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雑誌に顔写真や退職金 批判集中の「年金官僚」（中国新聞）
'08/11/19
元厚生次官ら連続殺傷事件で、妻とともに殺害された山口剛彦やまぐち・たけひこさん（66）と、妻が重傷を負った吉原健二よしはら・けんじさん（76）は、ともに旧厚生省で年金政策を手掛け、近年週刊誌などで“消えた年金”などと併せ批判の的になっていた「年金キャリア官僚」だった。
とりわけ社会保険庁長官も務めた吉原さんは昨年春以降、写真誌などに自宅や顔の写真が掲載され、高額な退職金や再就職先での年収などを具体的な金額で示されることもあった。
ルポライターの鎌田慧かまた・さとしさんは「天下りの実態や退職金額は国民が当然知るべき情報で、報じたことに問題はない」と強調した上で「官僚個人がこうした犯罪の標的になるケースは今までなかった。面白半分で、本人以外の家族も住む自宅の写真までさらしていいのかどうか、今後は検討の必要がある」と指摘する。
ただ容疑者が特定されず、二つの事件が同一犯かどうかも分からない時点で「連続テロ」と見方を固めることの危うさを指摘する声もある。
服部孝章はっとり・たかあき立教大教授（メディア論）は「明らかに『旧厚生官僚を対象にした連続テロ』との推論がメディアで先走りし過ぎている。年金問題は本来、今回の事件とは別問題のはずだが、一緒に語ることで被害者への同情論などがないまぜになり、問題そのものの論点がぼけてしまう」と報道に慎重さを求めた。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811190325.html
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