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【科学技術振興機構共同発表;07年1月18日】スペイン風邪をサルで再現させて謎だったウイルスの病原性を解析(東大医科研)
http://www.asyura2.com/09/buta01/msg/559.html
投稿者 passenger 日時 2009 年 5 月 17 日 20:11:18: eZ/Nw96TErl1Y
 

【科学技術振興機構(JST)共同発表;07年1月18日付】 スペイン風邪をサルで再現させて、謎だったウイルスの病原性を解析 (東京大学医科学研究所)

 
 
 
 
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http://www.jst.go.jp/pr/announce/20070118/index.html
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平成19年1月18日

科学技術振興機構(JST)
電話(03)5214-8404(広報・ポータル部広報室)

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東京大学医科学研究所

スペイン風邪をサルで再現させて、謎だったウイルスの病原性を解析

 JST(理事長 沖村 憲樹)と東京大学医科学研究所(所長 山本 雅)は、1918年に大流行したスペイン風邪の原因となったインフルエンザウイルスが、感染した動物に対して異常なまでの自然免疫反応を引き起こし、それが強い病原性を決定する因子のひとつとなっている可能性があることを発見しました。

 スペイン風邪は、1918年(大正7年)から翌年にかけて世界的に流行したH1N1型のA型インフルエンザウイルス(注1)感染症です。20世紀に人類が経験した新型インフルエンザウイルスのうち、スペイン風邪では、最大の被害者数、つまり全世界で2000万〜4000万人の死者が出たといわれています。ところが、当時、インフルエンザウイルスを分離する技術は確立しておらず、流行当時のウイルスは現存していません。そのため、なぜその様な強い病原性があったのかは全く不明なままでした。

 本研究チームは、1918年のスペイン風邪ウイルスの遺伝子を、公表された遺伝子配列から再構築し、リバースジェネティクス法(注2)により1918年のウイルスを人工合成しました。このスペイン風邪ウイルスは、マカカ属のサル(注3)に強い致死性の肺炎を引き起こさせました。また、感染したサルは、ウイルスに対する自然免疫反応の調節に異常を起こしていることがわかりました。

 インフルエンザウイルスが、感染した人や動物の免疫反応の調節に異常を起こす現象は、H5N1鳥インフルエンザウイルス(注4)の感染でも確認されています。したがって、この研究成果は、H5N1鳥インフルエンザウイルスを含む、強毒なインフルエンザウイルスの病原性を決定する、共通の特徴を捉えており、治療方法の確立や感染防御を考える上でも重要な発見です。

 本成果は、JST戦略的創造研究推進事業チーム型研究(CREST)「免疫難病・感染症等の先進医療技術」研究領域(研究総括:山西弘一)の研究テーマ「インフルエンザウイルス感染過程の解明とその応用」の研究代表者・河岡義裕(東京大学医科学研究所 教授)らによって得られたもので、英国科学雑誌「Nature」に2007年1月18日(英国時間)に掲載されます。


<研究の背景>

 スペイン風邪は、1918年(大正7年)から翌年にかけて世界的に大流行したH1N1型のA型インフルエンザウイルス感染症です。20世紀に人類が経験した新型インフルエンザウイルスの出現および世界的な流行は、スペイン風邪・アジア風邪・香港風邪の3回にわたりますが、このなかでも特にスペイン風邪は、最大の被害者数が報告されており、全世界で2000万〜4000万人の死者が出たといわれています。

 ところが、当時、インフルエンザウイルスを分離する技術は確立しておらず、流行時のウイルスは現存しません。そのため、スペイン風邪ウイルスを、現在、ヒト社会で毎冬流行しているインフルエンザウイルスや、アジア広域で問題になっているH5N1鳥インフルエンザウイルスと比較することができず、スペイン風邪ウイルスの本当の病原性については全く不明なままでした。


<研究成果の概要>

 本研究では、1918年のスペイン風邪ウイルスの遺伝子を、公表された遺伝子配列から再構築し、リバースジェネティクス法により1918年の完全ウイルス粒子を再現しました。そして、マカカ属のサルを用いて、スペイン風邪ウイルスの病原性を解析しました(図1)。

 1918年のスペイン風邪ウイルスを接種したサルは、接種後24時間以内に、元気や食欲が無くなり、接種後8日目には顕著な呼吸器症状と状態の悪化が見られました。その際には、上部気道・下部気道の両方から高濃度のウイルスが検出されました。一方、比較対照として、ヒト由来のインフルエンザウイルスを接種したサルでは、非常に軽い症状が見られたのみで、ウイルスも接種後6日目まではかなり低い濃度で鼻や気管支のみから、接種後8日目には扁桃腺のみから検出されるに止まりました。スペイン風邪ウイルスを接種したサルでは、60-80%の肺の領域が肺炎に侵されており(図2 )、ヒト由来のインフルエンザウイルスを接種したサルに比べて、肺胞の傷害がとても強く見られるのが特徴でした。時間の経過とともに、肺胞の障害は、肺水腫や血様液を伴ったものへと進行しました(図3)。

