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BSE検査、自治体が継続 消費者反発恐れ(毎日新聞)
http://www.asyura2.com/08/senkyo52/msg/245.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 7 月 29 日 13:33:43: twUjz/PjYItws
 

http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20080729ddm003040104000c.html

◇ブランド維持の思惑も

 生後20カ月以下の牛のBSE(牛海綿状脳症)検査を巡り、「必要ない」とする国との溝が埋まらないまま、検査主体の全自治体が自前での検査継続を決めた。科学的根拠が薄いことを認識しつつ、ブランド維持への配慮などを優先させた結果だ。検査後の肉の処理方法にも安全性の観点から異論が出ているが、議論は「全頭検査か否か」に集中。食の安全への消費者の不安解消策が講じられていないと専門家は指摘する。【清水健二、奥山智己、工藤昭久】

 「行政は民間企業と違い、赤字覚悟でもやらなければいけないことがある」。宮城県のBSE検査担当者は、20カ月以下の牛の独自検査を続ける意味をこう話す。県内の食肉処理場は危険部位の脊髄(せきずい)などの汚染防止策も万全といい、「安全には自信がある」と胸を張る。だが、それを説明したうえで県民の意見を聴くと、大多数が全頭検査を望む結果となる。結局は「消費者の安全確保」を理由に、検査継続を決めたという。

 地域ブランドを守りたいとの思いも強い。近江牛を育てる滋賀県湖南市の畜産農家(59)は「世界一厳しい検査で市場に出し、良質の肉を届けたい」と話す。別の県の担当者は「やらないと『なぜうちの県は違うのか』と非難される」と打ち明ける。全国の牛の1割以上を処理し、今年度3500万円の独自予算を計上した北海道は「住民の理解と納得が大切。費用は関係ない」と言い切る。

 公正取引委員会は、検査を受けない20カ月以下の牛肉が流通した場合、検査された牛肉について業者が「検査済みで安全」などとPRするのは景品表示法違反(優良誤認)に当たると判断している。だが消費者が公平に見てくれる保証はない。

 一方、「検査をやめると危険が高まる」と答えた徳島県は「BSEには科学的に不明の部分があり、20カ月以下は安全とは言い切れない」と指摘する。


 ◇対米交渉に影響か

 8月以降も自治体が全頭検査を続けることは、月齢制限が焦点である米国産牛肉の輸入条件緩和問題にも影響を与えそうだ。

 米国は月齢制限そのものを完全撤廃するよう求めている。日本側は「安全を証明する根拠が不十分」と、米国に科学的データの提出を求めている。

 ただ、政府内には、米国産牛肉の輸入について現在の20カ月以下の月齢制限を「30カ月未満」に緩める案も浮上している。米国産の主要輸入国に準ずる考え方だ。

 4月に米国産の月齢制限撤廃でいったん合意したものの、国民の猛反発を受け再交渉し、6月に「30カ月未満」で合意した韓国の経緯もある。

 しかし、輸入条件を緩める一方で国産牛の全頭検査が続けば、国産と米国産を区別する消費者の動きが一段と進むのは確実だ。

 全頭検査が米国産牛肉に対する実質的な「輸入障壁」となり、日米交渉を複雑化させるおそれもある。


 ◇国の主張伝わらず−−20カ月以下、感染例なし

 厚生労働省は05年8月に検査基準を緩和し、自治体や消費者に「20カ月以下の牛の検査をやめても安全性に変わりはない」と訴えてきた。

 01年9月の第1号発見以来、国内でBSE陽性と確認された牛は35頭。生年月日をたどると(1)95年12月〜96年8月(2)99年7月〜02年1月−−の2グループに集中する。まず、何らかの原因で(1)のグループが食べていた飼料に感染原因の異常プリオンが混入し、次に(1)の牛を処理した肉骨粉を飼料として食べた(2)のグループに感染した、というのが国の見立てだ。基準緩和で検査義務の対象外とされた20カ月以下の牛は最も古くて03年7月生まれ。肉骨粉飼料は01年10月には禁止されており、従来のルートでの感染は考えにくい。

 食品安全委員会プリオン専門調査会委員の堀内基広・北海道大大学院教授(獣医学)も「20カ月以下の国産牛の感染例は1件もなく、若い牛のデータも十分集まったので、科学的には継続の意味はない」と指摘。厚労省内には「税が使われるのは同じ。無駄遣いとしか思えない」との声さえある。

 そもそも、全頭検査さえ行えば安全なのか。国際獣疫事務局(OIE)の評価では、日本は米国などよりBSE発生の危険度が高い。理由はOIEが必要な対策として挙げる「ピッシング」を全面禁止していないからだ。

 ピッシングは牛が死ぬ時にけいれんして暴れるのを防ぐため脳組織を破壊する方法だが、感染牛に用いると危険部位以外の肉を汚染する恐れがある。厚労省は01年10月に「中止が望ましい」と自治体を指導したが、法規制せず、05年度までは過半数の処理場が行っていた。

 また、OIEが求める危険部位の除去についても、牛舌を食べる習慣のある日本では、舌の奥にある扁桃(へんとう)の切除法が決まっておらず、専門家から「明確な基準を作るべきだ」との声も上がっている。

 小林傳司(ただし)・大阪大教授(科学技術論)は「消費者が不安を抱くのは仕方ない。国がやみくもに『科学的に安全』と主張するだけでは溝は埋まらない。万が一の時は誰がどう責任を取るか示し、納得してもらう努力が必要だ」と国に注文した。

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 ■ことば

 ◇BSE検査
 牛を食肉処理する際、延髄の組織を取り出して、感染原因である異常プリオンの有無を調べる。全頭の検査をしているのは世界で日本だけ。年間の検査頭数は120万頭に上り、うち8分の1が20カ月以下の牛だ。これまで国産牛35頭の陽性が確認されたが、生後20カ月以下の牛が陽性だったケースはない。厚生労働省は昨年8月、20カ月以下の検査を今年7月末で一斉終了するよう、自治体に促していた。

毎日新聞 2008年7月29日 東京朝刊

 

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