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「グリーン・ニューディール」計画は低炭素社会と「スマート・グリッド」の革新からという米国の深遠な戦略が読み取れる
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/102.html
投稿者 TORA 日時 2009 年 3 月 20 日 16:11:26: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu188.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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米国のオバマ政権は「グリーン・ニューディール」計画は低炭素社会と
「スマート・グリッド」の革新からという米国の深遠な戦略が読み取れる

2009年3月20日 金曜日

環境で不況を吹き飛ばせるか 〜動き出したグリーンニューディール〜
NHK特番 寺島実郎・飯田哲也氏


日米は石油・石炭・天然ガス依存から脱却できるのか?


◆米国が目指す『賢い電力網』というイノベーション(2009/3/3) 清水正巳
http://www.nikkei.co.jp/neteye5/shimizu/index.html

米国のオバマ政権は「グリーン・ニューディール」と呼ばれる景気対策を打ち出し、地球温暖化防止に絡んだ投資により雇用を創出する考えを明確にした。計画にはプラグイン・ハイブリッド車の普及のほか、太陽電池、風力発電など新エネルギー利用拡大など、温暖化対策の定番の項目が並んでいるが、一風変わっているのが電力網のイノベーションである。この計画には低炭素社会づくりは電力網の革新からという米国の深遠な戦略が読み取れる。
スーパーボウル中継でGEが流したCM

 米国で最も注目を集めるテレビのスポーツ中継は「スーパーボウル」、アメリカンフットボールのプロチームの優勝決定戦である。視聴率が高いからCM効果も高く、アップルコンピュータが1984年に「マッキントッシュ」のCMを流して一躍有名になってからはCM枠獲得競争が激しくなっているとされる。視聴率が歴代3位といわれる今年の中継で、流されたCMは送電線に乗った案山子が登場する物語。米ゼネラル・エレクトリック社の「スマート・グリッド」という耳慣れないハイテクの紹介(同社ホームページ参照)だった。

 この「スマート・グリッド」こそ、オバマ政権が進めようとしている電力網のイノベーションだ。GEはオバマ政権発足後に打ち出した「グリーン・ニューディール」政策に呼応して、同社の「スマート・グリッド」の技術、製品のPRキャンペーンに乗り出したと言ってよい。

 スマート・グリッドは一言で言えば、「賢い電力網」である。電力網をIT(情報技術)と融合し、電力の供給・利用の効率を格段に高める。インターネットの世界では通信網が蜘蛛の巣状になっていて、そこを効率よく情報が行き来する。電力網をそれと同じ姿にするのがスマート・グリッドである。

 これからは家庭など需要家に太陽電池が普及し、風力発電や燃料電池など分散型電源もあちこちに配置され、電力系統につながってくる。そうなれば電力の流れは電力会社の発電所から需要家への一方通行ではなくて双方向、あるいは需要家同士にもなってくる。電力系統は時々刻々、それぞれの発電状況の変化に対応する必要があり、全体の効率的な運用をこの技術で実現する。電力網自体に電力の最適な集配電をする機能を持たせるという発想である。

 スマート・グリッドの要となるのは家庭など電力需要家に取り付ける「スマート・メーター」と呼ばれる装置だ。電力消費量を積算する現在の電力計とは違い、電力網監視の端末と情報を常にやりとりする。電力会社が電力需給を見て電力の売買価格を変え、需要家に情報を送ることもでき、需要家も一定の条件になれば買電をやめて売電するように自動設定したりもできる。

 温暖化防止の流れもあって自動車はプラグイン・ハイブリッド車や電気自動車も増え、これも電力系につながってくる。こうした自動車は場合によって蓄電池代わりにもなる。電力価格が高い昼間には自動車の蓄電池の電力を家庭で使い、価格の安い夜間などに充電するといった利用方法も考えられるだろう。スマート・メーターはその制御にも使われる。

 オバマ政権はグリーン・ニューディール政策のなかで、1000億ドル規模のクリーン・エネルギー融資のほか、スマート・グリッドの導入で約5000キロメートルの送電網の新設、ないし更新をするとしている。さらに4000万戸にスマート・メーターを設置する考えも示している。議会も先に可決した景気対策法案でスマート・グリッドに110億ドルの予算を認めており、電力網の技術革新は急ピッチで進む可能性が大きい。

日本は電力業界が導入に抵抗か?

 スマート・グリッドの大規模な実験はすでにコロラド州のボールダーなどで行われており、技術開発はかなり進んでいる。欧州でも開発が進められ、一部地域では家庭にスマート・メーターをつないで実験が行われている。欧米が着々と実用化への道を歩んでいるのに対し、日本は電力中央研究所が機器などの研究をしているものの、大規模実験には至っていない。

 日本の場合、電力供給は電力会社がすべからく監視し、制御するとの考えが支配的で、発想の転換を妨げている。電力会社は太陽電池や風力発電など不安定な電源を嫌う傾向があり、これを極力、電力系統につなげたくないという力学も働いている。

 経済産業省は家庭が太陽電池で発電し余剰となった電力を電力会社に通常より2倍の科価格で買い上げさせる方針をようやく決めたようだが、電力業界にはまだ家庭からの買電に腰の引けた姿勢が見え隠れする。電力売買問題が絡むと電力市場の自由化の議論が蒸し返されるのではないかと恐れているからで、既存の権益にかかわるとみると遠ざける体質は変わらない。ただ、日本が出遅れればイノベーションに乗り遅れ、電力分野で技術的に大きな差をつけられる可能性がある。

