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「改造断念」福田政権の命脈[「官邸機能不全」の前兆](副島隆彦の学問道場)
http://www.asyura2.com/08/senkyo46/msg/375.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 1 月 23 日 14:55:06: twUjz/PjYItws
 

http://soejima.to/

「副島隆彦の学問道場ホームページ」の「日本政界・情報メモ」3165を転載します。


[3165]「改造断念」福田政権の命脈[「官邸機能不全」の前兆] 投稿者:奥  浩投稿日:2008/01/22(Tue) 10:37:18

FACTA:2008年2月号 から貼り付けます。
(貼り付け始め)

深刻なのは「反福田」の芽が官邸内に見え隠れすること。町村長官との亀裂が内閣崩壊の引き金にもなりかねない。
http://facta.co.jp/article/200802060.html


内閣改造の見送りは、後から振り返って、福田政権の命運を分けた政治判断となるのではないか。福田康夫首相としては、やろうかやるまいか検討した結果、今回はやめておこうという消極的選択をしたつもりであろう。しかしそれは、改造をした場合の得失や障害について、あれやこれや迷った末の決断放棄でしかなかった。日常生活では慎重な判断とされる行為でも、政治においては、やろうと思えばできたけどやらなかったのではなく、やりたくてもできなかったのと同じ意味になる。

「判断はするけど、決断をしない」

「人の話には耳を傾けるが、独創力や発信力が弱い」

就任4カ月の福田首相に対し、政府高官たちが漏らす評価だ。年金記録問題での鈍感な対応、薬害肝炎救済策を打ち出すまでのもたつき、政策メッセージのない予算編成、見守るだけの原油高・株安・円高……。 昨年から官邸では、「首相はきょうも決断せず」の連続だった。

トップリーダーでありながら、気質的に最終責任は負わない官僚に近く、あえて火中の栗を拾う政治家の役割を果たせていない。こうした不決断の連鎖は、改造見送りによって一つのピークを刻んだ。


不決断の弱さを露呈

閣僚人事は、解散に次ぐ首相の権力の源泉である。国家を統率する力のレベルを計測する格好のバロメーターになる。例えば細川連立政権の顛末を思い起こそう。細川護煕首相は実力者・小沢一郎氏と武村正義官房長官のバランスを取りながら政権を運営していたが、次第に小沢氏に傾斜していった。

小沢氏にそそのかされて国民福祉税構想をぶち上げたが失敗。記者会見で「過ちを改むるに憚ることなかれ」と諫めた武村氏を更迭しようと、改造を目論んだが、それも断念し、ほどなくして政権を投げ出した。人事ができなかったことが、政権の弱体化を象徴していたケースだ。

別のケースで、1997年9月に行われた第2次橋本内閣の改造人事も忘れがたい。橋本龍太郎首相は、ロッキード事件で有罪になった佐藤孝行氏を総務庁長官に起用した。橋本行革で発揮した功績を無視できず、あえて踏み切ったのだ。予想を超える激しいブーイングが起き、抗しきれなくなった橋本首相は、わずか12日で更迭を余儀なくされる。事実上の撤回である。

橋本政権は翌年夏の参院選に敗れ、退陣するが、首相秘書官だった江田憲司衆院議員は今日、「あの改造人事の挫折が、政権凋落の節目だった」と回顧する。

権力は使ってこそ強くなる。はっきりした目標に向けた攻撃的判断で現状維持を決めたならまだしも、迷ったため使わなかった、いわんや使いたくても使えなかったとなると、権力は自らを毀損していく。福田首相の不決断は、明らかに「弱さ」の露呈以外の何物でもなかった。

そもそも現閣僚の大半は、安倍晋三前首相が参院選惨敗後、政権に居座りを決め込むことを目的として選んだ顔ぶれだ。臨時国会が始まってすぐ、突然起きた首相不在の異常事態を穴埋めする緊急措置で登場した福田首相が、その陣容をほとんどそっくり引き継いだのはやむを得なかった。

よって、4カ月もしないうちに「何がしたい政権か分からない」と酷評されたのも無理はない。担当大臣の顔ぶれこそは最大の政策メッセージなのに、自前の人選ではないのだから。大半の閣僚には福田首相への忠誠心がないし、恐らく閣僚たちも政権の目標を理解、共有できていないだろう。つまり、前政権の後始末だった臨時国会が終わったのを潮に陣容を一新することは、やるかやらないか迷うどころか、福田政権の決意を示すうえで必要不可避な「けじめ」でもあったのだ。公明党もこれに賛同。太田昭宏代表が福田首相に「うちは、お考えに従う」と伝えていた。にもかかわらず、福田首相が内閣改造に踏み切れなかったのは、なぜなのか。


