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http://www.kinyobi.co.jp/KTools/fusoku_pt?v=vol719
| 福田首相がいきなり政権を放り出したので、私はいろんなところで「甘えている」「だらしない」「仕事が長続きしないのは“忍耐力”がないからではないか」など、今までフリーター層や若年層に向けられていた言葉をそっくりそのまま返す形で雑誌などにコメントしている。そういうことを言って若年層や非正規雇用層をバッシングしてきた政治家の多くは自民党で、しかし、そのトップが2人続けて1年も続かず逃げ出すとはどういうことなのだろうか。 テレビで誰かが「総理をバイト辞めるみたいに辞められても……」といった発言をしていた。が、その言い方はフリーターに失礼だ。フリーターの多くはその収入だけで生活している。バイトを辞めれば途端に食べていけなくなるから必死で働いている。が、福田首相は首相を辞めたところで生活に困ることはない。おそらく、生涯にわたってだ。 ついさっき、あるメーリングリストで、自殺を考えている若者の切迫した状況について、知った。両親はすでに亡く、派遣の仕事の給料の支払いが遅れ、家賃を払えずアパートを追い出されそうだという。 そんな状況に対して、心ない人は「甘えている」「そんなことで自殺を考えるなんて弱い」などと言うのだろう。が、頼れる人もなく、もちろんお金もなく、路上生活になりそうだという時、一体どうすればいいのだろうか。どこに行けば生きられるか、どうすればセーフティネットにひっかかれるか、そんな情報はあまりにも知られていない。「友人に頼ればいい」という人もいるが、いないからこそ自殺を考える。困窮状態にある人の中には、周りから借金を繰り返し、人間関係が壊れてしまっている人もいる。「もうこれ以上、人に迷惑をかけられない」という人のなんと多いことか。「人に迷惑をかけるな」という、親や教師に言われがちなこの一言は、時に人の命を奪うこともあるということを、私は最近、身にしみて感じている。 そんな、生きるか死ぬかの状況にいる人々など何も見えていないかのように、自民党総裁選が賑やかに進行中だ。彼らが繰り返す「活力」「ダイナミズム」という言葉や、自らが生き残るためのゲームの戦略なんかを聞かされても、どうしようもなくシラけるだけだ。 |
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