 温暖化防止につながる低炭素社会では経済も社会もシステムの変革を迫られる。景気刺激も考えているとはいえ、それを先取りしてイノベーションに力を入れる米国に対して、既存の権益を守ることを優先してイノベーションを避けるのであれば、技術立国も環境立国も危うい。

 麻生政権は遅ればせながら日本版のグリーン・ニューディール政策を検討している。そこに電力網のイノベーションも入るのかどうか。太陽電池も補助金を出しているうちは普及が進むだろうが、電力売買の仕組みを抜本的に変えないと補助金を止めた途端にインセンティブが働かなくなる。プラグイン・ハイブリッド車や電気自動車が電力系統につながる時代が迫っていることも考え、電力網のイノベーションに早々に取りかかる必要がある。(終わり)

太陽光パネルや風車発電機でスマートグリッドシステムを構築する


各家庭にはスマートメーターが取り付けられて電力をコントロールする


(私のコメント)
昨日のNHKの特番では「動き出したグリーンニューディール」を放送していましたが、アメリカもいよいよグリーンニューディールが動き始めました。それはただ単に太陽電池発電や風力発電のみならず、スマートグリッド構想によってシステム化された給配電システムだ。電力をインターネットのように網の目のように電力を融通しあうシステムである。

日本では電力会社が発電所で発電して一方的に配電するシステムですが、これだと発電所に異変があった時に家庭は電力供給がストップして真っ暗になってしまう。スマートグリッド構想では各家庭が太陽電池パネルや風力で発電して、夜間は電気自動車などのバッテリーも利用する。つまりグリーンニューディールには電気自動車まで構想に含まれている。

これでヨーロッパもアメリカもグリーンニューディール政策に踏み切ったわけですが、日本ではこのような総合的な政策は打ち出せてはいない。太陽電池パネルや電気自動車の開発などでは世界の最先端を行っているにもかかわらず、国家的な総合戦略としての発想が無い。中央官庁は経済産業省や国土交通省や環境省などでバラバラであり、縦割り行政の弊害で総合戦略が立てられない。

「株式日記」では公共事業として科学技術開発を主張してきましたが、日本では公共事業というと橋や道路や箱物しか発想が無い。だから経済政策としての公共事業を主張することは悪であり無駄使いの代名詞にされてきた。日本は90年代からのバブル崩壊で日本版ニューディール政策が求められてきたのですが、財務省が財政の再建を最優先して公共事業は毎年削られてきた。

日本でも太陽電池パネルなどには政府からの助成政策などあったのですが、小泉竹中内閣は2005年に太陽電池パネルへの設置助成などを打ち切ってしまった。今年になってようやく助成は復活しましたが、日本の政治がいかに総合経済戦略などの構想力が無いかを示している。

日本はエネルギーのほとんどを海外に頼っており、石油ショックが来るたびに脱石油が叫ばれるのですが、危機が去ると忘れてしまう。ヨーロッパでは早くから脱炭素社会を打ち出してドイツを中心に太陽光発電や風力発電の普及に努力してきた。そしてアメリカでもグリーンニューディール政策が始まった。そして日本では福田内閣まで財政再建が最優先政策であり景気対策としての公共事業は削られてきた。

公共事業を推進を主張する経済学者やエコノミストも具体的な公共事業は打ち出せなかったのも事実なのですが、不況が続くような時は政府が財政を出動させれなければ経済は縮小してしまう。テレビなどでも公共事業というと道路や橋などに短絡してしまって、高速道路はいるのいらなのと言った議論に収束してしまう。日本人は頭が硬直しやすくて全く新しい発想という事が出来ない。

日本では家屋の屋根に太陽光発電パネルを見かけるのは極めて希だし、風力発電の風車を見かけることも極めて希だ。日本の地方行政も中央の政策ばかり見つめて、独自のエネルギー自給政策思いつかないのだろうか? 太陽光発電所にしても風力発電所にしても小さなコストから始められるし、電力を安く供給できれば産業誘致にもなるはずだ。

NHKの特番でも四国の村で10年前に風力発電所を作って、電力を売って村の財政を助けようというプランを実行しようとした村長が出ていた。しかし四国電力までの送電線の建設や電力価格がネックとなって計画は実現しなかった。日本の電力会社も買電には積極的ではなく、とてもアメリカで行われるようなスマートグリッド構想などの計画には反対だろう。電力の自由化に反対しているからですが、これらは政治が動かなければ実現しない。

アメリカは石油や石炭や天然ガスが豊富であり自給ができる国だ。だから電気も日本に比べると大変安い。それにもかかわらずオバマ大統領はグリーンニューディール政策で低炭素社会を目指している。30年から50年先まで考えれば石油は足りなくなり、いまから脱石油社会を構想しなければ間に合わなくなる。しかし中央官庁の官僚も政治家も今日の事しか考えない。

マスコミも公共事業というと「熊が出るような所に高速道路を作れと言うのか」と言った感情的な反発を煽るのみで、全く新しい発想の公共事業に対しても一緒くたにしてカットし続けた。メガフロートも東京湾に浮かべられて実験されましたが中国に鉄くずとして売られてしまって、なぜ広い海上に太陽光発電所を作ると言った発想が無いのだろうか? ヨーロッパではサハラ砂漠が太陽熱発電の用地として注目されている。

このような事は国家プロジェクトとしてでなければ出来ないことなのですが、財務省の役人は財政再建しか興味が無いようだ。麻生内閣になってようやく景気対策としての取り組みに前向きになりましたが、中国では54兆円の公共事業を始めるし、アメリカでは80兆円の公共事業を始める。つまり日本の財務省の財政再建政策は間違っていたのであり、景気を回復させて税収を増やす事で財政再建を図るのが正しい政策だ。


 

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