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警察・検察の「裁量」と「天下り」
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投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 8 月 14 日 14:59:40: twUjz/PjYItws
 

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_d33a.html
2008年8月14日 (木) 訴訟・冤罪

警察・検察の「裁量」と「天下り」


「カナダde日本語」の美爾依さんが8月12日付記事「「1600年体制」からの脱却」を紹介してくださるとともに、警察官僚の天下りについての貴重な情報を紹介してくれた。7月のアクセス解析でも丁重なコメントをいただき、心から感謝している。


総選挙が迫り、利権死守に血道をあげる自公政権は目くらましの「偽装3兄弟」新政策(「偽装景気対策」、「偽装無駄ゼロ政策」、「偽装消費税増税封印」)を用いて国民を幻惑する可能性が高い。


また、福田改造内閣中枢から排除された「小泉一派」が「脱藩官僚の会」や「自民党別働隊知事グループ」などと連携して「偽装CHANGE」勢力を立ち上げるかも知れない。


しかし、国民は騙されてはいけない。自公政権の狙いは「権力=利権」維持だけなのだ。小泉政権以来、日本と日本の国民を食いものにして利権をむさぼってきた、政治屋(政)、特権官僚(官)、大資本(業)、外国(外)、マスメディア(電)は、利権構造を死守するために必死だ。


「偽装」の向こう側に利権集団の高笑いが隠されている。「偽装」を暴き、国民本位の政権、政治を実現するために正しい情報を発信して国民を誘導しなければならない。同時に、被支配者の地位に安住せずに自分たちの手で政治の実権を利権集団から奪い取る気概を、国民自身がしっかりと持たなければならないことを国民に気付いてもらわなければならない。


利権集団=「悪徳のペンタゴン」は有権者多数を「B層」と蔑視している。利権集団=「悪徳のペンタゴン」にとって国民は「利権維持の観点から選挙で与党に投票させる対象」であり、「権力を維持するための道具」にすぎないと彼らが考えていることを正確に知らなければならない。


韓国ではマスメディアの一角を担うKBSやMBCが政権批判の報道を展開し、政治権力がマスメディアを完全支配する日本と比較すれば健全な状況が残されているが、支持率低迷にあえぐ李明博(イ・ミョンバク)政権は8月11日、鄭淵珠(チョン・ヨンジュ)KBS(韓国放送公社)社長を解任した。


これに対して国際記者連盟(IFJ)は「韓国メディアに対する政府の政治的干渉を非難する」とする声明を出し、MBC報道番組「PD手帳」に対し、検察が「事実歪曲」を主張していることにも触れながら、憂慮の意を表明した。


政治権力がマスメディアを支配し、情報操作によって世論誘導を図ろうとするのは各国共通の現象だ。日本ではマスメディアが身も心も政治権力に迎合してしまっており、ジャーナリズムの健全な非難精神が消滅してしまっている。このなかで世論を喚起することは至難の業であるが、ネット社会の草の根から正しい情報を発信してゆかねばならないと思う。


志を同じくする情報発信者が「大きな目標」を実現するために力を合わせることが不可欠だと思う。


さて、美爾依さんが紹介してくださったMy News Japanの記事「警察天下りを受け入れるダメ企業393社リスト」は非常に重要だ。拙著『知られざる真実−勾留地にて−』第一章「偽装」7「摘発される人・されない人」にも記述した。


企業が摘発されるとき、当事者が「逮捕」されるか「在宅」で書類送検されるのかとの間には天と地の開きがある。拙著に紹介した2004年3月26日の森ビル・六本木ヒルズで起きた6歳男児の回転ドア死亡事件。六本木ヒルズの回転ドアでは2003年4月から2004年2月までに32件の事故が発生していたことが明らかにされた。森ビル側の管理責任は極めて重大だった。


森ビルの役員ら3名と回転ドアの販売元「三和タジマ」の役員ら3名の計6名が書類送検されたが「逮捕」されなかった。森ビル社長の森稔氏も責任を問われなかった。


船場吉兆の湯木正徳前社長らは書類送検されたが逮捕されていない。しかし、北海道「ミートホープ」、秋田「比内鶏」の社長は逮捕された。「詐欺罪」容疑が逮捕の根拠かも知れないが、「不正競争防止法」と刑法の「詐欺罪」適用の区分は「裁量」による。


