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【幸福の科学】ノストラダムスブームに乗る虚業家たちを撃つ!【幸福実現党】
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投稿者 提供人D 日時 2009 年 8 月 05 日 07:23:27: zjIwxfdYJcbls
 

噂の眞相 91年6月号特集3 「ノストラダムスブームに乗る虚業家たちを撃つ!」
● レポーター 松下清史
 
● 第二のノストラダムスブーム
 激変する世界情勢、湾岸戦争、日本でもバブル経済が崩壊し、「日本はこれでいいのか!」と声高に叫ぶ文化人、そして横行する終末論……こんな状況の中、「ノストラダムス」本が大量に出版されるなど、再びブームになっている。前回のブームは、オイルショックにより日本経済が混乱した1973年、「『今から26年後の1999年、人類は滅亡する』と予言したノストラダムスという男がいた」こんな書出しで、世の終末を説いた本が一大ベストセラーになり、同時に小松左京の「日本沈没」や一連のオカルト・パニック映画の流行と併せて、第一次のノストラダムスブームとなったものだ。だがこのブームは“ブーム”という言葉のもつ一過性の騒ぎを超え、その後もポツリポツリとではあるが「ノストラダムス」本が刊行され続けてきた。そして、今回の湾岸戦争を機に、第2のノストラダムスブームとして、前回を上回る勢いで復活したのだ。書店では湾岸戦争コーナーの脇に「ノストラダムスの大予言・中東編」やらの、湾岸戦争にかこつけた予言本が並び、元祖「ノストラダムスの大予言」以外にも、「あの解釈は間違っている」「真相はズバリこれだ」などと銘打った本が山積みされ、その種類は50を超えるといわれている(他にも予言者やUFOや人面魚にこじつけた人類滅亡本も併せると100種は確実だろう)。今回のブームの要因としては、まず、湾岸戦争により平和ボケした日本人にとっては慣れない緊張状況(緊張というより興奮状態だろうが)を強いられたこと、「ちびまる子ちゃん」に代表される70年代ノスタルジー、前回のブームで洗脳、または商売になると考えていた連中がメディアの中堅に位置する時期がきた。そしてこれらの要因に伴い、あるカリスマの登場、といったところだろう。実際、今回のブームの陰には近々「ノストラダムスブーム」が来ると見越した上での動きとも見られるものが幾つかあるのだ。タイミングよく起こった湾岸戦争は、願ってもない商売の好機であったといってもよい。そんな「ノストラダムス」商法の仕掛人のやり口を幾つか紹介してみよう。
 
●先駆者は五島勉
 「ノストラダムスの大予言」で一躍ベストセラー作家となったのが五島勉だ。1929年北海道生まれ、東北大卒業後、女性週刊誌のライターを経て「ノストラダムス」で時の人となった。その後、もっぱら人類破滅の予言本をはじめとするオカルト新書を書き飛ばし、いまやこの業界の大御所的存在である。
ところで五島はなぜ「ノストラダムス」を書いたかという問いに、ある週刊誌にこんなコメントを残している。「(当時)ハードなライター生活でストレスがたまり、このままではやっていけないと思っていた。(そんな折、企画で)学生時代から心に引っ掛かっていた終末観ものを書こうと思ったわけです。(略)当時は高度成長の真っ盛り。売れるなんて思ってもみなかったですね」
まさに、“生活に疲れて、オカルトに走った”といったことのようで、これが動機なのだから、大御所のイメージからはかなりかけ離れている。しかし、それまでハウツーものや占いの新書が主だった祥伝社のなかに、突然オカルティックなものがベストセラーとなったことにより、新書界では衝撃的なことであったようで、これ以降、空とぶ円盤やら、バミューダ海域やら心霊写真といったキワモノ企画がこの分野の目玉商品となった。
五島自身、このノストラダムスシリーズで祥伝社から9冊を出版し、その他の出版社でも「『1998年日本崩壊』エドガー・ケイシーの大予言」など、企画オカルト本を出し、この世界のパイオニアである。しかし一般ではもてはやされる五島もオカルト出版関係者の間では意外と評価が低い。
「五島の本なんていい加減なものです。彼がパイオニアといえるとしたら、それはノストラダムスが人類滅亡の予言をした、と初めていったからだけじゃないかな」身内とも言うべきオカルト関係者がこういうように、人類滅亡の“解釈”を初めてしたのが五島だったということのようだ。
このように「ノストラダムス本」には著者による新訳、超訳、創作、こじつけ、ハッタリなどは常識であり、それをいちいち書くような無駄な労力を使うことはもちろんしない。ただひとつだけ挙げておくと、五島は、先に挙げた「『1998年日本崩壊』エドガー・ケイシーの大予言」ではノストラダムスの予言より1年前に日本が滅びるといった、自分の著書の中での食い違いも多い。
「五島は以前、『幻の超古代帝国了スカ』という本をやはり祥伝社から出しているんですが、これが同時期に出ていた『ノストラダムスの大予言U』と内容的に食い違っていた。さすがに五島も自分の書いたものの一貫性の無さに困ったのかあとがきで『その答えは次回作に用意してある』と書いたのですが結局、その後も答えを見ることがありませんでした」(ノストラダムスウオッチャー)何もノストラダムスや超古代帝国にムキになる事もないじゃないか、と五島は反論するかもしれない。
この手の本の絶妙な言い逃れの方法として「これはアナロジックな文明批判の書である」という言い方がある。なる程、それを前提として読めば「ノストラダムスの大予言」は一種の文明批判論として受け入れられる事も可能だろう。そして、手をかえ品をかえ、読者を「死ぬぞ死ぬぞ」と脅し、読者を得体の知れない恐怖感に陥らせるという手法はデマゴギストとしての五島の優秀さを物語ってさえいる。
このように五島の著書は「文明批判論」として読めばそれなりに面白いのかもしれない。西洋に比重を置きすぎる点を批判し「世界の破滅を救うのは実は日本人ではないか」と述べたりしている(日本は1998年に崩壊するのではなかったのだろうか)。
五島によれば、この救世主は「太陽の法」を持っている、とされている。そしておそらくは五島の熱心な読者であったのだろう一人の男が、本当に「太陽の法」をひっさげて登場、“救世活動”を始めてしまったのだ。それが今回のブームの立役者である大川隆法その人だ。

