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中東大戦争前夜(2)(田中宇 国際ニュース分析)
http://www.asyura2.com/08/wara1/msg/699.html
投稿者 近藤勇 日時 2008 年 3 月 14 日 20:59:57: 4YWyPg6pohsqI
 

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★中東大戦争前夜(2)
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 3月4日に前回の記事「中東大戦争とドル崩壊の同期」を配信してから、大
戦争が起きるかどうかをめぐる中東の事態と、ドルの信用不安・アメリカ金融
危機の深化という、私が同期していると感じる2つの事象は、大きく揺れ動き
続けている。
http://tanakanews.com/080304dollar.htm

 金融の方は、3月11日に米連銀が、米金融機関が保有する不動産担保債券
(今は最優良格だがいつジャンクに格下げされるかわからない債券)と米国債
を交換する金融救済策を打ち出し、株価は大きく上昇した。だが上昇は1日し
か続かず、むしろ連銀が景気対策といいつつ景気に効き目のない大幅利下げを
再びやり、ドルの信用不安とインフレを煽りそうだという予測から急速にドル
安となり、この記事を書いている間にも、どんどんドルは下がっている。
http://www.ft.com/cms/s/0/efbc00ee-efa0-11dc-8a17-0000779fd2ac.html

 原油価格は史上最高値を更新し、金融界ではデリバティブ市場が崩壊しそう
だという話も出て、危機が深化している。3月初めに発表された米雇用統計な
どを機に、米経済は不況入りしていることも確実となった。
http://www.ft.com/cms/s/0/f2a6bc4c-eed6-11dc-97ec-0000779fd2ac.html

 米連銀のバーナンキ議長らが、議会の公聴会などの場で、経済の悪化ぶりを
あけすけに認め、銀行が潰れるかもしれないなどと言うので、EUの金融当局
者たちは、米連銀が意図的、もしくは無意識の失策のうちに、ドルを急落させ
ようとしていると危惧している。
http://www.ft.com/cms/s/0/5e9f14d6-f039-11dc-ba7c-0000779fd2ac,s01=1.html

 1971年夏にブレトンウッズ体制を崩壊させたニクソンショック(金ドル
交換停止)が起きる前にも、米当局はドル崩壊を誘発しているという懸念が欧
州の当局者の間で広がったが、それと似た危機前の状況が繰り返されている。
金融大崩壊が近い感じがする。

▼アラブに中東和平を任せるアメリカ

 中東の方は、イスラエルが、ガザのハマスと非公開の停戦協定を結んだよう
なので、大戦争の可能性は低下したかに見える。しかし、実際に起きているこ
とはもっと複雑だ。
http://www.ynetnews.com/Ext/Comp/ArticleLayout/CdaArticlePrintPreview/1,2506,L-3517677,00.html

 イスラエルとハマスの停戦協定は、エジプトが仲裁したものだ。エジプトに
よる仲裁の態勢は、3月4日にアメリカのライス国務長官がエジプトとイスラ
エルを訪問した際に、話をまとめていったものだ。イスラエルはライスに、ハ
マスと停戦協定を結びたいので仲裁してくれと頼んだが、ライスは、ハマスは
テロ組織なのでアメリカとして仲裁することはできず、代わりにエジプトに頼
むのが良い、と反応し、ライスから頼まれて、エジプトは仲裁役を引き受けた。
http://www.csmonitor.com/2008/0305/p01s02-wome.html

 パレスチナの和平交渉はこれまで、アメリカが仲介役だった。反イスラエル
の言動をした政治家は次の選挙で落選させられるなど、イスラエルに政界を牛
耳られているアメリカは、表向きは公正な仲介役を演じつつ、実際には完全に
イスラエルの味方だった。アメリカが仲介役である限り、和平交渉でイスラエ
ルに不利な結果が出ることはなかった。だが、アメリカがエジプトに和平交渉
を任せるとなると、話は全く変わってくる。エジプトは一応イスラエルと国交
関係を持っているが、それはエジプト政府がアメリカから経済援助をもらうた
めであり、本心ではイスラエルを嫌悪している。

