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夏の終わりに(日々通信 いまを生きる 第281号 2008年8月25日)        
http://www.asyura2.com/08/senkyo52/msg/756.html
投稿者 gataro 日時 2008 年 8 月 26 日 19:12:19: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://tizu.cocolog-nifty.com/heiwa/2008/08/281_f122.html から転載。

08/25/2008
第281号   夏の終わりに        
>>日々通信 いまを生きる 第281号 2008年8月25日<<           
 発行者 伊豆利彦       
 ホームページ http://homepage2.nifty.com/tizu/

夏の終わりに

 北京オリンピックも閉幕を迎え、今年の夏も終わろうとしている。
 大変な暑さだった。
 テレヴィの画面はほとんどオリンピックに奪われ、金だ銀だと叫びたてる狂気めいたアナウンサーの声が響きわたった。
 中国のナショナリズムが盛んにいわれたが、日本のナショナリズムも負けず劣らずなのではないか。
 中国の辺境の騒動、報道規制は前もって西側メディアが強調していて驚きはなかったが、オリンピックと時を合わせたようなグルジア騒乱の勃発には驚かされた。

 西寄りのグルジア軍が親ロシアの南オセチアを攻撃し、ロシアがグルジアに侵入してグルジア軍を撃退した。アメリカやNATO諸国はロシア軍の撤退を要求し、米軍の艦艇が黒海に派遣されるという緊迫した展開になっている。これはそもそもロシアの謀略なのか。アメリカの謀略なのか。いずれにしても米ロ対立は激化し、新しい冷戦の始まりが恐れられている。

 イラクは解決のあてもなく、戦火はアフガンに拡大し、戦死傷者が拡大しているばかりでなく、激増する戦費にアメリカ経済は打撃を受けて、暴落している。アメリカは、世界の国々に対する支配力を失い、パキスタンではブッシュ大統領の盟友ムシャラフ大統領が辞任するに至った。アメリカの危機は切迫している。

 ブッシュ政権の終末は既定の事実で、民主党の大統領候補オバマの圧倒的勝利が予想されていたが、最近、マケイン共和党候補支持が急増し、5分5分の支持率になったと伝えられる。その背後にはグルジア問題があるといわれ、世界情勢は大統領選挙がらみで想像もしなかった展開の恐れがある。

 北京オリンピックにうつつを抜かしている間に世界史は不気味な動きを示しているが、日本政府もマスコミもこれにはまったく無関心で、次期政権がどうなるかという問題に明け暮れている。世界史をどうみるか、日本はこの危機をどうするかという問題に対する論議を欠いたまま、だれが総理大臣になるかの予想に熱中しているのだ。日本には政治がなく、ジャーナリズムがない。日本は危ない。日本は亡びるという漱石の言葉がますます身に沁みるこの頃だ。

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掲示板から

[グルジア問題について]

8308.伊豆利彦 > グルジア問題は、イラク戦争、チベット問題、パレスティナ問題等々、続出する民族紛争と共通する複雑さを共有しているように思われる。自由、人権、独立、民主主義などという大義名分が、結局は混乱をよび、紛争を拡大している。そして、いつでも犠牲になるのは現地住民で、大量の難民を生み、また、新しい紛争を生む。いま、大義名分の正ししさを競うことではなくて、現地住民の平和と生活を守ることを軸に問題を解決する道を探る必要がある。平和とは妥協であるとして、原理主義者たちから攻撃されてきたが、いま、思考の軸を転換する必要がのではないだろうか。 ( 8月13日(水) 10時6分 )

8310.伊豆利彦 > 芥川龍之介はブルジョアは白い手に白い棍棒を持ち、プロレタリアは赤い手に赤い棍棒をもって力の限り殴りあうがいい。私はしかし、ロシアで餓死したドストエフスキーの孫を見ているーーという意味のことを書いていた。 ( 8月13日(水) 14時50分 )

8311.伊豆利彦 > 広津和郎は米ソ対立の渦の中で次のように書いた。 ★この文章を書いていて強く心に残ったのは「『平和』と『平和』の絶叫が高調に達する時、われわれは『戦争』の足音の近づきを聞いて恐れおののくのです。何故かというと、それは古来の歴史が証明しているからです。戦争はいつでも『平和のため』という旗印を先に押し立ててやって来るものだからです。」(「多難なれども」『群像』一九五〇年八月号)という言葉である。→「いまよみがえる広津和郎  散文精神について 」http://homepage2.nifty.com/tizu/sengo/imayomigaeruhirotukazuo.htm ( 8月13日(水) 17時24分 )

8315.おやおや > やはり、背後にアメリカがいるのでしょう。グルジアはアメリカをたのんで挑発行為にでたのでしょう。あたらしい冷戦時代が始まっているのだろうか。 ( 8月14日(木) 9時44分 )

8316.伊豆利彦 > 親ロ的なオセチア人をグルジアが弾圧し、これを理由にロシアが侵攻した。アメリカはこれを人権と独立を犯すとして攻撃している。例の人権外交だ。かつての日本の場合、ドイツの場合、イラク戦争の場合も同様だ。これからどうなるか。ただ、現地住民が犠牲になることだけはたしかだ。 ( 8月14日(木) 9時57分 )

