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北大准教授中島岳志さんQ 『保守』とは?あるべき再編の形は?【社民主義と保守主義】(東京新聞)
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投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 4 月 05 日 20:27:55: twUjz/PjYItws
 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/sokkyo/news/200804/CK2008040102000019.html

【即興政治論】
北大准教授中島 岳志さん  Q 『保守』とは? あるべき再編の形は?
2008年4月1日


 衆参のねじれで、次期衆院選後の政界再編が現実味を帯びています。ただ、二大政党とされる自民、民主両党の看板はともに「保守」。保守とは何か。再編のあるべき姿とは。若手論客として知られる中島岳志・北海道大准教授と一緒に考えてみました。

 記者・清水 孝幸

 清水 一年ほど前、民主党の菅直人代表代行が「(自民党より)われわれの方が保守本流に近い」と言いました。小沢一郎代表ならともかく、市民派の菅さんが「保守」と言うのは意外でした。自民も民主も保守政党ということなのでしょうか。そもそも保守とは。

 中島 まず保守思想はどういう出自なのか。フランス革命の時に出てきた啓蒙(けいもう)思想を批判したのが近代保守のスタートだと言われています。啓蒙思想では、人間の理性によって、理想社会を未来に向けてつくることができると考えます。

 保守思想は、それは不可能だと考え、ある種の伝統とか歴史感覚とか神とか、人知を超えた価値の中に英知を見いだして、時代やその時々の状況に合わせながら、漸進的に社会を変えていく考え方です。

 清水 小泉純一郎元首相は市場競争原理に基づく構造改革を進めました。これも保守ですか。

 中島 全く違うと思いますね。戦後、日本の保守、革新の両方が相手に反対するだけの「アンチの論理」でやってきた。このために思想の空洞化を招いた。安倍(晋三前首相)さんにも、小泉さんにも思想的な軸はありません。マーケット(市場原理)に任せてしまえば、うまくいくというネオリベラリズム(新自由主義)に乗っかっていただけです。

 清水 自民党は「保守本流」と称する宏池会(現古賀、谷垣派)も軽武装、経済重視ですが。

 中島 戦後日本政治に保守思想がしっかりと現れたことは、いまだなかったんじゃないでしょうか。日本の場合は、おおよそ疑似的な社会民主主義でやってきたんですよ。大きな政府で税金の大きな再分配をする。ただ、利権社会のため透明さに欠けた。

 それが政治改革の荒波の中で、不透明なものはよくないと、日本的な再配分のあり方を壊そうとしたわけです。疑似社民主義の「疑似」の部分を崩そうとしたら、社民主義まで壊しちゃった。代わりに弱肉強食の新自由主義が台頭し、極端な格差社会が生まれ、地方が疲弊していく社会が生まれました。

 清水 いまの二大政党は違いがよく分かりません。「保守」と「リベラル」に再編すればいいという人もいます。

 中島 保守とリベラルは対立する思想ではありません。革新の側は社民主義の立て直しに努めるべきです。社民主義と保守主義という二つの看板で、二大政党が少数政党と連立を組む多党制が続くと思います。自民党の行きすぎに公明党がストップをかけ、民主党の保守化に共産党が圧力をかけていく。こういう多党制が望ましい。

 社民主義の方は、たくさん税金を取って弱者の方に回す政治です。政治家が日本社会のグランドデザインをつくって、平等な理想社会の構築を目指す。社会設計主義と言ってもいい。

 保守の側は、それは無理だと考え、何が重要な国家の役割なのかを精査しながら、ちょっとずつ変えていく。まともな保守主義と社民主義の二つが併存していくべきだと思います。

 清水 そうした二大政党制は可能ですか。

 中島 永遠にならないのかもしれないですね。僕が高校生の時に細川改革が始まって、てっきり、そういう方向になるんだと思っていました。でも、これだけやってきて、結局、新自由主義の独り勝ちですからね。

 小沢さんの「普通の国」という主張は完全に新自由主義の議論だったんですよ。個人が自立して、自己責任でやっていく社会が望ましいと。それには政治改革と規制緩和が必要だというのが、小沢さんの論理でした。それを小泉さんが見事に実現しました。

 対立している政党のトップが同じことを言っているのですから、意味が分からないですよね。民主党はようやく、それに気づいて「生活第一」と社民主義の方向に舵(かじ)を切ろうとしていますが。

 清水 政界再編の前にまずはこれまでの政治改革を総括すべきだと。

 中島 保守といわれる人も、革新といわれる人も、みんな熱狂してやったことを、もう一回、反省しないといけない。九〇年代とは何だったのか。何が間違いだったのか。やっぱり極端な議論が多すぎましたよね。地域社会づくりとか、もう少し地に足の着いたところから考えていかないといけないと思います。

 なかじま・たけし 1975年大阪府生まれ。大阪外国語大卒。京都大大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。専門は南アジア地域研究、近代政治思想史。現在、北海道大公共政策大学院准教授。著書に「パール判事−東京裁判批判と絶対平和主義」、評論家西部邁氏との対談「保守問答」など。


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