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環境問題に対する正しい考え方(小野盛司)(神州の泉)-「環境税」はデフレ促進政策
http://www.asyura2.com/08/senkyo48/msg/267.html
投稿者 JAXVN 日時 2008 年 3 月 09 日 16:45:48: fSuEJ1ZfVg3Og
 

(回答先: イギリスではガソリン価格を高くすることにより、ガソリン使用を控えさせ、大気汚染を抑制し、新たな道路整備の必要性も無くする 投稿者 TORA 日時 2008 年 3 月 09 日 13:28:36)

「環境問題に対する正しい考え方(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第三十七弾です)
  http://tek.jp/p/

 これまで、日本経済をどのようにして復活させるかについて書いてきた。GDPを増やせばCO2が多く排出されるようになるから環境には悪い影響を与えると思われがちだ。しかしそれは逆で実際は、経済が発展すれば、環境対策に資金を回せるようになる。貧乏な国ほど、環境対策は遅れている。

 大気中のCO2の濃度の平均値は、産業革命前に280ppmで概ね安定していたものが、2000年には368ppmとなり、現在も毎年1.5ppmの割合で上昇し続けている。人類が化石燃料使用などによって大気中に放出してきたCO2は、大気中増加分の2倍近くあると見られている。つまり、放出した割には意外と大気中濃度は増えていないのだ。これは、自然プロセスで海洋に吸収されたためと推定される。大気中のCO2の濃度が増えたために温暖化が進んだと言われている。

 しかしこの考えに反対する学者もいる。原因と結果が逆だという。単なる気候変動で温暖化が進み、その結果として、陸海からCO2が放出されたと主張する。どちらが正しいのか、専門家の間で論争中である。しかし気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、温暖化の原因は温室ガスの増加が原因とほぼ断定したので、それを受け入れることにしよう。

 CO2を減らすには様々な方法がある。単純な方法としては、電気や車を使わないように努力すること。しかし、これでは劇的に減らすのは無理だ。太陽光とか風力などの自然エネルギーを積極的に利用する方法もある。京都議定書に従って、日本は排出権購入で巨額の支払いを求められているのだが、二酸化炭素を減らす設備の導入で、逆に排出権を売って巨額の収入が得られることになり、一石二鳥だ。

 二酸化炭素削減で最も期待ができるのが、風力発電だろう。その理由は発電コストが低いことと、風力はほぼ無尽蔵にあり、日本の全エネルギー需要をまかなえる規模だからである。財団法人エネルギー総合工学研究所のホームページから引用すると1キロワットアワー当たりの発電コストは次の表のようになる。

http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2008/03/04/photo_2.jpg

http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2008/03/04/2.jpg

 風力発電は、資源が無尽蔵にあるという点とコストが低いというメリットがある。残念ながら、風力発電はヨーロッパでは盛んだが、日本は遅れている。陸上と洋上があるのだが、陸上のものはかなり制約を受ける。大型にしないと電力コストを低くできない。大型のものは市街地にはできないので、比較的不便なところに造るしか無く、まず機材を運ぶ道路や、送電線の設備などを造っていたら、コストがかさんでくる。その意味で採算が取れるという場所だとかなり限られてくるということである。

 その点、洋上発電はどこかの工場で造ったものを船で運べば良く、効率的である。電力を電線で運ぶのは効率が悪く、大規模発電にするなら、電力を使って電気分解をし、水素にして運ぶ方法が考えられている。しかし、水素は扱いにくいので、発電所などから集めたCO2と反応させメタンにして運ぶ案も考えられている。そのときの電力コストは10.7円/kWhと矢後清和(2007)は見積もっている。もちろん、風力発電の施設の建設の際にCO2を発生させる。一旦建設が終わり、発電が始まるとCO2削減効果がでてくる。建設時に発生したCO2の量の削減効果がでてくる期間は0.95〜1.18年というのが矢後清和(2007)の見積りである。

 ここまでに述べたのは、鋼鉄製の風力発電だが、大田俊昭(2007)はカーボンファイバーを使った風力発電を提案していて、鋼鉄の10倍の強度があり、100年の使用に耐え、発電コストは風力の2分の1以下としている。

@ 蜂の巣形コンクリート浮体のクラスター群に搭載された10MW級『超大型風レンズ風車』により洋上風力発電を行う。得られた電力により、水素を生成する。

A 水素は、船で陸上の水素ステーションに運搬される。

B 最終的に50〜100万KW級水素タービン発電所や自動車、車両の燃料用電池に使用される。

 全く別な観点から大気中のCO2を減らす方法がある。それはCO2を回収し、地中や深海に隔離する方法である。油田もだんだん深いところから、ガスを吹き込んで原油を押し出さなければならなくなっており、その際発電所から回収したCO2を使えば、そのままCO2を地中に閉じこめることができ、一石二鳥である。最終的にCO2は地層内の水に溶けると思われる。地中に埋める場合は、その量は限られてしまうのだが、深海に沈める場合はほぼ無尽蔵とも言えるほどのキャパシティーがある。

 海洋隔離の方法は色々研究されているが、その中の船行船舶方式を紹介しよう。まず火力発電所などからCO2を回収し、これを圧縮して液体にする。これを船で沖合い数百kmに運び、そこからパイプを水深2500mくらいの中深層までおろして、ノズルを通じて海中に放出する。液体CO2はノズルから放出されると、多数の小さな液的となる。海洋の中深層などの低温・高圧下の条件で水と混じると、水の結晶の中にCO2が閉じこめられ、「CO2ハイドレード」と呼ばれるシャーベット状の膜がつくられる。液体CO2は、この膜を通じて、徐々に海水中に溶解する。放出CO2が海洋に留まる期間は、放出深度や海域にもよるが、100〜300年程度と考えられている。これに対して、深海底の窪地にCO2を溜めるのが貯留法である。深度3500m以深にすると、CO2は比重が重くなり沈んでいく。この場合は2000年以上隔離することができる。

 それでは、このような方法でCO2を海に沈める場合、生態系への影響は無いのかという問題がある。その研究はされていて、もちろん皆無ではあり得ない。しかしながら、海洋隔離をしない場合より、生態系への影響は軽減できるのは間違いない。漁業への影響という点では、深海での漁業は行われていないので、悪影響は考えられない。もし海洋隔離をしなければ、放出されるCO2の約半分が空気中に残り、残り半分が海洋の浅い所に溶ける。空気中に残ったCO2は温暖化の害をもたらすし、海洋表層に溶けたCO2も貴重な水産資源に害をもたらす。その意味で、もし有害なCO2を、水産資源に影響の少ない深海に閉じこめれば、全体で見れば環境被害は激減するのは間違いないと思われる。

 残るはコストの問題である。海洋隔離を行うためのコストの大部分は、火力発電所からCO2を回収する際に発生するコストであり、発電コストの20%程度と言われている。詳細は未確認だが、それを10%程度に抑える技術が開発されたとの記事を目にした。つまり、電力コストが少し上がるが、それでも地球環境の危機を救うために、その程度コストで済むのであれば、是非実行すべきだと考える。

 増税が大好きな日本人は、すぐに環境税を提案する。しかしながら、それではデフレを悪化させ、財政健全化には逆行する。このような先進的な技術開発に、国も思い切ってお金を出すべきだ。他国に真似ができない高い技術を確保すれば、日本の将来は安泰になる。年金積立金を貯め込むより、はるかに価値が高い。(小野盛司)

参照 : 矢後清和 「浮体式洋上風力発電の大規模展開の可能性について」第4回洋上風力発電フォーラム (2007)」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/03/post_cdf4.html

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