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水面下での水産業の構造カイカクの連携を示す3つの資料例(農水省・内閣府・「高木提言」)
http://www.asyura2.com/08/senkyo55/msg/807.html
投稿者 ヤマボウシ 日時 2008 年 11 月 10 日 16:30:48: WlgZY.vL1Urv.
 

Like a rolling bean (new) 出来事録
http://ameblo.jp/garbanzo04/day-20081110.html

2008-11-10
水面下での水産業の構造カイカクの連携を示す3つの資料例(農水省、内閣府、そして「高木提言」)

※『麻生でてこい!!リアリティツアー救援会ブログ』
http://asoudetekoiq.blog8.fc2.com/
3人は釈放されましたが、不当なやらせ逮捕、基本的人権の弾圧、権力の横暴に引き続き抗議します。

昨日のエントリーで予告?した内容を書き始めます。

豊洲「新市場」の汚染や液状化問題を調べていたら、イシハラ氏が異常なほどの執念でCONTINUEスイッチを乱打していることに気づいて(つまり、ぼんやりと安全だろうと高をくくっているのではなく、汚染のことは認めているわけですし、不動産利権もうまみが減り、最近ではオリンピックと言う口実もなくなってきました)、そこで、「なんでわざわざ汚染の地に?」という7月のデモのメッセージでもあった内容を突き詰めていくと、今度は様々な仮説、あるいは背景に横たわる水産業を取り巻く大きな構造カイカクという動きを「発見」することになりました。

つまりは、単純にイシハラ都政だけの問題ではなく(しかし直接の実行者はイシハラ都知事です!)、さらに利権は不動産以外にも広く拡大していることも分かってきました。

・・・そんなわけで、いろいろ発散気味に見えるかと思います(汗)。

まず今ここで、重要な点を再認識しておきます。

当面はもちろん、イシハラ都政による「築地の強制地上げ」を断固阻止して、現地再整備という本来約束されていたシナリオに正しく戻すことに注力しなくてはなりません。

とは言いつつも、背景を知らなければ動きようもありませんので、このところそれを書いてきました。

〜〜〜

それではまず、最近のエントリーから関連するものの一部を抜粋します:

2008-10-13
ゴールドマンサックスの築地卸業者の持ち株は予想以上(関連:2000年の農水省研究会での規制緩和)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10150623081.html

2008-10-15
『食品卸売市場の「民営化」が、コイズミ政権下の農政ですで図られていたように思えます!』
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10151648239.html

2008-10-16
『豊洲市場移転で中小仲卸の方を排除する構造カイカクのやり口への想像(阻止が必須です)』
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10152057722.html

2008-10-19
『従来型複合利権と投機マネー連合に日本の生鮮品市場を破壊させてはなりません』
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10153544177.html

2008-11-05
『卸売り市場構造カイカク・豊洲移転で「仲卸の円滑なリタイア」(弱者切捨て)を求めた農水省と東京都』
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10160963721.html

タイトルの一群からも分かるように、コイズミ構造カイカクの名の元で、苦境にある漁業・水産業の「カイカク」の必要性に付け込んで、業界を一部の者の有利な体制に変えてしまう、彼らお得意の政策が取られていることが分かるかと思います。

それもほとんど報道すらされずにです!

たしかに今のままで漁業を放置しては先行き食のグローバリズムの波にもろとも飲み込まれる、という危機感という点では、現場の方々も水産行政も同じものを持ってはいると思います。

しかし、そこでお上から提案される「カイカク」の枠組みを見ると、「誰かの財布が蓋を開けて金を落とせと待っている(要求している)」ことが政官財の側に規定路線としてあるのではないかと懸念します。

何しろ当事者の意見を徹底無視し、さらにその生活の根幹をもなぎ倒して、弱肉強食を取り入れようとする、あくなき強引さがあるからです。

このあたりは、いっぺんには書ききれないので、本エントリーにはこれからも追記訂正ないし続編をつけようと思いますが、おさらいと、要注意資料の確認をいくつかまとめたいと思います。

〜〜〜

◆要注意資料1

農水省

「第8次卸売市場整備基本方針のポイント
〜生産、消費両サイドの期待に応えられる「安全・安心」で「効率的」な流通システムへの転換〜」

http://www.maff.go.jp/sogo_shokuryo/gainen.pdf
http://www.maff.go.jp/sogo_shokuryo/oroshi_minaosi.pdf