 イスラエルとハマスの間を仲裁しようとしているのは、エジプトだけではな
く、その背後には黒幕としてサウジアラビアがいる。サウジアラビアは、エジ
プトだけでなく、ヨルダンやシリアなど、他のアラブ諸国とも協議し、ハマス
を支援している非アラブ国家のイランとも相談しながら、アラブ主導でガザな
どのパレスチナ問題を解決しようとしている。
http://www.reuters.com/article/worldNews/idUSL0827120080308

 サウジの動きは全く報道の表面に出てこない。サウジは、完全な黒幕として
動いているが、援助金を気前良く出すので、秘密裏に動いていても「黒幕はサ
ウジだろう。貧乏なエジプトには、こんな金はない」と感じられる。たとえば
最近、エジプトがガザに、ヨルダンが西岸の町エリコに電力供給することを検
討している、という話が典型だ。これはおそらく、サウジが石油をエジプトと
ヨルダンに供給し、その石油で発電した電力をガザとエリコに供給するという、
サウジが資金源の話である。
http://www.taipeitimes.com/News/world/archives/2008/03/01/2003403531
http://news.xinhuanet.com/english/2008-02/25/content_7668930.htm

 エリコは、イスラエルが占領している西岸のうち、最もヨルダンに近い場所
にある町で、イスラエルは以前から、エリコだけ切り離して自治させたり、ヨ
ルダンに返しても良いと考えていた(西岸は1967年までヨルダン領だった)。
1990年代にアメリカの仲裁でパレスチナ国家建設による中東和平構想が出
てきた時も、まずガザとエリコにパレスチナ自治政府が作られた。

▼占領地をアラブに返したいイスラエル

 従来、エリコを含む西岸とガザはイスラエルの占領地だったので、電力供給
もイスラエルが行っていた。だが90年代のパレスチナ国家建設による和平計
画が、01年の911以後のテロ戦争の失敗によるイスラム主義の高まりの中
で崩壊し、もはや親イスラエル的なパレスチナ国家の建設は無理だとイスラエ
ル政府が考えるようになり、代わりに02年ごろからイスラエル内で検討され
出したのが、ガザをエジプトに、西岸をヨルダンに返す構想だった。

 05年のイスラエル軍と入植者のガザ撤退は、この構想の具現化の一つであ
り、今回のサウジ・エジプト・ヨルダンによる電力供給の肩代わり案も、その
具体化の一つである。 イスラエルの閣僚は3月4日に「エジプトがガザを、
西岸をエジプトに暫定統治してもらうことになるかもしれない」と発言した。
http://www.jpost.com/servlet/Satellite?c=JPArticle&cid=1204546395465&pagename=JPost%2FJPArticle%2FShowFull

 エジプトはこれまで、イスラエルからガザを譲渡されることを嫌がっていた。
ガザのパレスチナ人の多くはイスラム過激派のハマスの支持者であり、彼らの
自由往来を許したら、エジプトの世論はイスラム主義化が進み、エジプトの親
米独裁的ムバラク政権は倒されてしまう。だが、すでに今年1月に、ガザとエ
ジプトの国境の壁がハマスによって崩され、10日間にわたってガザ市民がエ
ジプトに流入する事件が起きた。エジプトの世論はガザへの同情を強めている。
エジプト政府が、ガザの引き受けを拒否し続けることはできなくなった。
http://tanakanews.com/080125Gaza.htm
http://www.theglobeandmail.com/servlet/story/RTGAM.20080209.wgaza09/BNStory/International/home

 エジプトと対照的にサウジアラビアは、西岸とガザをアラブ側で引き受け、
サウジが金を出して再建する代わりに、イスラエルを占領地から全撤退させ、
中東を安定させる構想を好んでおり、02年からこの構想をサウジ和平案とし
て出している。サウジの和平案はパレスチナだけでなく、イスラエルの北の敵
であるレバノンも含んでいる。サウジはレバノンで、イランやシリアの傘下に
いるヒズボラを含めた連立政権を組み直し、イスラエルや欧米にもレバノン不
介入の約束をさせ、安定化を実現しようとしてきた。
http://www.arabnews.com/?page=1§ion=0&article=107629&d=8&m=3&y=2008

 イスラエルは、アメリカの後ろ盾がある間は、サウジ和平案を無視していた
が、アメリカが弱くなり、代わってイランがハマスやヒズボラなどの代理勢力
を使ってイスラエルを潰そうとしている中で、サウジ案に乗らざるを得なくなった。
http://www.iht.com/articles/2008/03/04/opinion/edsiegman.php

