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「イラク戦争が主として石油のためであることを認めるのが政治的に不都合であることは悲しい」 アラン・グリーンスパン
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投稿者 TORA 日時 2008 年 1 月 22 日 16:35:30: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu160.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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「イラク戦争が主として石油のためであることを認めるのが
政治的に不都合であることは悲しい」 アラン・グリーンスパン

2008年1月22日 火曜日

◆イラク:石油生産量、開戦前に迫る 治安改善で 1月21日 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/world/news/20080122k0000m030095000c.html

イラクの石油生産量が、03年のイラク戦争開戦直前レベルに迫る日量約250万バレルまで回復している。治安改善に伴い、武装勢力によるパイプライン攻撃が減少したことなどが理由。石油収入の分配を定める石油法案の成立のめどは立たないが、国家財政の大半を石油収入に依存する中、石油省は価格高騰を追い風に輸出の拡大を急いでいる。

 石油省によると、現在、日量約200万バレルを輸出。多くが有数の油田を抱える南部バスラ県から積み出されている。輸出拡大に向け先月17日には、国営の石油タンカー企業がバスラ港で27年ぶりに新型タンカーの進水式を行った。

 また先月、武装勢力の攻撃をたびたび受けていた北部キルクークからトルコのジェイハンを結ぶパイプラインが再開、米軍に破壊されたキルクークとシリアのバニヤスを結ぶパイプラインの再開も決まった。具体的な日程は明らかでないが、ロシア企業が再開に向けた調査を進めている。

 「日量300万バレルまでの生産拡大を計画している」。石油省報道官は外資の石油会社などと開発契約交渉がいくつも進んでいると胸を張る。ロイター通信によると、国際通貨基金(IMF)当局者は07年に1.3%だったとされる国内総生産(GDP)成長率は、石油生産の好調を維持できれば08年と09年には7%を超えるとしている。

 一方で、イラク北部のクルド自治政府が海外の石油会社などと独自に締結している油田の開発契約について、中央政府は石油法案の審議が継続中であることを理由に「契約は違法」との立場を崩していない。

 今月17日には、石油省が自治政府側と契約を結んだ海外の石油会社との協力関係の停止を決めたことが明らかになるなど、好調な石油生産は中央政府と自治政府の対立を深める要因にもなっている。(共同)

◆巨大石油企業がイラクに抱いた夢 1月5日 リンダ・マクウェイグ
http://teanotwar.seesaa.net/article/78509747.html#more

西洋のメディアは、一般にこの法律を「石油収入分配法」と呼んでいる。つまり、潜在的に膨大な額になるイラクの石油収入を、互いに闘っているエスニック・グループ----シーア派、スンニ派、クルド人----のあいだでどう配分するかに関わるものと伝えられている。けれども、この法律はそれ以上のことを述べている。イラクの石油部門に対する外国の投資について法的枠組みを決め、巨大多国籍石油企業の支配権を復活させる可能性があるものとなっている。巨大石油企業は、1970年代に中東を席巻した強力な石油ナショナリズムの中で中東地域の支配権を失い、膨大な石油資源は中東諸国政府が握ることになった。最終的に賭かっているのは、イラクの砂の下に眠る石油という黒い金がもたらす巨大な富から利を得るのは誰か、である。イラクに暮らす、日々の食べ物にも事欠くような2500万人のイラク人か、それとも、ビッグ・オイルとして知られる世界で最も裕福な企業の所有者たちか。

結局、米英のビッグ・オイルが地上に残された未開発の石油大鉱脈を支配しようと身構えており、17万人の米兵たちがそれを助けるために駐留している中、キャピトル・ヒルにいる監視人とメディアは、それにまったく注目していないようなのである。部屋のど真ん中に膝までどっぷりと油に浸かった象がいるにもかかわらず、レイバーン・ビルのホールを歩くクシニッチと同様、まったく注目を浴びていない。ブッシュ政権はイラクでの災厄をめぐってすべてのものをむちゃくちゃにしているが、一点についてだけは大成功を収めている。ブッシュ政権がイラクの石油をむやみにほしがっていることから、人々の議論をそらすことにはなぜかしら成功したのである。

