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豊洲新市場予定地が「震度5強でも液状化する」ことを東京都地質解析調査から洗い出し
http://www.asyura2.com/08/senkyo54/msg/652.html
投稿者 ヤマボウシ 日時 2008 年 10 月 14 日 13:07:31: WlgZY.vL1Urv.
 

Like a rolling bean (new) 出来事録
http://ameblo.jp/garbanzo04/day-20081014.html>

2008-10-14
豊洲新市場予定地が「震度5強でも液状化する」ことを東京都地質解析調査から洗い出し

※引き続き、「もやい」への寄付とカンパをお願いいたします!!
まず年内が目処とのことです。
いくらからでもOKだそうです。
http://www.moyai.net/modules/weblog/details.php?blog_id=384
(もやいの危機について解説したエントリー: http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10147525072.html)

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ひとつ前のエントリーで外資、特にゴールドマン・サックスの築地市場大卸の株保有状況を書きました。

2008-10-13
『ゴールドマンサックスの築地卸業者の持ち株は予想以上(関連:2000年の農水省研究会での規制緩和)』
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10150623081.html

大卸の方々は、「豊洲はちょっとしたリスクはあるがチャレンジングで、すばらしいIT技術によって効率的な市場運営ができる」・・・と考えていたのかもしれませんが、その際に外資の参入を予期していたのでしょうか?

「物言う株主」と、市場の効率化を徹底したい政官財その他の利権者に翻弄され、自由で手広い業務が効率的に行われるというばら色の夢がどう変わってきたのでしょうか、あるいはそこでまた卸売市場「民営化」も絡めた、さらなる別の夢がありうるのでしょうか。

「ハゲタカ」というNHKのドラマがありました。

中央卸売り市場のキーとなるプレイヤーとしては、「食の安全保障」「食の文化遺産」を担う企業にとっては、ひとつの企業を自らバイアウトして守るということ以上の重大な課題(社会インフラ破壊の危機)が、今ここにあるのではないでしょうか。

〜〜〜

ところで、豊洲新市場予定地の液状化について、震度5強や震度6では液状化するわけがない、その証拠に豊洲の開発は全体的に進んでいるでしょう?という風説が(東京都によって?)広められている気もします。

しかし、豊洲新市場予定地(豊洲6丁目)は、他の丁目のオフィスビルやマンション群の建設された土地などとは異なり、砒素を触媒としたガス製造工場として長年(操業時のやり方自体にも大きな問題をはらみながら)稼動していた関係から、地下の地層の汚染には基礎工事で手を入れられない(有楽町層の汚染にまで杭を打ち込むことができない)ため、タワーマンションでは70mの杭を打ち込んでいるようなことができません。

しかも、有楽町層の上に「都合のよい粘土の蓋」がある説を東京都が垂れ流していますが、それとは裏腹に汚染と液状化の双方を考えるという厳しい制約条件にあります。

東京都が液状化は蓋となる粘土層があるから大丈夫だ、と強弁しているのですが、現在わかっている範囲でも、震度5強での液状化は、明らかに証明されています。

しかも、東京都自身による調査を紐解くだけでそれが分かります

ということで、「地盤解析報告書」を見て下さった業界関係者の見解をここにアップします。

豊洲新市場予定地(豊洲6丁目)の震度5での液状化が現実の危機として迫っていることが理解できます。

全体として専門的になりますが、ポイントを簡易化して挙げると以下のようになります。

【サマリ:順不同】

・液状化判定を複数の方法と複数の基準で行った結果が東京都の調査資料(一般非公開、情報公開制度により初めて示されるというもの)にまとめられている。

・その調査での判定に用いた地震加速度震度の基準としては「350ガルと390ガル」で、これは、地震周期によりばらつきがあるが震度5強〜震度6である。

・東京都が(http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10149947963.html)で言っていたような都合のよい、粘土の蓋となって液状化を抑える層、などというものは存在しなかった。

・「存在しなかった」というのは、東京都が行った複数の試験方法を用いた8本のボーリング調査の結果によるものである。

・都が行った、新市場予定地の「8本のボーリング調査」をもとにして、なぜか「地盤は大丈夫」という前提を専門家会議のセンセイ方に渡して汚染対策を検討させた。

・液状化しそうかどうかというよりも、すでに水でじゃぶじゃぶになっている(液性限界を超えている)。

・地耐力を考えると、このままでは軽量の木造家屋も建てられない。

・含水率がとても高いものだから、上から土を乗せて重しをすればあっという間に沈み込む程度である。

ということで、上記の根拠にあたる詳細分析を以下に示します。情報ありがとうございます。

〜〜〜(ここから関係者の文書、一部管理人注記追加と語尾などを変えさせていただきました)

