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「事故米」問題は政府の責任 (週刊金曜日)
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投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 9 月 26 日 11:55:34: twUjz/PjYItws
 

http://www.kinyobi.co.jp/KTools/antena_pt?v=vol720#1

「事故米」問題は政府の責任

MA米輸入減と公的規制復活を

 基準値を大きく超える残留農薬やカビ毒に汚染された「事故米」が酒・焼酎から菓子類、学校給食にまで流れ込んでしまった事件は、底が見えない広がりを見せている。このコメを輸入し、倉庫から出して市場に放出したのは農林水産省である。なぜこんなことが起こったのか。

 事故米を農水省から工業用として安く買い取り、食用に転売した業者は何十倍もの利益を得た。「非食用」として別枠にされていたものが、長期にわたり、大量にこうした形で売られていたのを見抜けなかった農水省の責任は大きい。

 日本ではすでに38年にわたり、コメが余っているからと減反を続けている。稲作農家に割り当てられる減反面積は地域によって異なるが、水田面積の30%から40%に及ぶ。稲作農家は3年に一度コメづくりを休まなければならない勘定だ。

 その一方でミニマムアクセス米(MA米)という名前で年間77万トンものコメが輸入されている。MA米は国際的な自由貿易交渉の過程で、コメの完全自由化の代わりに日本政府が「輸入義務米」として受け入れたものだ。始まったのは1995年で、この年、日本のコメ消費量の4%に当たる40万トンを輸入、以後積み増して、現在は国内消費量の7・2%に当たる77万トンで固定されている。そのうち半分は米国産、残りが中国やベトナムからだ。

 コメ余りの中での強制輸入なので、市場を圧迫してコメ価格の下落を招かないよう、政府はMA米を国内市場に出さない方針を打ち出した。そのため在庫が膨らみ、輸入代金とは別に11年間で2600億円もの経費がかかっている。これはすべて税金であり、政府は早く倉庫から出したいと常に考えている。

 このMA米のうち、96年から2007年までに食品衛生法違反で「食用にしてはいけない」とされたコメが1万677トンある。工業用であれば市場を圧迫することにはならないということで、農水省は売り急いだ。これが今回の事故米流出の背景にある。

 さらに、問題をここまで大きくしたもう一つの背景がある。今のコメの流通があまりにも複雑で、監督官庁の農水省もつかみきれていないという問題だ。

 MA米の輸入が始まった1995年、政府はコメの国家管理を定めていた食糧管理法を廃止し、市場原理を大幅に取り入れた現行食糧法を制定した。さらに2004年から、小泉政権の下で「米改革」が実施され、残されていた規制も撤廃されて誰もがコメ取引に参入できるようになった。

 こうして紙の上だけでコメをやり取りする「コメ転がし」業者が増殖、国民の生命にかかわる基本食糧であるコメが、単なる金儲けの手段に変わっていった。コメの流れが誰にもわからない時代になったのである。

 いまやらなければならないことは二つ。一つは国民生活に必要のないMA米の輸入を減らすこと。東京大学大学院教授の鈴木宣弘さんは「MA米は輸入義務米ではなく、輸入機会の提供にすぎない」と述べている。もう一つは、野放し状態のコメ流通に公的な規制を復活すること。事は国民の生命にかかわることなのである。

(西沢江美子・ジャーナリスト)

 

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