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週のはじめに考える 「確実性社会」を求む(中日新聞)
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投稿者 そのまんま西 日時 2008 年 3 月 09 日 15:46:58: sypgvaaYz82Hc
 

週のはじめに考える 「確実性社会」を求む(中日新聞)
2008年3月9日

 どこかタガが緩んでいる。ボタンも掛け違えている。シャキッとしない昨今の日本社会。ゆがみを正して「確実な明日」につなげるにはどうすべきでしょうか。

 十二日の集中回答日に向けて春闘がヤマ場を迎えますが、労組側の表情は必ずしも明るくありません。昨年末から今年初めにかけては日本経団連の御手洗冨士夫会長が「業績が良く、余力のある企業は、働く人々への配分を厚くすることを検討してもよい」と、賃上げ容認論をぶったこともあって、労組側には追い風が吹いているように見えました。

 ところが米国サブプライムローン問題の影響が長期化するにつれ経営側の態度も急変しました。

なぜ伸びない個人消費
 「サブプライム問題で米国景気が減速してもアジアや欧州には波及しない」というデカップリング(非連動)論がとおのき、リカップリング(再連動)論が大勢になっているのです。

 国内景気が拡大しないのは内需、特に個人消費の伸び悩みが大きな原因とされています。千五百兆円の個人金融資産があるのに、なぜ個人消費は拡大しないか。「収入が増えない」「購買欲をそそる魅力的な新商品が出ない」「住宅ローンや借金を抱えている」など、さまざまな理由があげられますが、最も大きな要因は「将来不安」。年金、医療・介護などへの心配から生活者が財布のひもを緩めないのです。

 「もはや日本は『経済は一流』と呼べない」。大田弘子経済財政相は今国会冒頭の経済演説でこう述べました。しかしエコノミストの論評ではないのですから「一流でなくなった」事態をどう打開していくのかを明示するのが政治家の責任ではないでしょうか。福田康夫首相は六日配信のメールマガジンで「改革の果実が給与として国民、家計に還元されるべきだ」と労使交渉に異例の“介入”をしましたが。

税の使途を監視しよう
 今春闘では連合が非正規社員の待遇改善に本格的に取り組んでいますが、フリーライターの赤木智弘氏は「非正規労働者は正規労働者を守るための調整弁であると同時に、会社を守るための調整弁」で、自らの立場も「フリーターが非正規雇用者として働くことは、まさに社会から求められている」現実なのだといいます(月刊「論座」三月号)。

 確かに同氏の指摘のような側面があるにしても、そのような感覚を常態化させることは決して健全な社会といえません。

 確かな日本社会を構築していくには、どうすればいいのか。この未来論議になると、即座に出てくるのが消費税率の引き上げ論です。

 だが「消えた年金」に代表される社会保険庁のいいかげんな業務、あるいは倫理観ゼロの守屋武昌前防衛事務次官や今回のイージス艦事故にみられる防衛省・自衛隊の組織としてのていたらくを目の当たりにして、生活者としてはこう考えます。

 「自分たちが汗水たらして働いた結果、納めた税金や年金保険料がきちんと管理され、負担にふさわしい受益が公平に行われているのか。行政の透明度をもっと高め、税の使途への監視を強化し、税金の無駄遣いを是正するのが先決ではないか」。さらに不祥事や税金の不適切使用に対する責任と処罰をはっきりさせるべきではないか、と。

 政治家、官僚、企業経営者、老舗店主らの責任感、倫理観の後退が日本社会の液状化現象を加速しているのです。

 最近、「日本の『安心』はなぜ、消えたのか」を出版した社会心理学者の山岸俊男北大大学院教授は日本が“駄目社会”になった背景について同著でこう分析しています。

 「日本社会が直面している倫理の喪失とは、実は、倫理の底にある『情けは人のためならず』の仕組みの喪失の問題だということです」。そのうえで「『モラルに従った行動をすれば、結局は自分の利益になるんだよ』という利益の相互性を強調する商人道こそが、人間の利他性を支える社会のしくみを作ることができる」と強調します。

 ことしはブラジル移民百周年ですが、入植した一世紀前の日本人に対する現地の評価は「勤勉」「正直」「忍耐力」などだったとされています。これらの国民性は今日でも残っていると思いたいですね。

 一方、約三十年前に「ジャパンアズナンバーワン」を書いて話題になった米社会学者、エズラ・ヴォーゲル氏は「日本人の成功は伝統的国民性、昔ながらの美徳によるものでなく、むしろ日本独特の組織力、政策、計画によって意図的にもたらされたもの」と分析しました。

問われる首相指導力
 「昔からの美徳」「日本独特の組織力」。
 その双方が今、大きく揺らいでいるとみるべきでしょう。

 「何か前向きな明るいことをやりたいね」。
  福田首相は閣僚との懇談会でこう言ったとか。
  そう思うなら福田さん、 シャイでシニカルな顔を捨て不退転の決意で
 「確実性社会」の再建に取り組んでください。

http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2008030902093858.html


(コメント)

「ダイナミズムを伴う”確実性社会”」で「なければならない」でしょう。


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