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エルサレムのユダヤ教神学校での銃乱射事件に思う
http://www.asyura2.com/08/wara1/msg/570.html
投稿者 妹之山商店街 日時 2008 年 3 月 08 日 11:37:23: 6nR1V99SGL7yY
 

(回答先: エルサレムのユダヤ教神学校での銃乱射事件 (VIDEO 13:03) 投稿者 妹之山商店街 日時 2008 年 3 月 08 日 11:32:57)

ガザでは150万人の一般市民が封鎖という集団懲罰を受けている。
許されない非道な非人間的な行為だ。
ガザでは僅か数日間に120人以上が殺害された。
その内40人は16歳以下の子供だ。
生後五か月、生後僅か20日の幼児の殺害された遺体も見た。
この幼児達の遺体を見て心が痛まない人間はいないだろう。

しかしエルサレムのユダヤ教神学校での銃乱射事件もまた
絶対に許されない行為だ。
この神学校が「ヨルダン川西岸の占領地にユダヤ人入植地の建設を進める
運動の指導者が多く卒業している学校として広く知られてい」たのだとしても、
だからといって殺害されてもよい理由には全くならない。

占領政策に反対し、入植活動に反対することは正当だ。
ビリン村でのように非暴力に徹し、しかも毎週毎週何年も粘り強く
闘いを続けている人々が存在していることもまた確かな事実だ。
だからイスラエルの非武装の一般市民への殺傷行為は、
占領に反対し、入植活動に反対する闘いにおける誤りだと私は考える。

しかしガザではまたしてもお祝いムードの映像を見せつけられた。
もちろんガザ住民の何%がそうなのかは分からない。
ほんの一部に過ぎないのか、かなり多数なのか、
多数派なのか、一時的に歓喜したが、その後悔い改めたのか、
私には分からない。

確かに歓喜する気持ちが理解できない訳ではない。
しかし理解できない訳ではないということと、
それを肯定することとは必ずしも同じではない。
私にはやはり絶対に肯定できない。

しかし、ではお前は一体何をやったのだと私自身が問われる。
確かにお前はガザの住民に同情している。
イスラエル軍の蛮行を非難している。
ガザ住民の苦境に同情し、一般市民への殺傷行為を非難し、
痛ましい映像に涙したのであろう。
しかしお前はぬくぬくとした絶対安全地帯から同情しているだけではないか。
お前が同情したからといって、ガザの住民の暮らしは改善されたのか。
まあNGOなどにカンパした分だけはほんの少しは役にたったかもしれないが、
そんなものは焼け石に水であり、事態の本質的解決にはならない。
お前がいくら同情したからといって、ガザ住民の悲惨な現状は
少しも改善されていない。
ならばお前の同情は自己満足以外の何なのだと。

お前が同情している間にも俺達の暮らしはより一層ひどくなっている。
俺達には俺達のやり方がある。
いや俺達自身の間でも実に様々な意見や路線の違いがある。
カッサムロケット発射に反対しているパレスチナ人も多い。
自爆テロに反対しているパレスチナ人も多い。
和平路線を支持するパレスチナ人も多い。
既存の『和平路線』は欺瞞であり、反対だが、イスラエルの
一般市民への殺傷行為も肯定できないというパレスチナ人もいる。

実に様々な意見や路線の違いがある。
それは当然のことだ。
様々な意見や路線の違いがあることは当然であり健全だ。
問題は意見や路線の違いがあることなのではなく、
それらが論争し合い、競争し合い、非暴力的に闘争し合うことだ。
また、無理に統一することもない。それは野合だ。
しかし、ある特定の闘争目標では統一行動を採ることは可能だ。
例えばガザの封鎖に反対したり、イスラエル軍の蛮行を非難することでは
統一行動は可能だ。
そういう統一行動を積み重ね、その後に統一戦線を結成することも
不可能ではない。
その闘いのただ中で相互に批判し合い、闘い全体の質を向上させつつ、
闘い全体を強化していく。
統一行動の指針としては既に「囚人文書」があるではないか。
http://www.ngy1.1st.ne.jp/~ieg/06/3/palestina-j.htm
闘争戦術としては、ビリン村でのように非暴力直接行動があるではないか。
http://jp.youtube.com/view_play_list?p=9EC1227E6DFFDDBE

