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タリバン・ショック 第1部・パキスタンの苦悩/1(その2止) 水面下、進む大連帯(毎日新聞)
http://www.asyura2.com/08/wara3/msg/524.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 7 月 29 日 19:40:17: twUjz/PjYItws
 

http://mainichi.jp/select/world/news/20080729ddm007030010000c.html

◇対米闘争「アフガン解放まで」

 「外国軍に占領されたアフガニスタンを解放するため、世界のムジャヒディン(イスラム聖戦士)たちがアフガン・パキスタン国境地域に集結している」。パキスタン部族支配地域の武装勢力司令官の一人が22日、毎日新聞のインタビューに応じ語った。一方、パキスタン治安当局によると、カシミール地方で対インド闘争を続けてきたパキスタンを拠点とする武装組織も、名前を変えるなどして対米闘争に加わっているという。アフガンの旧支配勢力タリバンが勢力を回復し、米軍主導の「テロとの戦い」がイラクからアフガンへ移るなかで、イスラム過激派の大連帯が、水面下で進行している恐れがある。【ペシャワル(パキスタン北西部)で栗田慎一】

 ペシャワル郊外。「仲介人」の車に乗せられ、途中で「案内人」が乗り込み、1時間近く走り回った後、高さ約3メートルの土塀で囲まれた農家で降ろされた。武装勢力の司令官を名乗った男(35)は、ロシア製マカロフに似た自動式拳銃を左手に、樹木が生い茂った庭に立っていた。

 男が率いる武装組織は、部族支配地域モハマド管区を拠点にし、南ワジリスタン管区のベイトラ・メスード最高司令官の指揮下にある。6月10日、米軍やアフガン軍と国境をはさんで交戦した。

 「交戦後、国境付近に約5000人のムジャヒディンたちが集まり、米軍の越境攻撃に備えた」と語る。自身の勢力には、イラクからの若者が合流しているといい、アフガンでの攻撃にも加わっていると話した。

 交戦を受けアフガン政府はパキスタンへの越境攻撃を示唆。パキスタン政府は「いかなる国も領内侵入を許さない」と迎撃の構えを示し、両国関係は一気に緊迫化した。

 男によると、アフガン側がパキスタンへの越境攻撃を示唆した翌日、「タリバンや外国人グループを含めた全勢力の幹部が一堂に会し、連帯を確認した」という。米軍がパキスタン領内に侵攻すれば、パキスタン軍と協力して戦うことも「状況次第でありうる」と話す。

 アフガン国境警備隊幹部によると、「外国人テロリスト」は07年から国境付近で急増、アフガン側の数は1000人は下らないという。国際テロ組織アルカイダと関連する、アラブ人やウズベク人、チェチェン人が多い。

 数年前までは陸路によるアフガン入りが中心だったが、カブールから各地への空路が整備され、ドバイ、イスタンブール、デリー、ドゥシャンベなどから偽造旅券を利用し、飛行機で入国しているらしい。

 司令官を名乗る男は「米軍が兵力を増強すればするほど、ムジャヒディンは勢いづく。我々はアフガンを解放するまで武器を捨てはしない」と言い切る。

 ◇武装勢力が集結

 アフガン国境警備隊幹部はこう疑う。「イスラム過激派に悩む各国は、自国のテロリストがアフガンへ移動するのを黙認しているのではないか。近年の外国人テロリストのアフガンへの大移動は、そう感じざるを得ない」

 武装勢力のアフガンへの集結は、パキスタン国内のイスラム過激派の間でも進んでいる模様だ。

 パキスタン当局によると、カシミール闘争で知られる「ラシュカレ・タイバ」が最近、「ジャマト・ダウ」の名でアフガンでの闘争を開始。99年12月にインド機をハイジャックし、インド政府に仲間4人を釈放させた「ハルカトゥル・ムジャヒディン」は、二つのグループに分かれ、タリバン支援やスワートの武装組織との共闘に乗り出したという。

 そのほか、アフガン闘争に関与していないとみられていた「ヒズブル・ムジャヒディン」も、7月19日にカシミール地方で起きた軍車列の攻撃で、携帯電話を起爆装置にする手口を初めて使用。アルカイダやタリバン特有の手口であることから、両者の関係が浮上している。

