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原田武夫 「もう次の”商売”を企む欧州の金融ファンド」 日刊ゲンダイ2009・1・27(火) (国際政治ナナメ読み)
http://www.asyura2.com/09/hasan61/msg/441.html
投稿者 新世紀人 日時 2009 年 2 月 07 日 16:27:17: uj2zhYZWUUp16
 

 [もう次の”商売”を企む欧州の金融ファンド]

 このところ、やれ「米帝国が崩壊する」だの、「世界大戦争が起きる」といった本が売れているようだ。ブッシュ政権によって追いやられていた日本人の鬱屈した感情が一気に吐き出されているようにも見える。出版会はただでさえ不況なので、こうした売れ筋が見えてくるとすぐに飛びつく。
 私自身は過日「大転換の時代」(ブックマン社)なる新刊を上梓した。しかし、この本題に示されているとおり、米国を中心としたこれまでの世界システムは大転換を余儀なくされているが、金融資本主義そのものが終わることはないというのが私の考えだ。いや、もっと言えば、米国が疲弊したふりをしているのも、「計画倒産」なのであって、けっして騙されてはならない。
 その「証拠」となる現実を、私は先日、英国で目撃した。名門として知られるロンドン大学経済学部(LSE)主催の会議においてである(1月19・20日)。「オルタナティブ投資会議」と題されたこの会議では、ファンドや投資銀行といった”越境する投資主体”のツワモノたちが続々と登壇しては、若き学生たちに対して、金融資本主義の今とこれからについて語っていた。その姿を見てピンときた。
 会議の席上、たとえば「米国から始まった金融メルトダウンのおかげでマーケットにもはや未来はない」といった表現は一切聞かれなかった。なぜなら、マーケットが崩落すれば不良債権が大量に生じ、今度はそれを買い漁っては企業再生ビジネスを展開する部隊が現にいるからだ。もっともこのように言うと、「現在生じている景気の低迷ではなく、金融メルトダウン。つまり誰も貸し手がいない以上、買い漁ろうにもカネを用立てられないのではないか」との声が聞こえてきそうだ。
 だが、読みが甘い。どうやら既に十分な用立てはなされているようなのだ。席上聞いた”越境する投資主体”たちが吐く言葉の端々には自信と戦略が感じられた。言外に「焦っているのは仕掛け全体を知らない者だけだ。我々は違う。最初からこれからどうなるかを知って行動しているのだから」といったニュアンスすらあった。事実、狙いを既につけている具体的なセクターにまで彼らは言及していた。
 そう、金融メルトダウンは、あらかじめそうなることを知っていた彼らにとって大きなビジネスチャンスなのだ。やれ、「世界が終わる」「米国が崩壊する」といった日本の売れ筋議論に惑わされていると、欧州で脈々と流れる金融資本主義の本流を見失ってしまう。次のゲームは確実に始まっているのである。

[新世紀人コメント]

ロンドンとは英国である。さて英国はイラン・パキスタン・インドに歴史的に深い影響力を持ってきているがパレスチナ(イスラエル)にも影響力を持ってきている事に注目しなければならないだろう。現在の表面的な影響力については米国が表立ってはいる。しかし、表立ってはいなくても深く影響力を行使していると考えられる。これはチャイナに対しても同様だろう。
これに注目すれば、英国は「政治状況」を中東からアジアに至る地域で造り出す条件を所有していると言えるだろう。
それに加えて米国に対しても深部で持っていると推測する事も出来る筈だ。
さてしかし、”疲弊したふり”の「計画倒産」も数ある選択肢から最も有利なものを選び出した結果ではなく、「それ以外に選択肢は有り得ない」条件の下で採用されたものである事を認識しなければならない。歴史経済的認識の視点が必要だ。
それがないと今後の各地での歴史的展開を読み取る事が出来ないだろう。
ちなみに、一例を挙げておくと、
現在の「ロシアの復活」の要件としてに欠くことのできない歴史的事件があった。
それはツァー家族の革命勢力による惨殺である。
ツァー一家が惨殺される事無く、亡命していたならば、現在のロシア復活は有り得なかった。
それに対し、ドイツ帝国においては第一次大戦の敗戦時にカイゼルは国外に亡命した。
この事が、封建諸侯の小国の集合体として成立していたドイツの再復活を難しいものにしてしまい、ヒトラーのナチスに国家統一を託す事になり指導力の弱いヒトラーの暴走を抑えることが出来ず、ナチスによるドイツは破滅を招く事になった。
カイゼルの逃亡・亡命はドイツ人の精神的統合の中心を失わしめた結果である。
ところが、ロシアにおいてはツァーの名誉回復を行えばそれだけで精神的統合は不完全とはいえ再び芽生えて復活するのである。
残念ながらドイツでは逃亡・亡命したカイゼルに対してドイツ人は統合の中心的地位を求めないだろう。

さて、ロシアやドイツの事例から米国の現状と将来を考えてみよう。
米国はロシアやドイツとは明らかに異なる。民族混在のマダラ模様の国家である。各種民族地域の集合体であるチャイナとも異なる。
この米国と言う地域が経済力が低下すれば、必然的に広域的統合力は弱まり、地方ごとに纏まりやすく治めやすい範囲での結束が高まり自治力も高まってゆく。
そこにおいては広域支配のために必要な程の大きな政治権力は必要ではない。
この様な有様で安定が確保されたならば地域への投資や支援も行われる事になるだろう。安全に利益を確保する事が出来るからだ。
この様な事はチャイナについても言える。チャイナにおいても地域の自治力の高まりとそれによる地域の安定が投資や支援を呼び込んで経済と生活の発展と安定を招く事になるのである。
米国においてはロシアやドイツとは異なり民族の代表が統合の中心力とは成り得ない。
ではどのような人物や勢力が統合の中心力となるかといえば、中南米のように地域により様々と言う事になろう。
大衆指導力に長けた政治家が中心力になる地域もあるであろうし、かつての力を失いながら残党となって残った金融資本的財閥の勢力が統合力を握る地域も存在し得ると考えられる。
つまり、現在の米国の地域は現在の中南米地域に似て行き、現在の各州間の夫々の違いを更に拡大した違いを持った地域に分裂してゆくと考えられる。
今後の世界では金融力だけで影響力を振るう事は序々に出来なくなってゆく。
文明的創造力を持たない国は他国に対して影響力を行使できなくなってゆくだろう。


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