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野党の無策と怠慢で麻生政権が安泰 - 緊要の日本版ニューディール(世に倦む日日)
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投稿者 あ+ 日時 2008 年 11 月 27 日 18:47:47: 8WlTWJKy3iQ86
 

マスコミの各所で麻生内閣行き詰まりの政局予想がされていて、政権発足2か月で末期症状だとか、自民党内から離反の動きとかが言われている。ただ、眺めたところ、朝日新聞も倒閣に立場を固めたようではなく、テレビ報道の方も、解散総選挙が騒がれていた9月や10月頃のような辛辣な自公政権批判は行っていない。金融危機が始まった直後は尖鋭だった古館伊知郎の政府に対する政策批判も、最近はすっかり萎え衰えてきて、ニュースの主素材を元厚生官僚殺人事件に切り替えてお茶を濁している。庶民の生活や中小零細業者の経営は日を追って深刻になり、年を越せるかどうかの瀬戸際に追い詰められていると言うのに、経済政策の面からの政府や政権に対するマスコミの批判は声が小さくなり、麻生批判の政局論も、鼻先で軽く笑って流し済ます雑談的な類の報道が多く、正面から真剣に掣肘を加える言論が消えている。そのせいだろうか、麻生首相の方の暴言と挑発は日に日に露骨になり、難癖も醜態も実際にはテレビ放送から遮蔽されることを確認しながら、権力者の驕慢と開き直りの度合を強めている。

民主党は、11/26になって、ようやく経済対策関連の法案を参院に提出する方針を固めたが、リーマン・ショックが起きてから2か月も経ち、麻生首相が(住宅と車を売るための)追加経済対策を発表してから4週間も経っている。これまで一体何をやっていたのか。しかもその中身は、暫定税率廃止や子育て支援などで、衆院選挙のマニフェストに並べる題目として昨年から言い続けてきたものに過ぎず、目新しい経済政策は何もない。オバマの250万人雇用創出の「グリーン・ニューディール」や、中国の56 兆円(4兆元)の大型景気対策のようなスケールやアイディアの片鱗すらなく、英国の消費税減税策のような真に国民生活に内在した画期的な政策思想も感じられない。米国や中国や欧州はよく頑張っている。麻生政権が愚劣で不真面目で、国民生活のことなど何も考えていない問題はともかく、それを批判して政権奪取を図る側の民主党が、平時の選挙公約の政策カタログを、百年に一度の経済危機の緊急対策として並べて済ますのはどういう神経だろうか。しかも年末の今ごろ。あまりに危機感がなさすぎる。危機感がないのは自民党や麻生首相だけではない。

野党に危機感がない。政治を報道しているマスコミにも危機感がない。あの新自由主義者のサルコジでさえ、米国や英国に負けじと空前の大型公共投資を準備している。日本の「影の内閣」は何をやっているのか。野党が何もせず、何も言わないから、政権与党が怠慢を続け、無策なまま時間を浪費して政権延命を続けるのである。民主党の幹部からは、定額給付金に対する嘲笑や皮肉の言葉は腐るほど聞いたし、麻生首相をチンピラと悪罵する挑発の言葉も聞いた。だが、この経済危機から日本を救うために何をするのか、どのような手を打って危機を打開するのか、本格的な経済診断と政策提言の要綱は聞いたことがない。口をついて出てくるのは「解散しろ」の一言だけであり、給付金に対する白紙撤回の要求だけである。「次の内閣」は何を仕事しているのか。暫定税率廃止や子育て支援だけでは不況対策にならない。今は、大型で根本的な雇用政策や社会保障政策を掲げることこそが必要で、内需振興を実現する具体的な産業政策や環境戦略も大胆に盛り込まれなければならない。私の考え方から言えば、第2次所得倍増計画的な大風呂敷を広げてグランドパッケージを構想立案することこそが求められている。

米国のF.ルーズベルトの「ニューディール政策」は歴史に残る偉大な経済政策である。日本の池田隼人の「所得倍増計画」も、その後のアジアの新興諸国の手本になる壮大な経済政策であり、その成功は歴史の教科書に残る快挙である。百年に一度の危機だからこそ、小手先の政策群ではなく、大型の想像力で歴史的な経済政策を提出しなくてはならない。「次の内閣」の凡庸な議員の頭脳で無理ならば、民間やアカデミーの知恵を借り、金子勝や榊原英資や神野直彦ら専門家を総動員して、本格的な政策設計と工程表を描き上げればいい。それを国民の前に出し、国会に提出し、テレビ局のスタジオで説明すればいいのである。政権を取った後、100日間でどうするのか、1年後に日本はどうなるのか、3年後にGDPはどうなるのか、国民の家計所得はどうなるのか、雇用と負担はどうなるのか、医療と年金はどうなるのか。今こそ、そうした大型の構想と計画が必要であり、日本人がそれを持って実現に動かなくてはいけない。1960年代の所得倍増計画下の国民経済と国民生活のような、大きな目標と確信を持って日本全体が前向きに生きることをしなくてはならず、あの時代のような政府と国民の積極的な関係を作らなくてはいけない。日本国が心を一つにしなくてはいけない。

