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【FACTA、鼎談 ジェラルド・カーティス×手嶋龍一×阿部重夫】(偽ドル本の手嶋が竹中と同じ慶大教授におさまっています)
http://www.asyura2.com/08/lunchbreak11/msg/438.html
投稿者 小沢内閣待望論 日時 2008 年 6 月 14 日 16:43:05: 4sIKljvd9SgGs
 

http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20080613-02-1101.html
鼎談 ジェラルド・カーティス×手嶋龍一×阿部重夫「オバマと秋刀魚〜日米政治の分かれ目」(4)
2008年6月13日 FACTA
コロンビア大学教授のジェラルド・カーティス氏と、外交ジャーナリストの手嶋龍一氏のお二人を迎えて、5月26日(月)にFACTA主催で開いたFACTAフォーラム・緊急トークイベント「オバマと秋刀魚〜日米政治の分かれ目」の要旨の最終回です。リーダシップ論に話題が絞られてきました(司会はFACTA編集長、阿部重夫)。
 
   *   *   *   *   *
 
手嶋  アメリカ大統領選挙の候補選びの山場、2月のスーパーチューズデーで、カーティス先生は「オバマの命が本当に心配でならない」と仰っていました。アメリカの憲法は人々が武装する権利を認めています。このためミリシアと呼ばれる私的に武装した軍隊がディープ・サウスにはいまなお存在しています。これらの人々はプアー・ホワイトという所得の低い白人層が中心であり、人々の海の中に潜んでいます。オバマはそんな身の危険を承知で、選挙民の海の中に入っていく。アメリカは大統領選挙を通じて人種の軋轢を徐々に乗り越えていく可能性があると思いますが、アメリカ政治の政治地図の極右に潜む「少数の刃」を抜き取ることは至難のわざでしょう。
 
カーティス  アメリカは銃を持つのは自由だから持っている人が多い。誰かが大統領を殺そうとすることは充分あり得る。成功した例もある。僕だけじゃなくて、みんな暗殺の問題を心配している。ヒラリー・クリントンが、ロバート・ケネディは6月に暗殺された、だから私は選挙戦を降りない、と失言したことに大きな反響があった。みな暗殺が頭にあるから、(オバマが殺されればという)意味ではなくても問題になりました。彼女が「(この失言で)ケネディ家が気分を害したのだとしたら謝る」と釈明しましたけどね。オバマはシークレットサービスが昨年夏からついているが、誰かが殺そうと思えばその可能性がある、もしも選挙の前に暗殺されたらアメリカの社会はどうなるのか、非常に怖いことだと思う。
 
手嶋  上院議員になって早々の青年政治家オバマとは、私もワシントンで言葉を交わす機会がありました。でも、大統領への道をめざしはじめて、シークレットサービスを従えたオバマは、やはり別人のように見えます。「暗殺されるかもしれない。にもかかわらず大統領への道を歩む」という堅い意志がオバマという青年政治家を鋼のように鍛えているのでしょう。
 
カーティス  オバマだけではなく、ヒラリーもそういう思いで出馬したと思う。アメリカで政治家として挑戦するとなると、日本ではとても考えられない、死と背中合わせの危険性があります。
 
手嶋  日本のリーダーは暗殺の対象にすらなりませんね。でも1960年代、社会党の浅沼委員長が右翼の青年に暗殺された頃までは、日本の政治も暗殺の季節のなかにあったのです。
 
カーティス  アメリカは西部劇そのもので、これは非常によくない。ただ実際問題として、アメリカは常に暗殺のリスクに直面している。犯罪そのものがアメリカでは誰も驚かないことだから。日本は幸せな国なんです。暗殺される危険がないから、もう少し勇気を出して、命がけで政治をやればいいのにやらない。
 
1週間ほど前に福田総理と1時間話をしたんです。僕は福田さんのバランス感覚、外交の考え方などを評価しています。面白かったのはとても元気だったことです。半年前、大連立未遂のちょっと前もお会いして楽観的だったんですが、今回は前よりも元気でした。「国会がもうすぐ終わる」「まだ総理大臣の座にある」からでしょうか(笑)。中国から胡錦涛主席が来日されて、戦争責任の話は一切なしで会談した。中国では首脳会談の報道が放送された。この訪日はとてもよかったと思う。できるだけのことはやっているし、それ以上はしょうがない、という。
 
でも、福田さんには戦略があるようにみえません。小沢さんも「早く政権交代」と自民党を追い込むだけで、それしかない。政治家は戦略、ビジョン、説得、これが一番大事です。福田さんは戦略もビジョンもなく、説得の努力が足りない。オバマは演説上手ですが、何日も準備しているんです。ほとんど暗記して練習する。福田さんも小沢さんもそのような努力をすべきです。国民を一生懸命説得する努力は政治指導者の義務だと思います。
 
二人で話をすると、説得力のある話も出てくるんですが。国民にむかって、自分のやりたいことはこうだ、ビジョンはこうだ、と丁寧に説明して説得するのがリーダーシップでしょう。福田さんは「いい事をやれば、国民もそのうちわかってくれる」と言う。これはリーダーの言葉ではありませんね。
 
