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毎日、新人議員の麻生「ブン屋(新聞記者)は部屋に入れるなと言ったじゃないかっ!」
http://www.asyura2.com/08/lunchbreak13/msg/1000.html
投稿者 小沢内閣待望論 日時 2008 年 11 月 22 日 12:37:54: 4sIKljvd9SgGs
 

http://mainichi.jp/select/seiji/iwami/news/20080924org00m010001000c.html
サンデー時評:麻生さん、「上から目線」ではないか
 週刊誌がむずかしいのは、大型ニュース発生時と発売日が重なったときだ。天変地異や大事件の突発なら致し方ないが、自民党総裁選のように日程が発売日と同じ九月二十二日に決まっているのは、何とも間が悪い。

 予測報道によると、今回は麻生太郎幹事長が新総裁に選出され、二十四日に新首相に指名されるのは確定的だそうだから、乱戦ケースよりはわかりやすいが、その分、サプライズがなく、面白さに欠ける。

 とはいえ、選挙である。最後まで何が起きるかわからない。麻生さんが勝ったとしても、二番手が予想以上に肉薄してくれば、そちらのほうに目が向いたりする。週刊誌としては料理しにくい。

 当コラムの締め切りは総裁選の五日前になっているからなおさら難儀するが、ここは〈麻生首相〉の誕生を前提に、一筆するしかないだろう。各週刊誌の表紙なんか早々に麻生さんの顔を大写しにしているのだから。

 麻生さんの演説には必ずといっていいぐらい、祖父、吉田茂元首相の名前が登場する。先日も高知市の街頭演説で、

「混乱期にあって、薩摩と長州を組ませた坂本竜馬と占領軍と交渉した吉田茂が、大変革の時代を生んだ高知ゆかりの二人の指導者だ」

 などとぶっていた。最近の首相では、小泉純一郎さん、安倍晋三さんに次ぐ三世政治家だが、そのなかでは麻生さんがもっとも祖父の恩恵に浴した。それは別に批判するにあたらないが、吉田さんの孫でなければ麻生さんは首相までのぼりつめなかった、と私は思っている。

 麻生さんの初当選は一九七九年で、その時から面識があるが、初対面はあまりいい記憶ではない。私はすでに政治記者十数年の経験があった。

 ある企画記事の取材で、新人議員の麻生さんの事務所にインタビューを申し入れ、朝、衆院議員会館の部屋で待った。まもなく姿を現した麻生さんは、私の顔を見るなり、

「ブン屋(新聞記者)は部屋に入れるなと言ったじゃないかっ!」

 と男性秘書を大声で一喝したのだ。私は仰天した。この時代にこんな政治家がまだいるのか、という意外性だった。いまと違って当時は、横柄で偏屈な政治家はたくさんいたが、ちょっと度が過ぎた。それと、ひと目で年長者とわかる私に対する非礼だ。

 面をなして諭し、その場で和解して取材も終えた覚えがある。以来、三十年近く、何十回となく会ってきたから、座談の名手でウイットとジョークに富んでいること、話題が豊富でユニークな視点を持っていること、歌がうまいこと、つまり才人・麻生の素顔はよく知っているつもりだ。

 にもかかわらず、こんな古い話を持ち出したのは、吉田さんのDNAである。吉田さんも新聞嫌いだった。吉田内閣が総辞職したとき、内閣記者会が万歳した話も聞いている。

 ◇努力の次元を超える格差 下からの発想を加味せよ
 麻生さんも、先日来の総裁選の討論会の席などで、

「私は新聞は極力読まないようにしている。見るけど読まない」

 と繰り返してきた。祖父受け売りのポーズなら構わないが(それでもあまり言わないほうがいいと思うが)、最高指導者になろうとする人物に、新聞は読まないとあからさまに言い切られると、ちょっと待ってくれ、と思う。昔、

「ブン屋は入れるな」

 と怒鳴られたときの不快を思い起こす。

 新聞は内外の情報源というだけでなく、行間から世間のにおい、空気、溜め息を嗅ぎ取ることができる。指導者がもっとも注視しなければならない〈世情〉を知るのは、新聞だけではないが、まず新聞だ。

 麻生さんは自分の情報収集力、分析力の方が新聞の先を行っている、新聞は大して参考にならない、と考えているのかもしれない。そういう面があることは先刻承知している。

 権力を握れば、そこに集中する情報の密度が、新聞記者が入手できる情報を上回るのは、昔からそうだろう。麻生さんは社長業をやり、日本青年会議所の会頭などをつとめた実績から、経営感覚もプラスされる。だが、それでこと足れりと割り切るのは、いわゆる〈上から目線〉である。

 その目線は決して否定しない。だが、〈下から目線〉が加味されないと、政治はうまく機能しないのではないか。福田康夫さんはしきりに〈国民目線〉を強調したが、結局何のことかわからないまま、投げ出してしまった。やはり、〈下から〉の発想が欠落し、行き詰まったからだろう。

 麻生さんの格差に対する考え方にも、それはよくにじみでている。『とてつもない日本』(新潮新書・〇七年六月刊)のなかで、麻生さんはこう書いた。

〈残念ながら格差が生じた理由が、本人の努力不足のためか、それとも運が悪かったためなのかを、第三者が正確に判断することは不可能だろう。ただし、努力して差がつかなければ、努力する人の数は減ってしまう。その結果、社会から活力が失われるかもしれない。逆にすべてを努力や才能の結果と見なすと、強者のみが生き残ることになる。

「格差はいかん」というだけで中味を考えなければ、決して問題の解決につながらない。〉〈「格差」と「格差感」は似て非なるものではないか、と思うのである〉

 格差感に されてないか、という表題もついている。深刻の度を増す格差問題を、努力・才能、運・不運の尺度だけでずばっと切ってみせるところが、一見わかりやすく麻生さんらしいが、これは明らかに楽天的な〈上から分析〉にほかならない。

 努力、運の次元を超えて広がっているところに、格差問題の核心がある。新聞では〈下から〉の格差情報がふんだんに報じられているのだが、麻生さんはそれを読まないのではなく、読みたくないのではないか。

 以上は麻生論のほんのはしがきである。これから繰り返し書かせてもらう。いまほど政治リーダーの資質が問われているときはないからだ。

<今週のひと言>

 小沢さんの国替えに注目。

(サンデー毎日 2008年10月5日号)

2008年9月24日

 

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