「解散せよ」と口で言っても解散は実現しない。何だかんだと2か月も巧妙に立ち回って解散を逃げた。今度は税制と来年度予算の話題をマスコミに撒き、公明党や自民党内と揉め、混乱で時間を稼いで一日一日と逃げ伸びる。外交日程を入れながら正月に縺れ込む。給油法案で悶着を起こして、政局が混迷すればするほど、解散は遠い日程へ逃げて行く。自民党が解散回避で固まるからであり、解散カードを自民党内にちらつかせればちらつかせるほど、党内は解散を恐れて麻生首相に追従する動きになる。解散に追い込むためには、野党が本気にならないといけない。大型の経済対策と大型の補正予算を野党が自ら国会に出し、国民とマスコミに問い、国民の中で支持を得なければならない。そして、反麻生世論を高め、大型経済対策を求める倒閣運動を国民運動として提起し組織しなくてはならない。麻生首相の退陣と解散総選挙を求める集会を各地でやり、全国の街頭で署名を集め、地方紙の社説を埋め、国民的世論として盛り上げなくてはいけない。そこまでやって、広範な世論が盛り上がれば、公明党は麻生内閣から離れるし、自民党内も麻生首相を見離して、政界再編含みの総選挙へと決断を進める。森喜朗と青木幹雄が賽を投げる。

野党が本気になっていない。これまで2か月間、(仮病を使ってまで)党首討論を逃げ回っていたのは小沢一郎の方で、それが麻生首相の政権延命策の有効な一手だった。解散せよと迫ってきたら、党首討論に応じろと言い返す。すると、民主党はスゴスゴと矛を収めて丸くなった。党首討論を要求されたくないばかりに、民主党は臨時国会で何の対決姿勢も示さず、与党の言うがままに従う無風国会を続けていたのである。ねじれ国会などどこにもなく、経済危機など対岸の火事のようだった。臨時国会の2か月間、政治の話題は給付金への論難だけであり、それも(補正予算が出ないから)予算委員会ではなく場外の映像だけだった。民主党は、単に麻生内閣の支持率が下がるのを待つ作戦に出て、マスコミが麻生首相を叩くのを静観するだけであり、自分が責任を持って経済対策を立案しようともせず、倒閣運動を国民レベルで立ち上げようともしなかった。その気になれば簡単にできたことだ。手っ取り早くやろうとすれば、まず、野党の党首会談を開けばよかった。民主党が立案した経済対策に賛同を求め、結束して倒閣を国民に呼びかける声明を発表すればよかった。全野党の党首が揃い踏みで記者会見すればよかった。そうすれば、マスコミも少しは本気になって政権批判の論調を固める。

連合傘下の労組や市民団体が動く。地方の議会で内閣不信任の決議が上がる。地方各県の知事が離反する。新聞やテレビの内閣支持率の数字が劇的に下がり、民主党支持率が自民党支持率を逆転して上回る。自民党内から麻生降ろしの動きが激しくなり、森喜朗と青木幹雄が引導を渡す役に出て、例えば、公明党の合意を得た上で、与謝野馨暫定とか石原伸晃暫定などの「場繋ぎ」の方向へと流れて行く。簡単なことだ。どうして野党はそういう政治を起こそうとしないのか。民主党支持者は民主党にそうした政治行動を要求しないのか。麻生首相が政権に堂々と居座れる理由は、一つは自民党内の解散恐怖症候群の仕業であり、もう一つは民主党が弱気で党首討論を逃げまくり、民主党の支持率がずっと低迷しているからである。民主党の支持率低迷の原因は党首の小沢一郎にある。マジョリティの保守層は、首相に適当な人物として麻生首相を選び、小沢一郎を選ばない。その世論動向は 2か月前と変わらず、二人の支持率差が二党の支持率差に影響し、マジョリティの保守層にとっての「よりましな選択」の判断が自民党の側に高く出る政党支持率として定着している。だから、簡単に言えば、民主党は党首を変えればいいのである。小沢一郎に執着せず、支持率が上がりそうな人間に代えればいいのだ。

例えば、国民に人気のある長妻昭にすればいい。そうすれば、民主党の支持率は自民党を上回るだろうし、解散総選挙と政権交代を求める世論は国民的に盛り上がるだろう。簡単なことだ。長妻昭が新代表になれば、今度は麻生首相の方が党首討論を逃げまくるだろう。共産党や社民党は、何で野党党首会談をやろうとしないのか。自分の党の独自色をアピールすることばかりに腐心専念して、ミニ政党の姑息な党利党略の選挙対策ばかり毎日やっている。民主党が大型経済対策を出さないのなら、なぜ共産党や社民党からそれを出して国民に問おうという動きを作らないのか。なぜ民主党にそれを出させるように仕向けないのか。何で民主党を動かそうとしないのか。動かせないのか。そういう議論が、マスコミからも出ないし、ネットの中にも誰も言っている人間がいない。本気でないのは野党やマスコミだけでなく、国民そのものが本気になっておらず、世界恐慌の現実に対して鈍感なのだ。ネットを見れば、小沢信者のブログ左翼が、定額給付金の罵倒と麻生失言への揶揄をルーティンワークする寒々とした政治の情景しかない。共産党支持のブログ左翼が、赤旗新聞の主張をせっせとBLOGに丸写しして宣伝している貧相な政治の情景しかない。そういう「努力」では政治は変わらないし、1ミリも動くことはないのだ。

野党が変わらなければ政治は動かない。野党支持者が変わらなければ野党は変わらない。


http://critic5.exblog.jp/9940693/#9940693_1


中国やタイでは民衆が大きく動いているが、このままの政治状況が続けば同じことが日本でも早晩起こるかもしれない、その時は既に手遅れかもしれない。  

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