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『グレイト・コラボレーション=偉大なる共生』社会の建設(シンクタンク藤原事務所)
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投稿者 そのまんま西 日時 2008 年 2 月 13 日 00:40:42: sypgvaaYz82Hc
 

新生日本の国家ビジョン
『グレイト・コラボレーション=偉大なる共生』社会の建設
―違いが強さになる国創り―
2005 年9月24日
シンクタンク藤原事務所
経済アナリスト 藤原直哉

第1章 21世紀を迎えた日本の現実

(1) 未来に希望が持てない現代日本社会
21世紀を迎えた日本は、今、大変な困難に直面しています。グローバリゼーショ
ン、IT革命、自己責任原則‥。こうした言葉と共に急激に変化しつつある我々の社
会は、世界規模での競争の激化と強烈なストレスの高まりを生むと同時に、そうした
苦難をいくら続けても未来が見えないという絶望的状況に直面しています。
年間の自殺者は3万人を越え、どんなに業績が良い企業でも2年間赤字だったら銀行から融資を止められ、今日は勝ち組だと思っていた人が明日は負け組になる、どんなにがんばってもまったく安心感が持てない、どんなに努力しても報われない、気持ちが疲れて未来への希望さえ持てないという絶望的な状況が社会の至るところで急速に広がって
います。人々は誇りを失い、絆は断ち切られ、日本の社会は砂粒の集まりのような、
無味乾燥で風に流されるがままの姿に変わり果てています。

(2) 地球全体の生態系の危機
同時に今までの技術の延長線上で資源を使い、食物を消費し、増産増収を図る経済
活動の結果、地球温暖化を初めとした数々の環境破壊が生まれ、また有害物質との接
触や摂取による人体への悪影響が現実のものとして現れはじめ、エイズの流行のよう
に有効な対処が難しい病気が世界中で蔓延し、いまや我々は、地球全体の生態系が根
底から覆されようという危機に直面しています。かつて20世紀の時代にも今までの
ような大量消費・大量生産を続けていたら、あるいは大規模な地球環境破壊を続けて
いたら、やがて必ず危機が来るということが叫ばれていましたが、21世紀に入った
ばかりの地球はいよいよその本当の危機に目の前で向き合うことになったのです。

(3)20世紀型社会の「自家中毒」
もちろんこうした社会問題、生態系の問題に対処することは必要なことではありま
すが、なぜこうした問題が次から次に生まれて、同時に抜本的な対処が困難になりつ
つあるのかを考えると、それは今の我々の社会が、20世紀型社会の「自家中毒」に
かかっているからではないかと思わざるを得ません。すなわち20世紀の成功の定義、
20世紀の価値観、20世紀の技術、そして20世紀の権力闘争の延長線上をまだ走
り続ける我々は、今までの常識に基づいて「よりよい」世の中を作るために日々大変
な努力を迫られています。ところがその結果として社会が壊れ、環境が壊れ、自らの
足元が流されていってしまうのです。すなわちもっと速く、もっとたくさん、もっと
正確に、もっと便利に、もっと競争的に、と20世紀の常識をあまりも「大まじめに」
追求した結果が現在のような荒廃した社会と地球を作り出しているのです。何と皮肉
なことだと思いませんか。

(5)「対症療法」の限界
こうした現実を目の前にしたとき、我々が進むべき道は2つあります。
ひとつは20世紀型社会の枠組みを変えず、その「対症療法」を強化して決定的危機を回避するという方法であり、もうひとつは抜本的に社会の枠組みを作り変えて、危機そのものがない社会を創るという方法です。今までの我々は決定的な危機はまだ先にあるというあまり根拠のない安心感のもとに、今までの社会の枠組みを基本的に変えることなく、その対策、すなわち「対症療法」に大いに努力してきたと思います。
貧困対策、公害対策、福祉政策、医療政策、高齢化対策、環境対策、平和運動など、今までに経験してきた数多くの対策・政策・運動は、想いははるかに高いところにあるとしても、現実には20世紀型社会の枠組みを維持するための「対症療法」として機能してきたということを認めざるを得ません。
しかしどうでしょう。政治が財政赤字を直接の原因として小さな政府を標榜し、福祉や医療のカット、弱者支援の切り捨てなど、社会矛盾に対するあらゆる「対症療法」から手を引こうとしている現在、そして社会の危機と環境の危機がいよいよ決定的になり始めている現在、我々はもうひとつの道を選択しなければなりません。それは抜本的に社会の枠組みを作り変えて、危機そのものがない社会を創るという方法です。たとえそれがどんなに大変なように見えても、我々が生き残るための道は、そこにしかありません。


第2章 社会危機・環境危機がない社会とはどんな社会なのか

(1)無限の安定とは日々の充実のこと
無限の命というのは、日々完結している命と同じ意味であります。
すなわち危機がなく、無限に安定が続いていく世の中というのは、昨日から引き継いだ問題に翻弄されることなく、翌日に問題を先送りすることなく、一日一日が無理なく無駄なく完結している世の中のことです。「対症療法」を頼りに無理をしたり曲がったことをすることがなく、力に任せて今日の勝ち負けにこだわるということがなく、昨日の悲しみに打ちひしがれることがなく、明日に不安や恨みを飛ばすことがなく、一日一日を最高に充実させ、そして最高に完結させて生きて行く世の中が、無限の安定をもつ世の中なのです。