少なくとも、表面上はそのように見えた。詳しく調べてみると、実は、ISGが提唱していた戦略は、ブッシュ政権とほぼ同じであることが明らかになった。すなわち、十分に強力なイラク軍を創設し、米国の支配下に置かれたイラクという枠組みのもとで治安維持にあたらせること。実際、ISG報告は、イラク軍に米軍兵士を参加させ、イラク警察に米国の訓練官を派遣し、内務省にFBIのエージェントを送り込み、イラク諜報部門にCIAのエージェントを送り込むことで、イラクにおける米国の支配をいっそう拡大する見解を示していた。

そのように言ったあとで、ISGのメンバーたちは本当の仕事に取りかかり、どうすれば米国政府がイラクの石油を実効支配できるか検討し始める。例えば、報告書の勧告第62項は、外国からの投資を促すためのイラク石油法草案作成に、米国は「技術支援」を提供すべきであると述べる。勧告第63号は、「国際社会と国際エネルギー企業によるイラク石油部門への投資を米国が促し」、「イラクの指導者に国営石油産業を営利企業と見なすよう促す」ことを求めた。これらの勧告は、実質的に、イラク石油産業を再設計して外国からの投資と多国籍エネルギー企業に大きな役割を負わせるよう、米国政府に呼びかけているものである。

ホワイトハウスを運営する共和党政府の政策に対する攻撃となっているどころか、ISG報告書は、米国がイラクを支配することについて民主党も共和党も基本的に同じ考え----イラクの巨大な石油資源を多国籍石油企業に向けて開放すること----を持っていることを明らかにしている。

けれども、この超党派合意はイラクの人々自身の考えとは逆である。昨年6月と7月にワシントンの非営利組織「政策研究所」が行なった世論調査では、イラク人の3分の2近く----シーア派の66%、スンニ派の62%、クルド人の52%----が、イラクの石油部門を海外投資に開放することに反対していることが明らかになった。ワシントン政府内では、イラク人の反対はすでによく知られていた。イラク研究グループ(ISG)に参加したある上級研究員は、匿名を前提に、民主党も共和党も、イラクで多国籍企業が主な役割を果たす必要がある点について合意していると述べた。同時に彼は、そのやり方がイラク内部で政治家にも市民にも人気がないことを認めた。「[これをめぐる]視点は、『神が我々にこの石油をくれた。それはイラクの人々の利益のためだ。外国人がやってきて石油を持ち去ることは望まない』」というものだ、と彼は言う。「イラク人はむちゃくちゃ民族主義的だ。自分たちの産業を近代化するために外国の投資が重要だということさえわかっていない・・・・・・。イラクの政治体制はそこをまだ理解してないんだ」。

このコメントについて何よりも驚くのは、イラクの人々が米国の計画に反対していることを知りながら、なぜかしらイラク人の反対など無意味だと決めつけている点である。イラク人の反対は、尊重すべきものではなく、乗り越えなくてはならないものに過ぎないという考えは、イラクをめぐる米国政府の基本となっている。

侵略の動機として石油への言及が抹殺される点は重要である。というのも、それによって、イラク戦争は、最悪のイメージで語られる場合でさえ、素朴な大統領が中東に民主主義をもたらそうとして失敗した試みとして描き出され、ほかの主権国家の資源を盗むための帝国主義的企てとしては伝えられないからである。デニス・クシニッチが実質上村八分にあっているという事実も、ここから説明できる。彼は、単に戦争を強く批判しているだけではなく、それ以上のことを言っている。石油が侵略の動機の一つだったと示唆することで、彼はいわば無人地帯に足を踏み込み、同僚の民主党議員のあいだでさえ自分の立場をはずれたものにしているのである。民主党議員の多くは、陰謀論者と言われるのを避けるために、この話題からは距離を置いている。

しかしながら、新法のもとでの収入の分配をめぐってイラクの様々な政党派閥のあいだに大きな緊張が生まれたため、イラクはIMFの期限を守らなかった。一方、イラク石油労働者組合がイラクの石油を民営化【私有化】することに強く反対し、スンニ派、シーア派、クルド人の政治家たちも反対の声を強めていった。米国政府が新たに圧力を強めたため、イラク内閣は2007年2月に石油法を承認したが、翌月、イラク議会に法案を提出すると、強硬な反対にあった。議員たちが反対した項目の一つは、連邦石油・ガス評議会の設置である。この評議会には外国の石油専門家が参加し、海外石油企業との長期的協定に署名する権限を有するものだった。

