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共和党を捉えたニューライト(MyOpenArchive)
http://www.asyura2.com/09/cult7/msg/245.html
投稿者 スットン教 日時 2009 年 8 月 06 日 19:09:29: CmuKS.2SNuq/E
 

共和党を捉えたニューライト(MyOpenArchive)

要約(サマリー)

アメリカ合衆国が宗教国家であることは言うまでもない。数ある宗教が並存する中で最も
強い影響力を発揮してきたのはキリスト教であった。本稿は従来のアメリカ政治学が看過
してきた「文化的視点」から「社会文化的争点の一つである妊娠中絶問題がキリスト教右
派の結束を促し、やがて共和党へと接近することで政治化した」という仮説の検証を目的
としている。具体的にはキリスト教原理主義を中心にモラル・マジョリティやクリスチャ
ン・コアリションといった宗教団体に着目し、これらの団体がどのように共和党へと接近
し政治化したのかという過程を論じている。
 本稿は仮説検証のためにキリスト教が政治へと関与する過程を時系列に三段階に分けて
いる。 
 第一段階は「宗教の目覚めと結集」である。進化論を否定したスコープス裁判で勝利を
得たキリスト教原理主義者は、逆に判決が「時代錯誤的」だとマスメディアから揶揄され
てしまう。彼らを再び始動させた契機はフォルウェルによれば「妊娠中絶を合法化した
ロー対ウェイド判決にあった」。この段階ではキリスト教右派には純粋な道徳観が社会運
動の動機付けになっており、政治への進出は見受けられなかった。
 第二段階は「共和党への接近」である。宗教右派の注目を一心に浴びていたテレヴァン
ジェリストに政治的な目論見をもって接近したのはヴィゲリーを中心とした政治右派とい
う集団であった。彼らは共和党内の東部エスタブリッシュメント排除のため宗教右派の動
員力を利用しようと考えたのだ。こうして宗教と政治が融合しニューライトが誕生するこ
ととなる。そしてニューライトはフォルウェルをリーダーとするモラル・マジョリティを
結成し、キリスト教右派を投票へと向かわせることに一定の成果を残す。しかし草の根
ネットワークを欠く組織的不備とテレヴァンジェリストの相次ぐスキャンダルにより組織
の信頼は失墜していった。彼らはレーガンを勝利に導いたのを皮切りに政治舞台から再び
姿を消そうとしていたのである。組織の持続は困難となり、政治への関与も費えようとし
ていた時、それを救ったのはリードであった。
 第三段階は「キリスト教の政治化」である。モラル・マジョリティの危機を察知したロ
バートソンはリードを説得し、同団体を引継ぐ形でクリスチャン・コアリションを結成さ
せることに成功した。クリスチャン・コアリションは従来の組織的不備を修正し、草の根
ネットワークを形成することから組織作りを始めた。それが政治動員力として基盤を確立
すると「投票者IDの登録」、「投票者ガイドの配布」、「成績表の配布」という三つの手
段が有権者動員モデルとして機能するようになったのである。このモデルの効果は1994年
の下院選挙で発揮され54もの議席数を共和党にもたらし、後に共和党革命と呼ばれる成果
に結実した。政治と宗教の親和性はここに頂点を迎え、共和党にとってキリスト教原理主
義の協力は必要不可欠なものとなったことが確認できるのである。
 以上、三つの段階はそれぞれ二・三・四章と対応しており、時代が進むとともにキリス
ト教は政治への関与を深めたということが本稿の検証で確認できる。文化的視点から明ら
かになったこれらの過程と結果は従来の先行研究が決して見出せなかったものであり、こ
れが本稿提出の意義であると考える。
最後には2008年大統領選挙に向けての展望を添え、本稿の締めくくりとした。

本稿 PDF
http://www.myopenarchive.org/documents/download_original/147

関連阿修羅記事
韓国版新保守/ニューライト - Wikipedia
http://www.asyura2.com/09/warb0/msg/322.html

韓国ニューライト運動はキリスト教団体の後押しはありますが、始動当初は以下の
ように見られていますね。背景が何であろうが、やっていることはブッシュ政権に
始まるアメリカのテロ戦争と植民地主義のセット政策に都合良く動いているだけの
ことに変わりません。北東アジアの犬どもは喧嘩させずに仲良くさせておけ、侵略
の歴史なんかで騒ぎを起こすなということです

韓国の「ニューライト」

いま、韓国で竹島/独島問題について冷静なグループは、PD系の左派と、もうひとつ、
「ニューライト」と呼ばれる新保守主義者たちだ。

彼らの多くは80年代に学生運動や民主化闘争をしてきたグループで、現在40代の新進気鋭
の知識人が中心。かつて、ある者は主体思想派、ある者はマルクス主義者だった。いわゆ
る「進歩」陣営の一員だったのだが、韓国の「進歩」に限界を感じて「自由主義」を掲げ
て保守に転向した。彼らが掲げる看板は「自由主義」だが、伝統的なリベラリズムの訳語
としての自由主義ではなさそうだ。思想的にはネオリベラリズムか、むしろリバタリアニ
ズムの系列に属する。