8317.伊豆利彦 > 野間宏の「暗い絵」に大魚が中魚を食い、中魚が小魚を食い、その小魚がさらに小さな魚を食っているブリューゲルの絵のことを書いていた。 ( 8月14日(木) 11時59分 )

8325.伊豆利彦 > 国際関係とはこのように複雑怪奇だ。自由とか人権とか美しい言葉を並べて、陰にかくれた勢力の意のままに操られる訳にはいかない。木を見て森を見ない愚は避けたい。 ( 8月15日(金) 10時31分 )

8330.おやおや > ブッシュのロシア撤退を求める、正義と人権の偽善的脅迫はたまらない。アメリカ追随勢力とこれに対抗する勢力の全体的関係の構図の中で個々の現象は見なければならないのではないか。 ( 8月16日(土) 9時29分 )

8332.伊豆利彦 > グルジア問題は「日韓併合」の日露関係を新しい角度から考察する道を開く。それは日本の侵略戦争に対する新しい視座となる。 ( 8月16日(土) 10時39分 )

[北京オリンピックについて]
8342.伊豆利彦  > 私が日ごろ尊敬している憲法学者、水島朝穂さんの北京オリンピック批判だ。一つ一つうなずかれる。しかし、中国に期待し、新しい未来の展望をこのオリンピック開会式に見て感動した私としては、この批判に教えられながら、なお、心にしっくり来ないものがある。ベルリンオリンピックと北京オリンピック、そこに共通のものを見だすことはやさしい。チベットやウイグルの問題、このオリンピックのための過剰な警備体制、人権と民主主義を課題とする憲法学者としては当然のことと思われる。いま、右翼も左翼も進歩的文化人も、国を挙げて中国批判の声を上げている。中国の現状に問題を感じながら、中国を愛し、中国に期待する私としては心の痛む日々である。私のオリンピック開会式に対する感動は中国に騙されただけのものだったろうか。 ( 8月19日(火) 6時34分 )

8345.伊豆利彦 > アジア・アフリカ・ラティンアメリカ(AALA)の国々が核兵器や長距離ロケットを獲得すれば、大量核兵器で世界を威嚇しているアメリカをはじめ西欧の核大国が経済制裁その他の制裁措置を実施し、その尻尾について日本や日本のマスコミも弱小国攻撃の大合唱だ。必要なのは核保有国の核削減であり、軍備縮小ではないのか。正義人道公正自由民権を説く彼らの偽善性は醜悪そのものだ。 ( 8月19日(火) 10時7分 )

8346.伊豆利彦 > 開発途上の国々がいずれも非西欧的民主主義であることはどう考えたらいいか。もう一つの解放の道があるはずではないか。西欧民主主義が絶対ではない。「民主主義」を標榜する日本の現実はどうか。強権的な中国を攻撃するシュプレッヒコールによって、自国の腐敗、不義、不正から民衆の眼をそらそうとするのではないか。 ( 8月19日(火) 10時18分 )

8347.伊豆利彦 > 日本に自由、人権、公正があるか。民主主義を標榜する日本の現実を、若者たちは『蟹工船』とそっくりだと糾弾している。中国の学生が外資系工場などは『蟹工船』そっくりに搾取されていると述べた。農民工の問題などまさに<カニ工>ではないか。日本も中国も、そしてアメリカも同様に人権が蹂躙されている。なのに中国だけが異常なほどに攻撃されるのはなぜか。 ( 8月19日(火) 10時33分 )

8355.伊豆利彦 > かつて中国を理想化した左翼は、いまの中国が理想の中国から遠い国、矛盾多き現実的な権力国家になったため、理想からの逸脱をきびしく論難しているのではないか。 ( 8月20日(水) 10時45分 )
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 今年の暑さは格別だった。
 そのせいか、8月になって、血圧が200前後にあがる日々が続き、血圧計が壊れてしまった。
 なにか不安で、家に閉じこもり、冷房漬けになりがちだった。
 テレビを見てもオリンピックばかりで、腹が立つ日々だった。
 野球の星野監督などは金、金、金で、日の丸亡者の感があり、不愉快だった。銅もとれない無残な結果だったが、ざまあ見ろという気さえした。

 1936年のベルリンオリンピックのことを思い出す。あの時も日本は大変な熱狂ぶりだったが、当時はラジオしかなかったが、いまはテレビで騒がしさも一段とひどくなった。

 この年は2・26事件の年で、アナウンサーの声も興奮しがちだった。永井荷風の「ぼく(さんずいに墨)東綺譚」が朝日新聞に連載されたのは1937年4月からで、作中の老作家が隣家のラジオ放送がうるさくて歩きまわるのだが、それは2・26事件やオリンピックのアナウンサーの興奮した声を逃れたのだったかもしれない。このあと、戦争は日に日に拡大し、ラジオの声は大きくなる一方だった。オリンピックが終わって、ようやくいくらかテレビの声も落ち着いてきたように思われるが、あの時のように日に日にアナウンサーの声がはてしなく興奮していくようなことがないことを祈る。

 とにかく、涼しくなって何よりだ。皆さんも元気でお過ごしください。


      伊豆利彦 http://homepage2.nifty.com/tizu

 

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