豊洲の地盤の特性

地盤解析報告書表紙
(報告書の表紙画像クリップ)


地盤解析報告書(H18..2)から読み取れること

この報告書からは豊洲が地盤沈下や、液状化し易いという問題を抱えた難しい地盤であることが判かります。

H18の8本のボーリング調査と土質試験(別紙)データによると、

3m〜8m厚さの埋土(後から盛り土をした層)、および、

10m〜25mの有楽町層(縄文時代の堆積層)

ともに軟弱な地盤であることが分かります。

地盤の力(重さに耐える力・地耐力をN値(※)として表しますが)これがほぼ0から5で、地盤の改良工事をしなければ木造住宅も建ちません

(※)http://www.house-support.net/seinou/ss.htm

特に保水力のあるシルト層(粘土と砂の中間)には水分が多く含まれており、液性限界(※)を超えています。

(※)http://doboku.ezwords.net/yougo/%E6%B6%B2%E6%80%A7%E9%99%90%E7%95%8C.html


圧力を加えれば嵩が半分程度にもなってしまう土質です

新市場計画地は、N値0から5程度(地盤改良工事をしなければ木造建たない)の軟弱な地盤であるため、震度5強程度でも液状化(=地震で流動化した砂が水と共に表層に噴出す現象)すると言われていました。

これを検証します。

まず、都の液状化対策は、建物以外のエリアの埋土層部分(表面だけ)に限定した対策工事です。

埋土層の3倍もの厚みのある有楽町層の対策は必要無しとの結論には大いに疑問が残ります。

さて、有楽町層に多く見られる砂を含む層、特に元の海岸線だった5街区はほぼ砂で構成されています

この報告書では3段階の手法で、液状化判定をしています。

 A N値と粒径比率によるもの。(大枠でとらえたもの)地震レベル1(350gal): 震度5強〜6相当

 B サンプルの圧縮試験から算出したもの。地震レベル1(350gal): 震度5強〜6相当

 C 道路橋など重要施設の指針に基づくもの。地震レベル2(390gal): 震度5強〜6相当(6寄り)

(Bはレベルは同じですが、Aよりやや緩い判定の出る手法です)

ここでは、AとCの結果から紹介します。

◆Aの結果を紹介します。

Aによる判定 (報告書での資料5−6に相当)

   盛土、埋土層      「特に液状化の可能性あり」

   有楽町層 シルト層上部   7街区東、5街区で「特に液状化の可能性あり」

        シルト層下部   「液状化しない」

        砂層     「特に液状化の可能性あり」

        シルト-砂中間層  部分的に「特に液状化の可能性あり」

有楽町層シルト層の(管理人:東京都は上部と言っていましたね)下部のみが「液状化しない」判定となっていますが、他の層では、部分的に「特に液状化しやすい」と判定されました。

◆Cの結果です。

Cによる判定(報告書の資料5−19、表5−21〜28)

公共物など重要な施設はこのH8年、14年耐震設計「道路橋示方書」による判定にすべきと考えます。

レベル2の地震の場合の計算では、地震の形によって2タイプが記されています。

液状化の判定基準での、液状化の危険度を示すもので、

 ・FL値は1以下が「液状化する」(※)

 ・PL値は深さ方向を累計した数値(※)

 (※)

 FL値

 http://j-bousai.com/yougo/011/146314.html

 PL値

 http://j-bousai.com/yougo/036/620014plpotential_of_liquefact.html

・FL値基準

 1以下: 「液状化する」

・PL値基準

 0〜5:低い

 5〜15間:「高い」

 15超:「かなり高い」

と分類されます。

・今回のPL値結果

柱状図の8本中6本は「かなり高い」で、残りの1本が「高い」、N04(7街区左)1本のみが「低い」と判定されています。8本のサンプル中、7本が高い以上であることが分かります。

・今回のFL値結果(それぞれの土質のFL判定)

ほとんどの有楽町層から、1以下である「液状化する」判定が出ています。

・N値について(追記)

