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温暖化対策「積み上げ方式」のウソ = 辻元清美
http://www.asyura2.com/08/senkyo46/msg/813.html
投稿者 ダイナモ 日時 2008 年 2 月 02 日 23:22:27: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.kiyomi.gr.jp/blog/2008/01/31-1463.html

福田総理が世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の特別講演で、温暖化ガス削減の国別総量目標設定を提案した。これについて経団連は「経済界の方針と合う」として評価、支持を表明した。
これまで「一律の目標は受け入れられない」としてきた経団連が支持に回った理由は、福田総理が提案した目標値の「決め方」だ。「積み上げ方式」といわれて、ピンと来た人は少ないだろう。産業別にエネルギー効率などを計算し、削減可能量を積み上げる方式だが、要するに経済界が「これだけなら削減できます」と自己申告した数字を足して、国の削減値を出そうという提案だ。英字新聞は「ボトムアップ方式」と訳している(反対に数値目標を定めてそれに向かって努力するという方式は「トップダウン方式」だそうだ)。こちらの方がよほど分かりやすい。いや、わかりにくくするのが政府の目的なのだろう。

日本はこの間、削減計画を経団連の「自主行動計画」まかせにしてきた。この計画は、環境問題の専門家にいわせればとても疑わしいもの。
そもそも自主行動計画の立てている目標設定が非常に低い。日本が議長国として先導した京都議定書では、2008-2012年までに「1990年比マイナス6%」が求められているが、自主行動計画では「2010年に1990年比ゼロ削減」が目標。はじめから京都議定書をまもるつもりがない。企業への法的拘束力もなく、「積み上げ方式」の場合のカギとなる分野別「エネルギー効率」の数値も疑わしい。どんな指標を使うかで数値は大きく変わってくるのだが、統計用の一般的な指標とは異なる都合のいい指標を産業界が分野ごとに自主選択しているという。
さらに経済界は、「民生・家庭部門ののび」を槍玉に挙げている。しかし、日本の家庭・運輸部門の直接排出量はEU諸国やアメリカに比べるとはるかに小さい。一方、産業部門は比較的多い。産業界の主張と異なり、まだまだ無駄が多いということだ。

EU諸国は自然エネルギーへの転換などの技術開発や、課税強化といった積極的な施策で達成実現に向けて動いているというのに、日本政府は「一人一日1kg削減運動」を打ち出したのみ。安倍前総理が電球を付け替えている全面広告を憶えているだろうか。ただでさえ省エネをしている国民に「ガマン」を強いる「欲しがりません勝つまでは」的施策で、2005年度で「プラス8%」という現状を解決できると思っているならお話にならない。
このまま温暖化が進めば世界のGDP20%が損なわれるが、対策コストはGDP1%相当だと指摘する専門家もいる。温暖化問題は、経済的・科学的な視点から語られべき問題だ。政治的キャンペーンの入り込む余地などない。早急に政府主導でエネルギー転換のための対策を練り、産業界に温室効果ガスの排出削減目標・計画・実施状況を公表することを義務付けるべき。ドイツやスウェーデンなど自然エネルギー先進国の例をきちっと分析し、これまで「エネルギー供給事業者向け施策」だった日本のエネルギー政策を、地域や市民、そして経済といったキーワードから見直していく必要がある。産業界にとっても、技術革新に伴う質的転換が個々の企業価値を高め、国際的な競争力を高めるはずだ。労働コスト削減など一面の「グローバル化」だけを取り入れるのでなく、そうした世界の潮流に目を向けて真の環境立国を目指したい。私たちに与えられた時間は、あまりにも短いのだから。
 

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