党内意見が制御不能に

福田首相は12月29日、訪問先の中国・済南で同行記者団に語った。「今は白紙。正月がすぎてから考えたい。党内にもいろいろ意見があるようだし、もっともなこともある。国会途中なんですよ。まだ終わってるわけじゃない。それは全力投球してもらわなければいけない。だから、今のところ改造の中身について言う必要もないし、具体的なことは一切、年明けの話だ」

人事の「中身」や「具体的なこと」にも想いをめぐらせているが、臨時国会が終わる前に現閣僚たちの気が緩んでは事を仕損じる恐れもあるので、今はまだ言えない。そう聞き取った記者たちは、一様に「首相は改造に前向き」と報じた。明らかに意欲はあった。

その気にさせたのは、首相の「後見人」を自任する森喜朗元首相と、「親安倍」から福田支持に乗り換えた中川秀直・元幹事長だ。2人は「ミソの付いた安倍前政権の抜け殻を早く脱ぎ捨てて、(福田さんが)自前の内閣を組織し、人心を一新して通常国会に臨むべきだ」が持論。やる気もまとまりもない陣容のまま通常国会開会を急いでも、どうせ審議は足踏みし、1週間程度は簡単に空費する。一方、新閣僚の国会準備には1週間もあれば足りる。この際、開会を遅らせてでも人事を断行した方が、党内の活性化にも効果的だ。根回しは自分たちがやる。人事を打てば求心力もつく――。そう口説き、福田首相も「もっとも」と応じた。

それが一転してぶれたのは、まさに「党内のいろいろな意見」が乱反射し、制御不能に陥ったためだ。まず、新聞報道で「年明け改造は既定路線」と知った伊吹文明幹事長、二階俊博総務会長、谷垣禎一政調会長の党三役が、「俺たちは何も聞かされていない。いきなり外国でぶち上げるのはどういうことか」とむくれた。森氏が仲介した福田首相と小沢一郎・民主党代表の「大連立構想」も、三役には事前の相談がなく蚊帳の外だった。直ちに改造に反対ではないにせよ、清和会(町村派)の独断専行には、いいかげんうっぷんが溜まっている。

それだけではない。森氏が改造に向けた党内地ならしに乗り出してみると、思いがけず慎重論にぶつかった。例えば青木幹雄・前参院議員会長。4カ月前、福田政権の発足当初は、「早期改造は当然」という意見だったが、いつの間にか「改造先送り」に宗旨替えしていた。表向きの理由は、ただでさえ短い審議日程がますます足りなくなるという懸念だが、青木氏側近の参院自民党幹部は、本人が決して口にしない本音を次のように代弁した。

「福田政権の出だしの3カ月で問題を起こした閣僚は、よりによって津島派ばかりだ。死刑制度やアル・カイダのテロに絡んで失言を連発した鳩山邦夫法相、前防衛事務次官・守屋武昌被告の汚職事件で引責を免れない石破茂防衛相、関連のスキャンダルで下手な言い訳が国会審議の足を引っ張った額賀福志郎財務相。それと、青木さんが目をかけて引っ張り上げた舛添要一厚労相も、年金問題や薬害肝炎救済で世論から余計な反発を買っている。今、改造があれば、これらの閣僚は交代必至だが、同じ人数を確保できるだけの閣僚候補が、津島派や参院にはいないんだ」。何のことはない、青木氏自身の影響力低下を避けたいという打算だ。

古賀誠選対委員長も「改造先送り」の立場だ。古賀派(46人)と谷垣派(15人)が合流する「中宏池会(旧宮沢派)」結成は、臨時国会後に正式合意し、5月に「お披露目パーティー」を開く予定だ。党内第3派閥にのし上がる最大の目的は、人事で規模のメリットを享受することなのに、合流直前に改造が行われてしまっては、最初の機会が遠のいてしまう。こちらもまた、政権や党のためというより、自己事情が動機として優先していた。


交代させたかった町村長官

こうした情勢に、町村信孝官房長官も森氏に「政権を取り巻く環境、待ち受ける課題はいずれも厳しい。ここは攻めに出るより、守りに徹するべきだと思う」と述べた。町村氏は大連立構想、年金記録問題、薬害肝炎救済策、首相年内訪中といった政権の重要課題をめぐって失言とミスリードが度重なり、「首相を支えるどころか、明らかに足を引っ張っている」(政府高官)。安倍改造内閣でわずか1カ月間、官房長官を務めたにすぎない前任の与謝野馨氏の辣腕と比べ、力量も貢献度も明らかに見劣りする。首相の「改造に意欲」発言以降、「最大の焦点は官房長官を替えるかどうか」との見方が急浮上していた。自己の保身には改造見送りが望ましい境遇にいたと言える。