 一方、感染したサル個体内での免疫応答を調べるために、血中サイトカイン/ケモカイン(注5)を測定したところ、1918年のスペイン風邪ウイルスを接種したサルでは、特に、サイトカインの一種であるインターロイキン(注6)IL-6の分泌増加が特徴的でした。更に、1918年のスペイン風邪ウイルスに対する感染個体の免疫応答メカニズムを深く探るために、感染個体の気管支材料を用いて、遺伝子発現量の確認を行いました。ヒト由来のインフルエンザウイルスを接種したサルに比べて、1918年のスペイン風邪ウイルスを接種したサルでは、好中球の活性や浸潤に関係するいくつかのサイトカイン/ケモカイン遺伝子がより強く発現しているにも関わらず、インターロイキンIL-8などを含むいくつかのサイトカイン/ケモカイン遺伝子の発現の遅延があり、タイプI型のインターフェロン(注7)とその関連遺伝子の発現上昇も見られず、抗ウイルス活性を発揮することが知られている遺伝子群も誘発されないなど、免疫反応の調節に異常が見受けられました(図4)。これらの結果から、1918年のスペイン風邪ウイルスの病原性を決定している因子のひとつとして、感染個体における異常な自然免疫反応が関与している可能性が考えられました。


<今後の展開>

 インフルエンザウイルスのリバースジェネティクス法を用いたことにより、全世界で2000万〜4000万人の死者を出したといわれるスペイン風邪ウイルスを現代に再現し、動物感染モデルを用いて、ウイルスの特性を詳細に解析することが可能となりました。これらの研究の結果、当時流行したスペイン風邪ウイルスの真の病原性が判明し、その病気の発生メカニズムを解明する手懸りを得ることができました。特に、今回解明された病気の発生メカニズムは、現在問題となっているH5N1鳥インフルエンザウイルスの病気の発生メカニズムにも共通する可能性があり、治療方法の確立や感染防御を考える上でも重要な発見です。

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図1 リバースジェネティクス法を用いた1918年スペイン風邪ウイルスの再現と感染実験

(a) 1918年のスペイン風邪流行時に亡くなった人の組織から、1918年のスペイン風邪ウイルスの遺伝子配列が解読されました。その解読情報を利用してウイルス遺伝子を再構築し、 (b)リバースジェネティクス法でウイルスを人工合成し、 (c)カナダ科学研究所のバイオセーフティレベル4の実験室にて感染実験を行いました。
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図2 1918年スペイン風邪ウイルスによる肺炎

(a)スペイン風邪ウイルスを接種したサルでは、60-80%の肺の領域が肺炎(暗赤色の部分)に侵されていました。 (b)ヒト由来のウイルスを接種したサルでは、肺炎像は見られませんでした(心臓を中央にして、周囲のピンク色の部分が肺組織)。
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図3 1918年スペイン風邪ウイルスによる肺炎の顕微鏡像

(a)正常なサルの肺では、薄い細胞の壁に画されて空気が入った領域(肺胞腔)が観察されます。(b)ヒト由来のウイルスを接種したサルでは、少し細胞の壁が厚くなっていますが、空気の入った領域が存在します。(C)1918年のスペイン風邪ウイルスを接種したサルの肺では、空気の代わりに血液の混じった液が充満しています。(d)また、1918年のスペイン風邪ウイルスを接種したサルの肺では、空気の代わりに炎症細胞や赤血球や蛋白質が充満しているのが見られます。
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図4 1918年のスペイン風邪ウイルス感染サルでの遺伝子発現

何れもヒト由来インフルエンザウイルス(K173)と比較して、1918年のスペイン風邪ウイルス(1918)感染サルでは、(a)一部のタイプI型のインターフェロン(ピンクの点線で囲まれた部分)の発現増加が見られませんでした。反対に炎症性細胞の一つである好中球などを刺激するケモカイン(青の点線で囲まれた部分)は高度に発現していました。 (b)インフルエンザウイルス感染に対する抗ウイルス反応に重要な遺伝子群(黄色の点線で囲まれた部分)は、発現増加が見られませんでした。(遺伝子発現量:減少=緑、変化なし=黒、増加=赤)
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<用語解説>http://www.jst.go.jp/pr/announce/20070118/yougo.html