何だか日本の「元全共闘、今つくる会」みたいな感じもするけれど、「つくる会」ほど復
古調・民族主義的ではない。グローバリズムと競争を是とするあたりは、いわゆる保守と
一線を画す。形容矛盾のような気もするけれど、「未来志向」の「保守」と言えるかもし
れない。とはいえ、「親日派」のバッシングへの批判や、朴正煕の肯定的な評価などで
は、従来の保守と一脈通じるものもある。軍事政権時代を否定的にとらえる韓国内の雰囲
気は「自虐的」だというあたりは、あるいは日本の「つくる会」周辺からの影響かもしれ
ない。

韓国のニューライトの主張は、最近の日本の支配的な風潮と通じるものがある。ニューラ
イトのリーダーの中には日本の早稲田や慶応に留学していた経歴を持つ人もいるので、何
らかの形で日本の思潮が影響しているのかもれしない。
たとえば「独島」問題については、「日本の島根県みたいな田舎の県のことぐらいで騒ぎ
立てるのは、相手の思うつぼだから、冷静に事実をもって対応し、良好な日韓関係を維持
する方が得策」といった感じ。慰安婦問題にしても日帝特有の現象ではなく、普遍的な女
性に対する人権侵害のひとつとして対応しろ、といったような見方だ。経済的には、国際
的な開かれた市場を前提とする新自由主義で、小さな政府を指向する。そして北朝鮮につ
いても宥和一辺倒ではなく強硬な対応も必要だし、それ以上に北朝鮮の人権の現実を変え
なければならず、金正日体制は間違っているという。
歴史認識については、日本占領時代も朴正煕にも、否定すべき点はもちろんあったが、肯
定的な部分もあったという。だから最近の親日派の追求には否定的だし、朴正煕はとにか
く悪かったというような論調にも否定的だ。当時はそういう時代だったのであり、親日派
と呼ばれる人もそれぞれの置かれた状況で最善を尽くしてきたのだし、軍事政権時代もし
かり、今の尺度で過去のすべてを断罪することはできないということだ。
外交関係は伝統的韓米同盟を基軸として日中との間で良好な関係を形成していかなければ
ならないという。

全体として、金泳三時代の方向性に似ていると言えるかもしれない。盧泰愚は軍事色が強
すぎたし、金大中は北朝鮮に近すぎた。盧武鉉は「オールドレフト」色が強すぎる。もっ
ともニューライトは金泳三時代のいわゆる「三金政治」を古い保守として否定するわけだ
が。

もちろん、現役の左派はニューライトに批判的だ。
結局、主流に乗れなかった左派の落ちこぼれがカッコつけてるだけだという。落ちこぼれ
左派は、市民運動などに行くことが多かったのだけど、市民運動にもいけなかった落ちこ
ぼれ、というわけ。現実の認識についても、新自由主義の問題点をまったく無視している
という。
新自由主義的な政策にしても、これまで金泳三時代から金大中、そして現盧武鉉政権に受
け継がれている。現政権と違いがあるとすれば対北政策だが、「政治浪人」のニューライ
トは勝手なことは言えるよね、という調子。

今のところ、彼らはそれほど大きな影響力を持つ集団ではないが、左派の酷評をよそにあ
る程度の支持を得つつあるようだ。将来は政治勢力化を狙っているとも言われる。盧武鉉
の急進的な政治ではなく、またハンナラ党の古くさい保守でもない、新しい自由主義を信
条とする中道保守勢力である。これまでの左派政権建設の過程で「権力」化した左翼勢力
や市民団体、インターネット新聞などに対して「自由主義」を掲げて挑戦しようとする。
昨年11月に発足したニューライトの陣営は、今年の3月にはシンク・ネットというシンク
タンクを立ち上げ、着々とニューライト勢力の組織化を図っている。
長い間、韓国社会が慣れ親しんだ左右の力関係にくさびを打ち込もうというのだから、そ
れほど簡単ではなさそうだが、あるいはこれまでの政治に満足していない層を中心に、何
かのきっかけでブレークするかもしれない。韓国の政党は、民主労働党を除けば強力な政
治理念を持たない。ニューライトが新政党を立ち上げる条件が整ったとき、与党のウリ党
や野党のハンナラ党から大挙流入する可能性もある。
左派の民主労働党は、労働組合を基盤に議席を確保したが、このままニューライトが政治
勢力化の努力を重ねていけば、現在は盧武鉉を支持している都市の裕福で保守的な中産階
級浮動層から支持を得るのではないだろうか。まだ海のものとも山のものとも知れない小
さなグループだが、一度左に旋回した韓国の政治を右側に揺り戻す勢力になる可能性はあ
りそうだ。  

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