●「太陽の法」大川隆法
「太陽の法」といえば、思い出されるのが大川隆法の代表作だ。大川隆法とは「幸福の科学」を主宰する現代のカリスマ(?)としてあまりに有名なので今更説明はしないが、ここしばらくの間に「アラーの大警告」「ノストラダムス戦慄の啓示」など立て続けに発表し、その売れ行きも好調なようで、そのしたたかな商売人ぶりは注目に値するほどだ。
湾岸戦争突入直前に、シドニー・シェルダン級の大宣伝をうった「アラーの大警告」は、テレビで連呼されていた「イスラムの原理」や「アラブの商法」といった日本人に馴染みの薄い言葉と同様の不気味なエキゾチシズムを持っていた。そのポスターは戦車やミサイルや雷様の跋扈する黙示録的世界を描いたものだったが、その図案は1973年の第一次ノストラダムスブームの折、勢いのみで作られた東宝映画「ノストラダムスの大予言」のものと非常によく似ていたので、その手の事情に明るい者達の失笑を買ったのだった。
しかし大川隆法の悪ノリに留まる事は無く、300万部を売ったと自称する「ノストラダムス戦慄の啓示」と、神がかり社長が率いる角川書店から「ノストラダムスの新予言」が文庫化されたのであった。この2冊の「ノストラ本」、大川隆法がお筆先でノストラダムスのメッセージを受けとり、「戦慄の啓示」では詩篇として、「新予言」ではヨハネやエリヤといった聖書に登場する預言者達を交えたインタビューによって世界の滅亡が熱っぽく語られるのである。
大川による人類滅亡のシナリオは、戦争と天災、バンアレン帯が真二つに裂けた挙げ句に数億人が死んでしまう、というこれ又物騒なもの。しかし日本を中心に『太陽の法』が広まり、2010年以降は救世主の言葉通りに世界は新しい秩序を取り戻してめでたし、となる。これの一体どこが五島勉による人類滅亡の筋書きと違うのだろうか? 
五島勉が押えた口調で「死ぬぞ死ぬぞ」と脅迫したのに対し、大川は「熱帯の魚が北極海に押し寄せる」と大ボラを吹いている。せいぜいがその程度の差しか無く、内容は73年以降のノストラダムス話の焼き直しでしかない。つまりは五島勉が考えた人類破滅のアラスジにそのまま便乗し、「世界を救うべく」「『太陽の法』を日本中心に広めていく」商売にノストラダムスを見事利用した者こそが大川隆法なのだ。
実際、膨大な量を誇る大川の著書のほとんどはオリジナルな悟りの境地から生まれたものでは無く、仏教、儒教、イスラム教といった既成のものを使った当たり前の道徳や説教のたぐいにすぎない。そこにUFOだのノストラダムスを恥も外間も無くぶち込めば、「新興宗教なんて」と馬鹿にしていた、73年のブームを知っている世代もついつい軽い気持ちでそれらの本を手にしてしまう。
五島勉から大川隆法と連なる破滅志向のデマゴギスト達を支えているのは、洒落と紙一重で世の中を見る事が格好良いと考えている若きおタク連中の一部なのである。放送作家から事情通の小説家へと転身した景山民夫など、この代表格といっても良いだろう。
ヒッピー運動をはじめとするカウンター・カルチャーの洗礼を受け、超能力者クロワゼットの仕掛人として名を売る景山民夫は、今回のノストラダムス・ブームでもコメンテーターとして登場、某ニュース番組では「太陽の法」をしっかり持って現れた。もともとカルト本に弱い性質らしく、「危険な話」騒動の際もあちこちで反・原発のエッセイを書き飛ばしていたが、「幸福の科学」に一枚噛んでいるのは彼一流のシニカルなギャグなのだろうか? 
ちなみに4月に入って新人獲得にやっきになっている「幸福の科学」の勧誘では、『作家の景山民夫はウチの正会員ですよ』という一言が殺し文句として使われている。本誌先月号の映画欄で紹介されていた、角川春樹が大川隆法監修で「ノストラダムスの大予言」を再映画化するという馬鹿話は極端な例だが、今回の終末ブームに「幸福の科学」が大きく関わっているその背景には、ニヒリズムに陥った人々が正論を求め始めている、時代的欲求は確かに見て取れるだろう。
しかし大川が繰り返す破滅への「兆候」とは、激変する世界情勢をオカルティックに茶化したものばかりだが(共産主義もアラブ民族主義も呪いで潰れるそうだ)、アメリカの正義の名のもとに行なわれる暴力に対しては「戦争反対」の正論で攻撃する。ポスト・モダン以降の文化人が「ぼくたちの湾岸戦争」と銘打って、ようやく正論を照れずに発言できる場を獲得したのと同様、大川も「遅れてきたポスト・モダニスト」の変形であるのかもしれない。

