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「逃げ回る」醜態を晒す麻生首相(植草一秀の『知られざる真実』)
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投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 10 月 23 日 12:27:31: twUjz/PjYItws
 

2008年10月23日 (木)
「逃げ回る」醜態を晒す麻生首相


10月13日付記事「デリバティブ金融危機の津波は残存する」に記述したように、世界の株式市場の波乱は残存している。各国政府が公的資金投入の方針を示し、株価は一時反発した。麻生首相は、日本が資本注入を提唱し、各国が方針を決定したと述べ、日本が金融危機打開へのイニシアティブをとったかのような発言を国会答弁で示した。しかし、現実の金融危機対応で日本の存在感はまったく認識されていない。


11月15日にワシントンで開催されることが決まった「金融危機サミット」も、フランスのサルコジ大統領が提唱し米欧の間で協議されて決まったものだ。サミット議長国は日本で、麻生首相は成田での短時間のサミット開催構想を提示したが、主要国から完全に無視された。サミット議長国である日本に打診もなく、ワシントンでサミットが開催されることになった現実は、麻生首相が外交上の存在感をまったく認識されていないことを象徴している。


日本の1990年代から2003年にかけての金融危機処理は、最悪の金融処理の実例でしかない。住専問題が表面化したのは、1992年である。問題処理における「隠ぺい、先送り、場当たり」の三原則が、日本の金融問題処理の特徴だった。


1996年には住専処理に6750億円の公的資金が投入された。1997年に北海道拓殖銀行等の破綻が生じ、1998年に公的資金による資本増強が実施されたが、本格対応には程遠いものだった。その後、長銀破綻、日債銀破綻が生じ、巨額の公的資金投入が実施された。


事態はいったん改善に向かったが、2001年発足の小泉政権が日本経済破壊推進政策を実行し、株価暴落と金融危機がもたらされた。最悪だったのは、小泉政権が「大手銀行の破綻も辞さない」と公言しておきながら、最終局面で大手銀行を税金で救済したことだ。


竹中平蔵氏は10月19日のテレビ朝日番組で、りそな銀行処理に際して、「経営者を入れ替えた」と発言し、責任追及を実施したかのような説明をしたが、まったくの詭弁である。金融機関が破綻する場合、問われるべき第一の責任は「株主責任」である。竹中金融相は株主責任を問うどころか、2兆円の公的資金投入で株主に利益を供与したのだ。


りそな銀行経営陣は、小泉政権の経済政策を堂々と批判する気骨ある優良経営者であった。りそな銀行は監査法人、会計士協会と連携した政策当局に陥れられた疑いが濃厚である。詳細は拙著『知られざる真実−勾留地にて−』に記述したので、是非ご一読賜りたい。竹中金融相はりそな銀行幹部が小泉政権批判を公言していたから、りそな銀行を標的にした可能性が高いのだ。


りそな銀行幹部が追放され、小泉政権近親者がりそな銀行幹部に送り込まれた。その後、りそな銀行が自民党への融資を激増させ、その事実を一面トップでスクープ報道した朝日新聞記者が東京湾で遺体となって発見されたことが伝えられている。朝日新聞は記者の死亡と記事とは関係ないと説明しているが、真相は明らかにされていない。


2003年の金融処理は、日本の金融行政史上最大の汚点と言って間違いない。金融危機が表面化した際に、責任ある当事者である金融機関を税金で救済すれば、悪い実例が歴史に刻まれることになる。銀行のハイリスク経営、放漫経営は抑制されるどころか、助長されてしまう。これを「モラル・ハザード」という。


世界的な金融危機の拡大に対応して、各国政府が金融機関への公的資金投入策を提示しているが、重大な「モラル・ハザード」を引き起こす可能性を十分に考えなければならない。金融と政治権力とは癒着しやすい傾向を有している。金融資本が政治権力の裏側に存在していることも多い。


10月22日、米国大手銀行ワコビアの2008年7−9月期決算が発表された。最終損益は237億ドル(約2兆4000億円)の赤字になった。サブプライム金融危機の余波が依然として、激烈であることを示している。NYダウは前日比514ドル安の8519ドルに急落した。10月10日の8451ドルに接近した。