「N値無し」という欄が多くありますが、ここは判定する間もなく、もはや明らかに「液状化する」ことを示したものです。

<この部分からの結論>

都の説明の有楽町では砂層以外は液状化しないとの判定でしたが、以上のA、Cの判定から見ても、シルトと砂の中間層にも液状化しやすい部分があることが分かります

・すべての柱状図Ys(〜c)の砂層が含まれており、特に5街区は有楽町層の大半が砂層であり、江戸川層にまで液状化しやすい砂層であることが示されています。

さらには、護岸工事でも、分厚い有楽町層を液状化対策しないのに、護岸が海側に壊れて流れ出す「側方流動」の検討を行わないという大問題もあります。

 (報告書の資料5−18)以下に、

「当該地の場合、護岸は耐震性を考慮した設計を行っているため、地震時においても安定であると判断される。また、液状化を起す箇所については液状化対策を行うことが前程であるため、側方流動は発生し難いと考えられる。」

という、実態を見ないで見切り発車しようという姿勢を見せた文章がありました。

<地震と加速度についての解説引用など>

http://natsci.kyokyo-u.ac.jp/%7Eokihana/trivia/jishin.html

解説2:物体に力がかかる時加速度が生じる(F=ma)。

地震の加速度を測ると、そのとき働いている力の大きさを知ることができる。

地震の加速度はガル(cm/秒2)で表され、地震の影響の大きさに対する指標とされている。

地震の震度と加速度の関係はおおよそ以下の表のとおりである。(参考:気象庁震度階級関連解説表)http://www.kishou.go.jp/know/shindo/kaisetsu.html

※加速度は気象庁のグラフから周期0.1〜1秒程度の地震波として読み取った値を載せた)

(気象庁http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/kyoshin/kaisetsu/comp.htm)


<震度・おおよその加速度(ガル)・解説(震度階級関連解説表より抜粋)>

0・(-)・人は揺れを感じない。

1・0.6〜2ガル・屋内にいる人の一部が、わずかな揺れを感じる。

2・2〜8ガル・屋内にいる人の多くが揺れを感じる、電灯などの吊り下げ物がわずかに揺れる。

3・6〜30ガル・屋内にいる人のほとんどが揺れを感じる。

         棚にある食器類が音を立てることがある。電線が少し揺れる。

4・20〜90ガル・かなりの恐怖感があり、一部の人は、身の安全を図ろうとする。

         眠っている人のほとんどが、目を覚ます。

         つり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる。

         座りの悪い置物が、倒れることがある。電線が大きく揺れる。

5弱・60〜250ガル・多くの人が、身の安全を図ろうとする。一部の人は、行動に支障を感じる。

        つり下げ物は激しく揺れ、棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。

        座りの悪い置物の多くが倒れ、家具が移動することがある。窓ガラスが割れて

        落ちることがある。電柱が揺れるのがわかる。

        補強されていないブロック塀が崩れることがある。道路に被害が生じることがある。

5強・100〜500ガル・非常な恐怖を感じる。多くの人が、行動に支障を感じる。棚にある食器類、

        書棚の本の多くが落ちる。タンスなど重い家具が倒れることがある。

        補強されていないブロック塀の多くが崩れる。

        耐震性の低い木造住宅では、壁や柱がかなり破損したり、傾くものがある。

6弱・200〜900ガル・立っていることが困難になる。

        固定していない重い家具の多くが移動、転倒する。開かなくなるドアが多い。

        かなりの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。

        耐震性の低い木造住宅では、倒壊するものがある。

        耐震性の高い住宅でも、壁や柱が破損するものがある。

6強・350〜1500ガル・立っていることができない。

        固定していない重い家具のほとんどが移動、転倒する。

        多くの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。

        補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる。

        耐震性の低い住宅では、倒壊するものが多い。

        耐震性の高い住宅でも、壁や柱がかなり破損するものがある。

(管理人: ガルの幅にダブりがあるのは、周期により震度とガルの対応が変わるためです)

〜〜〜ここまで

液状化については、阪神淡路大震災での神戸市場の例がありました。

以下のエントリーをご覧ください(写真付きです)。

2008-08-31
『防災の日を前にまた装甲車を繰り出すイシハラ氏・そして神戸市場の液状化の生々しい写真』
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10133774502.html

液状化しやすいかどうか、さらに液状化の際に噴出す地下水が高濃度汚染水であるかどうかは、まず安全を検討する際の最大のポイントであるべきです。神戸は不幸にも液状化に見舞われましたが、高濃度の汚染のある工場跡地でなかったことが不幸中の幸いとなりました。またその復興過程でも、あらゆる関係が、権力者によって破壊分断されていなかったという状況もあったと考えます。

それらを振り返り、これから取り戻すべきことが何かをまず考えるべきであると思います。

 

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