▼米のアラブ任せは「北朝鮮方式」

 3月4日のライスの訪問を機に状況が進展し、エジプトが仲裁し、ハマスと
イスラエルの停戦協定が実現した。アメリカがハマスをテロ組織に指定してい
る限り、イスラエルがハマス敵視をやめるわけにはいかないので、イスラエル
もハマスも、停戦協定など結んでいないと言っている。だが、無力なので外さ
れている西岸のパレスチナ自治政府のアッバス大統領が3月10日、腹いせに
停戦協定の存在を暴露した。アッバスによると、イスラエルはハマス幹部の暗
殺を試みない代わりに、ハマスはイスラエルにミサイルを撃ち込まないという
停戦協定が結ばれた。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/962403.html

 米ブッシュ政権にとって、中東和平の主導権をアラブ諸国に任せることは、
北朝鮮問題の6者協議の主導権を中国に任せた(押しつけた)のと同様、覇権
の多極化策の一環である。アメリカが中東和平を主導している限り、中東の覇
権は米英イスラエル中心体制であり、アラブ諸国は親米で、反米のイランなど
は封じ込められて弱い、という状態が続く。しかしアメリカが和平の主導権を
アラブに任せると、アラブはイランと結束し、イスラエルに譲歩を迫り、英仏
に中東への介入をやめさせ、サウジ、エジプトが中心のアラブと、非アラブの
イラン、トルコが協調して中東の覇権を自律的に維持する体制(アラブ+2)
へと移行する。
http://news.xinhuanet.com/english/2008-03/06/content_7732956.htm

 アメリカが来年、次の政権になったら、ブッシュが放棄した覇権の再獲得を
試みるかもしれない。だがもはや、米英イスラエルの言いなりになるパレスチ
ナ政府を作ることは無理だ。親米のパレスチナ自治政府は、欧米や日本からも
らう援助資金の分捕り合戦による内部分裂と腐敗がひどく、世論の支持も失っ
て弱体化している。自治政府がハマスに潰されるのは時間の問題で、来年まで
持たないだろう。自治政府が潰れたら、米イスラエルは交渉の相手がいなくな
り、欧米主導の中東和平は完全に終わる。
http://www.turkishweekly.net/news.php?id=52534
http://weekly.ahram.org.eg/2008/885/re83.htm

 3月4日のライス訪問後、翌5日にはサウジとエジプト、イランの外相がカ
イロに集まって会議を開き、その結果を聞きにアメリカの国務次官補も飛来す
るなと、アラブ主導の中東和平交渉が進展するかに見えた。アラブ諸国は3月
末にシリアで「アラブ連盟会議」を開くことになっており、そこにイランも参
加してパレスチナとレバノンの問題が話され、アラブ主導の中東安定化が実現
していくのではないかという希望が見えた。
http://www.reuters.com/article/worldNews/idUSL0584725120080305
http://www.iht.com/articles/2007/03/20/opinion/edmideast.php

▼急に強気になるアラブ

 しかし、そんな楽観的なシナリオは3日も持たなかった。アラブ側の内部で
のイスラエルに対する憎しみはすでに非常に強く、イスラエルがアメリカに頼
れなくなっていると見るや、アラブのあちこちから、イスラエルに多大な譲歩
を迫る姿勢が噴出した。ハマスは、イスラエルとの1カ月間の暫定停戦には応
じたが、和解は拒否した。シリアは、ヒズボラを説き伏せてレバノンの親米シ
ニオラ政権に協力させるというサウジ構想への協力を拒否した。
http://www.naharnet.com/domino/tn/Newsdesk.nsf/0/41F729D51A78BC26C2257403001CC9A5?OpenDocument
http://ap.google.com/article/ALeqM5hartprUef5NBXJq4hucnM3r4m8TAD8VC409O1

 アラブ連盟は3月5日には「イスラエルが核兵器を持っていることが確認さ
れたら、アラブ諸国は集団で核拡散防止条約(NPT)を脱退する」と宣言し
た。イスラエルは核兵器の保有を公式に認めておらず、NPTにも加盟してい
ないが、欧米の専門家の間では400発の核弾頭を持っていると推測される。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/961275.html