野党と協力が出来なければ、野党のことなど放っておいて、国民に顔を向ければいいんです。小泉さんのようなカリスマ性がある必要はない。8年間大統領をつとめたアイゼンハワーもカリスマ性はなかったが、安心感があった。一番大切なのは説得すること。それが日本の政治家には足りない。今の日本の政治家の大きな構造的問題だと思う。
 
阿部  カーティス先生の新著「政治と秋刀魚」のうち「秋刀魚」の意味は、東京郊外の西荻窪に先生が下宿したときに初めて秋刀魚を食べ、それ以来、日本が好きになったということです。懐かしいあの庶民の味に日本の良さがある。今は一見リーダーシップを失っているようですが、日本の復活へ励ましの言葉と受け取りたい。復活の芽に何があるのか、最後にひとつ挙げていただきたいと思います。
 
カーティス  それの話題をおしゃべりするだけで、また2時間必要になりますね(笑)。日本人は日本を悲観するのが好きな民族だと思う。小松左京が「日本沈没」という小説を書きましたね。大ベストセラーになって、日本は沈没するだろう、ダメになるとみんなが言った。小渕総理も「何かしないと日本に明日はない」というのが口癖だった。小泉さんは全然違う。沈没論的なことを言ったことがない。「がんばればよくなるよ」と。楽観的なメッセージが必要なのをよくわかっていた。
 
日本には「グローバリゼーションにのっかると国がダメになる」と言う方々が多い。他方で「アメリカをまねすべきだ」という勢力も多い。両方の共通点は、日本に自信がないことです。アメリカを真似しないとダメになるという意見に反対する人たちは、ナショナリストを自称していますが、実はいちばん自信のない人たちですね。
 
日本は2千年近い歴史をもって、思想も言葉もアイデアも外国から吸収して自分のものにしてきました。戦後もアメリカが6年間も占領していろいろ改革しましたが、アメリカのような社会にはならなかった。もっと日本に自信をもって、日本を変えていく必要があります。そういうリーダーが求められていると思うが、なかなか出てこない。いずれ出てくると思って、日本の研究を飽きずに続けたいと思っているんですがね。
 
難しい時にリーダーが希望を与えるのは非常に大事なことです。今のアメリカは希望を与えるリーダーが必要です。だからやっぱり希望を与えるオバマが台頭してくるんです。希望を与えて行き先を見据えるのが、リーダーにとって重要だと思います。日本のいいところ、価値のあるところは、もう話す時間がないから、私の本を買って読んでもらえればと思います(笑)。
 
(了:4/4)
 
 
※この記事は、月刊FACTA主催で5月26日に東京・秋葉原で開催したFACTAフォーラム「オバマと秋刀魚〜日米政治の分かれ目」の鼎談の要旨です。
 
   *   *   *   *   *
 
ジェラルド・カーティス
コロンビア大学政治学教授(Burgess Professor Political Science Columbia University)、早稲田大学客員教授、東京財団特別研究員
 
日本政治研究において世界の第一人者であると広く評価される。『代議士の誕生』という著書が、国会議員になるための選挙運動という日本の草の根の民主主義を描いたものとして日本の学界に衝撃を与え、ベストセラーとなった。日本のマスコミにおいても幅広く活動。1982年以来、中日・東京新聞の客員およびコラムニストとして毎月「時代を読む」というコラムを執筆し、朝日、毎日、読売、日本経済新聞、中央公論、文藝春秋、論座、東洋経済その他の雑誌にも多数寄稿。「報道2001」、「時事放談」、NHKの「NHK特集:アメリカの議会と日米関係」、「人間大学:日本の政治をどう見るか」「視点・論点」などのテレビ番組にもしばしば出演している。4月に日経BP社より『政治と秋刀魚』を出版。
 
 
手嶋龍一
外交ジャーナリスト、慶應義塾大学教授
 
元NHK ワシントン支局長。同時多発テロ事件では11日間連続の昼夜放送を担った。2005年にNHKから独立し、翌年発表した『ウルトラ・ダラー』は、大ベストセラーに。日々のニュースが作中の事件を追いかけ現実となっていく手法が「日本初のインテリジェンス小説」と評された。他の著書に、情報小国ニッポンの覚醒を促した『インテリジェンス武器なき戦争』(共著)や、世界の29都市に生起する情報戦を綴った『ライオンと蜘蛛の巣』。90年代前半に執筆した『たそがれ行く日米同盟』『外交敗戦』の2作品は、アメリカ側からも注目され、ハーバード大学の国際問題研究所にフェローとして招聘されるきっかけとなった。現在、慶応義塾大学教授。FACTAで「手嶋龍一式Intelligence」を連載中。4月に講談社より『葡萄酒か、さもなくば銃弾を』を出版。
 
 
阿部重夫
FACTA編集長
 
1948年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95〜98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、ケンブリッジ大学客員研究員。99〜2003年に月刊誌「選択」編集長。05年11月にファクタ出版株式会社を設立し、06年4月に調査報道を主眼とする月刊誌FACTAを創刊した。
 

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