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【歴史の交差点】東京大学教授・山内昌之 日本政治の創造的破壊
http://www.asyura2.com/09/hasan63/msg/220.html
投稿者 gikou89 日時 2009 年 6 月 09 日 02:40:07: xbuVR8gI6Txyk
 

(回答先: 米投資家ソロス氏が中国経済に“賛辞”「国際的な影響力増大」 投稿者 gikou89 日時 2009 年 6 月 09 日 02:38:50)

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090608/stt0906080235002-n1.htm

オーストリア出身の経済学者シュンペーターは、「創造的破壊」という考えで知られている。それは経済活動の新陳代謝を意味しており、成功した資本主義は巨大企業を生み出しながら官僚的になると、大胆さと活力を失い社会主義へ移行するので、効率的で新しいものに駆逐されるというものだ。

 今回のゼネラル・モーターズ(GM)の経営破綻(はたん)と米政府による国有化は、古い産業や制度が自然に淘汰(とうた)される「創造的破壊」といってよい。マンモスが斃死(へいし)した最大の原因は、バランスを欠いた従業員利益を求める全米自動車労組(UAW)の既得権へのこだわりを経営者が抑えられなかった点にある。労働協約が足かせとなって、賃金や医療費を押しあげながら資本収益を圧迫するのは本末転倒であろう。

 しかも、UAWの伝統に長年なじんだ大型車の生産にこだわるあまり、誰もが燃費節約や環境維持を目指す新時代のモデル開発に冷淡だったことは、「創造的破壊」のスパイラルにはまる原因になった。企業の将来を左右する小型車やハイブリッド車の開発に消極的だった感性は国有化でもたやすく変わるとは思えない。

 この点で、オバマ大統領の決断には疑問符がつけられる。国有化に頼ってGMの抜本的リストラを先送りしたことは、“チェンジ”を呼号しながら、消費者や市場による資本主義の合理化を妨げる社会主義的な手法といわれても仕方ない。クライスラーやGMのように政府の手厚い保護に入った“官業”は、保護貿易主義の機運とマッチした政策を受けいれながら、フォードのように自力で再建を目指す“民業”やトヨタなどの外国企業を圧迫するのではないかという危惧(きぐ)である。

 オバマ氏も結局は大統領選挙の支持基盤だったUAWの圧力をかわせなかったのではという疑惑は、リベラルな民主主義政治の信頼にもかかわることになる。有力政治家や族議員による利益誘導は、日本の保守党政治だけに限られるものではないのだ。

 トヨタの次期社長、豊田章男氏は、トヨタも明日はGMになる危険があると自戒をこめて語ったらしい。その解決策はGMが乗り損ねた各地の消費者ニーズの多様化や市場の多極化などを正確に測定するグローバル戦略の見直しにあるようだ。広大なグローバル市場に的確な目配りをしようとすれば、地域や専門をきめ細かく注視する権限の分割や再配分が避けられないというのだ。

 巨大会社がマンモス化して倒産したくなければ、最高経営責任者がすべてを取り仕切るスタイルを修正する必要もある。要は優秀な同僚や勤勉な部下をもっと信頼するということにつきる。

 同じことは、日本の厚生労働省の分割問題で浮上したスーパー大臣の超多忙ぶりについてもいえる。厚労省の2分割や新省庁再編がすぐに無理なら、副大臣や政務官に権限とスポークスマン機能をもっと委ねればよい。一人で何もかも処理するのは、どれほど異能の大臣でも荷が重い。

 政治の世界もGMの破綻やトヨタの危機意識によって緊張感を高め、時には進んで省庁分割や再編といった「創造的破壊」を試みることも必要ではないか
 

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