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米国財務省やFRBとゴールドマン・サックスの関係(月刊FACTA記事より)
http://www.asyura2.com/08/senkyo56/msg/378.html
投稿者 ヤマボウシ 日時 2008 年 12 月 01 日 02:53:32: WlgZY.vL1Urv.
 

Like a rolling bean (new) 出来事録
http://ameblo.jp/garbanzo04/day-20081130.html

2008-11-30
【情報メモ】 米国財務省やFRBとゴールドマン・サックスの関係を抜粋(月刊FACTA記事より)

年間購読誌である『月刊FACTA』は、財界やメディアの間でも広く購読されているようですが、その12月号にこんな記事がありました。概略説明を引用します。

月刊FACTA 2008年12月号 [ポールソンの大罪]

「戦犯」ゴールドマン・マフィア

財務省もFRBもゴールドマンの「植民地」。99年の上場で、「国への奉仕」が貪欲な利己主義に変質した。
http://facta.co.jp/article/200812053.html

「なぜ、リーマン・ブラザーズが破綻となり、AIGは救済されたのだろう……あっち(救済を受けた)側だったら本当に良かったのに」

悔しさがこみあげてきたのか、証言席の大男は言葉に詰まる。長い沈黙を経て、捨てぜりふを吐いた。

「はめられた」ファルドの怒り

「墓場に行くその日まで、私は(なぜ救済されなかったかの理由を)問い続けるだろう」

米下院で金融危機問題を調べている政府改革・監視委員会は10月5日朝、連邦破産法11条を申請した証券大手リーマン・ブラザーズのリチャード・ファルド前会長兼最高経営責任者(CEO)を呼んだ。マスコミも見守る公聴 ………

この記事の内容は、どのようなGS人脈がブッシュ政権で財務省・FRB、そして金融機関で固められているか、あとは、その人や組織をめぐってどのような事実があったかの客観的な確認がこの記事ではメインになっています。

ポールソン財務長官がゴールドマン・サックス(GS)出身であることは有名ですが、「それ以外」の部分が整理されている「事実」の部分だけでも結構なボリュームがあるので、その観点にメモしておきたいと思います。

下記はおおむね記事の順序に沿っていますが、一部抜けなどはあるかもしれません。

管理人による関連情報URL付記の有無は、「なんとなく」ということで、それ自体は覚え書きとしてご理解ください。


〜〜〜ここからFACTAを読んでのメモ(「事実」の部分):

■最近の金融危機をめぐる企業・組織について:

(1)リーマンブラザーズの破綻と金融市場混乱の後、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは銀行持ち株会社への移行を申請し、認可まで数日というスピード採決の特例を受けた。

(2)リーマンブラザーズの株価急落で、リーマン・ブラザーズのリチャード・ファルド前会長兼務CEOは、夏前にはゴールドマンのロイド・ブランクファイン会長兼CEOに「信用不安を煽るのはやめてくれ」と抗議の電話をしていた。

(3)ゴールドマンの社員1人あたりのボーナスが60万ドル(約5800万円)であることが怨嗟を招いている。

(4)AIGの経営トップ解任とFRBの緊急融資にあたり、ゴールドマンの社外取締役を務めていた保険大手オールステート元会長のエドワード・リディ氏が新会長に就任。

(5)ゴールドマンとAIG間に200億ドルのデリバディブ(金融派生商品)の取引残があったとされる(大半がヘッジ済みともされる)。

(6)2006年、ポールソン財務長官が誕生した(ゴールドマンのCEO)。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3

(7)ポールソン氏を引っ張ってきたのは「ブッシュ政権の懐刀」であるジョシュア・ボルテン首席補佐官。

(8)そのボルテン首席補佐官は、元はゴールドマンの法務・行政担当。

(9)ロバート・ゼーリック元国務副長官がゴールドマン幹部に納まり、その直後世界銀行総裁に就任。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%BC%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF

