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うごめくだろうよ…ズビグニュー・ブレジンスキー/Zbigniew K. Brzeziński(オバマのブレーン)
http://www.asyura2.com/08/wara1/msg/479.html
投稿者 新世紀人 日時 2008 年 3 月 03 日 16:47:04: uj2zhYZWUUp16
 

http://www.globe-walkers.com/ohno/interview/brzeznski.html

ズビグニュー・ブレジンスキー/Zbigniew K. Brzeziński
民主党政権は日本を見放すか
オバマのブレーンが語った米国の未来と日本の選択
ズビグニュー・ブレジンスキー(元米国大統領補佐官)


ズビグニュー・ブレジンスキーといえば、カーター政権時の国家安全保障担当大統領補佐官として、八面穴腎の活躍をしたことで知られるが、米大統領選の民主党立候補者バラク・オバマは、外交政策のブレーンとして彼を起用した。オバマ自身が外交政策に疎いので、最高のブレーンを選んだといっても過言ではない。
きっかけは、ブレジンスキーの著書、"Second Chance"(邦訳『プッシュが壊したアメリカ−2008年民主党大統領誕生でアメリカは巻き返す』徳聞書店刊〉である。
私はワシントンDCに飛び、79歳になってもテニスを日課とするブレジンスキーの自宅で、過去15年間のアメリカ、三人の大統領を振り返ってもらい、アメリカや日本が見出すべき活路について、心すべき助言を求めた。

(月刊VOICE 2008年1月号)


アメリカのラストチャンス

−"Second Chance"という本を出されましたが、このタイトルはどういう意味でしょうか。

ブレジンスキー  アメリカがグローパルリーダーになってから3人の大統領、つまり先代ブッシュ大統領、ピル・クリントン、ジョージ・W・ブッシュの3人
がいるわけですか、この15年のあいだ、アメリカはリーダーシップを発揮できなかったのです。最初の2人は発揮できる機会があったにもかかわらず、しなかった。現在のブッシュ大統領は、イラク戦争という罪を犯しました。しかも、これがイランとの戦争にも発展しかねかい事態です。

次期大統領には、グローバル・リーダーシップを示すセカンド・チャンスがあるが、もしイランとの戦争にまで発展すれぱ、そのセカンド・チャンスを逸する可能性もあります。

−ということは、セカンド・チャンスというのはラストチャンスという意味ですか。

ブレジンスキー  まさにそのとおりです。私はこの3人の大統領に成績も付けました。先代ブッシュがB、クリントンがC、そしていまのブッシュ大統領がFです。大統領としての効率、達成度、そ.して彼らが達成すべきだったげれどもしなかったことを鑑みて、成績を付けました。

−先代ブッシュのときソ連が崩壊しましたが、彼はそこでグローバル・リーダーシップを示すチャンスを逸したのでしようか。

ブレジンスキー  ソ連崩壊については、大規模な反乱もなく、平和裏に収まりました。ソ連側も新しい現実に合わせるように努力し、冷戦が終焉を迎えました。それは非常に巧みな外交で達成されました。ブッシュのチームも素晴らしかった。

しかし、ブッシュは新しいロシアと分かち合えるようなピジョンを打ち出さなかったのです。ロシアが西洋のなかで価値観を共有できるビジョンを打ち出すことこそが、グローバル・リーダーシップとしてやるぺきことだったと思います。もちろん、そうするチャンスはありました。

もう一つは、サダム・フセインをクゥェートから追放したのはよいのですが、そのときはシリアを含めてアラブ諸国が協力国でした。あのときこそ、中東を平和に導く絶好のチャンスでした。

−クリントンがCという成績なのは、なぜですか。

ブレジンスキー  クリントンには8年という長い期間がありました。あれだけ長いあいだに達成できた問題はたくさんありますが、核拡散問題にもっとしっかり敢り組むぺきだったと思います。その8年間に4ヵ国が核兵器を入手しました。2ヶ国は公然と手に入れたのです。バキスタンとインドです。中東も最悪の状態にしたのです。またクリントンは、グローバリゼーションが必然的なものであると見ていました。グローバリゼーションがこの時代の大きな問題を解決すると言い続け、成り行きに任せました。

実際はグローバリゼーションは、不平等、苦痛、不公平をもたらしたのですが、クリントンはそれを問題にしませんでした。グローバリゼーションというのは政策であるので、この限界や、それが課す苦痛についても、責任をもたなけれぱなり.ません。効果的なものにしようと思えぱ、こういう問題に取り組まなげれぱなりません。