(2)最後の勝ち組が見る光景
どうでしょう。今までのものすごく忙しかった20世紀の時代を駆け抜けてきて、
さらにもっと速く走れと互いに叱咤激励しあっている今の日本の人々が、今、一番求
めているのは何でしょうか。もっと速く走る力でしょうか。もっと多くのことを記憶
する力でしょうか。あるいはもっと激しく戦える力でしょうか。たしかにそういう人
も世の中にはまだいます。
しかしよく見てください。そういう人が一時は勝ち組となってまだまだ20世紀的価値観のなかで勝てると自信を持っても、次の日には突然会社がリストラを始めたり、無理がたたって大病を患ったりして、あっという間に負け組に転落していってしまいます。今の我々は嫌というほどそういう姿を見せ付けられていませんか。また大なり小なり、みんなそういうことを体験しているのが今の時代ではないでしょうか。今の時代の勝ち組・負け組の二極分化が最後に行き着いたとき、そこに何が見えるのか。次第に多くの人が気づき始めています。それは、無数の敗者の恨みの上にひとりの勝者が立ち、そのひとりの勝者の足元ですら無数の敗者の恨みで突き崩され、最後には誰もいない荒野だけが広がっているという光景です。

(3)今、日本人は何を求めているのか
では、今、日本人は何を求めているのでしょうか。
一言で要約すれば、「安心」ではないでしょうか。昨日の心配を引きずることなく、明日の心配をすることもなく、今日一日を腹の底から最高に晴れやかな気持ちで暮らしたいと思う気持ちではないでしょうか。
あまりにも激しく変化してきた20世紀が終わって、人々は改めて安定と平和を求め、その上に大いなる安心を感じて生きていきたい、それが今の日本人が心から求めて止まない価値観なのではないでしょうか。それと同時に人々は今までのこの辛かった平成の苦難の時代を、「忘れたい」と思っているように思います。戦争体験者が決して積極的に戦争体験を語ろうとしないのと同じように、人々は平成のこの辛い時代から早く抜け出したいと思うと同時に、これを「忘れたい」と思っているのではないでしょうか。それは、多くの人がこの辛い時代の被害者であると同時に、加害者にもなってしまっているからではないでしょうか。ですから今の日本は今までの恨み、思いを一度全部水に流して、ゼロからやり直すチャンスを手にしつつあるのです。

(4)20世紀の日本は既に「成功」を達成し終わっている
一般にリーダーの最も大事な仕事のひとつは、その組織あるいは国にとって、「成功」
とは何かを具体的に定義することです。
今の日本は20世紀とは違う成功の定義が必要です。かつて幕末の開港の時代から20世紀の終わりまで、日本の成功とはひとえに世界の列強と戦って勝つことだったといってよいと思います。あるときは戦争で勝ち負けを競い、あるときは貿易で勝ち負けを競い、またあるときは財産の量で勝ち負けを競い、今日まで活力を保って成長してきたのが日本の姿だったと思います。
今の日本は確かに大分落ちぶれた感があって、世界からも見下げられているようではありますが、しかし日本の現実は明治以来日本が競ってきた欧米列強と比較すれば、特に
経済力や人々の生活水準において決して遜色ないどころか、相当進んでいるところが
少なくありません。まず何よりも世界トップ水準の貿易黒字国ですし、大分不況がひ
どいとっても、街中には山海の珍味がびっくりするほど安い価格であふれ、虫眼鏡を
使わなければボタンを押せないような極めて小さな録音機が、何時間も人の話や音楽
を録音し続けてくれます。
こうした現実を見ると、まだまだ足りないところ、直すべきところはたくさんありますが、「足るを知る」という大事な教訓を思い起こすとき、今の日本は既に幕末の開港以来の国家の成功目標を、見事に達成していると判断すべきです。そうです。日本は既に20世紀までの国家の成功目標を見事に達成し終わっているのです。


(5)「成功」の定義が変わるとき
だからこそ、今の日本には新たな成功の定義が必要なのです。
逆に言えば昭和が終わってから21世紀に入って、今に至るまでのたった15年間に、なぜ日本がかくもみすぼらしい姿になってしまったのか、なぜ日本の活力が失われてみんな朦朧(もうろう)として暮らすようになってしまったのか。その答えは平成に入ってから今まで、日本が成功の定義を持てなかったからです。すなわち平成に入ってからの日本というのは何が成功かがよくわからないままにとにかく力任せに走り続け、その結果くたびれ果て、人も国も漂流して座礁しかかっているということなのです。
そうです。今の日本に必要なこと、それは「成功」の定義を変えることです。いや、新しい日本の「成功」を定義すること、と言ったほうが正確かもしれません。新生日本は新しい日本の「成功」を定義するところから始まります。
私は新生日本の成功の定義を、『グレイト・コラボレーション=偉大なる共生』社会の建設―違いが強さになる国創り―、と名づけ、これから10年を『グレイト・コラボレーション=偉大なる共生』社会のインフラ(社会基盤)作りの10年としたいのです。

http://www.fujiwaraoffice.co.jp/other/sinseinippon_vision.pdf


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