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メドベージェフ大統領の"明るい兆し"は本物か?
http://www.asyura2.com/09/hasan63/msg/469.html
投稿者 gikou89 日時 2009 年 7 月 09 日 14:53:04: xbuVR8gI6Txyk
 

(回答先: 投資銀・野村の未来は? 投稿者 gikou89 日時 2009 年 7 月 09 日 14:51:28)

http://jp.ibtimes.com/article/biznews/090709/37248.html

メドベージェフ大統領は、ロシア経済には、明るい兆しが見えていると考えている。失業率の増加傾向にも、資本の流出にも、歯止めがかかっており、銀行システムは機能している。また、インフレ率も下がってきている。
 
 メドベージェフ大統領は、もちろん、実体経済においては、深刻な問題が山積しているとしつつも、ロシアのみならず、欧州やアメリカも、そうした苦境にあるとの認識に立っている。同大統領は、「現在、我々は、企業に対する刺激策を講じ、追加的な資金供与を実施しようとしている。仮に、それが不可能であったとしても、そうした企業を土台とした新たな産業の創設に努力したいと考えている。」と言及した。
 
 メドベージェフ大統領の楽観的な見方とは裏腹に、先日、経済発展省では、5月時点ではマイナス6-8%と予測していた2009年GDP予測を再び修正し、マイナス8.5%に引き下げた。ロシア産業企業家同盟のMurychev副会長は、状況の深刻化を指摘している。同氏によると、現在、ロシアは、2つの点で、非常にネガティブな方向に動いている。消費需要の落ち込みと増加する企業の未払い問題がそれである。従って、Murychev副会長は、金融危機の底打ちは、まだ先であると考えている。
 
 Trast銀行のアナリスト連も、厳しい評価を出している。同行アナリストのPikulev氏は、「今後2-3週間は、企業が第2四半期の決算報告を行う時期である。我々としては、この数ヶ月間で形成されてきた楽観的な見通しに合致するような好調な決算内容を各企業に期待することは難しいのではないかと考えている。」と述べる。
 
 メドベージェフ大統領は、この他、ポジティブな要素として、インフレ率の低下と失業者の減少を挙げているが、これも、そう簡単な問題ではない。ロシア産業企業家同盟のMurychev副会長は、こうした傾向について、季節要因が絡んでいると指摘する。ロシア国家統計局のデータによると、6月期のインフレ率は0.6%であった。これは、5月と変わりない水準である。年初来のインフレ率は7.4%に達しており、前年同期比では11.9%となっている。従って、インフレ率は、まだ高い水準にある。インフレ率(年率)が0.5%以下の欧州と比較すると尚更である。つまり、資金調達は、依然、難しい状況にある。
 
 失業率も、似たような状況である。春から夏にかけては、休暇シーズンであり、季節柄、交代勤務があるため、失業率は、低下するのが常である(2009年5月の失業率は、同年2月の値から、8.4%低下)。しかし、連邦労働・雇用庁、並びに、世界銀行の報告書によると、秋には、失業者が増加することが予測されている。労働・雇用庁のゲルツィイ長官によると、これまで、良好とされてきたエネルギーの生産・流通セクターの動向も厳しく、今夏には、250万人相当の新卒者が生まれる。公式予測によると、今秋、失業者は650万人から900万人、若しくは、1000-1200万人にまで増加する可能性がある。
 
 アメリカでは、国内消費需要の落ち込みに歯止めがかかったばかりか、5月には、0.8%の伸びも記録しているが、今後数ヶ月間は失業率の上昇傾向が続くことが予測されている。事前予測によると、アメリカの失業率は、10%台を上回る見通しである。
 
 資本の流出については、アナリストの中でも意見が分かれている。ロシア中央銀行のデータによると、第1四半期における純資本流出は318億ドルであり、第2四半期には、それが249億ドルに減少した。これは、ロシアへの資本流入が回復してきたことを物語っている。一方、多くのエコノミストは、ロシアの対外債務が増加していることを指摘している。第2四半期、対外債務は、243億ドル増の4751億ドルとなった。Trast銀行のPikulev氏は、ルーブル切り下げの影響と債務の再構成が影響した可能性を指摘している。しかし、ロシア企業の対外借入による資金調達が活発化した可能性も否定できない。
 
 投資会社Kapital Investment GroupのアナリストであるNaumov氏は、 2008年末から2009年第1四半期における大量償却直後、多数の企業がすぐに借り入れを行った点について、驚きを隠していない。同氏は、「特定の企業は、オフショア市場から資金調達を行っている。国内市場で資金調達が可能なのは、ガスプロムやアルロサ等に限られている。」と述べる。Trast銀行のPikulev氏は、今回の金融危機の教訓の1つに、対外債務の依存という問題があったが、そうした教訓は生かされていないようだと指摘する。
 
 アナリストは、資本流出が小康状態となっている理由として、原油価格の上昇を挙げている。原油価格は、このところ、2007年初頭の水準にまで戻した。ロシア経済にとって、原油は、唯一の強みである。Pikulev氏は、「現在のところ、ロシアには、国内貯蓄システムや金融仲介機能(市場・銀行)の整備が不十分である。このため、投資の多くは、国外資金によって調達されている。ロシア経済は、国内資金元をつくり、それに基づいた投資をしない限り、危機や通貨切り下げを迎える度に、打撃を受けるだろう。」と述べる。
 
 メドベージェフ大統領が総じて納得している金融危機対策について、Kapital Investment GroupのNaumov氏は、まだ実施されていないものもあるため、その効率性について、論じるには時期尚早だとしている。同氏は、「恐らく、政府は、原油価格の下落によって、慢性的な資金不足になることを懸念しているのだろう。」と述べる。アメリカのオバマ大統領による金融危機対策がどれほど有効に作用しているかを判断することも、今の段階では難しいが、少なくとも、アメリカでは、積極的に対策が取られている。
 
 現在のところ、ロシア経済における上記のポジティブな傾向をポジティブと捉えているのは、大統領だけなのかもしれない。メドベージェフ大統領は、イタリアのマスコミのインタビューで、「私は金融のアナリストではないが、大統領として、何らかの見解を示す必要がある。」と述べた。その結果がこうであったというわけである  

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