(注1)H1N1型のA型インフルエンザウイルス:
 A型、B型、C型と大きく3種類に分かれるインフルエンザウイルスの中で、ウイルスが変化しやすく過去に何度か世界的流行を起こしてきたA型インフルエンザウイルスは、ウイルス膜表面にある2つの糖タンパク質、ヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)の抗原性(抗体と結合することができる性質)の違いにより、さらに細かく亜型が分類されています。現在までに、HAでは、16種類(H1からH16)、NAでは、9種類(N1からN9)の亜型が報告されています。H1N1というのは、H1亜型、N1亜型に分類されるインフルエンザウイルスのことです。H1N1型のウイルスは、20世紀に2回、人社会に侵入して大流行を起こしました。

(注2)リバースジェネティクス法:
 1999年に開発された、インフルエンザウイルスを人工合成する技術です。この技術の確立により、インフルエンザウイルスの解析やワクチン作成などの研究が飛躍的に伸びました。

(注3)マカカ属のサル(カニクイザル)とヒト:
 カニクイザルはマカカ属のサルでヒトと同じ狭鼻下目に属します。サルはマウスやラットなどの他の実験動物に比して、ヒトに最も近縁ですが、カニクイザルは、これまでに、生理学、行動学、薬理学、医学研究等に用いられ、実験動物として最も一般的に用いられているサルの一つです。このサルでは、遺伝子情報が豊富に解析されており、遺伝子資源の基盤が整っているため、今後の基礎および応用研究の発展に有用視されています。

   【引用者注記: ここに霊長目のキツネザルからヒトまでの動物分類表が入るが、
             この引用では省略した。】

(注4)H5N1鳥インフルエンザウイルス:
 H5N1というのは、H5亜型、N1亜型に分類されるインフルエンザウイルスのことです。現在問題になっているH5N1鳥インフルエンザウイルスは、家禽に対して高い病原性を示すことが多く、稀にヒトに感染した場合においても高い致死率を示します。

(注5)サイトカイン/ケモカイン:
 サイトカインは、細胞から放出されて、免疫作用・抗腫瘍作用・抗ウイルス作用・細胞増殖や分化の調節作用を示すタンパク質の総称です。インターロイキン、インターフェロンなどを含みます。白血球やリンパ球の細胞遊走を誘導するサイトカインの一群をケモカインと称します。

(注6)インターロイキン:
 インターロイキンはサイトカインの一種で、白血球により分泌され、細胞間のコミュニケーションの機能を果たすものを言います。免疫系の機能の多くはインターロイキンが負っており、IL-6はマクロファージ(生体内に侵入した細菌やウイルスを捕食する白血球の一つ)を刺激して急性反応を誘導し、IL-8は好中球(白血球の一つで末梢血中の白血球の中で一番数が多い)の特定の方向への移動を誘導する機能を持ちます。

(注7)インターフェロン:
 インターフェロンとは、動物体内で病原体(特にウイルス)や腫瘍細胞などの異物の侵入に反応して細胞が分泌するタンパク質です。ウイルス増殖の阻止や細胞増殖の抑制、免疫系及び炎症の調節などの働きを示し、サイトカインの一種に含まれます。医薬品としてはC型肝炎や、いくつかの腫瘍の治療に用いられます。ヒトでは大きく3タイプに分けられ、タイプ1型インターフェロンは全てIFNARと言う細胞表面の特異的な受容体複合体と結合します。
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<論文名>

"Aberrant innate immune response in lethal infection of macaques with the 1918 influenza virus"
 (1918年のインフルエンザウイルスがマカカ猿に致死的な感染をした際に見られた異常な自然免疫反応)
<研究領域>
この研究テーマが含まれる研究領域、研究期間は以下のとおりです。

○戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CRESTタイプ) 研究領域: 「免疫難病・感染症等の先進的医療技術」
(研究総括:山西 弘一 独立行政法人医薬基盤研究所 理事長)
研究課題名: 「インフルエンザウイルス感染過程の解明とその応用」
研究代表者: 河岡 義裕 東京大学医科学研究所 教授
研究期間: 平成13年度〜平成18年度

<お問い合わせ先>

河岡 義裕(かわおか よしひろ)
東京大学医科学研究所 感染・免疫部門 ウイルス感染分野
〒108-8639 東京都港区白金台4−6−1
TEL: 03-5449-5310 FAX: 03-5449-5408
E-mail: 【引用者注記:メアドは省略する】

中田 一隆(なかだ かずたか)
独立行政法人科学技術振興機構
戦略的創造事業本部 研究推進部 研究第一課
〒332-0012 埼玉県川口市本町4−1−8
TEL: 048-226-5635 FAX: 048-226-1164
E-mail: 【引用者注記:メアドは省略する】


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