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田中 宇  「 インフルエンザ強制予防接種の恐怖 」 2009年7月29日    
http://www.asyura2.com/09/buta02/msg/272.html
投稿者 新世紀人 日時 2009 年 8 月 20 日 13:43:54: uj2zhYZWUUp16
 

http://tanakanews.com/090729flu.htm

インフルエンザ強制予防接種の恐怖
2009年7月29日  田中 宇

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この記事は「豚インフルエンザの戦時体制」の続きです。

 今年4月から5月にかけて、世界的な大騒動となった「豚インフルエンザ」(H1N1)は、結局のところ、世界でも日本でも大した被害をもたらさなかった。専門家たちは、今回のウイルスが人体にもたらす症状は大したものではなく、毎年冬に発生する平均的な季節的インフルエンザよりも、さらに弱いものだと考えている。今回の豚インフルエンザの発生源とされたメキシコの養豚所の豚は、一頭も感染していなかった。各国政府やマスコミが空騒ぎしただけで、話は終わったかに見える。(Scientists see this swine flu strain as relatively mild)(Swine flu ground zero yields no clues)

 ところが、欧米での最近の動きを見ると、話は全く終わっていないどころか、むしろ騒ぎがひどくなっている。「秋から冬にかけて、再び豚インフルエンザが世界的に猛威を振るう」という予測が、大した理由もなしに、米英政府や国連の保健機関WHOによって確実な話として発表されている。欧米政府は、製薬会社に大急ぎでインフルエンザ・ワクチンを開発させ、英国主導の欧州では臨床実験も満足に行わないまま、予防接種が開始されようとしている。英国では、全国民への強制的な予防接種が検討されている。(Swine flu vaccine to be given to entire population)

▼勧められる世界的なワクチン接種

 4月にメキシコから始まった豚インフルエンザの感染騒ぎは、5月には、感染してもほとんどの人には大した症状が出ない穏健なウイルスである可能性が高まった。だが、その後6月11日に、国連のWHO(世界保健機関)が、豚インフルエンザの発生状態の評価を、国際伝染病(pandemic)に関する6段階の警告表示の中の「5」から最高位の「6」に引き上げた。(WHO declares first 21st century Swine flu pandemic !!)

 インフルエンザに関するWHOの6段階評価は、ウイルスが人体にどれだけひどい症状を生じるかではなく、どれだけの地域に感染が広がったかを示している。今回の豚インフルエンザは、大した症状を発生させていないものの、感染者がいる地域はメキシコ、米国、チリなど南北米州、日本や東南アジアなどアジア地域、欧州など、複数の大陸に拡大しており、地域的に見た場合の世界的感染を示す「6」(2つ以上の地域の国々で大規模な感染)がふさわしい状態となった。(2009 swine flu pandemic From Wikipedia)

 豚インフルエンザは、メッカ巡礼者などを通じて中東イスラム諸国に拡大するなど、感染地域を広げている。だが、全世界で確認されている死者は500人程度、感染者は9万人程度で、毎年やってくる季節性の一般的なインフルエンザによる死者が50万人、感染者が数百万人であることと比べると、その重篤さは大したものではない。(What is phase 6? What about severity?)

 しかし、欧米などのマスコミでは、WHOが「6」に引き上げたことをもって「今世紀初の世界的伝染病が発生した」と大々的に報じている。欧米の専門家の間では「豚インフルエンザは明らかに騒がれすぎている」と批判する声が強い。(Swine flu pandemic? It feels like a phoney war)

 WHOは7月7日、専門家による諮問会議(Strategic Advisory Group of Experts)を開き、豚インフルエンザに対して世界的なワクチン接種が必要かどうかについて検討した。会議には、バクスター、ノバルティスといった欧米の大手製薬会社の幹部が出席した。WHOは、世界の194カ国の加盟国に対し、国民へのワクチン接種を義務づけることができる。製薬会社の代表たちは、世界的なワクチン接種を義務づけるべきだと主張したと推測されるが、WHOは会議の議事録の公開を拒否しており、何が話されたかはわからない。(WHO moves forward in secrecy to accomplish forced vaccination and population agenda)

