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http://archive.mag2.com/0000074979/20080920002710000.html
サブプライムローンの残高は１３０兆円もあり、まだまだ底が見
えません。民間金融機関に公的支援を行なえば、財政赤字が膨らみ、ドル暴落と
長期金利の高騰を招きかねません。公的支援を行なわなければ、金融危機は更に
一層長期化するでしょう。どちらにころんでも米国経済は深刻な危機なのです。
このように、米国を中心に世界が金融不安に陥っているときに、暢気なことに
日本の政権は総裁選に現（うつつ）を抜かし、結果として政治空白になっている
ことに重大な懸念を覚えます。私は総裁選自体を否定するつもりはありません。
しかしながら、百年に一度と言われる危機を前にして、総裁選のお祭り騒ぎに興
じている姿は、いかに日本が無策であるかをさらけ出しているように思えてなら
ないのです。
考えてみれば、１９９７年の拓銀や山一證券が破綻した日本の金融危機の際も
自民党は無策振りをさらけ出していました。あの時は、野党の民主党が助け舟を
出して、金融再生法を提案して成立させて危機を脱出したのでした。金融危機に
際し、当時の菅代表が「政局にしない」発言をして物議を醸したのですが、野党
と雖も国民のために存在しているのですから、民主党が党勢発展よりも日本の危
機を救う道を選んだことは正しかったと信じています。
さて、今回の金融危機はそのときよりも深刻な影響を日本に与えかねないと思
うべきでしょう。地銀や第二地銀の中には、サブプライムローンを持っている銀
行がかなりあるようですから、今後中小企業に対する貸し渋りや貸しはがしが激
化しかねません。したがって、金融機関に対する監視を強める必要があります。
この点から申し上げれば、政府の補正予算に盛り込まれている信用保証制度の拡
充は、中小企業の経営の安定に一定の効果があると期待できます。不正融資が行
なわれないように運用には注意が肝要ですが、信用保証の拡充が早期に実施に移
されるために、民主党としては補正予算の審議を行なうことが必要と考えます。
私どもは補正予算全体に賛成するとは決めていませんが、このようなときに党利
党略で行動することは全く考えていません。
ところが、自公連立政権は解散の日取りを１０月３日に決めたと報道されてい
ます。この日程では、９月２４日に首班指名がなされて、２９日に新総理の所信
表明が行なわれる予定ですので、とても補正予算の審議を行なうことは不可能で
す。このような臨時国会冒頭の解散総選挙の日程は、どうやら、新総理が誕生し
てご祝儀相場で自民党や内閣の支持率が高まっている間に総選挙を行ないたいと
いう自民党の戦略のようです。世界や日本が未曾有の金融危機を目前にしている
ときに、国民の生命より党利党略を優先させる発想に唖然といたします。しかも
新総理の専権事項であるはずの解散・総選挙の日程が、新総理誕生前に決まって
しまうこと自体が、総理の椅子を軽くさせてしまっています。麻生幹事長には日
程の了解をもらったとの話ですが、この事実はいみじくも、他の候補者たちはや
はりお飾りでしかなかったことを露呈してしまいました。この期に及んで党利党
略しか考えないような自民党には下野してもらうしかありません。
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鳩山由紀夫メールマガジン 338号 [まぐまぐ！] 日銀総裁人事について 08 年 3 月 12 日
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