私は武装闘争を否定しているのではない。
武装解除を求めているのでもない。
占領されており、侵攻も受けるのだから武装解除は求めない。
占領地の占領軍への武装抵抗は正当だと思う。
しかしガザでは事情は複雑だ。
ガザは国際法上は占領されている。
しかしガザ域内にはイスラエル軍は撤退し存在していない。
本質的には占領されているということと、
現実に占領軍は域内には存在しないということ。
これが現段階的特殊性だ。
にもかかわらずガザに占領軍を侵攻させるような軍事行動とは
一体なんなのだろう。
カッサムロケット発射は正当なレジスタンスと言えるのだろうか。
私にはそうは思えない。
むしろ占領軍をガザに招き入れる挑発行為だとしか思えない。
確かにガザに侵攻してきた占領軍に軍事的に抵抗することは正当だとはいえ、
撤退した占領軍を挑発して再度導き入れるということを策しているとしか
思えない。
それでは倒錯している。
占領軍を叩き出すのなら正当だと思うが、
占領軍を再び導き入れる闘争とは一体何なのだろう。
こんなものは反占領闘争ではない。

私は武装闘争を否定しないが。
武装しているということと、
武力をどう行為するかということ。
カッサムロケット発射のような武力行使が正当だとは考えない。
あくまでも占領地の占領軍を叩き出す武力行使しか正当だとは思えない。

従って現段階的には、
武装解除はしないが、
ガザに侵攻されたり、空爆されない限り武力を行使しないこと。
理想的には再度、「一方的停戦宣言」を行うこと。

ハマスによる数年前の「一方的停戦宣言」が
何故破綻したのかを考察せねばならない。
何故破綻したのかの考察抜きには語れない。
しかし現在の私には何故破綻したのかは、未だ判断できない。
過去の経過を調べてみたのだが、はっきりしない。
双方の言い分が食い違っている。
ハマスは基本的には「一方的停戦宣言」を遵守したと思うのだが、
イスラム聖戦等はカッサム発射を継続しており、
その限りではイスラエルの反撃も否定できない。
余りにも複雑だ。
過去をしっかり判断できないことは私の未熟さによるものだ。
しかし過去を判断できないことが、現在何もできないことにはならない。

全ては「今、ここ」から始まる。
「今、ここ」には過去の全てが連続して内在している。
全ての過去的なことがあったが故にこそ「今、ここ」がある。
しかし「今、ここ」で生起している非人間的なことに反対しなければならない。
非武装の一般市民への殺傷に反対しなければならない。
150万ガザ住民への集団懲罰に反対しなければならない。
それが私の立脚点だ。

一小市民たる私が、たった一人の個人が、
パレスチナ・イスラエル問題の本質的解決など
できる筈がないことは余りにも自明なことだ。
では、一小市民たる私にできることとは何なのか。
・より正しい情勢認識を持つよう日々努力する
・非道な行為(だと私が感じる事象)を非難する
・貴重な映像やニュースをネットで紹介する
・信頼できるNGOなどにカンパする

エルサレムのユダヤ教神学校での銃乱射事件を祝うガザの人々の映像を見て、
ユダヤの人々は何を想うだろうか。
一人一人違うだろうが、火に油を注いだとしても不思議ではない。
事実、「アラブ人に報復を」と叫ぶ人々が大勢いる。
では聞くが、数字前にガザで40人以上もの子供達が殺害された時に、
どう思ったのか、何がしたのか、反対したのか。
反対したイスラエル人も存在する。
双方で停戦を訴える声も起きていた。
しかし即時停戦を訴える声が双方で多数派とはならなかった。
これが偽らざる冷厳な現実だ。
それは一体何故なのか。

エジプトが停戦を仲介しようとしているという。
何としても停戦を実現して欲しい。
もう既に多くの血が流れた。
そして停戦が実現したとしても、
また再度破綻するのかもしれない。
それでも尚停戦を実現する努力が積み重ねられなければならない。

重い現実を受け止め、はね返していかねばならない。
その努力の中からしか現実を変える力は育まれない。

人の怨念とは根深いものだ。
一朝一夕には変わる訳はないのだ。
狂喜乱舞する(一部の)ガザの人々。
それを見るイスラエルの人々。
これでは怨念の連鎖が益々続くばかりだ。

しかし全く別の現実も作り出すこともできたのだ。
ガザの人々が集い、ガザの封鎖に反対し、イスラエルの軍事攻撃を弾劾し、
カッサムロケット発射にも反対し、今回の銃乱射にも反対する。
そういう行動を採ることもできたのだ。
私が知らないだけでそういう行動を採った人々もいたのかもしれない。
しかし少なくともそういう人達が多数を
占めているとは言えないことも確かだろう。
これらのスローガンを同時に掲げることは全く相矛盾しない。
そこに貫かれているのは非武装の一般市民への
迫害や殺傷に反対するという論理と倫理だ。
いや、同時に掲げることにこそ意味があると思う。

全く違う現実を作り出すこともできたのだ。
いや、今からでも遅くはない。
そういう現実をこそ作り出すべきではないか。

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