 WHOは7月13日に発表した警告書(Global Alert and Response)の中で、この専門家会議の開催について触れているが、この警告書は、世界的なワクチン接種を勧める内容となっている。(WHO recommendations on pandemic (H1N1) 2009 vaccines)(Mandatory Swine Flu Vaccination Alert)

▼飛ばされる臨床試験

 今回の豚インフルエンザ問題では、ワクチンを製造する欧米系大手製薬会社の影が、あちこちでちらついている。たとえば、英国政府に対して豚インフルエンザ問題に関する政策立案についてアドバイスを行う立場にある顧問委員会(Scientific Advisory Group for Emergencies)の委員には、ワクチンを作っている英国の大手製薬会社であるグラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKline)の非常勤取締役、ロイ・アンダーソン卿(Sir Roy Anderson)が含まれている。アンダーソン卿は、豚インフルエンザのような世界的な伝染病が起きると英国で最初に「警告」を発した人であり、英国のマスコミに頻繁に登場し、抗ウイルス剤などの有効性について説いて回っている。(Government Swine Flu Advisor On Vaccine Maker Payroll)

 英国は今夏、欧州内で最初に豚インフルエンザのワクチン接種が開始されることになっている。英政府はすでに9千万本のワクチンを製薬会社に発注しており、8月から接種が開始される予定だ。ワクチンの総量は英国の人口の1・5倍であり、国民全員にワクチンを接種することを英政府が考えていることがうかがえる。(Swine flu vaccine to be given to entire population)

 ワクチンの開発は通常、数百人から数千人に対する臨床試験を行い、問題のウイルスに対する効果があるかどうか、副作用がないかどうかを確認した上で、大量生産に入る必要がある。しかし、今回の豚インフルエンザ・ワクチンについては「今秋には、再びインフルエンザの猛威が世界を襲う」との予測に基づき、できるだけ早くワクチンを開発せねばならないという話になっており、EUでは英国が主導して、臨床試験をおこなわずにワクチンの大量生産に入ることが決定している。臨床試験を飛ばしてしまうという、EUの医薬当局(European Medicines Agency)による前代未聞の決定により、ワクチン接種の開始は2カ月早まった。('Dangers' of the fast-track swine flu vaccine)

 EU当局は「豚インフルエンザのワクチンは、すでに開発されている鳥インフルエンザのワクチンを応用して作られるものなので、改めて臨床試験をしなくても大丈夫だ」と言っているが、WHOは「それは危険すぎる」と反対している。(Fast-tracked swine flu vaccine will be safe, officials insist)

 近いうちにワクチンを強制的に接種される英国民にとって不運なことに、このワクチンはすでに副作用が懸念されている。このワクチンには、効力を増すための補剤(adjuvant)として「スクアレン油」(squalene oil)が使われている。スクアレンは栄養補給財として市販され、それ自体は人体に良いものとされているが、これをワクチンの補剤として使うと、1991年の湾岸戦争に従軍した米軍兵士が罹患した「湾岸戦争症候群」と同様の副作用が出る可能性があると指摘されている。関節炎、線維筋痛、リンパ節症、発疹、慢性疲労、脱毛、皮膚病、めまい、発熱、記憶障害など、20近い症状が併発しうる。(Readying Americans for Dangerous, Mandatory Vaccinations)(Swine Flu Vaccination Poses Serious Threat to Your Health)