農水省の生鮮品卸売市場への最新の政策である「第8次卸売市場整備基本方針」(2004年)には、「規制緩和」や「PFI(民活)」、卸売電子への取引や、大卸と仲卸の業務を統合するようなことまでもが明記されていました(検討の経緯が公開されていないのが不自然です)。

そしてこの基本方針の中で、築地市場は「廃止」とされる、ともあります。

廃止とは、先日も書いたのですが(http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10160963721.html )、つまり築地から「移転された卸売市場」ではないのですから、これまでの経緯や(仮に移転したとして、あってはならないのですが)移転元との費用の比較などを一切しないでよいことになります。

ある識者の方が、「これは国鉄民営化に学んだやり方でしょう」とおっしゃっていました。

国鉄民営化では、国労・動労が悪者にされ、借金は「国鉄清算事業団」で見えないものとされました。


◆要注意資料2

総合規制改革会議の第二次答申
(元は内閣府資料ですが農水省でも以下URLに置かれています)
http://www.maff.go.jp/www/counsil/counsil_cont/keiei/nokyo/4/sanko.pdf

農水省のサイトには、「参考」資料として、この総合規制カイカク会議の答申が貼り付けてあります。

もちろん、オリックスの宮内氏やかの八代センセイが関与されている、あれですね。

医療・福祉・教育・農業の4分野を「官製市場」と命名した会議でもあることに注意したいと思います(民でできることは民へ、の欺瞞)。

さて、委員名簿の一部抜粋です。

総合規制改革会議委員名簿

議長 宮内義彦 オリックス株式会社代表取締役会長兼グループCEO

議長代理 鈴木良男 株式会社旭リサーチセンター代表取締役社長

*官製市場見直しWG、医療WG、エネルギー・運輸WG、ITWG主査

委員 奥谷禮子 株式会社ザ・アール代表取締役社長

神田秀樹 東京大学大学院法学政治学研究科教授

(略)

*ビジネス・生活インフラ整備WG、住宅・土地、公共工事WG、環境WG主査

古河潤之助 古河電気工業株式会社代表取締役社長

村山利栄 ゴールドマン・サックス証券会社調査部マネージング・ディレクター

森稔 森ビル株式会社代表取締役社長

八代尚宏 社団法人日本経済研究センター理事長

(略)

たまりませんね・・・orz

上の一覧にはないですが、

 総合規制改革会議のメンバー(専門委員)
 【農林水産業、流通WG】
 神門善久 明治学院大学経済学部助教授
 生源寺眞一 東京大学大学院,農学生命科学研究科教授

という専門ワーキンググループの情報もあります。

なんと、「ワーキンググループ関連の資料の取扱いは、各主査の判断に任されています」と内閣府のサイト(http://www8.cao.go.jp/kisei/giji/index.htmlhttp://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/old/minutes/index.html )に予防線が張ってありますが、まさにこの「農林水産業、流通WG」については、資料が農地改革に関する「第2回」(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/old/minutes/wg/2004/1109/agenda.html)以外はすべて非公開で議事録が残っていません。

いったい、ここで何が、誰を取材源にして話されていたのでしょう?


◆要注意資料3

日本の魚食をまもる、と銘打って水産品市場の改革を検討する、政官財による「水産業改革木委員会」というものがかつてあったようです。

この報告書である「高木提言」(と呼ぶようです)は、『魚食をまもる水産業の戦略的な抜本改革を急げ』という内容で、(社)日本経済調査協議会によりまとめられています。
(協議会そのものを、内閣府所管・財界が協賛するという、強者以外への公平性に疑いを持たざるを得ない団体とする指摘もあります)

『魚食をまもる水産業の戦略的な抜本改革を急げ』の冒頭の概略(エグゼクティブサマリー)がネットにアップされていました(膨大です)。
http://www.nikkeicho.or.jp/report/takagi070731_teigen.pdf

ここでは露骨に、「水産業の構造改革」、という表現をしています。

委員には、水産庁漁政部長や東大農学部長も入っています。大卸各社社長(マルハ、ニッスイ)と、先日「船からの魚の直売」をニュースで大々的に放映したイオンからも、あろうことか毎日新聞社論説委員長や読売関係者なども加わっています。

