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第40回 全米にイラク反戦のうねり キャンプ・ケーシーに注目! (2005/08/20)
http://www.asyura2.com/08/senkyo56/msg/599.html
投稿者 ROMが好き 日時 2008 年 12 月 06 日 19:51:57: Dh66aZsq5vxts
 

(回答先: 第39回 日本経済まで「ぶっ壊す」小泉改革の幻想と実態 (2005/08/18) 投稿者 ROMが好き 日時 2008 年 12 月 06 日 19:24:45)

第40回 全米にイラク反戦のうねり キャンプ・ケーシーに注目! (2005/08/20)
http://web.archive.org/web/20051218071805/nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050820_campcasey/

2005年8月20日

 先に第38回「海外メディアが伝えた 小泉・郵政解散劇の評判」の中でちょっとだけ伝えた、ブッシュ大統領に徹夜で抗議する戦死兵の母親の話(そのときはホワイトハウス前で抗議と書いてしまったが、実際は、ブッシュ大統領が休暇になるとおもむく、テキサスのブッシュ牧場の前)は、その後ますます大きな話になり、主なテレビネットワークや新聞に次々に取り上げられ、さらに増幅されるので、評判が評判を呼び、いまや、その母親、シンディ・シーハン(Cindy Sheehan)さんは、イラク反戦運動のシンボルになってしまったようである。

 全米各地に次々に設置された、シーハンさんの抗議運動を支援する、「キャンプ・シーハン」(彼女はブッシュ大統領に徹夜で抗議するために、ブッシュ牧場のすぐ隣の土地にキャンプを張った)、「キャンプ・ケーシー」(ケーシーは死んだ息子の名前。シーハンさんは自分のキャンプにそう名前を付けていた)が、イラク反戦運動の核となって、ここ数日、全米各地で、シーハンさんを支援して、イラク戦争に反対するデモや集会が行われている。それがメディアに大きく取り上げられたので、このままいくと、イラク反戦運動がベトナム反戦運動のように大きく広がり、アメリカの政治に大きな転機をもたらす可能性がある。

 かつてニクソン大統領が悲劇的な退陣を強いられた最大の背景は、ベトナム反戦運動の燎原の火のような広がりだったが、ブッシュ大統領も、このままいくと、同じような運命をたどる可能性がある。

 
日々ネットに刻まれる「米兵の死傷者の記録」
……………………………………………………………………
 イラク戦争における米兵の死者は、すでに1800人を超え、いまなお、着実に増加しつつある。アメリカのメディアは、その刻一刻の米兵の死の増加を克明に具体的に伝えている。

 たとえば、ここをクリックすると「CNN.com」の「米兵の死傷者の記録」のページにつながるが、そこには、顔写真付きで、一人ひとりの兵隊の死が、それがどのような兵隊(家族環境も含め)で、どのような状況下で死んだかが、記録されている。それが、開戦以来のすべての死者について残されているのである。この記録を「↓」ボタンでサーッと流して見るだけで、日本人のほとんどが抽象的にしか知らないイラク戦争が現実味を帯びて見えてくるだろう。ほかにも検索サイトで「war in iraq(イラク戦争)」「casualties(死傷者)」と入力すれば同様のものが多数出てくるだろう。

 
next: デジタル情報革命によって…
http://web.archive.org/web/20051218071805/http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050820_campcasey/index1.html

 デジタル情報革命によって、大量の記録をメディアが簡単に残すことができるようになり、それがクリック一つで簡単に検索できるようになったことで、昔なら、アッという間に歴史のうねりの波の合間に消えてしまった個人個人の死が、生きた情報となっていつまでも残ることになった。

 アメリカにおけるベトナム反戦運動の高まりは、テレビというメディアが戦場の生の現実を毎日アメリカの家庭の茶の間に送り届けたことによってもたらされたといわれているが、イラク戦争の反対運動の広がりは、おそらく後年、インターネットによってもたらされたといわれるようになるのではないか。

 テレビなどのマスコミ情報は、結局大きな動きと平均的な動静しか伝えることができないが、インターネットというメディアは、あくまで個の情報を伝えつづけることができるので(戦場の恐るべき現実、イラク戦争の無意味さを伝える兵士たちの心情的Eメールがどんどん転送されて広がっていく効果も大きい)、それだけ個別情報の届く対象は限られるが、個人個人に対するエモーショナルな働きかけの強さも確保されるので、個のエモーションの集積がパワーとなる個人参加型の社会運動の起爆剤となっていく可能性が大きい。