しかしクリントンは何もしませんでした。「すぺてのことが素晴らしい。皆、満足している。だから皆、人生を楽しむことができる。世界のことは心配するな」というような」気ままなことばかりいっていました。

−グローバリゼーションはアメリカにとってはプラスになることが多かったと思いますが、自己中心的な発想だと思いませんか。

ブレジンスキー  そう思います。それを拡大したのクリントンです。自己犠牲を払わずに、アメリカはよい部分だけを享受しているのです。

−現大統領のプッシュにはFを付けました。イラク戦争のせいですね。

ブレジンスキー  明らかにそうです。ブッシュはこの戦争で、アメリカの信用をガタ落ちにしました。アメリカの信用はかつて、自由の女神だったのですが、いまではグアンタナモ収容所になりました。いますぐにでも、イラクからすべてのアメリカ兵を、本国に戻すぺきです。現大統領を二言で表せぱ、catastrophic leadership(破壊的リーダーシップ)です。

われわれはいま、ポストコロニアルの時代にいるわけで、一つの大国が世界にスタンダードを押し付けるという時代ではありません。現大統領はpost-imperialial(帝国主義後)の時代に、事実上、帝国主義戦争をやっています。時代錯誤もはなはだしい。

−アメリカがここまで信用をなくしたいま、それを取り戻すには何をすぺきだと思いますか。

ブレジンスキー  まずイラクから撤退することです。この二年間、私はこのことを言い続けてきました。それから撤退後、イラク周辺の国がどうなるか、それぞれの国に考えさせないといけません。もっと積極的に、イスラエルーバレスチナ・プロセスにかかわらないといげません。このままにしておくと、ますます悪化していきます。

イランとの交渉も真剣にならなけれぱなりません。ここでアメリカのリーダーシップがテストされると思います。いかにアメリカが他の国とこれからかかわっ
ていくか、再定義しなげれぱなりません。他の国に対し、模範となる国をつくらなけれぱなりません。

日中和解が東アジアを安定させる

−現大統領のブッシュは世界で信用を落としましたが、それでも日本はアメリカから独立すべきではないとお考えですか。

ブレジンスキー  B本はアメリカから分離すべきではありません。日本にもよくないし、アメリカにとってもよくありません。ブッシュの政策は馬鹿げていてアメリカにとってマィナスになるという批判ぱあっても、他国はアメリカから分離すぺきではありません。ブッシュの問題は、アメリカ人が変えるぺき問題であって、他の国の問題ではありません。アメリカ国民が自分の政策に批判的であるとわかっていても、ブッシュは頑固ですから、いまでも自分が絶対に正しいと思い込んでいます。彼の思い込みは、傲慢さの表れであって、真剣に考えて判断した緒果ではありません。

−現状を見ると、次期大続領は民主党から生まれる可能性が高いですね。

ブレジンスキー  世論調査を見るとそうです。

−新しい米大統領が誕生したとき、日本はどんな戦略をもてぱよいのでしょうか。

ブレジンスキー  グローバル戦略の観点からいえぱ、日本にとって最も明らかな利益になるのは、やはりアメリカと強力なバートナーシップを縫持することです。しかし、それだけではまったく不十分です。この強力なパートナーシップを使い、日米共同で、東アジアでの協力体制をつくろうと努力すぺきです。明らかにこの努力のなかで、日本と中国は直接大きな役割をもつことになります。アメリカはむしろ、聞接的な役割を果たすでしょう。

−しかし、日本は世界から孤立しつつあるという人もいますが。

ブレジンスキー  日本は国連でも平和維持の点でも、活発に参加しています。他の東アジアとの関係でも活発にかかわっています。インドや中国やオーストラリアなど大国以外の国ともかかわっています。孤立しつつあるとは思いません。そもそもいまの日本は、北朝鮮や中国を含めた世界的な脅威に直面しています。孤立したら、崩壊します。

−中国の台頭は、どう思われますか。

ブレジンスキー それは全体的にプラスになる発展だと思います。中国はますます経済的に成功し、ますますグローバル経済に統合されつつあります。中国は世界経済の安定に貢献しています。

そのコンテクストでみると、日本と中国の、漸進的か、手順を踏んだ、慎重な和解は両国にとって利益になります。しかも東アジア全体の安定にもつながります。東アジアの安定はさらにグローバルな安定につながるのです。

−日本はどのように、和解を求めて中国にアプローチすぺきですか。

ブレジンスキー  フランスとドイツ間の経験や、ドイツとポーランド間の経験を見ると明らかです。もちろん、イニシアテイブがもっと必要です。"Responsiveness(反応)をよくすることも必要です。ドイツ・フランスはお互いに優位を求めないという相互理解に達したが、日中もお互いに優位に立とうとしなけれぱ、和解に達すると思います。