日経平均株価も10月10日に8276円まで急落したのち、10月15日には9547円まで反発したが、10月23日午前には、一時8016円まで下落した。株価の底値はまだ確認されていない。


米国の不動産価格下落は、まだ4合目程度しか通過していないと見られる。米国の金融危機の原点は不動産価格下落にあり、不動産価格下落がデリバティブ金融商品の拡散によって、巨大損失を発生させている。金融危機の全貌はまだ明らかになっていない。


欧米市場での金融問題拡大を背景に、為替市場では欧米通貨が急落している。また、原油を中心とする商品市況も急落している。日本は、相対的に金融危機の程度が軽微であり、日本円が主要通貨および商品に対して値上がりしている。


円ドルレートは10月23日の東京市場で、1ドル=97円台に上昇している。円は、米ドルだけでなく、ユーロ、ポンド、加ドル、豪ドルなどに対しても急反発している。


1ユーロ=170円(本年7月)が


1ユーロ=124円に、


1ポンド=215円(本年7月)が


1ポンド=157円に、


1加ドル=107円(本年月)が


1加ドル=77円に、


1豪ドル=104円(本年7月)が


1豪ドル=63円に、


急変している。


 日本円は、米ドルに連動して、2000年から2008年にかけて暴落した。行き過ぎた金融緩和政策が円暴落の原因だった。米国が超金融緩和政策を実施し、ドル暴落の危機に直面したが、日本政府は50兆円以上の円売り、ドル買い介入を実施して、米ドルの暴落回避に協力した。日本が米国のドル暴落路線に道連れにされたと表現することもできる。


 日本政府は1兆ドル(約100兆円)の外貨準備を野晒(のざら)しにしている。円ドルレートが1円円高になるごとに、1兆円の評価損が発生する。野党は国会で、為替レート変動に伴う外貨準備の損失と、外貨準備を放置した責任について、政府を徹底的に追及しなければならない。


 現存する外貨準備については、早急に残高を圧縮する必要がある。景気対策や社会保障関係支出について、国会で財源を論議している間に、外貨準備での日本の損失が著しく拡大してしまうからだ。


 政府は臨時国会に、地域金融機関に対する公的資金による資本注入を可能にする金融機能強化法改正案を提出した。強化法改正案が農林中金まで対象としており、「信用収縮対策」と「金融機関支援」の二つの関係が問題になる。農林中金は経営不安が表面化した米国住宅金融公社債券を大量保有していると見られている。


 国民の税金を投入する目的を、「金融システム」という「社会の公器」を守ることに限定しなければならない。「金融」と「政治権力」は癒着しやすい。現実に癒着している。「金融システムを守る」の言葉を隠れ蓑にして、「金融機関への補助金」が投入され、政治と金融機関の癒着が強められてきた過去が存在する。野党は「責任処理を伴わない公的資金投入」を認めるべきでない。


 麻生首相は、『文藝春秋2008年11月号』の表題に「小沢代表よ、正々堂々と勝負しよう。私は絶対に逃げない」と明記しておきながら、逃げの一手に転じている。一国の首相が、活字にして全国民に明らかにした決意を実行しないのでは、世間の笑いもの以下になる。


 野党は、首相が求めた補正予算成立、テロ特措法議決、に全面協力した。総選挙への買収工作である「追加景気対策」を発表することも容認している。これだけの条件がそろえば、麻生首相が解散総選挙をこれ以上逃げ回る理由は消滅する。


 金融危機が発生しているが、今回の危機は長期間持続する可能性が高い。米国でも大統領選挙は予定通り実施される。時代は大きな転換点にさしかかっている。国民の審判を仰ぎ、本格政権を樹立して、新しい時代に対応するべきである。


 市場原理主義を基軸に据え、大資本・官僚・外国資本の利益拡大を目指す政府と、セーフティーネットを強化し、すべての国民が健康で豊かな生活を実現できる社会の構築を目指す政府の、どちらを国民が望むのか。国民が政権を選択するのが総選挙の意味である。


 国民の審判を仰ぐことは正しい判断である。民主党の石井一代議士が予算委員会で「月刊誌に解散総選挙を明確に書いた以上、実行しろ。実行しないなら撤回しろ。」と麻生首相に問い質したのは当然だ。これ以上「逃げ回る」醜態を晒すべきでない。

 

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