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デニス・クシニッチ、きくちゆみ、安濃一樹、ロバート・フィスク(天木直人のブログ)
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投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 7 月 09 日 22:47:24: twUjz/PjYItws
 

http://www.amakiblog.com/archives/2008/07/09/#000996

2008年07月09日
デニス・クシニッチ、きくちゆみ、安濃一樹、ロバート・フィスク
 
  これから書くことは、私の独り言である。そう思って読み流してもらいたい。

  私は7月3日のブログで、一人の外交官でも、本気で仕事をすればかなりの仕事ができる、という事を書いた。

  実は、それは自分自身に向けた反省の言葉であった。

  もう一度時計の針を戻せたら、と思う事は、誰にでもある。そして、たとえもう一度やり直せるチャンスが与えられても、おそらく我々はまた同じ間違いを繰り返すに違いない。

  それでも、私は時々思う。あの時もっと真剣に生きていたら、本気で仕事に取り組んでいれば、と。

   今、私が最も関心を持って眺めている米国の政治家の一人に、オハイオ州下院議員のデニス・クシニッチ(民主党)という議員がいる。

   あの時彼にあっていたならば、と悔やまれてならない。

   私は1997年9月から2000年11月までデトロイトの総領事をしていた。その管轄地域はミシガン州とオハイオ州だ。

   二つの州の知事や上下院議員に、つとめて会って人脈を構築するのも外交官の仕事である。

   デトロイトのあるミシガン州では殆どの政治家をたずねた。しかしオハイオ州では何人かの政治家に、ついに会うことが出来なかった。そのうちの一人がクシニッチ議員であった。

   約束まで取り付けていたのだが都合により取り止めとなった。日程を調整して後日会う事にしているうちに、任期が終わって帰国することになった。

   その彼が、イラク攻撃に反対し、ブッシュ大統領を弾劾するような人物だとは、その時は気づく事はなかった。

  イラク攻撃を行なって多くの人命を犠牲にした、その自らの誤りを正当化するために、隠蔽、盗聴、拷問など、数々の人権無視、憲法違反を繰り返すブッシュ大統領。

  そのブッシュ大統領を、35に上る理由を挙げて弾劾する決議案を議会に提出した政治家がデニス・クシニッチである。この事を私は6月16日のブログで書いた。

  その時の米国議会風景を描写した記事を、ネット新聞日刊ベリタ(www.nikkanberita.com)
7月5日号に見つけた。

  安濃一樹という名の記者が書いたその記事は、たった一人でブッシュ大統領と向かあうクシニッチ議員への心からのオマージュである。

  その文章を読んだ時、私はこの見知らぬ記者のジャーナリスト魂に、久しく忘れていた身震いするほどの感動を覚えた。

  なかでも次の言葉ほど私のブログの目指すところを言い当てている言葉はない。

 ・・・私たちに必要なのは、思想ではなく、戦略でもない。まして権力でもない。倫理という権威に支えられた信念である・・・

   その通りだと思う。これだけの言葉を吐けるジャーナリストが日本にもいたのだ。

   そう思って安濃一樹という記者の事を調べていたら、彼は翻訳家でもあり、ロバート・フィスクの著書を翻訳している事を知った。その事だけで私は安濃一樹を信用する。

  ロバート・フィスクという名を久しぶりに目にして嬉しくなった。

  英国ジャーナリストであるロバート・フィスクは、私がレバノン大使であった頃、レバノンに滞在し、良質な記事を精力的に書いていた。

 そのロバート・フィスクと偶然友人のホームパーティで会い、話していくうちに、米国やイスラエルのパレスチナ政策に批判的な立場で意見が一致した。彼の中東政治を見る目は、私には随一に思える。

そのロバート・フィスクが不快な顔をした瞬間があった。おなじく中東専門の米人ジャーナリストであるトーマス・フリードマンの名前を私が口にした時だ。

 「彼と一緒にしてもらっては困る」

 米国・イスラエルの御用ジャーナリストとは自分は違うのだ、と言いたかったのだろう。

 話をクシニッチ議員に戻そう。

  クシニッチ議員がいかに平和を愛する良心的な政治家であるかを私に教えてくれたのは、きくちゆみという女性平和活動家である。私が外務省を辞めたばかりの頃、雑誌のインタビューで知り合った。

  米国の政治家にも、このような反戦、平和の塊のような政治家がいた。その喜びで、オハイオまでクシニッチ議員に会い行ったと言う行動派の人である。

  クシニッチ議員と会って意気投合し、彼のこころざしを日本に紹介しようと頑張っている。おそらくクシニッチ議員を個人的に知っているただ一人の日本人に違いない。

  この世の中には、実にすぐれた人たちがいる。国籍も立場も知名度も、それぞれ違ってはいても、そのこころざしにおいて、そして能力において、すばらしい人たちが、無数に存在する。

  我々の短い一生において、一人の人間がめぐり合う、そのような人たちが、ほんのわずかな人たちでしかない事を残念に思う。  

 

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