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経済グローバル化と日本政府(経済コラムマガジン)-政府与党の言う「小さな政府」とは「小さく何もしない政府」の事
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投稿者 JAXVN 日時 2008 年 6 月 08 日 15:33:20: fSuEJ1ZfVg3Og
 

「経済コラムマガジン08/6/9(530号)

・経済グローバル化と日本政府

・「仲良くしている」
本誌は、これまで経済のグローバリズムの危うさを何度も指摘してきた。一方、古典派経済学の信奉者である構造改革派は、リカードの「比較優位の原理」を拠り所に、自由貿易こそ人々に利益と幸福を与えるものとずっと主張してきた。したがって例えば彼等にとって国際的な競争力に劣る日本の農業こそが邪魔な存在であった。実際、これまでWTOの協議で揉めると、日本の農業分野での譲歩を彼等は主張してきた。

構造改革派は、食料の自給率なんかどうでも良いと本音では思っている。彼等は、農業保護をやめ日本の農業をもっと自由化すれば競争力が付き、しいては自給率も上がると無責任な主張を行ってきた。しかし多少の生産性が上がっても、米国やオーストラリアの農産物にとても対抗できないことは明白である。これを承知していながら彼等はこのようなことを言っているのである。

日本の食料の自給率は低下の一途である。しかし半年ほど前テレビに登場した構造改革派と見られる農業学者は、これを深刻には受止めていない。むしろ安い農産物を輸入するのが当然と言い放っていた。この学者は政府の農業問題の諮問委員である。そして驚くことに、その方策として「食料の確保のためには農産物の輸出国と仲良くしていれば良い」とコメントしていた。筆者は、この「仲良くしている」発言にはあきれたが、構造改革派なんてこのような薄っぺらな考えの者ばかりと妙に納得した。

彼等は「安い農産物があればそれを輸入すれば良い」「看護士や介護士が不足するなら外国から招け」「日本の経済成長には積極的に外資を受入れよ」と主張する。財界人や「移民庁を創設」と言っている政治家も同類である。日本は、このような軽薄な構造改革派にずっと振回されてきたのである。しかし今も状況はそんなに変わっていない。

これまで筆者は、経済のグローバリズムに関して「中国のように為替が操作されている国との自由貿易は問題」「産業によって参入障壁の高さが異なり、これが低い産業にとって単純なグローバル化は打撃となる」「特に競争的な産業の配置が多い地方経済にとってグローバリズムは不利」などの問題点を指摘してきた。しかし日本のGDPに占める貿易額の比率がどんどん上昇している。日本経済の外国に依存する度合が高まっているのである。

この流れに冷や水を掛けたのが、最近の石油などの資源や穀物類の急激な価格上昇である。特に世界各地で起った米騒動は衝撃的であった。主食である米の関税を撤廃した結果、安い輸入米の大量流入によって国内の米生産が壊滅状態になったハイチなどは悲惨である。米の輸出国が一斉に輸出を規制したため、米が高騰し深刻な米不足に陥ったのである。

輸出国が米の輸出を規制した原因は急激な価格高騰である。世界の米は消費増加やオーストラリアの干ばつによって不足気味であるが、在庫が底をついているわけではない。ところでほとんどの米の輸出国では国内向けの米価格を安く設定している。したがって何も規制せずに放っておいたら、高く売れる海外に米が全部流出してしまい、国内向けの米が不足する恐れがある。そこでインド、ベトナムといった米の輸出国の政府が輸出規制をかけたのである。

生産量の大半が輸出向けの原油と異なり、元々米などの穀物のほとんどは国内消費向けであり、貿易の対象となる量は少ない。このような事情でハイチなどは輸入する米がなくなったのである。つまり一旦米不足に陥ったら、輸出国と「仲良くしている」かどうかは関係がなく、米は入ってこなくなるのである。

国同士、国民同士が相互理解に努めることは必要である。しかし輸出国の善意を全面的に頼りにして、将来の食料や燃料の供給体制を委ねるなんてばかげている。国(輸出国)は自国の事情や都合によって方針を簡単に変えるものと覚悟すべきである。

・小さくて何もしない政府
これまで農産物の輸出国は、輸入国の輸入規制にいちゃもんをつけていた。このため日本も米の最低限の輸入量であるミニマムアクセスを飲まされている。必要でもない米の輸入を強いられているのである。しかし最近穀物の需給がタイトになり、状況が一変したのである。国際価格が上昇した場合、穀物輸出国の政府が何らかの輸出規制を行うことは止むを得ない措置である。しかし輸入穀物に頼る国はたまったものではない。

日本の食料の自給率は40%と先進国の中でが際立って低い。一方、他のほとんどの先進国は100%を越えている。高い自給率の要因として政府の農産物に対する補助金政策がある。米国の農産物補助金は2兆円を越え、EUの補助金は5兆円を越えている。対する日本の補助金は7,500億円程度である。このように日本の農業が過保護という一般の認識は間違っている。

日本の食料自給率が低い理由を、日本人の米離れのせいにする意見が多い。たしかに米の需要は減り続け、小麦など他の穀物の消費が増えている。しかし昔500万tもあった小麦の国内生産は、今日100万tまで落込んでいる。小麦増産の有効な手がほとんど打たれていないのである。株式や債券に比べ穀物の市場は桁違いに小さく、少ない資金の流入でも穀物価格は上昇する。米で起った騒動が、小麦でも起る可能性は十分ある。

穀物市場が小さいだけでなく、石油などを含めた商品市場全体で見ても市場は小さい。せいぜい2,000億ドル程度である。ここに投機資金が流入している。一説によれば、日本からの資金が25%と一番大きいという話である。

しかし今すぐにとは言わないが、米で起っている騒動が石油でも起る可能性が十分にある。まず産油国の石油消費が増えている。また石油輸出国であったインドネシアや中国は輸入国に転じた。つまり地球の温暖化問題と関係なく、次の石油パニックが起る条件が揃ってきているのである。

金があるからとか、輸出国と「仲良くしている」からといって、必要な物資がいつまでも輸入できるとは限らない。経済のグローバル化や他国との相互関係を深めることには危うさが伴うことを認識する必要がある。したがって食料やエネルギーといった基本物資を海外に依存する態勢からの脱却が必要である。

ところが日本政府の政策にはこのような危機感が全く見られない。代替エネルギーの開発も民間任せである。例えば太陽光発電の補助金も廃止されている。前述した小麦の増産についてもほとんど無策である。

今の日本政府を見ていると、政治家にも官僚にも無力感が漂う。この背景には「財政が危機」という呪縛がある。この雰囲気は地方にも波及している。例えば今日、燃料高で出漁を取り止める船団がどんどん出てきている。政府や地方自治体が金を出せば良いのだ。政府も今日の石油高はバブルの部分が大きいと認識しているのだから、バブル部分を補填すれば良い。国にとって漁船が休業することこそ大きな損失である。

たしかに構造改革を標榜する政権が続き、「小さな政府」を目指せばこのような惨状になる。現在、政治家も官僚も思考停止に陥っている。今日の日本の政府は、小さくて何もしない政府に近付いているのである。


来週は、高騰を続ける原油価格を取上げる。 」
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