●予言ブームの真意を問う
果して彼に従う20万人ともいわれる信者達は、自分達の教祖が語る人類滅亡をどう捉えているのだろうか。会員の一人は語る。「大川隆法の主張とは、例えば死ぬ事について正しく理解していれば、必ず来る破滅、というのも恐ろしがる必要は無い、という事です。それよりも私達が考えるのは、決定的なカタストロフの後の、新しい世界です」
終末の日が近づくにつれ「幸福の科学」も従来の「読書=学習会」というライトな組織形態を脱皮し、先日、遂に宗教法人化した。彼らが次に考えているのは事業の拡大と政党の結成であるとも言われている。「近いうちに救世主となる総理大臣が誕生しますよ。その名前はヤマトタケルノミコトというんです」(幸福の科学会員の発言)
角川春樹といい大川隆法といい、一体頭の構造はどうなっているのだろうか? これが世紀末というものなのだろうか? ノストラダムスの予言は文明批判としては、あくまでも正論である。
しかし1930年代、ドイツでは台頭してきたナチスの主張こそが国民にとっての正論であった、という歴史的事実がある。根拠の無いデマゴーグに正論を見いだす事は、危険きわまりない発想である。湾岸戦争で金を儲けたのは武器商人だけではなかった。デマゴギスト達はそれぞれのやり方でノストラダムスの看板を振りかざし、平成日本のぼんくらな人々にちょっとした緊張感を売って、そのビジネスが馬鹿当たりしただけの話だ。
日本人が今回の戦争で一番恐れていた事は、自衛隊が中東へ行って戦争責任の一端を担ってしまうことよりも、再び経済状態が強烈に悪化して、1973年当時の生活状況に戻されてしまうことではなかったのか。ノストラダムスの予言が日本人にとって、どのような象徴の意味を持っているのか、それは人類滅亡=トイレットペーパーに不自由する、楽な暮らしを放棄する、程度のものではないのか。いってみれば、ノストラダムス・ブームは美術品を不動産と同じように見なすことである。
1999年が近づけば、大量死のイメージを求めて大衆はノストラダムスを思い出す。運よく湾岸戦争が起こったので、ノストラダムスの価値がいっきょに上昇した。しかし、来年の夏過ぎには古本屋で100円の「ノストラ本」がひっそり並んでいる。マスコミの過剰反応も、全ては今の時期に「大予言」が商売になる事を知っていたのだ。それも結局はバブル経済のアダ花と同じようなものだ。
そして平成のノストラダムスに新しく付加されてくるもう一つの意味もある。大川隆法の例にもあったように、今回のブームの裏には「湾岸戦争批判」を逆手に取った反米意識の増長とネオ・ナショナリズム高揚(『今こそ日本がしっかりしなくては…』)のアジテーションである。「太陽の法」で世界を救う日の本の国、と五島が書いた。それに便乗した大川隆法は、戦争反対にかこつけて三島由紀夫の後を追いはじめたいとう某や島田某の、よりシステム化されたネガ像というべきかもしれない。        〈敬称略〉


 

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