 
ネットが伝える大義なきイラク戦争の真実
……………………………………………………………………
 もちろん、アメリカには、ブッシュ支持派、イラク戦争支持派も少なくないから、まだ、イラク戦争反対派の声が盛り上がってきたとはいえ、比較多数のレベルにとどまっている。

 シンディ・シーハンさんの反戦運動に対する批判の声も、保守的メディアからはよくきかれる。シーハンさんは、一年かけて、ブッシュ批判、イラク戦争反対のキャンペーンを全国各地で繰り広げてきた。最近は、支援者からの拠出金を集めて、新聞に反戦広告を出したり、テキサスのテレビ局のコマーシャル枠を買って、反戦コマーシャルを出したりまでしているので、彼女を左翼の職業的反戦活動家であるかのように批判するのだ。

 先の日曜日は、全米で反戦運動もあったが、イラク戦争支持、ブッシュ支持のデモも行われていた。街頭において、両派がぶつかり、口頭で激しく非難しあう場面も見られた。テレビ局の報道も気をつかって、必ず両派の声を伝えるようにしている。

 グーグルに「Cindy Sheehan」を入れて検索したときの結果を見ると、ヒットする件数が、私がトライした時点で240万件だった。どれほど彼女の抗議活動が全米の大きな話題になったかが、この件数にあらわれている。

 そのトップに出てくるのが、「BUZZ FLASH.com」というインターネットの個人的インディペンデント・メディア(いまアメリカでは、こういうものがさかんにできている)によるシーハンさんのインタビューだが、それは非常にシンプルに彼女の主張を伝えている。

 要するに、ブッシュが言っていたイラク戦争の大義などというものは、すべてウソっぱちであることがわかったではないか。では、自分の息子は何のために死んだことになるのか? あと何人のアメリカ兵の死者を出したら、イラクから米兵を引くつもりなのか? あと何人の息子の死に接する母親、自身の夫の死に接する妻を出したら、無意味なイラク戦争をやめるのか。ブッシュ大統領には三人の娘がいるはずだが、そのうちの一人がイラク戦争に行かされて死んだら、あなたはどんな気持ちがするのか?

 こういうシンプルな主張と、イラクで米兵の死がいっこうに止まらないという現実が、全米でシーハンさんを支持する反戦運動の火を付けているのだ。

 
自衛隊は大義なきイラク駐留を即刻切り上げよ
……………………………………………………………………
 ひるがえって日本はどうか。

 イラク戦争に大義がなかったことが判明した以上、あの戦争は国際正義の原則に反する侵略戦争といわれても仕方がない戦争である(それが独仏露などヨーロッパ主要国が参加を拒否した理由だった)。その戦争に自衛隊を送り出した小泉首相の政治責任を問う声が、日本でさっぱり聞こえないのはどうしたわけか。

 イラクに自衛隊をとどめておく積極的な理由は何もない。そもそも兵を出した大義が失われている。それに自衛隊が現地で果たしている積極的な功績など、ゼロに等しい。

 現地の情勢は、自衛隊からいつ死傷者が出ても不思議ではないほど悪化している。

 日本は一刻も早く兵を退くべきである。そうでないと、小泉首相は海外で日本兵を殺した戦後初の首相として永久に名を残すことになるだろう。

 
立花 隆

評論家・ジャーナリスト。1940年5月28日長崎生まれ。1964年東大仏文科卒業。同年、文藝春秋社入社。1966年文藝春秋社退社、東大哲学科入学。フリーライターとして活動開始。1995-1998年東大先端研客員教授。1996-1998年東大教養学部非常勤講師。2005年10月から東大大学院総合文化研究科科学技術インタープリター養成プログラム特任教授。

著書は、「文明の逆説」「脳を鍛える」「宇宙からの帰還」「東大生はバカになったか」「脳死」「シベリア鎮魂歌―香月泰男の世界」「サル学の現在」「臨死体験」「田中角栄研究」「日本共産党研究」「思索紀行」ほか多数。講談社ノンフィクション賞、菊池寛賞、司馬遼太郎賞など受賞。  

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