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第69回 押井守監督、川人光男所長らとサイボーグ革命最前線を語る (2006/04/14)
http://www.asyura2.com/08/senkyo56/msg/716.html
投稿者 ROMが好き 日時 2008 年 12 月 08 日 20:59:21: Dh66aZsq5vxts
 

(回答先: 第68回 ネット時代に直面する問題にテレビ、新聞はどう向き合うか (2006/02/27) 投稿者 ROMが好き 日時 2008 年 12 月 08 日 14:00:04)

第69回 押井守監督、川人光男所長らとサイボーグ革命最前線を語る (2006/04/14)
http://web.archive.org/web/20060810214951/http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/060414_cyborg/

2006年4月14日

 このところしばらくお休みしていたら、アッという間に1カ月もたってしまった。

 この間何をやっていたのかというと、一つは、このページに書いてきたことを単行本にまとめて出版する仕事にかかり切りだったのである。

 そして先日、めでたく本屋の店頭(大手書店。全国発売は4月17日)に並ぶところまでこぎつけた。

 タイトルは『滅びゆく国家』。500ページで2200円。オリジナルにかなりの加筆修正を加えた。自画自賛になるが、自分で読み直しながら、「これはなかなか面白い」と思った。ぜひご一読くださいと申し上げておく。

 
NHKの新番組でサイボーグの未来を語る
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 忙しかったのは、この本作りの仕事だけではない。

 実はサイエンス関連で、このところ、複数のプロジェクトが同時進行していたため、無茶苦茶に忙しかったのである。

 一つには、かねてNHKで作りつづけてきたサイボーグ関連の番組がもう1本できる。これまでの総集篇にプラスする形で、3人の有識者との討論を交えた、“徹底討論『サイボーグ革命・脳とマシーンの融合』”(仮題)という番組で、4月24日夜10時の「プレミアム・テン」という新しい枠組で放送される。

 3人の識者とは、「攻殻機動隊」「イノセンス」「アヴァロン」などで有名な映画監督の押井守さん。もう一人は脳科学者であると同時に、ロボット工学者として有名なATR研究所・脳情報研究所所長の川人光男さん。それに文化庁長官であると同時にユング派の臨床心理学者として有名な河合隼雄さんである。

 この番組、実は河合さんとの対談部分を先日お昼に収録したばかりで、これから大わらわの編集がはじまるところだから、まだ内容が確定しているわけではないが、いずれの人とも3時間以上にわたる内容みっちりの対談を交わしているので、面白い番組になること必定だと思っている。

 同時にNHKの放送の枠(約1時間)では、3つの対談の内容を十分に収録できるわけがないことが明らかなので、そのこぼれ落ちた部分は、私が東大駒場の学生たちと作っているページ『サイ』で、順次公開していくつもりである。

 
next: 原告が勝訴した裁判として代表的な2例…
http://web.archive.org/web/20060810214951/http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/060414_cyborg/index1.html

実用サイボーグ技術が続々登場
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 これまでにNHKで作ったサイボーグ関連の番組は全部で4本あるが、そのうちのNHKハイビジョンで放送した「サイボーグ革命“ロボットと人間の融合”」は、視聴率はあまり伸びなかったが(ハイビジョンは見る人が少ないため、基本的に視聴率が低いという事情がある)、内容的には非常に物議をかもすような作りになっていた。

 出演者は、筑波大学で人間サイボーグ的なロボットスーツ・HALを作っていることで有名な山海教授と、ATR研究所で学習機能を持つロボットDBを作ったことでよく知られる川人光男さんの3人で、科学未来館の中に仮説スタジオを作り、ホンダのロボット、アシモなどをまじえながら、未来のロボットの可能性を話し合うという内容になっていた。

 日本では、ロボットの番組ということになると、ホンダのアシモやソニーのアイボ、あるいはキュリオなどのエンタテインメント系ロボットをもてはやすものが大半だった。だが、あの番組では、あの手のエンタメ系ロボットは、要するに高級オモチャにすぎないのであって、見た目はいかにも大きな将来性を感じさせるようであっても、実は江戸時代のお茶くみ人形以上のものにはならないなどといった相当に辛口の批判を下した。

