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「はなむけのつもりだった」とはどういうことだ』―三上 治『通信』(ちきゅう座)
http://www.asyura2.com/08/senkyo54/msg/744.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 10 月 17 日 12:17:58: twUjz/PjYItws
 

http://chikyuza.net/modules/news3/article.php?storyid=415

<08.10.17>三上 治『通信』――「はなむけのつもりだった」とはどういうことだ


<みかみおさむ:社会運動家・評論家>
                  
作品の表題がうまい作家がいる。高見順である。『わが胸の底のここには』などすぐに手にしたくなるような表題である。好きな作家で、ある時期に夢中で読んだ記憶がある。彼の作品に『いやな感じ』というのがある。この作品は表題をよく憶えていて、何かの拍子にふと口をついて出る。流行歌の一節に似ている。自衛隊員の訓練と称したリンチ(?)事件の報道を見ての思わずつぶやいたのがこの言葉であった。そして、海上自衛隊の幹部がこの訓練(?)を「はなむけのつもりだった」と発言している記事を読んで唖然とした。

誰でもこの訓練と称した事件の報道から最近発覚したばかりの相撲部屋のリンチ事件を連想したのではないだろうか。僕は以前に名古屋刑務所の刑務官が服役者を皮手錠などで死に至らしめた事件を想起した。あの事件のときも「いやな感じ」がした。でも、それ以上にこの事件が自衛隊内で引き起こされたことは極めて重要なことに思う。自衛隊はその出自の不明瞭さがあってその存在は社会の目から遮断されてきた。だから自衛隊の内部ではどのように規律が維持され、どのような訓練がなされているのか不明であった。出自に問題はあれ、自衛隊の内部が市民社会から遮断され、それがベールに包まれたままであるのはよくない。僕は自衛隊を縮小し、災害救助隊などに再編成すべきという意見を持っているが、だからといって自衛隊と国民の関係が現在のままでいいとは思ってはいない。自衛隊の姿はもっと国民に対し透明にならなければならない。

自衛隊のことが話題になるのは不祥事ともいうべき事件が露呈することによってだ。守屋前防衛次官の事件は記憶にあたらしい。事件の度に大きな話題にはなるが、問題の解明は中途半端でいつの間にか幕引きがなされてしまっているという印象が強い。自衛隊は軍の機密をカーテンにして、国民の目から遮断された場所で軍隊の論理を自己増殖させているように思える。一人に対して十五人の殺人的訓練(?)をやり、それを「はなむけのつもりだつた」とうそぶく幹部を生み出している。少しでも武道の心得がればこれは一種のリンチであることはすぐに分かる。例によって事件は死人に口なしとばかりもみ消されようともしている。日本の軍隊の病根が戦後も継承されている事態を見るたびに日本型の悪しき官僚制を考える。この変革は日本の政治における官僚の存在形態を変える一環としてやらなければいけないことだ。10月16日
                          

<08.10.14>第三の敗戦を回避するために今が重要である

<みかみおさむ:社会運動家・評論家>                              
                            
一陣の風が吹き抜けた。何人かの日本の科学者がノーベル賞を受賞したのだ。それぞれが学者ではなく職人のような風貌だったのが良かった。また、これが、ノーベル経済学賞でなかったのも。ノーベル経済学賞はノーベル賞ではないとも言われるが、その三分の二はアメリカの経済学者で、しかも大半がシカゴ学派の面々である。彼らは金融工学の理論的支えであると同時に、株式市場やオ
プションに投機する連中である。日本で言えば竹中平蔵あたりになるのであろうか。彼らはアメリカの金融経済を導き、それを瀕死の状態にさせた連中だ。

バブル後の日本経済の脱出の処置が評価されているが、僕らはここで次の点を見ておかなければならない。その一つは不良債権の処置に苦しむ金融機関を低金利政策や資本注入〔公的資金の導入〕で救ったことは確かであるが、大衆的には利子が収奪されたのだということである。そして、金融機関にそそのかされて、土地・株・ゴルフ権など資産形成という名のマネーゲームーに踊らされた人々は誰も救済はされなかったのである。無理にローンなどを組まされ後々までも後遺症に苦しんだ人は多かった。自己責任といえばそれまでだが、金融資本や金融権力は危機になれば、「おせいむらいさん」とばかりに公権力にすがるのだ。もう一つ、バブルの崩壊とその後の不況脱出において、金融経済中心のアメリカにすり寄ったのは失敗だった。たしかに、不況脱出には中国やインドなどの経済成長も存在したが、アメリカ経済の金融バブルの波及ということも関与した。しかし、この間の日本の政治・経済のアメリカ化は第二の敗戦といわれたものだ。正確にはこれからその後始末を強いられるというべきかもしれない。僕らはそれを警戒しなければならない。

アメリカはこの間に「自由と正義」の実現を掲げて、地域の統治権力を破壊し、地域住民を混乱させてきたのと同じことを、金融経済の展開として行ってきた。グロバリゼーションの名のもとの資本市場の自由化である。資本市場の自由化と金融経済の拡張は経済過程の「反テロ戦争」であった。アメリカの軍事行動と経済行動はアメリカ的自由の実現として一体であった。このアメリカの行動と力に同意し、それを模倣してきたのは第二の敗戦である。反テロ戦争のため、金融安定化のためと称して国民の財産が収奪されることを防がねばならない。第三の敗戦というようになってはからでは遅い。今が思案橋である。
10月12日

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔comment373: 〕

 

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