 最近、イランの核開発疑惑をめぐり、実はイランは核開発をしておらず、中
東ではすでに核兵器を持っているイスラエルの方が危険であり、イランの核疑
惑が濡れ衣であることが確定したら、次はイスラエルを核査察すべきだという
見方が、国連での非欧米諸国の代表らの議論の中で強まっている。ハマスとの
停戦を欲しているイスラエルの弱体化を見たアラブ諸国は強気になり、イスラ
エルの核保有が確認されたらNPTを脱退すると決議したのだろう。

 アメリカの後ろ盾がない状態で、イスラエルがアラブ側との和解交渉の座に
ついたら、イスラエルはほとんど無限の譲歩を迫られる。イスラエルはパレス
チナのアラブ人を追い出して作られた国であり、イスラエル国家の存続そのも
のを認められないと主張するアラブ人は多い。もしくは、イスラエルは300
万人のパレスチナ難民が国民として帰還することを引き受けさせられ、パレス
チナ人の政党がイスラエルの与党になる事態が起きうる。「ユダヤ人のための
国」を絶対の国是とするイスラエル側が受け入れられる条件ではない。

 アラブ側は、イスラエルが強い間は難民帰還を要求しないだろうが、イスラ
エルが弱くなったら、容赦なく要求をつり上げるだろう。中東大戦争がイスラ
エルに急激な終焉をもたらすのに対し、アラブ主導の和平はイスラエルに緩慢
な終焉をもたらす。アメリカの後ろ盾がなくなったら、国家としてのイスラエ
ルは終わりである。国家がなくなっても、旧イスラエル国民のユダヤ人は、ア
ラブ社会の中で少数派として生きることを許されるだろうが、従来のような傲
慢は許されない。

▼ファロン司令官の辞任

 イスラエル側の強硬姿勢もあって、アラブ主導の和平案の頓挫が報じられる
ようになり、私は途中まで書いた原稿を破棄した。どうなるのだろうと思って
いると、3月11日に、米軍の中東担当軍(中央軍)司令官のウィリアム・フ
ァロンの辞任が発表された。ファロンは、昨年3月に中央軍司令官になった後、
米軍がイランを空爆することに何回か反対を表明した人物として知られてきた。
http://uk.reuters.com/articlePrint?articleId=UKWBT00858020080311
http://thejournal.epluribusmedia.net/index.php/op-ed/36-opinion/63-sandbox-admiral-fallon-voice-of-reason-in-run-up-to-potential-war-with-iran-resigns

 米政府内では、チェイニー副大統領らがイラン空爆の計画を推進してきたが、
ファロンはその計画に反対する米軍内の制服組幹部として最高位の人物だった。
ファロンの辞任は、分析者の間で「チェイニーがファロンを辞めさせ、いよい
よイラン空爆が実行されるのではないか」という憶測を呼んだ。
http://www.usnews.com/blogs/news-desk/2008/03/11/6-signs-the-us-may-be-headed-for-war-in-iran.html
http://www.atimes.com/atimes/Middle_East/JC13Ak01.html

 ファロンの辞任が発表されたのは、イスラエルのリブニ外相が訪米し、チェ
イニーに会った翌日のことだった。チェイニーはアメリカ単独でイランを空爆
するのではなく、イスラエルを誘って米軍と共同で、もしくはイスラエルに空
爆を実行させたいと考えてきた。06年夏には、チェイニーはイランとの戦争
の前哨戦だとしてイスラエルをそそのかし、レバノンのヒズボラと戦争させて
いる。こうした経緯からは、チェイニーは訪米したリブニに対し、一緒にイラ
ンを空爆して潰そうと提案し、リブニが了承したので、イラン空爆に反対して
きたファロンを辞めさせたのではないかと推測できる。
http://www.earthtimes.org/articles/show/191100,israeli-foreign-minister-heads-to-us-for-talks.html

 06年夏のヒズボラとの戦争で残虐な空爆を繰り返した挙げ句に勝てず、国
際的な評判を大幅に悪化させたイスラエルは、その後、イランやその代理勢力
との戦争をやりたがらなくなった。しかし今回、リブニが訪米してチェイニー
と会い、その直後にファロンが辞めさせられた流れからは、リブニはアメリカ
にはしごを外されて単独でアラブに無限の譲歩をさせられるより、チェイニー
の戦争案に乗る方を選んだことがうかがえる。