 その上で、脳とコンピュータを直接につないで情報のやりとりをする「脳・コンピュータ・インタフェース」の研究がいまアメリカでどれほど進みつつあるかを紹介し、その研究が持っている近未来の恐るべき可能性を福祉から軍事まで広く紹介すると同時に、この方面の研究が日本でどれほど立ち遅れているかを論じた。このまま、日本が高級オモチャ的エンタメ系ロボットをもてはやし続けていると、日本は完全に近未来において最も価値ある技術になりそうな本格的実用サイボーグ技術の世界において、完全に置いてけぼりになってしまいそうだと警鐘を鳴らす番組となった。

 
脳科学は基礎研究から応用研究へ
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 サイボーグ技術は、脳科学とロボット技術の上に築かれる新しいテクノロジーである。日本のこの方面の立ち遅れが、ロボット研究の方向性の誤り(エンタメ系ロボットの過大評価)と同時に、脳科学の方向性の誤り(基礎的研究に終始して脳科学の応用面をほとんど無視してきた)に起因していることは明らかである。そこを何とかしなければと思っていたら、それからしばらくして、川人さんから、脳科学をもう少し社会に貢献させる方向に振り向けるべく広範な応用研究をめざして、『脳を活かす』という研究会を立ち上げようと思っているので、発起人の1人になってくれないかという依頼があった。

 日本の脳科学は、もっぱら基礎科学的研究に熱中してきて、すでに沢山の面白い研究結果があるのに、そのような成果を利用して、少しでも社会に役立つ応用研究をしようという考えはなかった。

 
next: 具体的には…
http://web.archive.org/web/20060621184729/http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/060414_cyborg/index2.html

 具体的には、脳コンピュータ・インタフェースのような研究にかぎらず、脳科学の成果を、教育、コミュニケーション、経済活動、先端医療、リハビリテーション、情報処理、ロボットなど、多方面の実社会がかかわる研究に役立てていこうという研究会である。

 それに対して、アメリカではいま脳科学の世界で基礎研究から応用研究へという大きな流れが生まれはじめている。それが、NHKのサイボーグ関連番組で紹介したような、脳深部刺激療法(DBS)、ブレイン・マシン・インタフェースなどの技術である。ついては、ぜひその発足式の会合に出てきて、話をしてくれというので、この4月4日、5日に、京阪奈の研究学園都市にあるATR研究所に行って、話をしてきた。

 この研究会は大変な盛会で、300人以上の参会者を集め、会場は立見の人が沢山出るほどだった。

 参会者は大学等の脳科学研究者が多数になるかと思ったら、約半分が企業からの参加者だった。

 いまアメリカでは、脳科学の社会への応用が多方面で進んでおり、ニューロ・エコノミクス、ニューロ・マーケティング、ニューロ・ポリティクスなど多くの領界領域の新しい学問が次々に誕生して発展中で、現実に商品開発、広告宣伝戦略などの側面においては、ビジネスと直結しつつある。

 初会合では、アメリカからそういう新分野の研究者が呼ばれて、いまアメリカでどのような研究と応用がはじまっているか紹介される予定という前宣伝がかなり浸透したせいか、実にさまざまな領域の人々がきていた。

 
全く新しい理論に基づく新タイプのロボットが誕生
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 こういう研究会立ち上げ計画が進行中だった3月末の時点で、ソニーが、かねて最初に商品化したロボットとして有名な犬型ロボット「アイボ(AIBO)」(99年発売。これまでに15万個売る)の生産を中止すると発表した。「アイボ」だけでなく、ソニーの先進的な2足歩行ヒト型ロボットとして有名な「キュリオ(QRIO)」の新規開発もやめ、娯楽ロボット事業から撤退するとの報道がなされた。

 もともとエンタテインメント系ロボットは、一般の人気は高く、イベントのときなどの人集め効果は満点である。企業の技術力の高さをアピールする広告宣伝効果も抜群にあるが、それを作った企業がそれで儲かるかといったら、ホンダにしても、ソニーにしても、膨大な研究費がかかる一方で、ビジネスとしては成立していない。