(10)ワコビアの会長となったロバート・スティール前米財務次官は、ゴールドマンの副会長。

■(11)〜(16)の方々がいずれもポールソン財務省長官のアドバイザー:

(11)ポールソン財務長官以外の財務省・FRB人脈には、まず公的資金投入プログラムの統括者であるニール・カシュカリ次官補がいて、

(12)そして公的資金投入プログラムの投資責任者ルーベン・ジェフリー商品先物取引委員会委員長(経済、エネルギー・農業問題の担当国務次官)が就き、

(13)ケン・ウィルソン氏がポールソン氏に助言を提供し、

http://jp.reuters.com/article/domesticFunds/idJPnJS820985320080721

(管理人追記: 上の記載で、ブッシュ大統領は最近、ウィルソン氏に自ら電話をかけ、ポールソン長官に力を貸すよう依頼したという、とありますね)

(14)金融機関担当バンカーのダン・ジェスター氏

(15)運用部門トップのエドワード・フォースト氏

(16)リストラの専門家スティーブ・シャフラン氏、と続く。

■財務省に続いて、連邦準備制度理事会(FRB)関連では:

(17)ガイトナーFRB総裁はゴールドマンの元共同会長で、ゴールドマンのスティーブン・フリードマン元会長にヘッドハントされた。

(18)ガイトナーFRB総裁は、政府証券オペ責任者にゴールドマンのエコノミストを採用している。

■ちなみに欧州の銀行では:

(19)イタリア中央銀行のマリオ・ドラギ総裁がゴールドマンOB。

■さらに米国政界とのつながりでは:

(20)ニューヨーク連銀のジェラルド・コリガン元総裁はゴールドマンに在籍中。

(21)ブッシュ大統領の国家安全保障のアドバイザーのファールヤール・シールザットらもゴールドマンに在籍中。

■サブプライム問題の発端となる金融規制緩和での、政府ロビイング活動での「活躍」履歴:

(22)04年、ウォール街の大手証券が証券会社による融資を制限した規制の撤廃をSECに働きかけ成功させ、証券会社の自己資本規制をかけない仕組みを作り上げた際の旗振り役がポールソン現財務長官。

(23)1990年代後半、金融派生商品店頭取引の監査強化に反対したのがルービン財務長官(当時)。

 とりわけ高速道路の民営化提案などの米国でも批判されている規制カイカク要請について:

(24)ゴールドマンの「政府担当」(government Affairs)に、投資銀行インフラ担当バンカーが就いている。

■人材輩出ポストのかたよりへの(記事での)言及:

(25)ポールソン財務長官系のルートで「政策」に関わるゴールドマンOBは「投資銀行」「営業畑」で、市場との対話を得意とする市場・リスク管理系出身ではない。

〜〜〜ここまでメモ
特に、(25)の話題などは示唆的であるようにも思います。

しばしば「ハゲタカ」と称される投資銀行のふるまいが、収奪と呼ぶにふわさしい点に対して、「そんなの、こういった金融機関そのものの本質だからね」、と指摘して判断停止して、済まされるわけでもないのかもしれません。

そこでそう考えたら、同じあやまちは、これから数年はかかるであろう大不況とそこからの回復の時代を経てまもなく再発を見るようにも思えます。

わたしの仮説に過ぎませんが、

もしも、(25)でのメモが示すような、そもそも、ギャンブラー的な気質の強い、あるいは全体観を捉えるためには別部隊と協調的に動くべきラインに過剰なほどの権限委譲を委ねてしまい(それが組織としての本意であれば絶望的ですし、社内「政治」の結果であればそれも悲惨なことです)、その結果、実質的な企業統治のあり方そのものがコントロール不可能な状態になり、そして、「投資」と称する民間企業への資本の食い散らかし行為を、他金融機関の間の「競争」をもとに止められなくなっていた・・・

ということだとしたら、それは、軍がコントロールを失い、他国の軍との争いの中で、他国や、軍内部、そしても自国民や自国の社会体系そのものをも痛めつけていくという、「戦争」との類似性があまりに大きすぎます。

 

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