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スティール・パートナーズの正体
http://www.asyura2.com/08/senkyo55/msg/737.html
投稿者 てんさい(い) 日時 2008 年 11 月 08 日 00:00:09: KqrEdYmDwf7cM
 

(回答先: アメリカ樣に逆らうヤツはみんな痴漢で逮捕します 投稿者 石工の都仙臺市 日時 2008 年 11 月 07 日 21:03:08)

スティール・パートナーズの正体

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/yw/yw07040101.htm

 サッポロホールディングスへの買収提案で突如、脚光を浴びた米国系投資ファンド「スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド(SPJSF)」。上場する29社の大株主だが、いったい何ものなのか。実は経営陣の肝を冷やす、外資ファンドが近く大挙してやってくる恐れもあるという。

本誌 山本 航


 運用規模も資金源もはっきりしない――外資ファンドには、そんな不透明さがつきまとう。

 購入資金は約3087億円で、その時価総額約4414億円。この数字は、3月15日現在で判明しているSPJSFの29社分の運用内容だ。関東財務局に提出された大量保有報告書を基に計算した。金融当局が報告書の提出義務を課しているのは、1社の株式に占める保有割合が5%超の上場株。つまり5%を下回る株式は、いったいどれほど保有されているかわからない。

 SPJSFとは何ものか。

 本誌がスティール側に取材を申し込んだところ、SPJSFの広報担当者が回答を寄せた。

――投資の目的は?

 「我々は、企業価値の向上が見込める日本企業に投資する純粋なファンドだ」

――今年1月の大量保有報告書に、保有目的として「投資」のほかに取締役派遣、配当方針の変更に関する提案などの経営にかかわる項目も加わったが?

 「金融取引に関するルール変更があったので追記した」

――SPJSFの運用規模は?

 「投資してくれた方に対する守秘義務がある。開示できない」

――経済産業省の北畑隆生次官が2月19日の記者会見で「グリーンメーラー的」と批判したが?(グリーンメーラー=意図的に株価をつり上げ、会社や関係者に株を引き取らせる行為)

 「個別の見解に対してのコメントは差し控えたい。ただ、そうした活動は一切していない。昨年の明星食品の場合、我々は将来性を見込んで投資し、日清食品との資本提携を評価して(日清の)TOB(株式公開買い付け)に協力した。その売却益も日清に再投資している。経営陣に対して、株主として何らかの提案をしたのもサッポロが初めてだ」

――そのサッポロは3月1日に質問状を出した。対応は?

 「回答に向けて準備中だが、質問内容が詳細にわたるので時間がかかるかもしれない」

 これだけでは、まだわからないため、本誌はさらに取材を続けた。

 SPJSFのルーツは、1990年代に米国で設立されたスティール・パートナーズにさかのぼる。最初の投資先が鉄鋼会社だったことが、その名の由来とされる。

 一般的に、ファンドの運営会社は複数のファンドを管理するが、スティールの場合はファンドごとに組織が分けられているという。そのうちの一つで、株式など日本の有価証券を投資先に定めているのがSPJSFで、2002年に運用が始まった。

丸の内に“日本法人”も

SPJSFの買収提案に関する記者会見終了後に退席するサッポロホールディングスの村上隆男社長(3月1日、菅野 靖 撮影)
 SPJSFの事務所があるのは米マサチューセッツ州内だが、本籍はカリブ海沖のケイマン諸島だ。ケイマン諸島はタックスヘイブンで税率がゼロもしくは著しく低い。各国の税務当局との連携も弱く、情報開示を望まないファンドが数多く存在する。

 SPJSFには数人のマネジャーがいるが、その最終決定権を持つ代表者は米国人のウォレン・リヒテンシュタイン氏だ。関係者によると、年齢は40歳ぐらいで小柄、頭が切れるとの声が高く、過去に数回、来日したことがあるという。

 スティールには日本法人に相当する会社がある。01年設立の「スティール・パートナーズ・ジャパン」だ。東京・丸の内にあり、代表は、旧日興証券で投資銀行業務を担当した西裕介氏。「ジャパン」は投資顧問としてSPJSFへのアドバイスや事務を受け持っているが、資本関係はないという。SPJSFは千代田区内の法律事務所とも関係が深い。この法律事務所は、ファンド関連の案件に詳しいことで知られている。

 SPJSFの名は03年末から04年にかけて、関係者には名が知れわたっていた。いずれも東証上場のユシロ化学工業と毛織物染色大手ソトーに対するTOBを実施し、TOBには失敗したが、両社が04年3月期の配当を引き上げて、SPJSFは実利を得ることに成功した。

 06年には「チャルメラ」の明星食品にTOBを仕掛けた。その後、日清食品も明星との資本提携に乗り出してTOBを実施すると、これに応じて明星株を手放し、約36億円の売却益を上げたといわれる。そして、今年2月、国内のビール業界3位でサッポロビールの持ち株会社サッポロホールディングスの株式を、TOBで66・6%まで買い増すことを明らかにしたというわけだ。

代表者表に出ず

東京・丸の内のオフィスビル内には「スティール・パートナーズ・ジャパン」もある(吉川 努 撮影)
 これらを見ると、SPJSFの手法は「もの言う株主」として投資先企業の株価を引き上げ、利益を上げるパターンが目立つ。一見、インサイダー取引事件で起訴された村上世彰被告の率いた「村上ファンド」に似ているが、

