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アメリカの「成功」という寓話:ファルージャに戻る(Falluja, April 2004 - the book)
http://www.asyura2.com/08/wara0/msg/590.html
投稿者 gataro 日時 2008 年 2 月 03 日 21:52:17: KbIx4LOvH6Ccw
 

増派が効を奏してイラクの治安が安定してきた、とアメリカがよく言うのは全くの欺瞞だ。以前アメリカと闘っていた武装勢力が、今のところアメリカに協力してアルカイダを敵として闘っているだけだ。アメリカに利用されているだけだと感じたら、彼ら武装勢力はあっという間に元の反米抵抗勢力に戻ってしまうだろう。またその兆候も見え始めている。

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http://teanotwar.seesaa.net/article/82239702.html

2008年02月03日
アメリカの「成功」という寓話:ファルージャに戻る

パトリック・コックバーン(コバーン)による、ファルージャからの報告。

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アメリカの「成功」という寓話:ファルージャに戻る
2008年1月28日・ファルージャより
パトリック・コックバーン
CounterPunch 原文

最近米軍がイラクで作戦をうまく遂行しているが、その際に決定的に重要な役割を果たしてきた同盟者が、自分の兵士たちがイラク軍と警察の一員となれないならば、米軍への協力を取りやめ、アルカーイダが戻ってくるのを阻止しないと述べた。

以前は米軍を相手に闘っていた1万3000人の戦士たちを率いるアブ・マルーフが、「3カ月の間に状況に変化がないならば、ふたたび戦闘が起きることになるだろう」と述べたのである。昨年、彼とその部下たちは寝返って、アルカーイダと戦いはじめ、ファルージャとその周辺地域でアルカーイダを打ち負かしていた。

「アメリカ人が、アルカーイダを粉砕するために我々を利用し、そのあとのけ者にしておけると考えているなら、間違いだ」とアブ・マルーフは述べた。ファルージャ郊外のカンダリ村近くにあるうち捨てられた墓地の横にある、ほとんど家具のないヴィラで私のインタビューに答えた中でこう語ったのだった。アルカーイダの戦士たちが戻ってくるために、自分たちはただ何もしないでいればよいと述べた。さらに、そうなれば、自分も部下も、「自分たちを守る」ために再生したアルカーイダの側に立たなくてはならなくなると。

アブ・マルーフは、ファルージャから東側のバグダードに至るまでの地域を自分の部隊は制圧しており、そこには米軍が「死の三角形」と呼ぶ、バグダードの南西も含まれていると自信ありげに述べた。それでも、AK−47攻撃中を構えた彼の護衛が神経質に、周囲の人気のない運河と湿地を監視していた。新たに建てられた監視塔に軽機関銃を運び込んでいる者たちもいた。この数週間で、反アルカーイダ系の氏族指導者たちが、自爆攻撃により殺されている。

彼の脅しは、米国とイラク政府にとって極めて危険である。両者とも、ファルージャのあるアンバル県の氏族たちがアルカーイダに反対し始めるまで、米軍の占領に反対するスンニ派のゲリラ戦を終わらせることができなかったのである。氏族たちは覚醒運動----アラビア語ではal-Sahwahとして知られている----を結成した。アブ・マルーフ(Karim Ismail Hassan al-Zubaiがフルネームである)はその主導的なメンバーである。

イラクのホシャル・ゼバリ外相は、先週、覚醒運動の8万人の戦士たちを軍と警察で吸収できなければ、「極めて危険」なことになるだろうと述べた。「彼らは十分組織化されておらず、アルカーイダにより操作される可能性がある」と。

イラク政府は覚醒運動を米国が資金を与えて活動するスンニ派民兵と見なしており、その指導者たちの中にはサダム・フセイン政権時代の軍や治安士官たちも少なからずおり、シーア派とクルド人が支配するイラク政府に対して長期的な中世を誓うことはないと考えているため、それに権力を与えることを恐れている。

アブ・マルーフ----40歳くらいの痩せた人物で、茶色いスーツにライラック色のタイを身につけていた----は、2003年に米軍が侵略するまで、自分は「治安関係士官」だったと述べた。それからレジスタンスの戦士となった。彼自身は自分がどのゲリラグループに属していたか言わなかったが、地元の情報筋によると、彼は1920革命旅団の司令官だったらしい。彼はまた力の強いズバイ族のメンバーでもあった。ズバイは、占領に対するスンニ派の蜂起の際に最も激しい戦闘のあった地域で、反米レジスタンスの中枢を担った人々だった。

アブ・マルーフは日付と数字について正確な記憶力を持っていた。彼が反アルカーイダとして秘密裏に活動を始めたのは、2005年4月14日の会合からだという。彼は部下とともに情報を集めた。8カ月後、彼らは、スンニ派地域で権力を独占しようとしていたアルカーイダへの攻撃を始めた。