2007年5月に断固たる態度のディック・チェイニーがバグダードを訪問しても、イラク議員に法案を採択させるには至らなかった。8月半ばには、419人の著名なイラク人石油専門家やエコノミスト、知識人が、請願書に署名し、新石油法に対して大きな憂慮を表明した。9月半ば、クルド人がイラク政府を無視して独自の石油法を採択するに至って、少なくとも短期的には、イラクの新石油法は挫折した。

爆撃で破壊され、多くの人々が殺され、政府がほとんど機能していない状況にあってさえ、イラクの人々は、イラクの石油を何らかのかたちで支配しようという米国の計画に対して驚くほどの抵抗を示している。米国がイラクの石油を支配するという任務が達成されるまで、米軍兵士の撤退を想像することは難しい。

米国連邦準備制度理事会の理事長を長く務め、それにより世界経済に対して神のような権力を発揮し、尊敬を集めているアラン・グリーンスパンは、一般に、不可思議、夢想的、聡明と言う形容詞で表わされる。2007年秋、彼が、長いこと待たれていた回想録を出版したことで、もう一つの形容詞、「いかさま」が付け加わった。

少なくとも、グリーンスパンの大冊「激動の時代」を読んだ者の中には、彼が「いかさま」であるとの見解を持つ者がいただろう。というのも、著書の中で彼は、「誰もが知っていること、すなわち、イラク戦争が主として石油のためであることを認めるのが政治的に不都合であることは悲しい」と書いているのである。彼が議員秘書の仕事に応募する立場にないことは幸いだった。

実際、石油のために戦争するという点については、それが十分有効であると見なされる限り、米国はとくに遠慮なく認めてきた。たとえば、米国のエネルギー・アクセスを守ることは決定的な国家利益であり、国際法上の根拠はまったくないにもかかわらず、米国政府は軍事介入を合法化する大義と見なしてきたのである。1970年のアラブ諸国による石油輸出封鎖のあと、ジミー・カーターは次のようなカーター・ドクトリンを宣言した。「ペルシャ湾岸地域を支配しようとする外国勢力は、それがどこであれ、米国の決定的利益に対する攻撃であると見なし、軍事力を含む必要なあらゆる手段で撃退する」。

これについて、仮に、サダム・フセインのような、どうふるまうかわからない独裁者が湾岸地域の石油に対する米国のアクセスを危機に陥れようとしたらどうなるだろう? 1990年代半ば、こうしたシナリオを考慮して、ディック・チェイニー、ドナルド・ラムズフェルド、ポール・ウォルフォウィッツなどの著名な共和党員たちが、当時のビル・クリントン大統領に公開状を出し、「世界への石油供給のかなり」を含む米国の決定的な国家利益を守るためにサダム政権を転覆するよう求めていた。

サダムが1990年代後半から、米国企業ではなくロシア、フランス、中国の諸企業と石油開発交渉を進めていたという事実も、数年後に共和党が政権を握ったときに心配の種となっていたことは確かである。ニューヨークの「グローバル・ポリシー・フォーラム」のジェームズ・ポールが指摘するように、「それら他の企業はすべて、大きな収穫を手にする。石油産業の全将来を決めるようなものだ」。ビッグ・オイルは巨大な利益を上げてきたが、将来の利益は古い油田にかわる新たな油田を見つけることにかかっている。イラクは新油田を開発するために、ほかにないほど重要な地域だった。


(私のコメント)
久しぶりにイラク戦争について取り扱いますが、治安の一時的改善によってイラクの石油生産が戦前のレベルにまで改善している。イラクの米軍が17万人にまで増強されているからですが、ゲリラ勢力はこれによって一時的に抵抗を弱めたようだ。ゲリラ戦争においては敵が強力な戦力で攻めてきたら安全な聖域に撤退して、敵が撤退して戦力が小さくなるとまたゲリラ戦が始まる。このままイラクの治安が収まるものではない。

リンダ・マクウエイグ氏の記事によれば、共和党も民主党もイラクの石油を支配するという点では変わりがないのであり、90年代からアメリカの共和党タカ派グループがサダム・フセイン政権を転覆させる事を求めていた。そしてブッシュ政権の誕生によりその政策は実行されたのですが、名目は核開発をしているとか、大量破壊兵器を持っているとか、イラクに民主主義をもたらす為とか、いろいろ理由は変わった。