中小の漁業関係者や仲卸などは当然であるかのように排除されています。

さて、このサマリーの内容は、多くの業界関係者への話を集めてはいて漁業と水産業の建て直しは喫緊の課題ではあるとしても、提言内容は極めて付焼刃的ですし、構造カイカク教の典型で、一時的な開放によるテコ入れのあとの買収や凋落のことを見据えているように見えません。

しかも、
「現行の制度・施策、組織体制、予算の分析・検証を行い、その結果をふまえてスクラップ・アンド・ビルドを断行せよ。」
とまでこの「高木提言」では述べています。

では、上のURLのエグゼクティブサマリーから、この委員会のスタンスを示す代表例を抜粋します。

■PDFの93ページめに、下記の意見が臆面もなく書かれています。

市場の制度に踏み込むべき。仲卸にしばられすぎている。

■96ページめの事例は仲卸の統合合併を成功要因として引用しています。

IT活用によるコンピューターの形式知の世界、見える化が有効だった」
「消費地市場では、仲卸の価格形成機能が弱まっている。所詮、市場というコップの中でしかない。真の価値評価は家庭の食卓から始まる。今や市場外の方が、ニーズに即して、スピードがあって、情報が透明。」

(管理人感想)
2000年前後のITバブルの波で、高いITツールを導入しBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)を導入し使いこなせないばかりか業務に実害を得た製造業やサービス業を後追いしようというわけで、まったくおめでたいとしか言いようがありません。まあ、ここにITビジネスチャンスの狙う人たちもいらっしゃるに違いありません。

■99ページめ。千葉県での漁業従事者との意見交換から:

漁業者 商店街は規制緩和の結果、(大型小売店との競争に晒され)シャッター通りになってしまった。漁業の規制緩和でも同じことが起きないか。
当方 だからと言って現状放置すれば、更に駄目になる。
(管理人所感: 「カイカクを止めるわけにはいかない」、という定型的な返答です)

漁業者 全国で同じように規制緩和したら、勝ち組負け組が出るのではないか。
当方 トータルに見て、できることから実行していく必要がある。何もしなければ、漁業は衰退の一途を辿るのみだ。

・・・って脅しではないでしょうか?

食の多様性をまったく無視して、すべて直接港からスーパーに流せば(つまり、中抜き直販)、安定共有や価格の安定ができると言いたそうですが、まったく構造カイカクの宗教的な呪縛は強いと思わざるを得ません。

構造カイカクの黒船を急遽、漁業・水産分野にも乗りつけ、乗るかそるかを突きつけているものです。

全体的に見れば、随所に突っ込みどころ満載でありながら、催眠またはショック療法で思わずYESと言わせてしまう、宗教勧誘やマルチ商品の実演販売さながらの悪辣なものに見えます。

それに、こうした一見して緻密な内容を装っていますから、を喜んで、「受け入れないやつはばかだ」と言い放つ向きもあるに違いありません。

〜〜〜

ところで、この3つ目の「高木提言」は、以下のサイトでも有識者と思われる方が問題意識を持ち検討メモを残されています。

メモ:
http://ook.sakura.ne.jp/goo/20070830memo.htm

(前略)
 まず、高木委員会は2月の緊急提言に続いて、7月には最終報告を発表。養殖・定置に資本参入の自由化を求める新自由主義的な構造改革要求を水産基本計画や平成20年度予算に反映させるため、水産庁に揺さぶりをかけてきた。ある人によれば「内容はともかく高木委員会の成果はすでに十分あった」。つまり、水産基本計画や20年度水産予算概算要求に反映されていると言うのだ。
 水産庁内部にも高木委員会の規制緩和・構造改革要求に同調する人々はおり、つまみ食い的に高木提言を政策化(予算付け)に利用するというしたたかな節もあるらしい。しかし、水産庁の公式見解としては高木委員会の提言には一定の距離を置くという姿勢が明確であり、事実関係を確かめるために一部の方々が夏休みを利用し欧米に「視察」にも出かけたという。それは報告書もあるから本当だろう。
(後略)

といった使われ方をしています。

それに、水産庁は「距離を置く」と言いながらも、結局は一部が絡め取られ(それが力のある方であれば大変です)、しかも予算付けに利用する役人あり、とは、まさに姑息だなと思います。

それにしても、結局、構造カイカクという隠れ蓑による権力抗争の結果、売り飛ばされるのは市民(生産者、販売者、消費者)の生活だ、ということがよーく分かります。

長くなるのでこのあたりとして、また続きを別の機会に書きたいと思います。


 

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