「アルカーイダは人々の頭を切り取って、まるで羊の頭のように、槍の上に刺した。弟の頭もかみそりで切り離された。親族13人と、部族の450人がアルカーイダに殺された」と彼は述べた。

アブ・マルーフの部隊の一部は米国から金を受け取っている。一般の兵士は一カ月に350ドル、士官級は1200ドルを受け取っているが、金を受け取っていない者たちもいる。彼は、自分と部下には長期的な仕事が必要であり、「長期的でなくてはならない」と明言する。重要なのは金だけではない。スンニ派の氏族指導者たちは、サダム・フセインが追放されたときに失ったバグダードでの権力の一部を欲しているのである。

米国は、覚醒運動のグループを「憂慮する市民」と呼んでいる。まるで、方と秩序を回復しようと英雄的に活動する平和的な市民であるかのように。実際のところは、米軍は、スンニ派の地域を、2003年以来、米軍兵士たちを爆破していた1920旅団やイスラム軍などのゲリラ・グループに手渡したのだった。

これにより、イラク政府にとっても占領米軍にとっても大きな問題が生まれた。アブ・マルーフは政府の治安部隊への参加を望んでいるが、同時に、彼は現在のヌーリ・アル=マリキのイラク政権を「世界最悪の政府」と述べてはばからない。その「部隊は13師団からなるが、そのほとんどがイランが操作するシーア派民兵出身者からなっている」と。

アブ・マルーフが、シーア派による政府の奪取に対して対抗しなくてはならないと考えていることは明らかである。

ファルージャの町----2004年11月に米軍海兵隊が襲撃して以来、建物の多くはいまだに廃墟となっている----は、6カ月前と比べると平和的である。いっときファルージャを制圧していたアルカーイダの戦士たちはどこかへ立ち去ったか、潜伏している。郊外には米軍の巨大な軍キャンプがある。けれどもアルカーイダの敗北はイラク政府の勝利を意味しない。

町の中心にある警察署は何度も襲撃されてきた。この警察署を率いるのは、フェイサル・イスマイル・ハッサン・アル=ズバイ大佐である。彼は尊大な風の人物で、アブ・マルーフの兄である。彼は1983年以来、サダム・フセインの特殊部隊の職業軍人として、イランに対する戦闘に11度参加し、2006年12月に警察署長に任命された。その前は何をしていたのか聞いたところ、彼は、「アメリカ人と闘っていた」と答えた。どうして立場を変えたのか聞いたところ、「アメリカの奴らとアルカーイダや[シーア派]民兵を比べて、アメリカの方をとったのだ」と答えた。

フェイサル大佐の横には、彼の若い頃の士官姿の写真が金の枠に入れられて掲げられていた。「本物のイラク軍で中尉だった頃だ」と彼は言った。彼の後ろには、現政府が変えようとしている昔のイラク国旗が掲げられていた。

「人生最悪の日は、2003年、サダム・フセインが打倒された日だ」と彼は言う。2004年4月、米軍に対する最初のファルージャの戦いについて語ろうとして彼は言葉を失った。彼はどうやらその戦いにも参加していたらしい。「現在、アメリカ人は、私の望むものをすべて提供する」と彼は述べた。

アブ・マルーフとフェイサル大佐が、彼らが追放したアルカーイダの残忍な面々よりもはるかによい人々であることは疑いない。

しかしながら、米軍がイラクで勝利を収めたというのはまったくの間違いで、暴力が減ったのは、米国が、これまでずっと戦ってきたゲリラに権力を渡したことによるところが大きい。

イラク政府が、敵を平定したと考え、アブ・マルーフのような人物に権力の一部を手渡すのを拒んだら、イラクではすぐにさらなる戦闘が起きるだろう。

アブ・マルーフとフェイサル大佐が、彼らが追放したアルカーイダの残忍な面々よりもはるかによい人々であることは疑いない。

しかしながら、米軍がイラクで勝利を収めたというのはまったくの間違いで、暴力が減ったのは、米国が、これまでずっと戦ってきたゲリラに権力を渡したことによるところが大きい。

イラク政府が、敵を平定したと考え、アブ・マルーフのような人物に権力の一部を手渡すのを拒んだら、イラクではすぐにさらなる戦闘が起きるだろう。

パトリック・コックバーン(コバーン)は、「The Occupation : War, resistance and daily life in Iraq」の著者。この本は2006年のNational Book Critics' Circle Awardベストノンフィクションの最終選考に残った。新著「Muqtada ! Muqtada al-Sadr, the Shia revival and the struggle for Iraq」は4月にScribnerから出版予定。

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「イラクではすぐにさらなる戦闘が起きるだろう」。ってゆーか、不法占領している米軍が、民間人を攻撃し続けているんですが。。。

投稿者:益岡

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