党三役、「ねじれ国会」における参院の陰の実力者、選挙対策の責任者、首相の女房役が、異口同音に先送りを唱えたとあっては、調和を重んじる福田首相が押し切るのは難しい。こうして1月4日の年頭記者会見では「(中国では)改造するかしないかを含めて白紙と言った。改造するという報道が一斉に流れたのは、どなたのいたずらか知らないが、私の意に反する」と軌道修正に追い込まれたのだ。

福田首相は奇妙な形で孤立している。改造を断念させられた党内構図は、決して「反福田」の動きや「福田包囲網」を形作っているわけではない。むしろ、それぞれが自己の都合を優先し、福田政権を担ぎはしても支えようとせず、てんでんバラバラの思惑で動いている。それでいながら、結果的に首相の力を殺ぐ方向で足並みが揃ってしまった。そこに、福田政権が直面する「立党以来最大の危機」(党大会で採択された運動方針)がある。これは単なるレトリックではない。

とりわけ深刻なのは、「反福田」の芽が、他ならぬ官邸内に見え隠れする点だ。首相と官房長官の間のずれが、いずれ亀裂に至る恐れがある。今はまだ互いが抑制していて表に見えにくいが、これから次第にひび割れを隠しきれなくなるだろう。総裁候補になろうと焦る町村氏(63)の野心は、このような忍耐を要する複雑な政権の運営には最も向いていない。政局が煮詰まった時には、政権の命脈を絶つ最後の引き金となる可能性すら予想される。


洞爺湖サミットまで持つか?

町村氏を評して、ある長老議員は「ありゃ清和会のハシリュウ(橋本元首相)だな」と言った。政界の人望はないが、整った風貌で世間ウケは悪くない。目立つことが大好き。当人は政策通を以て任ずるが、スケールは課長補佐クラス。からっきしの政局音痴で、根回しや交渉は下手。それでいてプライドが高く、喧嘩っ早い。福田首相とは肌合いがまるで逆だ。

安倍前政権の発足時、町村氏は自民党総裁選で安倍選対の総責任者を務めた。当然、官房長官に指名されると思いきや、閣僚はおろか党三役にも起用されず無役となった。森氏の計らいで派閥会長の椅子をあてがわれたが、閥務のような裏方仕事は根っからやる気がないし、今さら子分をつくる気もない。床の間向きの政策通というキャラクターでうまく政争の谷間に居場所を見つけ、ポッと浮かび上がって首相の座に就くコースを思い描いている。

派閥でじっとしておれず、派手なポストを熱望した。参院選後の安倍改造内閣で2度目の外相に就任。1度目の外相(小泉内閣)では、外務官僚たちから「無謀」と冷笑された国連常任理事国入りの大号令をかけて挫折したため、雪辱を期したのだ。そして1カ月後、福田政権に代わると、自ら売り込んで念願の官房長官に横滑りした。安倍、福田と、2代も官房長官から首相へ昇格したのを見て、政権への近道と踏んだようだ。

福田首相は目立ちたがり屋を何より嫌う。できるなら自分の後任の官房長官に推挙した細田博之幹事長代理のような地味な実務家タイプが希望だったろうが、派内バランスを説く森氏の手前、受け入れざるを得なかった。福田首相が町村氏に全幅の信頼を置いていないことは、大連立構想や薬害肝炎救済策で町村氏抜きに事を運び、情報も十分に伝えていなかったことから明らかだ。

一方、町村氏は当選8回の自分よりキャリアの少ない福田首相(当選6回)を、腹の底では格下と侮っている。共に外交好きだが、例えば中国への態度をめぐり、福田首相は日本が寛容な大人の態度で付き合う「融和路線」なのに対し、町村氏はずけずけ文句をぶつけて互いに牽制し合う「競合路線」だ。気質から政策まで、とことん相容れない。町村氏が己を殺せばまだしも、これまでどおり我を張り通すなら早晩、福田官邸は内側から綻んでいく。

もし福田首相が改造に踏み切り、町村氏を更迭、与謝野氏を後任に起用していたとしたらどうだったろうか。この人事だけで政官界は電気に触れたようなショックを受け、一部の強烈な反発も呑み込ながら、全体には「福田首相も何をしでかすか分からない」という畏怖心を行き渡らせたことだろう。行政府の切り盛りも、対野党の国会対策も、与謝野氏を軸に新鮮な緊張感を取り戻したに違いない。

だが、福田首相は何もしないことを選んだ。安倍政権の「官邸崩壊現象」は、福田政権に代わっても別の「官邸機能不全」に姿を変えて続いている。この政権の命運が、洞爺湖サミットまで保たれると想像するには、相当な楽観主義が必要だ。

(貼り付け終り)


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