−しかし歴史的に見て、日本と中国はまだわだかまりが残っています。

ブレジンスキー  特定の歴史的事件については、もちろん議論することかできます。中国の地で日本は中国と戦争をしていたのですから。それは事実として残っていますが、それにこだわっていると前進しません。

−2008年は韓国で新大統領が始動し、台湾総統選があるなど、東アジアも激変しますか、新しい米大続領は東アジア戦略をどのように行なうべきでしょうか。

ブレジンスキー  東アジア戦略は、超党派的な外交政策でなければなりません。東アジア戦略に関しては、それほど党で分離している個別の課題はありません。

外交政策にかかわるどの人も、日本との親密なパートナーシップ、中国との建設的な戦略関係、アメリカ、日本、中国の3カ国間の協力が非常に望ましいと考えています。台湾が分離独立国になり、国連のメンバーになることを主張している人は誰もいないと思います。ですから東アジアについては、基本的な合意があると思います。

テロを撲滅する唯一の方法

−ブレジンスキーさんは、「対テロ戦争」は悪いスローガンだと思いますか。

ブレジンスキー  非常に悪いスローガンですね。戦争というのはふつう、誰と戦っているかがわかっているものです。敵が誰であるか認織でき、歴史的な背景も明確です。第二次世界大戦にしても、冷戦にしても、すぺてそうです。一方、テロというのは人を殺すテクニックです。それだけです。誰と戦っているかわかりません。なぜ戦っているのかもわかりません。同盟国がどこかもわかりません。ファントム(怪人)のような雰囲気です。不安かじわっと広がっていきます。これはひどく破壊的です。現大統領は9・11同時多発テロを、一種のファントムのような脅威にしたのです。

私はこの国で育ちました。第二次世界大戦時のアメリカの自信を覚えています。人はときどきレストランで、"Remember Pearl Harbor"といいます。そういうことで心を一つにして、エネルギーをわかせるためです。いまは高速道路を走っていると、"Report suspicious activity"(疑わしい行動を通報せよ)というサインが目に入りますが、まるで、ジョージ・オーウェルの世界のようです。このような恐怖の伝播は破壊的です。

テロリズムを撲滅する唯一の方法は、テロの温床である国のすぺての穏健派の支持と、コンセンサスを得ることです。ますます人を疎遠にするような手段を使って、自分たちだけでやろうとしないことです。

−"Second Chance"内にあるpolitical awakening(「政治意識のめざめ」)とは何ですか。

ブレジンスキー  非常に簡単な考え方です。一世紀前までは、世界のほとんどは政治に消極的でした。人々は政治に無関心でした。しかし現代はインタラクティブ(相互作用的)で、情報が瞬時に世界中に伝わります。天安門広場でのデモ、メキシコ市でのデモ、ネパールでのデモ、エジプト、ポリピアのデモなど・・・。これは一種のポピュリズムです。落ち着きのないポピュリズムです。しかも人々は、民主主義よりも尊厳を要求している。お亙いに尊重しあうこと、異なる文化、宗教、男女の違い、そういうものを尊重し合うことを要求しています。それがpolitical awakeningです。

自分がこの世に生まれてくると、個人の自由を標榜します。だから移民がアメリカに来るのです。ここで自分の土地を買い、自分の価値を決め、銃をもって自由になるのです。人は個人の自由を行使するためにアメリカに来るのです。

第二次世界大戦で、民主主義を擁護するため、全体主義と闘うためわれわれは立ち上がったのです。いまわれわれは人聞の導厳、多様性、社会正義を擁護するために立ち上からなければなりません。さらにそれを超え、環境、地球湿暖化の点でも、共通の目的をもって立ち上がらなければなりません。

こういうことがアメリカの次期大統領のチャレンジになります。それこそがわれわれのセカンド・チャンスです。

いま、世界中の人が政治的に目覚めています。世界中の人がもっと正義のある世界、皆に個人の尊厳を与える世界を要求します。それは民主主義の前に来るのです。

−世界各国にはまだ、アメリカに世界をリードしでほしいというコンセンサスがあるのではないでしょうか。

プレジンスキー  だから、いま直面している中東の泥沼から抜け出すことができれぱ、われわれにはセカンド・チャンスがあります。現大続領がイランと戦争しないかぎり、次期大統領はその努力をするでしょう。イランではさまざまな、懸念すべき事態が起きています。もしそれが戦争にでもなれぱ、たとえアメリカが次期大統領を迎えても、セカンド・チャンスはないでしょう。

 

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