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ボン教と仏教の聖山カイラス
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投稿者 新世紀人 日時 2008 年 5 月 22 日 15:45:00: uj2zhYZWUUp16
 

(回答先: ・ チ ベ ッ ト の 宗 教 ・ 投稿者 新世紀人 日時 2008 年 5 月 22 日 15:41:31)

http://www.kaze-travel.co.jp/tibet/tibet_point009_3.html

3.聖地

3-1 ボン教と仏教の聖山カイラス

次にチベット人にとっての聖地について考えてましょう。
チベットの聖地には仏教の聖地とボン教の聖地があります。ボン教とは、7世紀にチベットが仏教を導入する以前の土着の宗教で、日本で言えば神道にあたる宗教です。

ボン教の聖地として有名なのは西チベットにあるカイラス山です。カイラス山は、仏教の聖地でもあります。
カイラス山は、ヒマラヤ山脈ではなく、カンティセ山脈の中にある山で、標高は6,656mと、ヒマラヤの山に比べればそれほど高くありません。チベット人が信仰する聖地の中で、東の横綱がさきほど紹介したラサのジョカン寺だとすると、西の横綱はこのカイラス山です。先程申し上げたように、カイラス山は、もともとはボン教の聖地でした。ボン教徒たちは、山や湖を神と見立てています。カイラス山は、山々の中の王として信仰されていました。近隣の山々は、カイラス山の家族や家来とみなされています。このような山の神信仰は、カイラス山だけでなく、チベット人が住む、至るところに見られます。

いまも残る風習から推測すると、仏教がチベットにもたらされる前に、チベットでは、ある山を特別 な神とみなし、その聖なる山に対して、畏敬の念を抱いていました。そうした神々は、仏とちがってきちんと礼儀をつくさないと、雹や霰、洪水、旱魃などを起こし、天候を乱して報復するものと考えられていました。あるいは、自然災害の源として、自然の神々を想定してのかもしれませんね。ほかの説としては、地元のシャーマンや呪術師が死んで、強力な霊となって生きている人々に影響を及ぼすとか、自然霊(西洋でいう妖精)の存在説などがありますが、ここでは詳しく説明いたしません。

神の怒りを避けて、反対に恩恵を受けるために神々に気に入られようとして行う行事は、よい匂いのする香木を焚く儀式です。ちなみにチベットの神様は、タバコの煙は嫌いなので、聖地やお寺の中では、禁煙してくださいね。また、聖地ではさきほど言いました馬の絵が印刷してあるルンタとか、タルチョを山の神をまつってある祠などに結び付けます。また、収穫祭など、村祭りもこうした山の神々のご機嫌をとるために行います。このとき村人の誰かに神が降りて預言をすることが一般 的に行なわれていました。今では、ヒマラヤのチベット文化圏の一部でしか残っていない風習ですが、新年に神へのご挨拶行く儀礼は、いまでも広い範囲に残っています。このとき、香を焚いて旗を取り変えるのが一般 的です。

わたしは、カイラスへ4回行きましたが、そこでは、巡礼ビジネスとも呼べる人々と会いました。たとえば、カイラス山巡礼の拠点になるの村に住んで、巡礼者の荷担ぎ役をする人がいます。また、ほかにも代行巡礼という仕事をしている人もいます。この人たちは、お金をもらって、支払った人の代わりに、巡礼をするのです。さきほど、お話したチベット人の「功徳の数が多けりゃいいもんじゃないてば」の一例です。このような職業巡礼者たちは、一周約50km、最高高度5,600mもあるカイラスの一周コースを、100回以上回ったりしています。中には400回(!!)も回った人もいるそうです。

カイラス巡礼は、仏教徒は、右回り(時計回り)に、ボン教徒は、左回り(反時計回り)に行います。単に仏教徒に対抗するための風習?だと思います。

3-2 「山の神、湖の神」と「聖者の修行場」への信仰
山の神だけでなく、湖の神もあります。湖の神として代表的なのは、ラサの北にあるナムツォ湖です。この湖は女神で、湖の外側にそびえているニンチェンタンラ山というのが男の神様で、二人は夫婦だそうです。このような、山の男神と湖の女神というコンビはボン教徒の信仰らしく、ほかにも何組かいます。
ボン教徒にとっての聖地が、山の神、湖の神だとすると、仏教徒にとっての聖地は、仏教徒の聖者、修行者がその場所で修行したという特徴があります。修行をする場所は、聖者が修行をするまではボン教の神々の土地であったので、その土地の神々を折伏(呪術・魔術合戦で勝ち、敗者を従わせる)し、仏教の修行者たちが将来その地で修行するときに危害を加えることを止め、さらには修行そのものも積極的に助けるのです。
中でも最大の聖者は8世紀にインドからやってきたグル・リンポチェです。彼はチベット各地での土地の霊たちとの魔術競争を行い、チベットを仏教国にするのに大きな貢献をしたと信じられています。

チベット人の宗教詩人として有名な、11世紀の ミラレパは、カイラス山でのボン教の修行者、カイラス山の宗教的権威であったナロボンチェンという生きたボン教徒との魔術競争を行い、勝利し、その結果 、カイラス山が仏教徒の聖地になったとの伝説が残っています。

3-3 聖者の加持
最後に、チベットの信仰の中にあらわれる聖者の加持(類似の概念は文化人類学で接触魔術と呼ばれる現象)についても説明しておきましょう。
強い能力のある聖者や修行者は、人々だけではなく空間やモノ(触ったもの、所持していたモノ、何らかの儀礼で念を込めたもの)に対して、影響力(仏教用語で加持といいます)を与えるとチベット人は信じています。念を込めるといいますね。テレビの力という番組で、海外の超能力者(サイキック)が行方不明者の所持品を触ったりして、情報を読み取るシーンが紹介されていますが、ああいう現象を見ると、実際に念の力の強い人が意図的に何らかの情報をモノにこめるということもありうるかもしれませんね。チベット人は、お寺の中のご本尊(といっても本尊の前の台)や、聖地にある聖者にまつわる聖なるモノ(たとえば石に手形や足跡を残したもの)などに額をつけるという行為をします。また、高僧、ラマに触れてもらうことを非常に大事なことだと考えています。だから、ダライ・ラマなどの前に行くと横入り当然の押し合い圧し合いになり、大変なことになってしまいます。

みなさんも、チベットへいかれたら、なりきりチベット人として、お寺を回る、ご本尊に額をつけることをお忘れずに。




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