規模のエネルギー企業にすべく後押ししていた。ガスプロムはロシアで生産される天然ガスの90%を押さえ、パイプラインのすべてを所有している。ロシアの税収の約25%は、ガスプロムが支払っている。欧米では、「ロシアは “gazprom.com” だ」と皮肉る声も聞こえる。

 このように天然ガス資源を豊富に持つことは、メリットだけではなくデメリットもある。まず隣の国、特にその国が資源を持たない貧しい国である場合、関係がどうしてもぎくしゃくとしたものになる。問題は、国際世論がどうしても持たざる国の味方となることだ。実際はそうでなくても、「大国が弱いものをいじめている」という印象を与えてしまうのだ。確かにかつてのロシアは、親米国であるウクライナを敵視する時期もあったが、最近は対応を変化させている。

決裂した天然ガスの価格交渉

 ロシアが今回の天然ガス供給停止に至った直接的な原因は、価格交渉の決裂である。

 2008年にウクライナに供給された天然ガスの総量はおよそ550億立方メートル。価格は1000立方メートル当たり180ドルだった。欧州市場の価格(418ドル)の半分以下である。その価格にもかかわらず、ウクライナは20億ドル以上を滞納していた。供給停止を恐れて、負債の大部分を12月中に納入したと言われている。

 2009年に向けた新しい価格交渉でロシアは250ドルの価格を提示したが、ウクライナは201ドルを主張。その後、235ドルまで上げることにいったんは合意したが、最終的に決裂してしまった。

 ウクライナの天然ガスの購入費用は国家予算の20%を超えている。しかし世界金融危機が勃発してから、ウクライナの財政は特にひどい状態だ。天然ガス購入費用のさらなる増加は財政を破綻させる恐れさえもある。

 実は、天然ガスの供給停止はロシアにとっても痛手である。不幸なことに、欧州各国に供給する天然ガスのパイプラインは、ほとんどがウクライナ経由だ。ロシアがウクライナへの供給を停止すれば、ウクライナは欧州向けの分からガスを盗み取るはずだ(実際にウクライナは今まで頻繁にガスの無断抜き取りを行っていた)。その結果、欧州への供給が不足する。そうなると欧州の怒りはウクライナではなく、ロシアに向けられるだろう。

最大の関心事はガス料金の徴収

 2004年の民主革命(オレンジ革命)後、ウクライナの内政は新欧米勢力と親ロ勢力にはっきりと分かれていた。だが現在、両者の対立構造は曖昧になっている。

 ウクライナの中で、権力争いの際に天然ガスの権益がカードの1枚として利用されているのは以前と変わらない。変わったのはロシアの対応である。2年前、ロシアはウクライナの親欧米勢力を抑え、親ロ勢力を支えるために天然ガスのカードをちらつかせていた。だが、ロシアは今そのゲームをやる気がないようだ。

 最大の理由は、世界経済危機によって国際政治の新しい座標軸ができたからである。今や、ロシアにとって最大の関心事は政治よりも経済の立て直しだ。だから親欧米であろうが親ロであろうが、「どっちでもいいから天然ガスの料金をちゃんと払ってくれ」というのがモスクワの雰囲気である。

 ロシアにとって、ウクライナの総選挙で親ロ勢力がたとえ勝ったとしても、その政治的な価値は皆無に等しい。天然ガスの価格交渉がやりやすくなることが、ロシアにとってのメリットなのだ。実際、親ロ国家であるベラルーシとアルメニアはウクライナよりも高い価格を払っている。戦略的なパートナーである中国に対しても、ロシアは同じスタンスだ。

 ロシアが重視する外交の相手は、ウクライナよりも欧州でありオバマの米国である。グルジアとの戦争によって悪化した欧州との関係はようやく回復しつつある。この関係をいかに保っていくかに、ロシアは神経をとがらせている。

 

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