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原田武夫  「今般の米朝接近に関する見解 」
http://www.asyura2.com/08/senkyo51/msg/479.html
投稿者 新世紀人 日時 2008 年 6 月 28 日 16:09:45: uj2zhYZWUUp16
 

http://blog.goo.ne.jp/shiome/

今般の米朝接近に関する見解

お知らせ / 2008-06-27 08:52:41


●ポイント

元外交官であり、株式会社原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)CEOである原田武夫。
外務省勤務時代にアジア大洋州局北東アジア課課長補佐(北朝鮮班長)として北朝鮮問題に関わり、外務省退職後、これまで一連の著書を通じて、北朝鮮問題を中心に日本外交のあるべき姿に関する見解を表明して参りました。

昨日6月26日(木)夜(日本時間)に、ブッシュ大統領が北朝鮮に対するテロ支援国指定の解除を連邦議会に通告すること等を公表したことを受け、今般の米朝接近に関するIISIAの見解を以下のとおり通知いたします。

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●事実関係

昨日6月26日(木)夜(日本時間)に、ブッシュ大統領は@北朝鮮に対するテロ支援国指定の解除を連邦議会に通告すること、及びA対敵通商法の北朝鮮への適用も除外することを発表した。これによって、米国は米朝国交正常化に向けて決定的な一歩を踏み出したこととなる。

そもそもIISIAは、2003年から2005年まで北東アジア課北朝鮮班長として対北朝鮮外交の最前線にいたIISIA CEO・原田武夫が、その現場における痛烈な体験に基づき設立したものである。

今般の米朝接近を踏まえ、そのような設立経緯を持つIISIAの現状と今後の見通しに関する見解は以下の通りである。

【1.現状に対する評価】
2003年1月、ブッシュ大統領は一般教書演説において、北朝鮮を「悪の枢軸」としてあからさまに非難した。また、それに先立つ2002年の9月、ケリー米大統領特使が北朝鮮を訪問し、ウラン濃縮活動を北朝鮮は極秘に行っていると糾弾した。これにより「北の核問題」が始まった。

米国はその後も繰り返し「北朝鮮による核兵器開発」を述べてきたが、現在に至るまでその明らかな証拠は公にされていない。その意味で、状況は何ら変わっていない。にもかかわらず、現在突然米朝接近が始められ、これにとりわけ日本がますます翻弄されつつあることに、深い憂慮の念を禁じえない。

【2.日本の立場について】
日本にとって対北朝鮮関係で解決すべき最大の問題は、言うまでもなく「北朝鮮による日本人拉致問題」である。然るに、2002年10月に生存拉致被害者が帰国して以降、何ら状況は変わっていない。米国は「拉致事件を忘れない」という発言を繰り返しているが、時に人道主義を掲げつつも、拉致問題を理由とした本格的な対北朝鮮圧力をついぞかけることはなかった。そうした米国の本当の狙いは何であるのかということを今改めて考える必要がある。

拉致問題は私たち日本人同胞の生命に関わる問題であるだけに、いかなる問題よりもこのことは真剣に検討されるべき問題である。この原理・原則を無視して、いたずらに日米同盟重視を叫び、現状に盲従するのは、国家としての日本の尊厳を著しく損ねる行為である。

【3.IISIA代表の著作とその見解】
IISIA CEO・原田武夫は、2005年3月末日に外務省北東アジア課北朝鮮班長のポストを最後に外務省を自主退職した。それ以来、いわゆる北朝鮮問題に関し、一連の著作を通じて以下の諸点を明らかにしてきた。

◎『北朝鮮外交の真実』筑摩書房(2005年刊行)

一般に最貧国と考えられている北朝鮮は多くの地下資源に依然として恵まれている。米国及びその他関係諸国の最大の関心は、その利権の獲得なのである。そのためには、旧宗主国として最も有利な立場にある日本を利権獲得競争から脱落させることが、これらの諸国の一致した戦略的ポジションである。

◎『「日本封じ込め」の時代 日韓併合から読み解く日米同盟』
PHP新書(2007年11月刊行)

そもそも、戦前に日本が行った朝鮮統治は、英米の明示的な承認に基づくものであった。とりわけ、自国に有利な金本位体制を東アジア(特に中国)に浸透させるため、英国は早々と金本位体制に転換し、朝鮮半島経由で大陸内部へと金本位体制を浸透させようとする日本を大いに支持した。さらにはメディアと金融に対する徹底した掌握を通じた植民地統治の構造が、日本による朝鮮統治と、GHQ(米国)による日本統治の間で、共通してみられることに注意すべきである。

