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ブッシュ大統領の中東訪問と日本の中東外交(天木直人のブログ)
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投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 1 月 18 日 11:58:55: twUjz/PjYItws
 

http://www.amakiblog.com/archives/2008/01/18/#000675

2008年01月18日
ブッシュ大統領の中東訪問と日本の中東外交


  野党議員にお願いしたい。一人でもいいからこの質問を国会でぶつけて欲しい。質問相手はもちろん福田首相であり高村外相である。しかし彼らに中東を語る知見はない。外務官僚の作成した答弁を、下を向いて読み上げるだけだ。だからこの質問は外務官僚に対する質問ということになる。外務官僚はどこまで中東情勢を理解しているのか。外務省の中枢は米国しか顔が向いていない。中東を担当する局長さえ対米外交を最重要視し中東情勢など担当官まかせだ。よもや日本の中東外交は米国の中東外交の後方支援ではないだろうな。質問の趣旨はそこにある。
 1月16日ブッシュ大統領は8日間に及ぶ中東歴訪を終えた。6カ国1地域(パレスチナ)に及ぶ、就任8年目にして初めての本格的な中東訪問であった。これは、あの9・11から突然ブッシュ大統領の最優先外交課題となった米国の中東政策の総括である。
 もちろん1年たらずの残りの任期に中東情勢はさらに動くであろう。ブッシュ大統領の再度の中東訪問もありうるかもしれない。しかし今や米国は国内経済問題が火を噴き始めた。ブッシュ政権の残りの任期は経済政策に集中せざるをえないだろう。ブッシュ大統領の中東政策は終わったのである。だから総括するのである。
 今回のブッシュ大統領の中東訪問は何のためだったのか。そしてその成果は何だったのか。日本はそのブッシュ大統領の中東政策をどう評価し、自らの中東政策の反面教師とするのか、これである。
 日本中がアフガン給油問題で大騒ぎしている時、ブッシュ大統領は中東訪問の真っ只中にあった。パレスチナの和平問題、イラクの安定化、イランの孤立化、などという大きな問題について、湾岸諸国や親米アラブ諸国の協力を取りつける事が目的であったと報じられていた。
 しかしその間に中東で何が起こっていたか。パレスチナ自治区ガザにイスラエル軍が侵攻し市民3人を含む17名(19名)のパレスチナ人が殺害された。さすがの親米アッバス自治政府議長も「虐殺行為だ」と非難せざるをえなかった(16日毎日、17日日経)。
 そのイスラエルでは、アッバス議長と和平交渉を始めたオルメルト・イスラエル首相を「なまぬるい」と、タカ派政党「わが家イスラエル」が連立を離脱した(17日毎日)。親米、親イスラエルのアッバス議長でさえダメだとイスラエルのタカ派は言っているのである。17日には長距離ミサイルの発射実験に成功したと発表した。あきらなかイラン挑発である。200発とも言われる核弾頭の保有国イスラエルが、イランはもとよりパキスタン、インドなども射程距離に入れる長距離ミサイル実験を誇示している。日本は一言も遺憾の意をとなえることはない(18日日経)。
 イラクでは、07年の米軍(多国籍軍)による空爆が1,447回行われた。これは06年の約6倍であったという(17日ワシントンポスト)。これまでイラクでは稀であった女性による自爆テロが、今月に入って2日、16日と相次いで起きた(17日朝日)。米軍はアルカイダなどの反米抵抗組織に対抗するため、イラクのスンニ派部族を武装化しイラクの治安に使おうとしている。しかしこのような思いつきの政策が、イラクシーア派との宗教対立を激化するおそれがある事は明らかである。重要な事は特定部族に武器を与える事ではなく、イラクの非政府組織や民兵の武装解除であると、イラクの有識者から警告を発せられている(17日毎日 世界の目)。その一方で、イラクでは、マリキ政権に反発するスンニ派、シーア派、世俗派などの共同戦線が出来つつある(15日日経)。石油の利権をめぐった国内クルド人との権限争いも残ったままだ。要するにイラク情勢は混迷の極みであるということだ。
 レバノンでは米大使館のクルマが自爆テロに襲われ3名の犠牲者が出た。シリアのレバノン支配は変わらず、ブッシュ大統領が敵視したシリアと米国の関係も裏取引の噂が絶えない。
 親米政権のサウディアラビア、エジプトでさえも、「一体、これ以上何をイスラエル人に譲歩できるのか」(サウド・サウディアラビア外相)」(17日朝日)、「ムバラク大統領は米国の中東政策を繰り返し批判してきた」(11日付エジプト紙アルアハムラ)とブッシュ大統領の中東政策に批判的だ。アラブのメディアや一般国民の反米、反ブッシュ感情はもっと激しい。
 要するに目もくらむようなブッシュ大統領の中東外交の失敗が明らかになったのだ。このような現実に一切目をつむり、ブッシュ大統領は「(年内の和平交渉妥結に)私は楽観的だ」などと語る。
 日本はブッシュ大統領の中東訪問をどう評価しているのか。そしてこのような中東情勢を前にして日本はどのような中東政策を持っているのか。それを国民の前で的確に質してくれる野党政治家はいないものか。

 


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