 「最初のうちは実力よりも株価が割安な企業を標的にした点は同じ。ただ、その後、村上氏は不動産の規模など一企業の価値を重視したが、SPJSFは経済全体を見て投資している」

 と、吉川満・大和総研資本市場調査本部長は指摘する。

 「競争が激しく再編が見込める業界を見定めて、再編のキーを握る会社の株を大量購入する。そして、その会社を手に入れれば、優位に立てるライバル社に高値で株を引き取ってもらう。明星のケースはその典型です」

 SPJSFはファンド出資者の正体について一切明らかにしていない。村上氏が「米国の大学財団とか日米の年金とか」「中東からも、すごいお金がきます」

と明かしていたのとは対照的だ。

 ある金融関係者はこう言う。

 「両方のファンドは特定層が対象の私募型。出資先を明かすことは“ご法度”で、ファンドの世界ではSPJSFのほうが常識的だ」

 メディアへの姿勢にも差がある。村上氏は、05年の阪神電鉄(現・阪急阪神ホールディングス)の株買い占めから翌年6月に逮捕されるまで、テレビや記者会見に積極的に現れ、自らの正当性を主張し続けた。

 一方、SPJSFは代表者が表に出てこない。前出の「ジャパン」の西代表も今年に入り、各新聞社の再三の求めにようやく取材に応じた程度だ。3月13日、サッポロの買収防衛策に反対を呼び掛けるホームページを開いたが、インターネット上の主張はこれが初めて。「今まで出資者以外の不特定多数に自らを紹介する必要がなかった」(関係者)からだ。

 外資系金融機関に身を置いた経験がある国際金融アナリストの青柳孝直さんは、SPJSFは、実に的確で稼ぎやすい銘柄を選んでいると感心させられるという。

 「米国人のみで詳細な銘柄選択は難しい。ブレーンに日本企業と金融に精通した日本人がいるのではないか。実際に20〜30歳代の若手のなかには、日本の金融機関に愛想を尽かし、アメリカで金融市場の勉強を積んだ人も少なくない。私の見方では、主な投資家は富裕層の米国人たちで、運用する担当者に日本人が含まれていると思う」

 日本人ではありながら日本に愛想を尽かしているとなると、

 「今までの日本企業のあり方が崩壊しても感傷的にならない。あくまでファンドの利益を上げることが最優先だ」。

 青柳さんは、その行動パターンをそう類推した。

 「実態のわからないファンドの数は、米国内で200はくだらない。こうしたファンドがいっせいに日本に狙いを定めたらどういう事態になるだろうか」

迫る「三角合併」解禁
 そもそも株を上場すれば、M&A(企業の合併・買収)のリスクは常にある。国内企業がかかわったM&Aは06年だけで約2800件あり、買収総額は15兆円を超えた。M&Aが活性化する一方、日本の上場企業は、敵対的な買収に備えて防衛策の導入を急ピッチで進めている。この5月、三角合併が解禁されることが、背景にある。

 三角合併とは、ある企業が自分の子会社と買収したい企業を合併させて、傘下に収める方法だ。買収先企業の株主に、自社の株式を割り当てるので、多額の資金は不要になる。現状では時価総額が高い外国企業が、日本企業を買収しやすくなる。

 三角合併の成立は、買収する側とされる側の合意が条件だ。そのため、買収方法の選択肢は広がっても、脅威にならないとの意見もある。だが、前出の青柳さんは、外資ファンドと外国企業がタッグを組み、国内企業の買収を仕掛けてくると警告する。

 「ある外国企業に裏で資金提供を受けた外資ファンドが、標的にした日本企業の株を買い占めて圧力をかける。困った日本企業を救うようにその外国企業が現れて、三角合併を使ってグループに取り込んでしまう」

 もちろん、外資ファンドといっても、色合いはだいぶ異なる。例えば、業績不振の日本ビクター買収に名乗り出たTPGは、スティールと同じ米国系だが、各国の大手企業に経営参加した経験を持つ。日本でも玩具大手のタカラトミーと提携し、「リカちゃん人形」の海外進出を支援する。自らの利益は当然大事だが、日本企業のメリットにもなる活動も担いつつある。

 SPJSFはサッポロに対し、「経営陣および従業員の皆様に敬意を持っている」と伝えている。額面通りに受け取っていいのだろうか。SPJSFが大株主となっている企業の、社員が言う。

 「外資ファンドに日本企業がのみ込まれるか否かは、サッポロの買収劇の決着次第だ。もし、ライバルメーカーがサッポロを手中に収めようとして、SPJSFを利してしまえば『日本企業は脅しや誘惑に弱い』とみて、彼らは押し掛けてくる」

 どうしたら「買収」が防げるのか。前出の吉川さんは、企業に既存株主に新株を割り当てて買収者の持ち株比率を落とす「ポイズン・ピル」導入の必要性を強調したうえで、こう呼び掛ける。

 「粉飾決算から存続危機に陥った日興コーディアルグループのような犯罪行為は、外資ファンドにスキを与えてしまう」

 つまりスキがあれば、容赦はないということなのだ。

(読売ウイークリー2007年4月1日号より)
 

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