◎『北朝鮮vs.アメリカ――「偽米ドル」事件と大国のパワー・ゲーム』
ちくま新書(2008年1月刊行)

「核問題」を当初は問題としていた米国が「偽米ドル問題」へと北朝鮮問題をすり替えた背景には、欧米の金融資本勢力間の争いを見て取ることができる。また、入手しうる全ての客観的な情報に基づく限り、「北朝鮮が偽米ドルを製造している」という米国の主張は支持出来ない。そうであるにもかかわらず、こうした米国の主張を共に喧伝してきた日本の“言論人”たちの真意が問いただされるべきである。

以上の研究成果及びそれに基づく主張をIISIAとしては引き続き維持している。


【4.IISIAのミッション】
IISIAはかねてよりこうした諸問題の指摘を言論として行うのみならず、この北朝鮮問題を契機として一般市民レベルの「情報リテラシー」が涵養されることが不可欠であるとの立場から、全国で啓蒙活動を展開してきた。

国家機関としての対外情報工作機関を日本で設立するにせよ、まず不可欠なのは、「インテリジェンス」の持つ重要性を十二分に理解し、同時に自らいかなる強大な存在によっても騙されることのない広範な国民の存在である。弊研究所としては、今回の米朝接近を踏まえ、ますます喫緊の問題となっているこうした賢慮ある国民の育成のため、引き続き全力を尽くしていく。


●今後の見通し

今般の米朝接近を踏まえ、北朝鮮情勢の今後の見通しに関するIISIAの分析は以下の通りである。

【1.イスラエルによる対イラン限定的空爆の可能性】
ブッシュ大統領率いる米国政府が北朝鮮に接近を図ることが出来るのは、8月上旬までである。なぜならば、その時点から9月中旬までの間、イスラエルによる対イラン限定的空爆が行われ、これを米国が先頭に立って支援する可能性が極めて高くなっているからである。
現在、イスラエルとしてはシリアにおいて北朝鮮の支援の下、イランのための核兵器開発が行われていたと主張しており、来るべき空爆もこれを理由にして行われる公算が高い。
そうである以上、8月上旬以降はその巻き添えとなる形で米朝関係が再び膠着状態に戻る可能性が高い。

【2.本格的な米朝接近】
こうした中東情勢とのリンケージにより、本格的な米朝接近は本年11月4日(火)に行われる大統領選挙の結果を受けて来年1月に発足する次期米国政権の下で行われる公算が高い。イラン問題の劇的な展開によって米民主党における大統領候補選定も大いに番狂わせな展開になるであろう。

但し、2003年頃より一貫して非外交ルートを通じた北朝鮮との交渉を行ってきた専門家が既に次期政権チーム一員として指名されていることなどから、「2009年以降、米朝は本格接近」という大勢に何ら影響は及ばない。

【3.日朝接近】
米朝接近に流される形で始まった日朝接近の中で、福田政権としては最大限の得点を稼ぐべく、極秘裏の交渉が向こう1カ月ほどの間で進展することであろう。日本の内政事情を熟知する北朝鮮側の態度如何では、福田政権ではこの日朝接近の「成果」を以て秋にも総選挙へ突入する可能性は排除出来ない。

但し、日朝間の最大の嫌悪は「請求権問題」であり、金額及び支払い方法について折り合いをつけられるほどの政治力が福田政権にあるとは考えられない。

また上記のような中東情勢の激変に伴い、この点に関する日朝交渉の余裕は乏しいことなどから、日朝間での本格的な妥結へ年内にありつける可能性は極めて低いと考える。


IISIA

[新世紀人 若干のコメント]

この度の米国政権の発表については機会があれば私の感想も述べたいと考えてはいるがあまり時間が無い。
ほんのすこしだけ書いておくと…
金正日氏は「最大の勝利者」として北朝鮮国内で捉えられるであろう。
しかしこの事は国際的な事実でもある。
日本という「海老」を釣り針に刺して「海」にあたる外交交渉の場に放り投げて米国という「鯛」を釣り上げたのであるから、
金正日氏は太公望のようなものだ。
戦わずして米国に勝ったのであるから。

米国が北朝鮮との和解を決断した事により、今後の米国の対東アジア戦略を読み取る事が出来る筈だ。
また、在日米軍基地の本当の存在意義についても読み取れる筈である。

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