 3月16日からは、チェイニーが「イラン包囲網強化」を目的に、イスラエ
ルを訪問する(同時にサウジなども歴訪する)。リブニとチェイニーの相互訪
問によって、イランやヒズボラとの戦争計画が決まり、4月までに開戦するの
ではないかという予測が成り立つ。
http://www.nysun.com/article/72680

▼許されるイラン、悪者になるイスラエル

 明らかなことは、リブニとチェイニーの相互訪問、それからファロンの辞任
という事実だけだ。それらの出来事と対イラン戦争計画との関係については全
く明らかではない。私の読み違いかもしれず、米イスラエルによるイラン侵攻
は起こらない可能性もある。

 しかしその一方で、イランが核兵器開発疑惑の濡れ衣を解かれるのが間近に
なっている観もある。国連のIAEA(国際原子力機関)は2月下旬、イラン
が現在核兵器を開発していると考えられる根拠はないとする報告書を発表した。
http://wiredispatch.com/news/?id=67931

 残っている案件は、イランが過去に核兵器を開発したことがあったかどうか
という問題で、これに関してアメリカは「イランの反政府組織ムジャヘディン
ハルク(MEK)がイラン政府から盗み出した(とされる)ノートパソコンに、
核兵器の設計図が入っていた」ということを唯一の証拠として「イランは過去
に核兵器を開発していた」と主張してきた。

 ところが最近、問題のノートパソコンは、イラン政府から盗んだものではな
く、イスラエルの諜報機関モサドが、それらしいニセモノのデータをノートパ
ソコンに仕込み、MEKに渡した疑いが強いことがわかってきた。このでっち
上げがもっとはっきり暴露されていくと、イランの濡れ衣は晴れ、代わりにイ
スラエルによるでっち上げが国家犯罪行為として浮かび上がる。イランは正義
に、イスラエルは悪になる。
http://www.antiwar.com/porter/?articleid=12443

 すでにイランは、米軍占領中のイラクで、反米ゲリラを操って、米軍よりも
強い影響力を持っている。イランの核兵器疑惑が正式に濡れ衣だということに
なったら、ブッシュ政権は驚いたふりをした後、イラク占領でイランの力を借
りたいと正式に言い出すだろう。すでに3月初めには、イランのアハマディネ
ジャド大統領がイラクを訪問し、米傀儡のはずのイラク政府は大歓迎し、米政
府は黙認している。
http://www.atimes.com/atimes/Middle_East/JC07Ak02.html

 イスラエルがチェイニーの誘いに乗ってイランを空爆しない場合、イランは、
国際的に許され、イスラム世界では米イスラエルの謀略に勝った国として英雄
視され、アメリカはそれを黙認し、アラブとイランは結束し、イスラエルに強
く譲歩を迫るだろう。やはり、リブニはチェイニーから「イランに潰されたく
ないなら、これが最後のチャンスだ」と言われたのではないか。

 3月12日には、ガザからイスラエルに対するロケット砲撃が再開された。
ハマスはイスラエルと停戦しているが、ガザにはハマスより小さいが過激な勢
力として「イスラム聖戦団」がおり、こちらはイスラエルと停戦協定を結んで
いない。イスラエル軍が前日にイスラム聖戦団の幹部を殺したので、その報復
として聖戦団がイスラエル側にロケット砲を撃ち始めた。
http://www.reuters.com/article/middleeastCrisis/idUSL12204269

 ガザにはいくつもの武装勢力があり、全員がイスラエルを敵視している。イ
スラエルがすべての勢力と停戦するのは不可能だ。ガザでも早晩、戦闘が再開
される。イスラエルにとって和平の選択肢は失われつつある。


この記事はウェブサイトにも載せました。
http://tanakanews.com/080313israel.htm


★関連記事

Waiting for a US-Iran handshake http://news.yahoo.com/s/csm/20080227/cm_csm/yathanasiadis

EGYPT: Anger Over Israel 'Approaching Boiling Point' http://www.ipsnews.net/news.asp?idnews=41481

King of Jordan warns failure of Israel-PA peace talks may boost Iran http://www.haaretz.com/hasen/spages/961972.html

IAEA unveils allegations of Iranian arms work http://www.reuters.com/articlePrint?articleId=USL0236616020080302


★音声訳
http://www.voice-news.net/

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