 米国では、1976年に豚インフルエンザが発生した時、製薬会社などの圧力を受け、米政府が米国民4000万人にワクチンを接種したが、このワクチンはギラン・バレー症候群という末梢神経障害の副作用を起こし、全米で約50万人がこの副作用に苦しみ、数十人が死亡する結果となった。その一方で、実際のインフルエンザは今回と同様、大した症状を出さなかった。今回の豚インフルエンザでは、欧州で1億3000万本のワクチン製造が予定されている。臨床試験なしで接種が行われると、欧州の無数の市民が副作用に苦しむ結果になりかねない。(豚インフルエンザの戦時体制)

▼現状は把握困難なのに未来の猛威は確定的

 WHOは、今回の豚インフルエンザは、今は大した症状を人体に与えないが、今後近いうちに突然変異して猛威を振るい、世界の20億人が感染し、死者が無数に出る可能性があるとしており、そのことが、臨床試験を飛ばしてまで急いでワクチンを開発せねばならない理由とされている。米国では、政府の疾病対策予防センター(CDC)が「効果のあるワクチンが人々に接種されない限り、今後の2年間で数十万人の米国民がインフルエンザで死ぬだろう。米国の勤労者の4割が感染するか、家族の看病に追われ、仕事ができなくなる」と予測している。(WHO: Swine flu virus may face deadly mutation)(Swine flu could kill hundreds of thousands in U.S. if vaccine fails, CDC says)

 これらの予測が確度の高いものであるなら、副作用の可能性を無視して臨床試験を飛ばすというEUの決定が、少しは意味のある政策と考えられないこともない。しかし実際には、これらの予測の確度は低い。インフルエンザに関しては、毎年発生する季節性のものでも予測が難しい。突然変異して猛威を振るったとしても、そのウイルスが、今製薬会社が大量生産しているワクチンで効果があるかどうかもわからない。

 未来に向かっては「20億人が感染する」と確定的な数字を言うWHOだが、現実の話では、現在の感染者数すら把握できていない。WHOは7月16日、それまで毎週発表していた世界の豚インフルエンザの感染者数と死者数について、発表を停止してしまった。その理由は、インフルエンザで死んだ人でも死亡診断書に「インフルエンザ」と書かれることは少ないし、感染者数についても病院で検査をしてもらわないまま直ってしまった感染者が圧倒的に多いと推測されるため、統計が実数を大幅に下回っていると考えられるからだという。WHOが最後に発表した7月6日時点の感染者数は世界で9万4千人だが、WHOは「実数は数百万人だろう」と言っている。しかし、これは確たる数字ではない。(W.H.O. Says It Plans to Stop Tracking Swine Flu Cases)

(現在の状況も把握しきれない性質のものなのに、未来の悲惨な状況だけは「確定的」であると政府やマスコミが世界の人々を脅すパターンは、地球温暖化問題と同じである)

 今年の秋から冬にかけて、米国民の12−24%がインフルエンザに感染すると米政府は予測しているが、毎年、季節性のインフルエンザに米国民の5−15%が感染しており、今年の数字はそれよりやや多めというだけだ。

▼オバマ政権の製薬業界との癒着感

 米国では、担当部局であるCDCが、欧州のような臨床試験を飛ばすやり方に反対している。そのため米国では、まず8月10日から全米の8つの大学の病院で、合計12000人の希望者に対して臨床試験となるワクチン接種を行い、その結果を見た上で、10月から全米で大々的なワクチン接種を開始する予定になっている。(US schedules trials of new swine flu vaccine)(12,000 U.S. Children To Be Swine Flu Vaccine Guinea Pigs)

 米国では、担当部局のCDCは1976年の副作用の先例があるので慎重になっているが、オバマ大統領のホワイトハウスは、英国と同様に、製薬業界との癒着感に満ちたイケイケドンドンで、今秋インフルエンザが猛威を振るうことはほぼ確実だという予測を表明している。(Obama Warns of Return of Swine Flu in the Fall)

