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雨宮処凛:派遣社員の労災死の判決、の巻 = マガジン9条
http://www.asyura2.com/08/senkyo47/msg/526.html
投稿者 ダイナモ 日時 2008 年 2 月 21 日 22:18:19: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.magazine9.jp/karin/080220/080220.php

 写真の通り、2月14日・バレンタインデー、とうとう六本木ヒルズの「グッドウィル」本社に乗り込んだ! 以前は六本木ヒルズの前から「折口ちょっと来い!」と拡声器で叫んでるだけだったのだが、敵の厳重なセキュリティをかいくぐいり、本社前まで突入したのだから大躍進である。

 と、こんなことを冗談で書いたくらいで逮捕されかねない世の中なのでこの写真の真相を書くと、バレンタインのこの日、「革命的非モテ同盟」の古澤さんとともにバレンタインデーを粉砕すべく、六本木ヒルズのスタジオからネット番組の生中継を行ったのである。題して「非モテとプレカリアートが六本木ヒルズを占拠する! 」。その中継場所がたまたまグッドウィルと同じフロアだったのでささやかな記念撮影を行ったのだ。ちなみに古澤さんは元自衛隊員。顔のドーランの塗り方や銃(もちろんニセモノ)の持ち方も、よくわかんないけどプロっぽい。というか、このカッコで六本木ヒルズをウロウロしてたのに、よくつまみ出されなかったものである。夜8時に始まった番組は10時に無事終了したのだが、古澤さんはそのまま別のラジオ番組に出演するため直行、という芸能人並みのハードスケジュールをこなしていたのだった。「バレンタイン」だけ売れっ子な「革命的非モテ同盟」。もちろん「非モテ」ネタで。「バレンタインにダブルブッキングなんて初めてですよ!」と嬉しそうに笑いながら古澤さんは去っていった。それがデートだったらわざわざこんな活動などしていないことだけは確かである。

 さて、前置きはこのくらいにして本題(前置きに使ってすいません。だけど革非同ネタって前置きにぴったりなんだもん)。
 2月13日、ある裁判の判決が出た。派遣で働いていた男性が、03年に派遣先の工場での作業中に脚立から転落して死亡。死亡当時22歳。両親が、安全対策を怠ったとして、派遣先と派遣元に約一億9000万円の支払いを求めた裁判である。派遣元は「テクノアシスト相模」、派遣先は「大和製缶」。この日の判決では、派遣先の責任も認められ、2社に約5100万円の支払いが命じられた。
 私はこの裁判に何度か通っていた。判決の日は1日番組の収録で行けなかったが、直接雇用関係にない派遣先にも「使用関係」が認められ、賠償命令が出たことの意味は大きいだろう。報道などでも、そのことを評価するコメントが出ている。
 だけど・・・と思う。だけど、いくら派遣先の使用者責任が認められようとも、亡くなった22歳の彼は、当り前だが戻って来ない。
 裁判に通う中、遺族の方々とも何度か会って話をするようになった。お父さんとお母さんとお姉さんがいつも3人で裁判に来ていて、私より年下のお姉さんは、私の講演に来てくれたこともある。彼らの姿を見ると、いつも自分の家族の姿が重なった。自分たちだって法廷の「あっち側」にいて、「原告」になっていたのかもしれないのだ、と。それは私や私の家族が弟の過労死にリアルに怯えた経験があるからで、ほんの少しの差で、人は「原告」になったりならなかったりしているだけなのだ。本当に、たまたま。

 そしてこの裁判で、私は「派遣」「請負」という働き方の怖さを痛感した。現場の人たちの証人喚問で、様々なことが露呈された。脚立から落ちて倒れていた彼の名前を、現場の人たちは知らなかったこと。そして彼がどこから派遣されているのかも。名前も、どこの誰かもわからないまま働かされる現場。何か「隙間」に落ちるようにして、こうして誰にも顧みられない労働者が生まれていく。「なぜ、外部の人の面倒まで見なくてはいけないのか」という主旨の発言が現場の社員の口から出たこともあった。これが多くの「派遣先」の本音だろう。
 だって、派遣社員を管理する部署は「人事部」ではない。「工務部」とか「調達部」といった、部品なんかを管理する部署で、給料も「人件費」ではなく「物件費」として管理されている。
「無料お試しキャンペーン実施中! 一週間無料! 一ヵ月三五%オフ、三ヵ月一三%オフ」
 このキャッチコピーは、コピー機など機械のリースではなく、人間のリース=労働者派遣につけられたものだ。
 派遣法の改正は、こうして「隙間」に落ちる人々を大量に生んだ。が、犠牲になっている人の多くは、派遣法成立当時もたび重なる改正時も選挙権のなかった若者たちだ。
「危険なことをやるのは派遣、請負」「重い機械の下に潜り込む、とかいう死にそうな場所で作業されられるのは派遣、請負」「こんなことは派遣にやらせておけ、と言われて危ない仕事を任される」「アスベストが舞う現場でも、社員さんにはマスクがあるのに派遣にはない」。私のもとに寄せられる派遣や請負で働く人たちの言葉だ。

 だからこそ、若者たちは立ち上がりつつある。数日前、インディーズ系メーデーのための会議に参加した。フリーター労組の組合員たちなどと会議の後で飲みながら、どんどん新しい顔ぶれが増えていくことに感激していた。自己紹介で、みんながどんな職場でどんなふうに働いているかを伝えあう。既に職場で何人も誘ってフリーター労組に入ってくる若者がいる。労働/生存運動の現場は本当に原始的な熱気に満ちていて、なんだか本当に「蟹工船」のワンシーンのようだ。安い居酒屋で、炭水化物系のものばかり摂取しながら語り合い、次の反撃の作戦を立てるのはこの上なくわくわくする。さて、今年のインディーズ系メーデーは凄いぞ。メーデー近辺は各自、スケジュールを空けておくように。
 

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