 ◇パキスタン部族支配地域「全勢力がネットワーク」

 「テロリストの聖域」。米国は、パキスタンの部族支配地域をそう呼ぶ。アフガニスタン国境に沿って広がる部族地域の住民は、タリバンと同じパシュトゥン人。01年の米軍のアフガン侵攻で政権を追われたタリバンの多数が山岳地帯の国境を越えて逃げ込んだ。

 部族地域はパキスタン独立前の英国統治時代から、パシュトゥン人の独立国家建設運動を防ぐ目的で、高度の自治が与えられてきた。パキスタン政府もこれを受け継ぎ、地域の行政はジルガと呼ばれる長老会議に任され、いまも政府の司法権が及ばない。

 このため地域に逃げ込んだタリバンは、住民の支援のもと補給や休息を行い、自由にアフガン側に越境して米軍やアフガン政府軍への攻撃を続けてきたとされる。

 ムシャラフ・パキスタン大統領は02年、米国の強い圧力を受け初めて部族地域に軍を入れ、タリバンや地元武装勢力の掃討作戦を開始した。

 地域は7管区に分かれ、管区ごとに武装組織を束ねる司令官がいる。武装組織はいずれも米国を「侵略者」と位置付け、タリバン支援を公言している。武装勢力間の抗争もあったが、07年には部族地域の全勢力がタリバン最高指導者オマル師支持で一致。アフガンとパキスタンの国境地帯で「タリバン・ネットワーク」が完成したとされる。【栗田慎一】

==============

 ◇タリバンをめぐる動き◇

 【1988年】

 5月 東西冷戦の崩壊を背景に、アフガニスタンに軍事侵攻していた旧ソ連軍が撤退開始

 【92年】

 8月 アフガンで内戦が勃発

 【94年】

10月 南部カンダハルで、イスラム神学生らが民兵組織を発足。タリバンと名乗りオマル師が最高指導者に

 【96年】

 9月 タリバンがカブールを制圧し、政権樹立

 【98年】

 8月 米軍が巡航ミサイルでタリバンの軍事訓練施設などを爆撃

 【99年】

10月 パキスタンで、ムシャラフ陸軍参謀長(現大統領)がクーデターで政権を奪取。タリバン政権支持を表明

11月 国連がアフガンに制裁

 【01年】

 3月 タリバンがバーミヤンの巨大石仏を爆破

 9月 米同時多発テロ。タリバンは、アフガンに潜伏中の国際テロ組織アルカイダ指導者のビンラディン容疑者の引き渡しを拒否。パキスタンは、米の対テロ同盟国に転換

10月 米英軍がアフガン攻撃を開始

11月 タリバンが首都カブールを撤退。政権崩壊

12月 タリバンと対立した軍閥集団「北部同盟」が母体となり、アフガン暫定行政機構発足。カルザイ氏が代表に

 【02年】

 1月 国連がアフガン制裁を解除。東京で「アフガン復興国際支援会議」開催

 【03年】

 8月 北大西洋条約機構(NATO)軍がカブールで治安維持活動を開始

 【04年】

 9月 タリバンによるカルザイ大統領暗殺未遂

 【06年】

 5月 タリバンが米軍などに対し、自爆テロなどを多用した本格的な反攻を開始

10月 NATO軍がアフガン全土の治安維持活動を開始。南部で大規模な軍事作戦に着手

 【07年】

 7月 タリバンが韓国人援助関係者ら23人を拉致、うち2人を殺害

 8月 世界最悪のアフガンの麻薬生産量がさらに増加と国連が警告

11月 カブール北部バグラムで、国会議員らを狙った自爆テロ。50人近くが死亡

 【08年】

 3月 パキスタンで新政府発足。タリバン支援の国内武装勢力と和平協定の締結を目指すと発表

 4月 カルザイ大統領が出席していた軍事パレードをタリバンが襲撃

    米政府がパキスタンの和平路線を懸念

 5月 パキスタン政府が北西部スワートの武装組織と初の和平協定締結

 6月 パキスタン軍と米軍の支援を受けたアフガン軍とが国境付近で交戦。カルザイ大統領は「パキスタンへのミサイル攻撃開始」を示唆

    タリバンが南部カンダハルの刑務所を襲撃、タリバン約400人が脱走

 7月 アフガン東部で米軍基地がタリバンに攻撃され、米兵9人死亡。米政府はアフガン増派の年内前倒しを決定

毎日新聞 2008年7月29日 東京朝刊

 

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