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福田改造内閣の行末(経済コラムマガジン)−ただの時間稼ぎでしかない「改造」
http://www.asyura2.com/08/senkyo52/msg/352.html
投稿者 JAXVN 日時 2008 年 8 月 03 日 15:05:35: fSuEJ1ZfVg3Og
 

「経済コラムマガジン08/8/4(538号)

・福田改造内閣の行末

・敵の敵は味方
予定を変更し今週は内閣改造を取上げる。8月1日に福田首相は初めての内閣改造を行った。しかしマスコミや人々の反応は総じてもう一つである。「これは総選挙に挑む内閣である」から「これは自公連立政権の最後の内閣改造である」といった辛辣なものまである。

どれだけ内閣のメンバーを入替えても、大した政策が実行されるとは人々も思っていない。逆にそれほど大きな間違いもなかろうと踏んでいる。人々はずっと続いているジリ貧状態がさらに続くだけとボンヤリ感じている。

この期待感のなさには二つの理由がある。一つは衆参のねじれである。与党が政策を打出しても、野党の反対で潰されることが分かっている。衆議院には「三分の二条項」があるがめったに使えるものではない。つまり野党が承知する範囲の政策しか実現できないのである。

もう一つは「2011年度までのプライマリーバランスの回復」という不毛な大原則が堅持されることである。経済財政担当大臣に与謝野馨氏が任命されたことがこれを象徴している。内閣には与謝野氏以外にも増税派がいる。たしかに一方には麻生幹事長のように「今は増税どころか景気対策を考えなければならない」と言う者がいる。

しかし逆にこれだけ増税派を内閣に抱えていては、大きな財政支出を伴う景気対策を打ち出せるはずがない。このように福田改造内閣はアクセルとブレーキを同時に踏んでいるような矛盾を抱えた内閣である。これでは人々が白けるのも当り前である。

筆者は今回の改造人事が福田首相の個人的な好き嫌いを強く反映していると感じている。「敵の敵は味方」といった判断基準で自民党の執行部と閣僚が選ばれたと見れば良い。一番嫌われた「敵」が小泉元首相の周辺ということである。郵政改革に反対した政治家さえ登用されていることを見ればこのことが分る。もちろん小泉路線の政治が有権者の自民党離れに繋がっていることも影響している。

橋本政権以降、財政規律を重んじる財政均衡派と規制緩和や競争政策に重点を置く構造改革派が手を携えて来た。前者が「増税派」、後者が「上げ潮派(成長派)」である。小泉元首相は後者に近い。ところが小泉元首相の影響を嫌った福田首相が、「上げ潮派」の入閣を拒んだものと見られる。

小泉政権下のある時点までは両者の区別が分らなかった。両者の発言にも大きな違いがなかった。これは積極財政派という両者の長年の共通の敵が自民党内に存在していたからである。しかし郵政改革騒動で大半の積極財政派の政治家が自民党から追出された後(自民党には積極財政派がある程度残っているが)、今度は両者の主導権争いが激化したのである。

07/10/22(第501号)http://www.adpweb.com/eco/eco501.html「増税派と成長派」で述べたように、増税派は歳出のカットは限界に来ており、必要な財源は増税で賄う他はないと考える。一方、上げ潮派(成長派)は、まだまだ無駄な歳出があり、増税は避けるべきと主張する。むしろ財政支出を削減して減税を実施せよとまで言っている。まさに「小さな政府論」者である。

・任期満了の総選挙
これまでマスコミや評論家が予想していた内閣改造や解散の時期がことごとく外れている。今、世間が予想しているのは年末あるいは来年年明けの解散・総選挙である。しかしこれは公明党の都合に過ぎず、筆者はこの予想も外れると見ている。よほど国会が混乱でもしない限り、解散はないと思われる。理由はこれから日本経済がかなり悪化することと、福田政権に解散するほどの力がないことである。

筆者は任期満了での総選挙になる可能性が高いと前から思っている。つまり解散はなく来年9月に総選挙である。その前に総選挙を実施しても自民党が勝つ可能性は小さく、仮に自公で過半数を制しても、3分の2に達することは不可能である。これでは「三分の二条項」が使えなくなる。つまり自民党にとって総選挙を行う意味がないのである。また任期満了選挙は、引退を予定している議員や落選確実な議員が密かに期待しているところと思われる。


前段で述べたように、福田改造内閣には増税派が目立つが、内閣として具体的な増税路線を決めるというものではないと筆者は考えている。あくまでもこれらの増税派閣僚は、「敵の敵は味方」という観点から選ばれたのに過ぎないと見ている。また麻生幹事長の「今は増税どころか景気対策を考えなければならない」発言は増税論議にクギをさすものでもある。

ところで麻生幹事長は日本再生会議のメンバーであったことがある。日本再生会議は07/10/29(第502号)http://www.adpweb.com/eco/eco502.html「日本再生会議の話」で述べたように、旧志帥会を中心にした積極財政派の牙城であった。麻生氏は数少ない他派閥からの参加者であった。つまり麻生幹事長は自民党の中の積極財政派の残党と見られるのである。

ちなみに増税派と見なされる与謝野経済財政担当大臣と伊吹財務大臣も旧志帥会に属していた(与謝野氏は小泉側に一本釣りされ途中脱会、伊吹氏は志帥会を継承)。ただし両氏が日本再生会議にどれだけ深く関わっていたのかは不明である。ところで麻生氏と与謝野氏は意外と親しい。どうも積極財政派の麻生氏は、増税派の与謝野氏と日本再生会議を通じて繋がっていた可能性がある。


このように積極財政派、増税派、郵政民営化反対派と、考え方がバラバラの政治家で構成されているのが福田改造内閣である。また福田首相はリーダシップを執るタイプではない。さらに衆参のねじれである。このような状況で大胆な政策が打ち出せるはずがない。

例えば麻生幹事長は「景気対策」と言っているが、この状況で有効な対策を打つことは無理である。結局、最小公倍数的な政策しか実行できないと思われる。つまり福田改造政権は時だけが無為に過ぎるような政権である。

任期満了と言っても後一年しかないのである。しかも一年も経てば自民党は政権の座から降りている可能性がある。このような状況で与野党共同で大胆な政策の協議と言っても、野党がまともに乗ってくるはずがない。またここまで来れば、野党も無理に早期解散を求める必要性がないことに気付くと思われる。だいたい任期満了の総選挙は野党にとって有利に働くと考えられる。

来週は、今週予定していた投資ファンドと危機的状況の米国経済を取上げる。 」
http://www.adpweb.com/eco/eco538.html  

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