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Re: 当時の高級軍人たちの人事を決定していった原理(勢力)は何だったのか?
http://www.asyura2.com/09/dispute29/msg/522.html
投稿者 仁王像 日時 2009 年 9 月 19 日 20:32:28: jdZgmZ21Prm8E
 

(回答先: Re: 天皇は、連合国と枢軸国双方の戦費を賄う“大スポンサー”/高橋五郎 投稿者 摘発求む 日時 2009 年 9 月 13 日 00:13:12)

 ご賛同、嬉しく思います。
 
 さて、大東亜戦争の記録を見聞するにつれ、いつも疑問に思うのは<表題>のことです。
 冷静で良識的な判断力を持ち果敢に意見具申する優れた資質を持った中堅幹部が、いつの間にか左遷されたり、閑職に追いやられたり、場合によっては死出の旅路への出撃命令を下されたりしたのに対して、切腹ものの大失策を犯した高級軍人たちが何のお咎めもなしに出世していったことです。その一例を下に挙げました。またよく知られているように真珠湾攻撃の事前通告が米大使館の不手際によって遅れてしまった大失策も咎められず、担当大使館員や大使が出世していったという事例もあります。

 軍人の人事は、<戦争設計>そのものでしょう。こうした人事を一体誰がどのような仕組みで行っていったのかの不思議です。私が触れた記録の範囲では具体的なことは何も書かれていません。近年、薄らぼんやりと思うのは、これらの人事を裏から操っていたのは皇族方ではなかったのかとの思いです。現時点で何の資料も私は手にしていません。今年になって、高級海軍軍人たちの400時間にわたる証言が日の目を見るようになりました。戦後がさらに80〜100年と風化するにつれ、何らかの資料が世に出てくる可能性もあると思います。

 当時の指導的な立場にいた軍人は、当時としては最高水準の教育を受けていたはずです。頭脳も優秀だったはずです。ですから彼らの知能を駆使すれば、こんなチグハグは人事を行うことは想像できません。また、無謀な戦争への突入も。もし、これらのことが高級軍人のみに責任があるなら、それは日本民族の縮図であり、日本民族自体が当時から絶望的であり、それは今も変わらない体質だということになってしまうのではないかと思うのです。

 言い換えれば、通常の日本民族とは別種の血脈(皇族方)の思想原理が強力に働いたのではないかという強い疑いです。


<参謀長がやらかした史上空前の大失策>
・1994年3月31日、福留繁参謀長をはじめとする連合艦隊司令部は、パラオからミンダナオ島ダバオに向かった。2機の二式大艇に分乗したのであったが、あまりにもあわてたため、給油するのを忘れた。荒天のため、…福留参謀長らが乗った機は、セブ島東海岸に不時着した。ここで、未曾有の珍事がおきた。参謀長、作戦参謀ら9名は、米比軍ゲリラの捕虜となった。…とんでもない珍事ではないか。連合艦隊参謀長ともあろう人が敵軍の捕虜に!
 ヒラ参謀でも生きてはいられない。まして連合艦隊参謀長。さっそく切腹。こうしたことしか考えられないのであるが、福留参謀長閣下は、…切腹もしないで、自決もしないで不思議に命ながらえた。このとき、福留参謀長らは、史上空前の大失策をやらかした。信じられないことながら、普通の兵士でもありえない大失策をやらかした。普通の兵士にでもだれでも、「不時着したら、まっさきに機密書類を破棄せよ」と…教え込む。
 福留参謀長は、敵地に不時着しながら、機密書類を破棄しなかった。機密書類といっても、連合艦隊最高幕僚たる参謀長が、親しく所持している機密書類である。機密も機密、最高機密に決まっている。はたして、福留中将が所持していた書類のなかには、連合艦隊の全太平洋正面における決戦配備と作戦要領とを定めた「Z作戦計画」があった。福留参謀長も山本祐二作戦参謀も、想像も及ばない怠慢ながら、これを破棄しなかった。
 もちろん、米比軍ゲリラによって押収された。押収された書類は、米軍に引き渡された。これで、連合艦隊の手の内は、敵軍に筒抜けになった。半世紀たった今日でも、震えが止まらない話ではないか。…もっと悪い話が続く。…連合艦隊は、何ら対抗措置をとらなかった。いくら驚いても足りない処理法ではないか。…あたかも何事も起きなかったかのように、その後の作戦計画は、すべて右の「Z作戦計画」に基づいて立てられたのであった。

<トップエリートには「お咎めなし」>
 マリアナ海戦、レイテ海戦、…敗戦の原因は多々あるが、根本的な原因は、日本の手の内が、米軍に読まれ切っていたことである。…最初になされるべきことは、福留参謀長への厳重な査問である。…軍法会議において、とくにこのことが、徹底的に追求されるべきであった。捕虜になったことよりも、…このことの責任が、はるかに重大であることはもちろんである。捕虜になっただけでも、実質的に「死刑」ということが当時の海軍においてもすでに不文律になっていた。そのうえさらに、最高機密喪失という空前絶後の重罪を重ねているのである。切腹で足りるとはだれも思わないだろう。
 で、実際になされた福留中将に対する処分は? この答えを聞いたら、だれでも「えっ、何だって?」と絶叫するだろう。
…銃殺されず、切腹も、自決もなかった。あまりの寛大さに驚くのはまだ早い。福留中将は、第二航空艦隊司令長官に栄転した。これほどまでのベラボーむちゃくちゃが、なぜ行われたか。福留中将は、海軍のトップエリート(海軍大学校首席卒業)であったからである。トップエリートには特別な規範が適用される。
【出典】「日 本 の 敗 因」/小室直樹〔講談社α文庫‘02年〕
 

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