 7月22日には、ホワイトハウス(大統領府)に18人の製薬会社、健康保険会社、病院業界などの代表が招かれ、大統領側近と、今後のワクチンの大規模接種について話し合った。政権と製薬会社、病院業界との癒着を疑う市民団体が、この会合について出席者名などの公開を求めたが、拒否されている。(White House declines to disclose visits by health industry executives)

 製薬業界にとって至れり尽くせりなことに、米政府は最近、インフルエンザのワクチンを製造する製薬会社に対し、もしワクチンの副作用が出て多くの米国民が苦しみ、国民が製薬会社を提訴しても、製薬会社が有罪になることはないという免責の決定を行った。1976年のワクチン接種時の副作用問題で多数の裁判を起こされたので、製薬会社は今回、米政府がお願いしてもワクチンを作りたがらず、仕方がないので政府は免責条項を設けざるを得なかった、これは癒着などではない、という建前になっている。(Legal immunity set for swine flu vaccine makers)

 また別の建前として、製薬会社は「インフルエンザのワクチンは儲からないので作りたくない」ということも言っている。しかし実際には、いくつかの製薬会社は大儲けが予測されており、金融機関の営業マンは、製薬会社の株が「買い」だと投資家に勧めている。(Drug companies to reap swine flu billions)

 結局のところ、米国では今秋、6−18歳の全国民に対し、インフルエンザの予防接種が義務づけられることになりそうだとCDCが発表している。(All U.S. children should get seasonal flu shot: CDC)

 欧米でインフルエンザの予防接種が強制的に、全国民またはある年齢層の国民全員に義務づけられることになると、日本でも似たような強制・半強制の政策が採られる可能性がある。欧米と同じワクチンが使われるのだろうから、最悪の場合、副作用が日本でも発生しうる。

 米英などの政府が製薬会社の言いなりで、副作用が懸念されるワクチンが臨床試験もなしに英国の全国民に強制接種されたり、副作用が出ても製薬会社が免責されるので無責任なワクチン製造がまかり通る事態が米国で出現したりしている。欧米マスコミはこの件について大して報じず、市民の反対運動もあまり起きていない。むしろ、マスコミは豚インフルエンザの脅威について書き立て、米国8大学での臨床試験としてのワクチン接種には希望者が殺到しているという。

 そもそも前回の記事に書いたように、米国の製薬会社は今年初め、ワクチン製造用に使うはずの猛毒の生のウイルスに、間違ったラベルをつけて欧州など各国の研究所に送りつけ、あやうくそこからウイルスが社会に広がって感染が起きかねない事態を引き起こしている。分析者の中には、製薬会社がウイルスをばらまいてインフルエンザを流行らせ、ワクチン需要を作り出そうとしたと疑っている人もいる。(豚インフルエンザの戦時体制)

 オーストラリアでは、専門家が「豚インフルエンザは実験室で作られた可能性がある」と言っている。今回のウイルスは、北米とアジアで流行った2種類の豚インフルエンザ、北米で流行った鳥インフルエンザ、それから人に流行するインフルエンザという4種類・3大陸のインフルエンザ・ウイルスが混じってできたものとされているが、こんな地域的に離れた場所に存在するいくつものウイルスが自然界で混合する可能性は非常に低く、人間が実験室で混ぜてばらまいたとしか思えないという分析だ。(Australian researcher: Swine flu created in lab)

 このような状況を知って「インフルエンザの予防接種は危険だから受けない方が良い」と叫んだところで、多くの人は何も報じないマスコミしか見ていないので「何言ってんだこいつ」と変人扱いされて無視されるか、下手をすると製薬会社から損害賠償請求されたり、もっとひどくなると当局から監視・取り締まり対象にされる。予防接種が義務づけられたら、副作用が心配でも、接種を受けねばならない。受けない者は犯罪者である。副作用におびえていやいや接種を受けたり、接種を拒否して犯罪者にされて生活を破壊されたりするより、何も知らずに接種を受けた方が幸せともいえる。知るも地獄、知らぬも地獄。大変な世の中になってきた。


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