 それは業界では周知の事実だったから、ソニーのように本体の事業そのものが、このところ必ずしも順調といえない状態にあっては、いずれ事業縮小ないし切り捨て必至と見られていただけに、一般の人はともかく、ロボット研究者の間では、いずれ来るべきものが来たくらいの受け取られ方だった。

 アイボの生みの親で、ソニーのロボット事業の先導役だったソニーコンピュータ研究所の土井利忠さんも「脳を活かす」研究会の発起人の1人で、第1回の会合に出てきて、参加者と活発な議論を交わしていた。

 
next: その席上、近く開催される…
http://web.archive.org/web/20060621184842/http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/060414_cyborg/index3.html

 その席上、近く開催される、ソニーのインテリジェンス・ダイナミクス・研究所シンポジウムで、全く新しい理論に基づく新しいタイプのロボットが発表される予定だから、ぜひ出席をといわれたので、4月7日に、そのシンポジウムに出てきた。

 先のアイボの生産中止の新聞報道で、ついにソニーもエンタメ系ロボットから撤退かと思っていたので、新型ロボットは何なのだろうと思って出かけてみたら、外見上のロボットそのものは、撤退と報道されていた「キュリオ(QRIO)」なのだが、中身は全く変わっていた。

 どう変わっていたのかというと、これまでの「キュリオ」は、プログラムを徹底的に作りこんだ全自動人形(要するに、江戸時代のお茶くみ人形の延長)でしかなかったが、今度のキュリオには、高度の学習能力が持たせてあって、それを人間がつきっきりで徹底的に学習させることで、その頭脳に環境変化(多数のセンサーから入ってくる各種入力情報の変化)に対する対応能力を身につけさせ、プログラムされた行動ではなく、一種の自律行動を身につけさせたのである。

 
ロボットの行動に質的な変化もたらす
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 ロボット開発の一つの目標地点は、自律行動ができる自律ロボット(プログラム以上のことが自律的にできる)を作ることにあったが、それがある程度できるようになったのである。

 といっても、ロボットに可能なのは、完全に自由な自律行動ではなくて、一つのシェーマ(図式)内の行動でしかなく、そのシェーマもまだほんのかぞえるほどでしかないが、これからシェーマをどんどん増やしていって、万をもってかぞえるくらいのレベルに早くもっていきたいのだという。シェーマがそれくらいにふえたら、ロボットの行動は質的な変化を起こして、本当の自律行動に近いものになっていくだろうという。

 なるほど、それも夢ではないかもしれないと思わせるほど、そのパフォーマンス能力は大変にすぐれていて、それが作りこまれたプログラムにみる行動ではないことも、デモの中で2重、3重に示されていた。

 これはまだ広く一般公開されたロボットではないから、こう書いても、それが何を意味するのかわかりにくいだろうが、近いうち、もっと一般公開に近い形で、世の中にお目見得するようになるだろう。そのとき、世の中の人は相当ビックリするはずである。

 しかし、その先に、どのようなビジネスが成立しうるのか、そしてそれがどのように展開していきうるのか、そしてそれはフィージブルなものたりうるのかというと、そのあたりはまだ見えてこない。

 しかし、大きな可能性の夢を見させてくれるものであることはまちがいない。

 ソニーは最近急速に、本業のビジネスのほうが回復しはじめたので、ロボットもまだまだ新しい試みがどんどん続けられていくにちがいないと思った。

 
立花 隆

 評論家・ジャーナリスト。1940年5月28日長崎生まれ。1964年東大仏文科卒業。同年、文藝春秋社入社。1966年文藝春秋社退社、東大哲学科入学。フリーライターとして活動開始。1995-1998年東大先端研客員教授。1996-1998年東大教養学部非常勤講師。2005年10月から東大大学院総合文化研究科科学技術インタープリター養成プログラム特任教授。

 著書は、「文明の逆説」「脳を鍛える」「宇宙からの帰還」「東大生はバカになったか」「脳死」「シベリア鎮魂歌―香月泰男の世界」「サル学の現在」「臨死体験」「田中角栄研究」「日本共産党研究」「思索紀行」ほか多数。講談社ノンフィクション賞、菊池寛賞、司馬遼太郎賞など受賞。  

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