警察、検察行政の「裁量権」がいかに重大であるかを考える必要がある。私は面識のあった森ビルの森稔社長から「小泉政権を批判するな」と強く要請された。


森ビルは森・小泉政権以来の自民党清和会政権に強い関係を有していた。六本木ヒルズのオープニングパーティーには小泉首相が駆けつけ祝辞を述べている。新潟中越地震が発生した時刻も、小泉首相は六本木ヒルズで開催された東京国際映画祭に出席していた。


日本国憲法が定めた「法の下の平等」を考察する際、警察官僚の民間企業への「天下り」と刑事事件捜査における「裁量」との関係を全面的に洗い直す必要がある。


すべての省庁が「天下り」全面禁止に猛反対すると予想されるが、警察の「天下り根絶」反対への動きも熾烈を極めることが予想される。これまで指摘されることが少なかったが、「警察捜査と天下りの因果関係」は徹底究明されなければならない重大テーマである。


美爾依さんが紹介された、月刊『宝島』(3/25発売号)に掲載されるはずだった特集『警視庁「天下り企業」これが全リストだ!!』(6ページ)が『宝島』のスポンサー企業である松下電器産業(10月からパナソニックに社名変更予定)からの圧力で掲載取りやめになったとの一件からも、問題の氷山の一角が垣間見られる。


「天下り」を存続させる一因になっている国民の側の意識を私は「お上と民の精神構造」と呼び、「1600年体制」が存続していると見ているのだが、拙著『知られざる真実−勾留地にて−』にもその見解を記述したので紹介しておきたい。


以下は第一章「偽装」21「天下り全廃なくして改革なし」からの引用である。


「「お上」と「民」の「支配・被支配の精神構造」を「1600年体制」と表現した。支配者である「お上」に従順に従う「民」。この精神構造が江戸時代以降、脈々と引き継がれて現在に至っている。


 徳川時代は相互監視社会だった。身分関係が固定され、幕府は反逆を許さなかった。「民」は身の安全のために「お上」に刃向うことを忌避した。幕府は民を「依らしむべし、知らしむべからぬ」存在と捉え、民は「お上」への反逆を「見ざる、言わざる、聞かざる」で対応した。圧政下での生活の知恵だったと思う。反逆する「民」への「お上」の仕打ちを見て、民は恭順の意を示すことで保身をはかった。


 明治維新で統治者が「将軍」から「天皇」に代わった。天皇制では「官僚」が実質的支配者に位置付けられた。明治の官僚は「天皇の官僚」として統治者の地位を付与された。明治時代に「高文試験」が創設された。合格者は「高等文官」として支配者の地位を獲得した。


 第二次夫戦後に統治システムが変更された。「民生主義」が導入され、「主権在民」が定められた。公務員は「全体の奉仕者であって、一部の奉仕者でない」(日本国憲法第15条)と定められた。憲法の上では国民が統治者になった。


だが、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)は過ちを犯した。戦前の官僚制度を温存した。日本統治の実行部隊が必要だったためだと思う。だが、戦前の官僚は「全体の奉仕者」でなく特権階級に位置する「統治者」だった。


 GHQは特権階級の「高級官僚」を温存した。「国家公務員上級職」、「第一種国家公務員」と名称が変わったが本質は変わらなかった。「特権的官僚制度」がいまも行政機構の根幹に横たわる。


 日本の民主主義、国民主権は国民が闘い、勝ち取ったものでない。国民の意識変革が不十分だ。明治以降、大正デモクラシーや1947年の労働者運動拡大などがあったが、米ソ対立の東西冷戦が深刻化し、1950年に朝鮮戦争が始まり、共産主義者が追放された(レッド・パージ)。1960年には日米安保改定反対を唱える安保闘争が広がったが、公権力が国民運動を鎮圧した。国民の心にいまも「お上と民の精神構造」が染み付いている。この精神構造が高級官僚の特権=「天下り制度」を支えている。


(中略)


経済復興期には官僚のリーダーシップが有効だったかも知れない。しかし、高度経済成長実現以後は官僚の支配権の正当性が消滅した。公務員を名実ともに「全体の奉仕者」にする制度変更が必要だ。勤勉な一般公務員を鮮雇するのが改革ではない。高級官僚の利権を撤廃することが真の改革だ。」(引用終了)


 警察・検察行政が歪んでいることが現代日本の前近代性の象徴だ。警察・検察の「裁量権」と「天下り」利権との関わりにメスを入れることは「タブー」への挑戦だが、日本を近代化するために避けることのできない検証項目である。

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