しかしイラクの石油の為である事は自明の事なのですがアメリカ政府は公には認めていない。カーター・ドクトリンにおいては湾岸地域を支配しようという海外勢力はアメリカに対する攻撃とみなして撃退すると宣言している。イラク戦争はそれに基づく実力行使なのですが、イラン支配もアメリカの戦略の内にはいっているのだろう。

カーター大統領は民主党政権であったから、次の大統領が民主党の大統領であってもイラクからアメリカが手を引く事はないのだろう。アメリカ軍がイラクから撤退する事はカーター・ドクトリンの崩壊を意味するものであり、アメリカの石油戦略の崩壊を意味する。だからいかなる事があろうとアメリカ軍がイラクから撤退する事はクリントンやオバマ候補のどちらが大統領に選ばれても撤退させる事は難しいだろう。

私がイラクのゲリラ側の戦略家とすれば、アメリカの大統領選挙で民主党が勝つ事を見越して待っていればイラクからアメリカ軍が一部撤退させるまで攻勢は控えて戦力の増強を行なうだろう。戦力が手薄になったところを攻勢をかけていけばアメリカ軍も全面撤退に追い込まれるかもしれない。

しかし石油がある限りアメリカも国運をかけて逆転攻勢をかけなければならないだろう。アメリカが中東の石油の支配権を失えばアメリカの世界覇権は失われたと見るべきであり経済的なダメージは計り知れないものとなる。湾岸諸国も一斉にアメリカ離れを起こして中国やロシアやUE諸国の勢力が手を伸ばしてくるだろう。

アメリカ政府を動かしているのはビックオイルと呼ばれる連中ですが、ブッシュもチェイニーもそこの出身だ。次の大統領になるクリントンかオバマはビックオイルとは関係がないからイラクからの撤退を選挙公約にしていますが、大統領になったらその公約は守れないだろう。イラク研究グループは目に見えない形での石油支配を目論んでいるようですがイラク政府自体がそれを認めないだろう。

イラク研究グループが手本としているのが日本であり、日本は米軍とFBIとCIAのエージェントにによって固められてがんじがらめになり、アメリカ政府の意のままに動くようになっている。マスコミにもエージェントはいて民主主義を利用して国民を自由自在に動かしてアメリカの従属国になっている。しかしイラクは日本とは違って歴史的に見ても徹底した抵抗運動でイギリス軍も追い払っている。そしてアメリカ軍も同じ目にあうのだろう。

問題の焦点はアメリカの世論がアメリカによる石油の支配を望むのか、イラクの自立を支持するのかにかかっていますが、共和党も民主党も今のところ石油支配の意思は同じだ。日本のように国民を上手くてなづけられればいいのですがイラク国民はそうはならないだろう。イラク戦争と日本とでは直接は関係がないように見えますが、アメリカの支配を受けている事に関しては同じであり、アメリカがイラク支配に失敗すればアメリカは決定的なダメージを負うことになり日本からも手を引く事も見えてくる。

日本の長期的戦略としては、アメリカ軍がアジアや中東湾岸諸国から手を引いた場合、その穴を日本が埋める必要がある。フランスが早くも動きはじめているが、日本の国会はガソリン国会に明け暮れている。中東から日本は9割も石油を輸入しているのに、アメリカが手を引いたら石油がどうなるか考えてもないのだろう。


◆ペルシャ湾岸に初の恒久基地=仏、UAEと軍事協定調印 1月16日 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080115-00000203-jij-int

【カイロ15日時事】フランスとアラブ首長国連邦(UAE)は15日、UAEの首都アブダビで、仏軍の恒久基地をUAEに建設する協定に調印した。サルコジ仏大統領のUAE訪問に合わせたもので、仏軍がペルシャ湾岸地域に恒久基地を設けるのは初めて。AFP通信などが仏大統領筋の話として伝えた。
 同筋は、この基地にはフランスの陸海空各軍の計400〜500人が駐留することになることを明らかにした。
 UAEは、核開発問題で緊張が高まるイランとペルシャ湾を挟んで近接。湾岸産油国からの海上石油輸送の要衝となっているホルムズ海峡にも近い。


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