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原田武夫  「ヒラリーは本当に“撤退”したのか?」 (6月17日)
http://www.asyura2.com/08/senkyo51/msg/257.html
投稿者 新世紀人 日時 2008 年 6 月 17 日 17:51:26: uj2zhYZWUUp16
 

http://money.mag2.com/invest/kokusai/2008/06/post_68.html

ヒラリーは本当に“撤退”したのか?

「オバマ候補確定」と「原油高騰」の関係は?

6月3日に実施された米モンタナ州およびサウスダコタ州における予備選挙でオバマ候補が勝利。これを受けて7日、ヒラリー・クリントン候補は支持者を集めた集会を開き、大統領選からの「撤退」を表明した。民主党候補が確定したことで、半年近くにわたって米国、そして世界を騒然とさせてきた米大統領選も、ひとまずは一段落した、かのように見えた。


しかし、実際にはそうではなかったのである。とりわけマーケットから見ると、むしろ事態は急展開、あらゆる状況が逆に流動化し始めた感が強い。


その典型が原油価格である。6日夜(日本時間)、NY市場で原油価格は何と1バレルあたり10ドル以上も急騰。一時は139ドル以上という歴史的な高値をマークした。同日発表された米失業率が思いのほか高かったということもあろうが、むしろ高騰の理由は“地政学リスク”に求められた。


なぜなら、イスラエル勢が改めて、一方でイランを、他方でパレスチナをそれぞれ大声で批判し、「武力攻撃の可能性」を示唆し始めたからである。その直後、ブッシュ大統領までもが特にイランについて、「核開発に関する交渉が進展しなければ武力攻撃も辞さない」といった発言をし、緊張は一気に高まっている。


私の率いる研究所(IISIA)では、イスラエル勢より疎んじられているオバマ候補が民主党大統領候補として、まずは“確定”した段階から、むしろ地政学リスクは高まる可能性があると事前に分析していた。しかし、正直申し上げるならば、ここまで早い段階で緊張状態が訪れるとは予想していなかった。正に「風雲急を告げる展開」である。これまで私の研究所では、このコラムでも以前ご紹介した“中東における原子力ビジネス”のために米国は中東和平の進展に全力を尽くし、その結果、中東問題全体は軟着陸する可能性が高いとの分析を維持してきた。だが、「オバマ候補確定」を迎えた瞬間から、“潮目”は一気に変わったのである。


密かに戦いを続けるヒラリー・クリントン

具体的に御説明しよう。私が率いる研究所が去る2日に発売を開始した「IISIAマンスリー・レポート」2008年6月号でも分析を披露しているのであるが、これまでイランとの直接対話による問題解決、そしてイラクからの早期撤退を主張してきたオバマ候補の面子を潰すには、中東問題を炸裂させるのが最も良い手段なのだ。もちろん、大統領候補に確定した直後から、オバマ候補は必死になって、こうした事前の言質を修正しつつある。しかし、「巧言令色唇寒し」である。一度言ったことは、そう簡単に消し去れるものではない。


だが問題は、一体、だれがオバマ候補の面子を潰すことに利益を見出しているのかである。共和党のマケイン候補がその筆頭格であることは確かだ。しかし、献金額からいって圧倒的に劣るマケイン候補は、既に現段階で“オバマ候補の相手ではない”というべきである。それではマケイン候補以外に誰がオバマ候補の顔に泥を塗ろうとしているのだろうか。


この点に関連して、私たちの研究所ではヒラリー・クリントン女史の動向を引き続きウォッチすべきであると考えている。確かに同女史は「撤退宣言」を行った。しかし、これまでの選挙戦のために行った借金(2,000万ドル程度といわれる)を返済するために募金活動は継続するとしている。加えて、同女史を支持すると表明した代議員たちに対し、「オバマ支持にまわるように」との大号令を公的に行っておらず、「自由投票でよい」とも述べてもいないのである(6月9日付独版フィナンシャル・タイムズ参照)。


ヒラリー・クリントン女史自身が、「オバマ大統領候補」の下で副大統領候補になりたいと表明したという事実もない。「選挙戦からの撤退」を表明してはいるが、だからといって彼女の“戦い”が終わったと見るは、余りにも早計だろう。むしろ中東情勢で事態が急展開した時、「やはりヒラリー・クリントンしかいない」という声が出やすくなるよう、静かに“仕掛け”を行うのには絶好のポジションを得たというべきなのではないだろうか。


本当の“シナリオ”を求めて

こうした米大統領選をめぐる「本当のシナリオ」を含め、私は6月28日に神戸・大阪、7月5・6日に東京・千葉でそれぞれ開催するIISIAスタート・セミナー(完全無料)で、現状に関する情勢分析をじっくりとお話できればと考えている。


ちなみにイラン情勢が米大統領選に密接な関係を持った前例としては、1980年の事例がある。この前年(1979年)にイランでは米大使館が占拠されるという事件が勃発。カーター大統領(当時)の「弱腰外交」を非難する声は、やがて「強いアメリカ」を主張するレーガン候補(当時)への強力な支持へとつながっていったのである。そして、不思議なことにイランでの騒動はレーガン大統領就任(1981年1月)と共にぴたりと終わったのである。


ちなみに欧州勢からは米大統領選をめぐり、次のような観測すら聞こえてくる。


「マケイン候補にとっては、中東で新たな火種が燃え盛れば盛るほど有利である。なぜなら、『強いアメリカ』を体現するのが同候補だ。しかし、イスラム勢力にとって同候補の大統領就任は何としてでも阻止したいところである。そこで、アル・カーイダのオサマ・ビン・ラディンが『オバマ候補こそ平和の人であり、米大統領としては望ましい』とメッセージを発表する。もちろん、これはオバマ候補にとって逆効果であり、同候補は米国内で窮地に陥る。民主党の党大会(8月)の直前にこうした状況が生ずれば、『オバマで本当に良いのか?』という議論が巻き起こる余地はある」


あるいは、まずはイランの海上封鎖をすべしとネオコン勢が米国で喧伝しているという情報もある。そうしたことも踏まえ、私たち日本の個人投資家としては、遅くとも晩夏ないし初秋に極めて限定的ではあるが、中東で米軍による軍事行動が勃発する可能性があることに留意しておきたい。


もちろん、これは日本で一部の“インテリジェンス専門家”たちが昨年後半より騒いでいた「第3次世界大戦」などというものではなく、むしろ緻密に計算されたものである。だが、そうであっても、地政学リスクが異様なほど喧伝され、その結果、原油価格がどうなるのかは推して知るべきだ。


「戦争はそれ以外の手段をもって行う政治の延長である」。クラウゼヴィッツのこの至言を思い起こした者だけが生き残れるのかもしれない。


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